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更新日:2024年10月29日

ピルで情緒不安定が治らない原因は?イライラは副作用?対処法を解説

この記事のまとめ
  • ピルを飲んで情緒不安定が治るケース・治らないケースがある
  • ピルを飲んで情緒不安定が治るのは、PMSやPMDDなどの症状がある場合
  • ピルを飲んで情緒不安定が治らないのは、原因がホルモンバランスの乱れではない場合
  • 情緒不安定が治らないときは、医師に相談してピルの種類を変更するのも一つの手

ピルを飲んでいるのに、情緒不安定が治らないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。ピルを飲んだとしても、情緒不安定の原因や服用方法によっては情緒不安定が治らない場合があります。

本記事では、ピルを服用しても情緒不安定が治らない理由や対処法について解説します。つらい症状に悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。

ピルを飲んでも情緒不安定が治らないのはどうして?

ピルの服用により情緒不安定が治る場合もありますが、情緒不安定の原因によっては治らないケースもあります。

ここでは、ピルを飲んで情緒不安定が治るケース・治らないケースについてそれぞれ解説します。

ピルで情緒不安定が治るケース

ピルは女性ホルモンのバランスを整える作用があるため、情緒不安定の原因が生理前のホルモンバランスの乱れによる場合、ピルの服用により症状緩和が期待できます。

ホルモンバランスの乱れにより起こる症状には、PMSやPMDDがあります。ここでは、ピルが情緒不安定に効くケースを確認しましょう。

PMS(月経前症候群)

PMSは「premenstrual syndrome」の略で、月経前症候群とも呼ばれます。生理開始の3〜10日ほど前に始まる精神的あるいは身体的な不調で、生理開始とともに症状は軽減もしくは消失するのが特徴です。

PMSの原因は明らかになっていませんが、排卵から生理までの間に変動する女性ホルモンが関係しているとされています。

PMSの治療に使われる薬は主に低用量ピルで、保険適用になります。ピルを飲むことで生理前に起こるホルモンバランスの乱れが整い、PMSによる情緒不安定も症状緩和が期待できるでしょう。

PMDD(月経前不快気分障害)

PMDD(premenstrual dysphoric disorder)は月経前不快気分障害とも呼ばれ、PMSの症状のうち、とくに精神症状が強く出る状態を指します。著しく感情が不安定になり、強いイライラや怒り、落ち込みなどの症状が出ることが特徴です。

症状が出る時期はPMSと同様に生理開始の3〜10日ほど前で、原因も同じく女性ホルモンの乱れとされています。神経伝達物質のセロトニンが減少することも、PMDDの発症に影響していると考えられています。

PMDDの情緒不安定の症状も、PMSと同じくピルの服用によって改善が期待できるでしょう。

排卵日前後の情緒不安定

排卵によるホルモンバランスの変動により、情緒不安定になる場合もあります。生理直前ではないにもかかわらず、些細なことでもイライラするのが特徴です。

排卵は、生理開始日から約2週間後に起こります。排卵日には女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が大きく変動することから、脳内の神経伝達物質に影響を与えて情緒不安定の症状が出るといわれています。

ピルの服用によりホルモンバランスの急激な変化を抑えることで、情緒不安定の症状緩和が期待できるでしょう。

ホルモン関連のうつ症状

ホルモンバランスの変動は精神面に影響を及ぼし、うつ症状が出る場合もあります。女性は月経周期や更年期などでホルモンバランスが変動し、やる気の低下や不安感を引き起こすことがあるでしょう。

ピルの服用により女性ホルモンの変動を抑えられるため、ホルモン関連のうつ症状も改善が期待できます。

ピルで情緒不安定が治らないケース

ピルを服用しても情緒不安定が治らないケースもあります。情緒不安定が生理と関係ない場合や、ピルを正しく飲んでいない場合です。

ここでは、ピルを服用しても情緒不安定が治らないケースについて見ていきましょう。

情緒不安定の原因が生理ではない

情緒不安定の原因が生理ではない場合、ピルを飲んでも治らないと考えられます。この場合、情緒不安定を引き起こしているストレスなどを根本的に解消する必要があるでしょう。

ピルは、情緒不安定そのものを改善する薬ではありません。ピルの服用によりホルモンバランスを整えることで、ホルモンバランスの乱れが原因の情緒不安定を改善できます。

ピルを正しく飲んでいない

ホルモンバランスの乱れが原因の情緒不安定であっても、ピルの飲み方に問題がある場合は治らない可能性があります。用法・用量を守っていなかったり、医師の診察を受けずに通販(個人輸入)でピルを購入・服用していたりする場合です。

ピルは、医師の処方が必要な医療用医薬品です。診察を受けずに通販で購入したピルを飲んでしまうと、効果を感じられなかったり思わぬ健康被害を受けたりする恐れがあるでしょう。また、個人輸入代行サイトのピルは、安全性が確認されていない場合もあるため、必ず診察を受けて処方してもらいましょう。

ピルを飲んでも情緒不安定が治らないときの対処法

ピルを飲んでも情緒不安定が改善しない場合、医師に相談し、ピルの種類を変更してもらう方法があります。生活習慣を見直すことも、情緒不安定を治すために大切です。

ここでは、ピルを服用しても情緒不安定が治らないときの対処法を解説します。

医師に相談する

ピルを飲んでも情緒不安定が治らない場合、まずはピルの処方医に相談してみましょう。症状やピルの服用状況を詳しく伝えることで、適切な対処法を提案してもらえます。

ピルの種類を変更する

医師に相談し、ピルの種類を変更する方法もあります。ピルは種類によって女性ホルモンの含有量や主な効果、起こりやすい副作用が異なります。

ピルの種類を変更することで、悩んでいた情緒不安定の症状が緩和する可能性があるでしょう。

生活習慣を見直す

ピルを服用しても情緒不安定が治らない場合、生活習慣を見直すことも大切です。情緒不安定の主な原因が生理前のホルモンバランスの乱れであっても、生活習慣の乱れやストレスにより悪化している場合があります。バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動を心掛け、心身の健康を保ちましょう。

現在の生活習慣を振り返り、見直すべき部分があれば改善を心掛けてみてください。

ピルの副作用で情緒不安定になる場合もある?

情緒不安定は、ピルの副作用で引き起こされるケースもあります。ピルの服用により起こりうる副作用を確認し、症状が出た際に冷静に対応できるようにしましょう。

ここでは、ピルの副作用で起こりうる症状や対処法を解説します。

ピルの副作用で起こる症状

ピルには女性ホルモンが含まれているため、服用を開始するとホルモンバランスが変化します。そのため、服用を開始して間もないころは副作用が現れやすくなります。

副作用としてみられるのは、主に次のような症状です。

  • 悪心・嘔吐
  • めまい
  • 頭痛・偏頭痛
  • 不正出血
  • 気分の落ち込み

ピルの副作用は身体的症状が多いものの、情緒不安定の症状が現れることもあります。

ピルの副作用が出た場合の対処法

ピルの服用開始による副作用は、一時的であることが多いとされています。1〜3ヶ月ほど飲み続けるとホルモンバランスが整い、症状は徐々に軽減していくでしょう。

継続的に服用しても改善しない場合や症状がひどいときは、ピルが合っていない可能性があります。ほかに何らかの原因がある場合もあるため、早めに医師に相談するようにしてください。

なお、副作用が生じた場合でも、自己判断で服用を中止するのは避けましょう。ピルの服用をやめたいときは、医師に相談して中止するタイミングを決めることが大切です。

まとめ

ピルはホルモンバランスを整える働きがあり、生理前に情緒不安定になるPMSやPMDDの症状緩和が期待できます。

しかし、ピルを飲んでも情緒不安定が治らないケースもあります。情緒不安定の原因が生理と関係なかったり、ピルの飲み方が不適切であったりする場合です。また、副作用で情緒不安定の症状が出ている可能性もあります。

情緒不安定の症状が治らない場合は、状況に応じて病院で受診するようにしましょう。

「ピルを飲んでも情緒不安定が治らない」「今までと違うクリニックで診察を受けたい」という方は、レバクリで受診してみてはいかがでしょうか。

レバクリでは、生理痛や避妊など女性の悩みに関するオンライン診療を行っており、女性ホルモンの乱れによる情緒不安定についても気軽に相談できます。

場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひ気軽にご予約ください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました