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更新日:2024年10月29日

安全日・危険日はいつ?妊娠する確率や避妊方法について解説

この記事のまとめ
  • 安全日とは、危険日以外の妊娠確率が低い時期のこと
  • 危険日とは、妊娠確率が高い時期のこと
  • 安全日や危険日はあくまでも目安であり、確実に妊娠できる日、しない日ではない
  • 安全日や危険日を予測する方法として、基礎体温法やオギノ式、排卵検査法がある
  • 安全日や危険日に頼らない避妊方法には、コンドームやミレーナ、低用量ピルの使用がある

「安全日であれば妊娠しない」と聞いたことがある人はいらっしゃるのではないでしょうか。安全日は目安であり、必ずしも妊娠しない日というわけではありません。妊娠の仕組みや精子の寿命を知り、対策を講じることが大切です。

本記事では、安全日と危険日に関係する妊娠の仕組みや生理周期との関係性、安全日の妊娠確率が0%ではない理由とともに、安全日や危険日を予測する方法と避妊方法について解説します。妊娠の仕組みが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

「安全日」と「危険日」とは

「安全日」とは、危険日以外の妊娠確率が低い時期のことです。一方「危険日」は妊娠確率が高い時期を意味します。ただし、安全日や危険日はあくまでも目安であり、確実に妊娠できる日、しない日ではありません。

ここでは、安全日と危険日への理解を深めるため、妊娠に関する基礎知識と生理周期との関係性を解説します。

妊娠の基礎知識

妊娠は、女性の体内で卵子と精子が出会うことにより、子宮内膜に受精卵が着床して成り立ちます。具体的な妊娠の順番は以下のとおりです。

  1. 卵が育つ:卵巣の中に多数存在する卵を包む卵胞から、女性ホルモン「エストロゲン」が放出され、受精卵を迎える準備をする
  2. 排卵する:脳から黄体化ホルモン「LH」が分泌され、卵子が卵巣から飛び出す(妊娠が成立しなかった場合、子宮内膜が剥がれて月経が起こる)
  3. 卵管采(らんかんさい)が卵をキャッチ:排卵された卵子が卵管采から取り込まれ、卵管膨大部で精子を待つ
  4. 受精:腟内に射精された複数の精子が子宮→子宮内→卵管と進み、その中の1つの精子だけが卵子にもぐりこむ
  5. 着床:受精卵が細胞分裂を繰り返し、3~4日かけて子宮に運び込まれ、子宮内膜にもぐりこみ妊娠が成立する

排卵は月に一度訪れます。妊娠するためには、排卵のタイミングや精子と卵子の出会い方が重要です。排卵時に卵管内に精子がいたり、卵子が卵管内で生きているうちに精子が来たりすると、卵子と精子が出会いやすく、妊娠もしやすくなります。

一般的に、精子の寿命は女性の腟内に射精され卵管内に到達してから約72時間、卵子の寿命は排卵から約24時間です。そのため、排卵の可能性が高い日=妊娠の可能性が高い日=「危険日」、排卵の可能性が低い日=妊娠の可能性が低い日=「安全日」とされています。

生理周期と「安全日」「危険日」の関係性

生理周期が28日の場合、妊娠しやすい時期である「危険日」の目安は、生理直後から7~14日後です。具体的には、排卵日の約4日前~1日後です。特に、排卵日の2日前は妊娠しやすい日といわれています。

生理周期が28日であれば、排卵が起こるのは、生理開始後の2週間後です。排卵された卵子は24時間以内に受精しなければ生き残れないのに対し、精子は女性の生殖器内で3日ほど生き続けるため、排卵が始まる数日前から排卵直後までに性交渉を複数回すると、妊娠の確率は高まります。

反対に、排卵後の約2週間は妊娠しにくい時期といえます。ただし、危険日や安全日は医学的に示されたものではありません。生理周期には個人差があるため、避妊をせずに性行為を行った場合は妊娠する可能性があります。

安全日の妊娠確率が0%ではない理由

安全日と危険日という用語は知っているものの、知識が乏しい人の中には「安全日であれば妊娠しない」と、誤った情報を鵜呑みにしている人も存在します。しかし、前述したように、安全日や危険日は目安にすぎず、安全日であれば妊娠しないとはいいきれません。

ここでは、安全日の妊娠確率が0%ではない理由について解説します。

排卵日はずれる可能性がある

安全日の妊娠確率が0%ではない理由として、排卵日が確実に予測できるものではないことが挙げられます。生理周期が一定ではない場合、排卵日も一定ではなく、予測は困難です。

ただし、普段の生理周期が安定している人であれば、排卵日が予測できるとは限りません。女性ホルモンは、環境の変化やストレスの影響を受けやすい性質があります。そのため、体調やストレス状況によって、卵巣や子宮の状態が異なります。

卵巣や子宮の状態が異なれば、生理周期にも乱れが生じるでしょう。それにより、排卵日がずれる可能性があります。

精子の寿命は人により異なる

精子の寿命が人により異なることも、安全日の妊娠確率が0%ではない理由に挙げられます。前述したとおり、一般的な精子の寿命は約72時間です。しかし、あくまでも一般的な寿命であり、7日間生存するケースも存在します。

月経期直後に性交渉を行い、卵胞期7日目まで精子が生き残り、排卵日と重なった場合、妊娠する可能性がでてくるのです。精子の寿命が長い人がいる可能性を考えれば、安全日というものは存在しないことがわかるでしょう。

安全日や危険日を予測する4つの方法

あくまでも目安であり完全な避妊方法にはならないものの、安全日や危険日を知ることにより、避妊の確率は上がります。安全日や危険日を予測する方法として、以下の4つが挙げられます。

  • 基礎体温法
  • オギノ式
  • 排卵検査法
  • 生理管理アプリ

ここでは、それぞれの方法について解説します。

1.基礎体温法

基礎体温法とは、女性が自分で基礎体温を付け、体温変化から排卵日を予測する方法です。基礎体温は低温期と高温期の二相があり、一定のサイクルで繰り返されています。月経期と卵胞期は低温期で、月経が始まると体温が低下し、約2週間低温期が続きます。排卵期と黄体期は高温期です。

排卵を境に体温が上昇し、次の月経までの約2週間高温期が続きます。排卵期が近くなると基礎体温が急激に下がる時期があり、そのタイミングで排卵期に入ります。ただし、排卵日をピンポイントで計測できません。

基礎体温の計測には婦人体温計を使用します。外気の影響を避けるため、口の中で検温しましょう。ほかにも、以下のポイントを押さえる必要があります。

  • 目覚めた直後に起き上がらずに、婦人体温計の感温部を舌の裏側の付け根に当てる
  • 毎朝同じ時間に、同じポイントに当てる
  • 婦人体温計が動かないように手で押さえる
  • 舌で婦人体温計を押さえ、口を閉じる
  • 検温中は鼻呼吸する

普段から計測し傾向をつかむことにより、排卵が起こるタイミングがわかってきます。そのため、普段から基礎体温を測り、自分の周期を把握しておきましょう。

2.オギノ式

オギノ式とは、1924年に産婦人科医「荻野久作」氏が生理周期にもとづいて算出した排卵日の特定方法です。生理周期から14日を引いた日数が、生理開始から排卵が始まるまでの日数として、排卵日を割り出します。

例えば、生理周期が28日であれば、生理開始から14日後が排卵日と予想できます。生理周期が30日であれば、生理開始から16日後が排卵日です。

オギノ式は簡単に排卵日を予想できる方法であるものの、生理周期が不安定な人には適していません。また、前述したように、生理周期が安定している人でも、体調やストレスによって生理周期にずれが生じる可能性もあります。

そのため、あくまでも簡易的な予測方法であることを理解し、ほかの方法と併用することが大切です。

3.排卵検査法

排卵検査法は、市販の排卵検査薬を使用し、排卵日を予測する方法です。尿検査キットを使って、黄体形成ホルモン「LH」の濃度を測り、排卵直前に起こる現象「LHサージ」を確認することにより排卵日を予測します。

排卵日が近づいてくると、脳の下垂体からLHが大量に分泌されます。この現象がLHサージです。LHサージから24~36時間前後に排卵が起こると予測できます。排卵検査薬は、スティック状の検査薬に尿をかけ、数分で検査結果がでるものが一般的です。薬局やドラッグストアで購入できます。

ただし、排卵検査薬は第一類医薬品であり、あくまでも「妊娠するため」に排卵日を特定する用途で販売されています。危険日や安全日を知り、避妊するためのものではありません。正しい用途を理解したうえで使用しましょう。

参考:公益社団法人 日本産婦人科医会「4.排卵の予測

4.生理管理アプリ

生理管理アプリを使用して、生理周期から排卵日を予測する方法もあります。アプリに毎日の基礎体温を記録することにより、一般的な統計をもとに排卵期や月経期を予測し、妊娠の可能性が高い日を通知してくれるものや、危険日を計算できるカレンダーがついたものもあります。

スマートフォンで記録できるため、記録時に紙やペンを取り出したり、メモを持ち歩いたりする必要もありません。記録ツールとして、アプリを使用してみるのもひとつの方法です。

安全日や危険日に頼らない避妊方法

安全日や危険日に頼らない避妊方法も存在します。主な避妊方法として挙げられるのは、以下の3つです。

  • コンドーム
  • ミレーナ(子宮内避妊用具)
  • 低用量ピル

ここでは、それぞれの避妊方法について解説します。

コンドーム

コンドームは、男性器にかぶせるゴムやポリウレタンでできた薄いカバーです。カバーを男性器に装着し、性交渉を行います。物理的に精子が膣内に入るのを防げるため、正しく着用すれば避妊率は100%に近いといわれています。

ドラッグストアやコンビニ、通販で購入できるため、手軽で確実な避妊方法といえるでしょう。ただし、着脱のタイミングが間違っていたり、破損があったりすれば、避妊率は下がります。また、男性が主体となる避妊方法であるため、男性の協力が欠かせません。

ミレーナ(子宮内避妊用具)

ミレーナ(子宮内避妊用具)は、子宮内に設置する避妊用具です。合成黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを子宮内に直接放出することにより、受精を防ぎます。一度装着すれば約5年間は効果が持続でき、薬のような飲み忘れや血栓症のリスクもありません。生理痛や生理不順の改善効果も期待できます。

ただし、医療器具であるため、医師の診察を受けたうえで装着する必要があります。子宮に異常があれば、装着できません。正しく装着できていなければ避妊できないため、定期的な診察が必要です。

低用量ピル

低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が配合された錠剤です。脳下垂体に作用し、卵胞の発育と排卵を抑制します。子宮内膜を受精卵が着床しにくい状態にするほか、精子を進入しやすくする「子宮経管粘液」を変化させ、精子が進入しにくくなる作用もあります。

PMSや生理痛の症状緩和も期待できることもメリットです。正しく服用すれば、100%に近い避妊効果が得られるほか、女性が主体となる避妊方法であることもメリットといえるでしょう。

ただし、服用には、医師の処方が必要です。また、40歳以上の使用は血栓症のリスクが高まるため、推奨されていません。

まとめ

「安全日」とは、妊娠確率が高い「危険日」以外の妊娠確率が低い時期を指します。安全日や危険日はあくまでも目安であり、安全日であれば妊娠しないわけではないものの、安全日や危険日を知ることにより、避妊の確率は上がります。

安全日や危険日を予測する方法として挙げられるのは、以下の4つです。

  • 基礎体温法
  • オギノ式
  • 排卵検査法
  • 生理管理アプリ

また、安全日や危険日に頼らない避妊方法として、コンドームやミレーナ、低用量ピルの使用が挙げられます。避妊したいのであれば、安全日や危険日を把握したうえで、避妊対策を講じることが大切です。

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この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました