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更新日:2024年10月29日

ダイエットに効果的な生理中の過ごし方を解説!体重が増える理由も紹介

この記事のまとめ
  • 生理中のダイエットは減量よりも現状維持をメインとするのがおすすめ
  • 女性ホルモンのプロゲステロンにより、むくみや食欲増進、便秘などが引き起こされる
  • 痩せやすい時期はエストロゲンが分泌される「生理後~排卵前」の時期
  • 生理中でも適度な運動やバランスのとれた食事をすることで体重増加を防げる
  • 生理の不快な症状を和らげるためには低用量ピルを使うことも選択肢の1つ

ダイエット中にもかかわらず、生理中はつい食べ過ぎてしまう、なぜか体重が増えてしまうという方もいるのではないでしょうか。これは生理中に分泌される女性ホルモンが大きく影響しています。

本記事ではダイエットをしている方に向けて、生理中にダイエットがうまくいかない理由や効果的な過ごし方について解説します。2つの女性ホルモンとダイエットの関係について理解し、無理なくダイエットを継続しましょう。

生理中のダイエットは意味がない?

生理中は無性に甘いものが食べたくなるほか、イライラや不快な症状によってダイエットを順調に進めにくいものです。生理のたびにダイエットのペースが崩れると、継続しても意味がないと思ってしまうかもしれません。その原因の1つが、生理前から生理の間に分泌される女性ホルモンの一種である「プロゲステロン(黄体ホルモン)」です。このプロゲステロンの影響で、生理中はダイエットの効果が出にくくなります。

しかし、生理中のダイエットには意味がないという訳ではありません。通常に比べて体重を減らすことは難しいものの、体重が過度に増えないようにキープすることは可能です。生理中は痩せにくい時期であると割り切って、無理な食事制限や運動をするのではなく、体重が増えないように過ごしましょう。

生理前や生理中にダイエット効果が出づらい理由

生理前から生理中にかけて分泌されるプロゲステロンによって、身体は水分や脂肪を蓄えようとします。その結果、ダイエットとは逆の効果を生み、かえって体重が増えてしまうことも少なくありません。以下では、生理前や生理中にダイエットが出にくい理由として、身体の主な変化を例に挙げて紹介します。

むくみ

プロゲステロンの分泌によって、むくみが引き起こされます。妊娠に備えて子宮内膜を増殖させるプロゲステロンは、水分を身体に蓄えようとする働きも持っているためです。通常に比べて水分が排出されにくい状態であるため、体重も減りにくくなっています。むくみをそのままにしてしまうと、血流が悪くなったり代謝が落ちたりと、ダイエットに逆効果をもたらします。

食欲増進

プロゲステロンは水分のほか、栄養素も身体に蓄えようとします。加えて、より多くの栄養を摂るために、食欲を増進させる働きも持っています。生理中に食欲が出て食べ過ぎた経験を持つ方もいるのではないでしょうか。食欲のままに食べてしまうと、体重は増えてしまいます。

生理前や生理中に、無性に甘いものが食べたくなる方もいるかもしれません。生理前に血糖値をコントロールするインスリンの作用が弱まり、血糖値が上がるためと考えられています。血糖値が上がるとインスリンが多く分泌されて血糖値が下がると、今度は眠くなる、甘いものが欲しくなるといった低血糖の症状を引き起こします。こうした一連の症状がイライラを引き起こし、つい食べ過ぎてしまうことがあるでしょう。

便秘

生理前には便秘にもなりやすいものです。プロゲステロンの働きによって身体に水分をため込まれ、便に含まれる水分が減少することが理由の1つと考えられます。加えて、プロゲステロンが排便を促す腸の働きを鈍らせることも、生理時期における便秘の原因の1つです。便が体内にとどまると、体重も落ちにくくなります。

生理周期から見る「痩せやすい時期」「痩せにくい時期」

生理には周期があり、時期によって分泌される女性ホルモンが異なります。この影響から、痩せにくい時期のほかに痩せやすい時期があることも事実です。以下では、生理周期を28日として3つの時期に分けて考え、それぞれがダイエットに適している時期かどうかを見ていきましょう。なお、生理周期には個人差があるため、あくまで参考例の1つとして考えてみてください。

生理中(生理から7日間)

生理が始まってから終わるまでの時期は、前述したようにプロゲステロンの影響が大きいため痩せにくい時期です。貧血や月経痛によって体調不良になりやすく、メンタル面も不安定になりがちです。そのため、無理にダイエットするのではなく体をいたわり、ゆったりと過ごすよう心がけるとよいでしょう。

生理後~排卵前

生理終了後から排卵が行われるまでの約7日間は、もう1つの女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が多く分泌されるようになります。むくみが解消されて代謝が上がるため、ダイエットに適した時期といえるでしょう。体調や気持ちも安定しているため、負荷のかかる筋トレや運動をしたり食事を見直したりと、前向きにダイエットに取り組むのに適しています。

排卵後~生理前

排卵から次の生理が始まるまでの約14日間は、再びプロゲステロンが多く分泌されるようになります。妊娠に向けて身体が水分や栄養分を蓄えようとするため、ダイエットはペースダウンしましょう。PMS(月経前症候群)による精神的・身体的な症状が出やすい時期でもあるため、無理は禁物です。エストロゲンが減少すると食欲が増したりむくみやすくなったりするため、減量よりも現状維持をメインに行いましょう。

ダイエットに効果的な生理中の過ごし方

生理中は痩せにくいとはいえ、ダイエットに効果的な過ごし方はあります。食欲に任せて食べることは避けつつ、適度な運動やトレーニングを採り入れることで、生理中に太ってしまうことを避けられるでしょう。以下では、ダイエット中の方におすすめの生理中の過ごし方を紹介します。

無理のない範囲で筋トレや運動をする

生理中でも、運動を避けた方がよいという訳ではありません。できる範囲で筋トレやウォーキングなどの軽い運動を継続すると、体重を増やさずにキープしやすくなります。適度な運動は基礎代謝の向上やリフレッシュにも効果的です。体調を見ながら無理なく取り入れましょう。

身体を冷やさないように心がける

生理中は身体を冷やさないように注意しましょう。生理痛などの不快な症状は、生理に伴って基礎体温が下がることで起こるといわれています。温かい食事や飲み物、身体を温める食材を摂ることで、こうした不快な症状の軽減が期待できます。生理中の期間を快適に過ごせれば、運動や筋トレにも継続して取り組みやすくなるでしょう。

好きな香りの入浴剤を湯船に入れて、ゆっくり浸かってリラックスすることもおすすめです。立ち眩みやめまいなどがない状態で、清潔な湯船であればお湯に浸かることに問題はありません。

ストレッチやヨガで筋肉をほぐす

生理中には、ストレッチやヨガをして過ごすこともおすすめです。筋肉をほぐして全身の血流を促進することで、むくみの軽減やリフレッシュにつながります。とくに股関節や腰回りの筋肉をほぐすと、子宮やリンパの血流を促進できるため生理痛の軽減が期待できます。

ただし、ヨガにはハードなポーズもあるため、あくまでも無理のない範囲で行うことが大切です。締め付けの少ないゆったりとした服装で行い、つらいと感じたら休憩を取りましょう。

栄養バランスのとれた食生活を意識する

生理中は食欲が増すことが一般的であるため、暴飲暴食をしないように注意が必要です。また、ダイエット中であっても、過度な食事制限は避けましょう。身体が求めるエネルギーを補えるよう、栄養バランスを考えた食事を摂ることが大切です。

生理中に意識して摂取したい栄養素には、鉄分やマグネシウム、ビタミン類などがあります。鉄分はレバーや赤身肉、ひじき、ホウレンソウ、プルーンなどに豊富です。マグネシウムはアーモンドやカシューナッツ、大豆製品や海藻類に多く含まれます。大豆製品には、女性ホルモンに似た働きを持つ大豆イソフラボンが含まれているため、摂取することでホルモンバランスが整いやすくなります。身体を温めるショウガやネギ、根菜類などもおすすめです。

一方で、冷たい食べ物やカフェインは体を冷やすため、控えるようにしましょう。脂っこいものやファストフード、スナック菓子なども、栄養のバランスや血流への影響から避けることをおすすめします。

低用量ピルでダイエット中の生理による不快症状を軽減

生理痛やメンタルのアップダウン、食欲増進などの症状は、生理のせいであるとわかってはいても不快に感じるものです。ダイエットへのモチベーション低下につながることもあるでしょう。こうした不快な症状を軽減するための方法に、低用量ピルを服用することがあります。以下で詳しく見ていきましょう。

低用量ピルとは?

低用量ピルとは、エストロゲンとプロゲステロンの2つの女性ホルモンを合わせて作られた錠剤です。2つのホルモンバランスを整えて排卵を抑えるもので、高い避妊効果やPMSの改善、メンタル・食欲の安定などの効果も期待できます。リスクは低いものの、血栓症や片頭痛などの副作用があり、服用の際は医師の処方が必要です。身体に合うかどうかには個人差があるため、異変があった場合は医師に相談しましょう。

低用量ピルを服用するメリット

低用量ピルには、飲み忘れなければ99%以上の避妊効果があるとされています。服用の日程を調整することで、旅行や大切な用件と重ならないよう生理の日を移動することも可能です。

ホルモンのバランスを安定させるため、PMS症状の軽減のほか、月経過多や月経不順、子宮内膜症などの緩和も期待できます。卵巣がんや子宮体がん、大腸がんなどのリスク軽減もメリットです。経血量も少なくなるため貧血を防止でき、生理そのもののストレスも軽くなるため快適に過ごせるようになるでしょう。ダイエットに対するモチベーションの維持も期待できます。

まとめ

女性がダイエットする場合に効果が出やすいのは、生理が終わってから排卵までの時期です。生理前から生理が終わるまでの時期は、体をいたわりながら体重をキープすることを意識しましょう。女性ホルモンの影響によって、痩せやすい時期と痩せにくい時期があることを知っておくと、ダイエットに対する心構えも変わってきます。時期によって過ごし方を調節しながら、無理なくダイエットを継続していきましょう。

レバクリでは、低用量ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。

診察は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました