更新日:2024年10月29日
生理中にセックスしても問題ない?性行為のリスクや妊娠の可能性を解説
- 生理中にセックスすると感染症や子宮内膜症にかかるリスクがある
- 生理中にセックスをすると生理痛が強くなる恐れもある
- 妊娠を望まないときは生理中のセックスであっても避妊する
- 生理中で経血量が多いときはセックスをしないほうがよい
- 生理中は性ホルモンの分泌が活発なため、セックスをしたい気持ちが強くなることがある
「生理中にセックスをしても問題ないのだろうか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。「生理中は妊娠しない」というのは間違いのため、妊娠を希望しないのであれば避妊する必要があります。
本記事では、生理中のセックスについて、想定されるリスクや避妊の必要性、注意したいことを紹介します。生理中の性行為について正しく理解するために、ぜひ参考にしてください。
生理中のセックスにはどんなリスクがある?
生理中のセックスには、さまざまなリスクがあります。主なリスクとしては、次の4つです。
- 感染症にかかる
- 子宮内膜症のリスクが上がる
- 生理痛が強くなる
- 望まない妊娠をする
それぞれのリスクについて解説します。
感染症にかかる
生理中は膣内が充血した状態になり、少しの刺激で膣の中に傷ができることがあります。もし傷ができて出血したとしても、経血と混ざって排出されるため、気付きにくいでしょう。
傷口からウイルスや雑菌が入り込み、感染症にかかるリスクがあります。たとえば、クラミジアやパピローマウイルス、淋病などです。
また、感染症の中には血液を介して伝染するものもあるため注意が必要です。経血が付着することで、パートナーも感染症にかかる可能性があります。
子宮内膜症のリスクが上がる
生理中にセックスをすると、排出されるはずの経血が逆流し、雑菌やウイルスを子宮内に運び込むリスクがあります。子宮内で雑菌・ウイルスが増殖すると、子宮内膜症のリスクが上がる可能性があるでしょう。
子宮内膜症とは、子宮以外の部分に内膜組織が生じる疾病です。炎症により痛みを感じたり、不妊の原因になったりすることもあるため、注意が必要です。
生理痛が強くなる
生理中は子宮内膜が剥がれ落ちているため、膣や子宮内部は普段以上に敏感になっています。そのタイミングで性行為をすると、痛みを感じることもあります。
また、生理痛の原因となることもあるため、不安なときはパートナーに話し、無理に性行為をしないようにしてください。
望まない妊娠をする
「生理中にセックスしても妊娠しない」というのは、間違いです。生理直後に排卵して受精したり、子宮内で精子が長く残り、排卵された卵子と出会って受精したりする可能性があります。
妊娠を希望しないときは、生理以外のときと同様、避妊することが大切です。また、感染症や子宮内膜症のリスクも考えるなら、性行為をしないという選択肢も検討してみましょう。
生理中のセックスで気を付けたいこと
生理中は感染症や子宮内膜症のリスクが高く、痛みを感じやすくなっているため、できれば性行為は避けるほうがよいといえます。生理中にセックスしたい場合は、以下の3点に注意してください。
- 妊娠を望まないときは避妊する
- 経血量が多いときはセックスをしない
- パートナーと話し合う
それぞれについて解説します。
妊娠を望まないときは避妊する
生理中も生理以外の時期と同様、妊娠する可能性があります。妊娠を希望していないときは、避妊するようにしてください。
パートナー任せの避妊に不安があるときや、避妊率を高めたいときは、ピルの服用も検討しましょう。
ピルは、女性ホルモンの「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」を配合した薬です。病院に行って診察を受ける対面診療のほか、オンライン診療においてもピルを処方してもらえます。忙しくて通院の時間がとれない方や、婦人科の受診に抵抗がある方は、オンライン診療の利用を選択肢に入れてみてください。
経血量が多いときはセックスをしない
生理中で経血量が多いときは膣内が敏感になっているため、通常以上に感染リスクが高まります。膣内を傷つける恐れがあるため、経血量が多いときにセックスするのは避けたほうがよいでしょう。
また、経血量が多いときは、タオルなどを敷いても周囲に血がつく可能性があります。パートナーと過ごす時間を楽しむためにも、セックスは控えるようにしましょう。
パートナーと話し合う
生理中のセックスには痛みや感染症などのさまざまなリスクがあります。パートナーと話し合い、セックスはしないほうがよいことを伝えましょう。
単に「今日はセックスをしたくない」と伝えると、誤解を招くかもしれません。正しく理解してもらうために、生理中のセックスはリスクがあることについて説明しましょう。
生理中にセックスをしたくなるのはなぜ?
生理中はセックスを控えることが望ましいですが、普段よりも性欲が高まる人もいるようです。その理由としては次の2点が挙げられます。
- 性ホルモンの分泌が活発になるため
- 生理痛を紛らわせるため
それぞれの理由について解説します。
性ホルモンの分泌が活発になるため
生理中は女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が増え、セックスをしたいという気持ちが高まったり、膣が濡れやすくなったりすることがあります。また、男性ホルモンのテストステロンもわずかに増え、性的衝動が高まるともいわれています。
生理痛を紛らわせるため
生理痛の痛みを紛らわすために、体が別の感覚を求めて性欲が高まるともいわれています。しかし、生理中は膣内が傷つきやすくなっているため、痛みを性行為で紛らわすのはよい方法とはいえません。
生理痛が深刻なときは、ピルの服用を検討してみましょう。ピルの服用により、生理痛だけでなく、下痢やめまいなどの生理前・生理中に起こる不快な症状を軽減できると考えられます。
まとめ
生理中であっても、セックスすると妊娠する可能性があります。妊娠を希望しないときは、生理中も避妊しましょう。また、生理中のセックスは、感染症にかかるリスクや生理痛が深刻化するリスクがあります。パートナーと話し合い、希望しないときは控えるようにしてください。
避妊方法の一つとして、ピルの服用が挙げられます。ピルを服用すると避妊効果を高められるだけでなく、生理痛の軽減効果が期待できます。
婦人科の受診に抵抗がある方や病院に行く時間がなかなかとれない方は、オンライン診療の利用を検討してみましょう。オンライン診療であれば、待合室で知り合いに会うリスクがなく、通院の手間や待ち時間を省けます。
レバクリでは、婦人科のオンライン診療を行っています。場所や時間にとらわれずビデオ通話で受診でき、処方されたピルは自宅などの好きな場所で受け取れます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました