更新日:2024年10月29日
生理の血が少ないのは病気?急に経血量が減る原因や治療法を紹介
- 1回の生理の経血量は20~140mlが正常とされている
- 初日もおりものシートで間に合う場合、生理の血が少ないと考えられる
- 生理の血が少ない原因はホルモンバランスの乱れや婦人科系の病気など
- 生理の血が少ないときは、生活習慣の見直しやストレス解消を心掛ける
- 生理の血が少ないときは病気の可能性もあるため、医療機関で受診する
「最近、生理の血が少ない」と気になっている方もいるのではないでしょうか。生理の血が少ない原因は、ホルモンバランスの乱れのほか婦人科系の病気などが考えられます。生理の血が少ない状況が続いたり気になる症状があったりするときは、早めに婦人科の病院で受診するとよいでしょう。
本記事では、生理の血が少ないときに考えられる原因について解説します。生理の血が少ないときに実施できる対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
生理の経血量はどのくらいが正常?
1回の生理の経血量は個人差が大きく、20~140ml程度とされています。20mlよりも少ない場合は「過少月経」とされ、次のような状況になりやすいと考えられます。
- 生理初日や2日目も、おりものシートで十分間に合う
- 2日以内に生理が終わる
- 血が出ているというよりは、ナプキンに茶色いシミがつく程度
一方、140mlよりも多い場合は「過多月経」とされ、以下のいずれかに当てはまることがあります。
- 生理期間が7日を超える
- 1cm以上の大きさの血の塊が出る
- ナプキンを2時間以内に交換することが続く
- ナプキンだけでは漏れてしまい、重ねたりショーツ型ナプキンを使ったりしている
生理の経血量が多いときだけでなく、血が少ないときも、病気が原因となっている場合があります。月経時の出血量に関して気になることがあるときは、早めに医療機関で受診しましょう。
生理の血が少ないときに考えられる4つの原因
生理の血が少ないときや急に減ったときは、次の原因が考えられます。
- ホルモンバランスの乱れ
- ピルの服用
- 婦人科系の病気
- 甲状腺の病気
それぞれの原因について解説します。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れると、生理の血の量が減ることがあります。たとえば、エストロゲンの分泌量が低下すると、子宮内膜の増殖が促されなくなり、経血量の減少につながると考えられるでしょう。
偏った食生活や睡眠不足、過度なストレスなどはホルモンバランスの乱れを招きます。経血量が減ったときは、ホルモンバランスが乱れる生活をしていないか振り返ってみてください。
ピルの服用
生理不順の改善や避妊などの目的でピルを服用している場合、経血量が減ることがあります。経血量が減るのはピルの作用により子宮内膜が薄くなるためであり、特に問題はありません。
婦人科系の病気
子宮や卵巣などの婦人科系の器官に異常があるときは、生理の血が減少することがあります。たとえば、卵巣機能不全や黄体機能不全、多膿胞性卵巣症候群(PCOS)に罹患している場合や、先天性の子宮発育不全が見られる場合は、経血量が減る可能性があるでしょう。
また、婦人科系の病気にかかると、生理が長引きやすくなります。気になるときは、早めに医療機関で受診してください。
甲状腺の病気
卵胞や黄体などが正常に機能するには、甲状腺ホルモンが正常に分泌されている必要があります。生理の血が少ない状態が続いているときは、甲状腺ホルモンが正常に分泌されていない可能性があるでしょう。
たとえば、バセドウ病や橋本病などは、甲状腺の異常につながる病気です。早めに医療機関で受診しましょう。
年代別の生理の血が少ない原因
生理の血が少ない原因は、年代によっても異なります。よくある原因について年代別に解説します。
ただし、年代にかかわらず、婦人科系や甲状腺の病気で経血量が減る可能性がある点に注意が必要です。急に経血量が減り、しばらく同じ状況が見られるときは、早めに医療機関で受診してください。
20代
20代で生理の血が少ない原因として、不規則な生活やストレスによるホルモンバランスの乱れが考えられます。20代で急に経血量が減ったと感じるときは、規則正しい生活や栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠を心がけてください。また、ストレスを溜めないよう心がけることも大切です。
30代
30代で生理の血が少ない原因としては、女性ホルモンの分泌量の減少が考えられます。特に30代後半からは、女性ホルモンの分泌量が減り、経血量が減りやすくなります。また、30代で急に生理期間が短くなったときも、女性ホルモンの分泌量の減少が考えられるでしょう。
そのほかの原因としては、女性ホルモンのバランスが崩れていることが挙げられます。女性ホルモンのエストロゲンが十分に分泌されていても、プロゲステロンの分泌量が十分でないと、子宮内膜が厚くなっても排出されない状態になり、経血量が減る可能性があります。
なお、女性ホルモンのバランスの崩れが見られるときは、生理期間が長引く傾向があります。放置すると子宮体がんの原因になることもあるため、疑わしいときは早めに医療機関で受診してください。
40代以降
40代以降で生理の血が少ない原因としては、女性ホルモンの分泌量の減少が考えられます。生理期間が急に短くなったり、不規則になったりすることもあります。
のぼせやほてり、動悸などの症状が見られるときは、更年期障害の可能性があるでしょう。一度、婦人科で受診してみてください。
生理の血が少ないときの対策
生理の血が少ないときは、次の対策で改善できると考えられます。
- 生活習慣を見直す
- ストレス解消を心がける
- 医療機関で受診する
それぞれの対策について解説します。
生活習慣を見直す
不規則な生活や偏った食生活、睡眠不足によりホルモンバランスが乱れ、生理の血が少ない可能性があります。生理の血が急に減ったときは、一度、生活習慣を見直してみてください。
ストレス解消を心がける
過度なストレスによってホルモンバランスが乱れ、生理の血が少ない可能性もあります。ストレスを溜め込まないように意識して生活することが大切です。趣味やリフレッシュのための時間を確保し、適度にストレスを発散させてください。
医療機関で受診する
病気により、生理の血が少ない可能性もあります。継続的に生理の血が減っているときは、早めに医療機関で受診してください。
また、急に生理期間が短くなったときや、生理期間が長引くようになったときも、何らかの異変が体内で起こっている可能性があります。自己判断せずに、医療機関で受診することが大切です。
まとめ
生理の血が少ないときは、ストレスやホルモンバランスの乱れのほか、病気が原因の可能性があります。少ない経血量が続くときは、医療機関で受診するようにしてください。
生理周期が安定しない、生理痛がつらいなどの症状が見られるときは、ピルで改善できることもあります。一度、婦人科で相談してみましょう。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました