更新日:2024年10月29日
排卵日はいつ?妊娠しやすい期間や身体の変化について解説
- 排卵日とは、成熟した卵子が卵巣の外へ出る日のこと
- 排卵日の6日前から排卵日の翌日までに性交した場合、妊娠確率は約30〜50%
- 排卵日がいつになるかは「オギノ式」での計算や基礎体温の計測、排卵日予測検査薬などで予測できる
- 排卵期は排卵痛や排卵期出血、おりものの増加、イライラ・倦怠感などの症状が出ることがある
妊活中で、排卵日は妊娠する確率が高いと知りつつも、自分の排卵日がいつになるかわからず困っている方もいるのではないでしょうか。排卵日は、「オギノ式」での計算や基礎体温の計測、排卵日予測検査薬などで予測できます。
この記事では、排卵日がいつになるか予測する方法や排卵日付近の妊娠確率、排卵期に起こる身体の症状などについて解説します。
排卵日と妊娠確率
排卵日とは、成熟した卵子が卵巣の中にある「卵胞」と呼ばれる袋を破り、外へ出る日のことです。排卵された後は、卵子が腹腔内にとどまり精子と出会いやすくなるため、妊娠しやすくなります。
排卵日は、大体4週間に1回のサイクルで訪れます。
生理のサイクルとの関係
排卵日に排卵した後、受精しなかった場合に子宮の内側を覆う子宮内膜が剥がれ、血液とともに身体の外に排出されるのが「生理」です。
生理が始まってから、次の生理が始まるまでの期間を生理周期と呼び、個人差はあるものの1か月程度のサイクルで繰り返されます。
排卵のタイミングで妊娠しやすい環境を整え、妊娠しなければ子宮内を綺麗にして次の周期に受精卵を作れるように排卵の準備を行います。
排卵日前後の妊娠確率
排卵日に卵子が排出されますが、排卵日のみ妊娠確率が高まるわけではありません。29歳以下の女性の場合、排卵日の6日前から排卵日の翌日までに性交した場合、妊娠確率は約30〜50%とされています。
卵子は排卵後約24時間、精子は長くて1週間程度生きているため、排卵日当日に限らず、その前後で受精が可能です。
妊娠確率が高いとされるのは排卵日の1~2日前
妊娠確率が特に高いとされるのは、排卵日の1〜2日前です。排卵日1〜2日前は、排卵日当日よりも妊娠確率は高まります。
卵子の寿命は約24時間のため、排卵日当日に射精したとしても、卵子が生きている間に精子が卵管にたどり着けない可能性があるためです。
卵子が生きているうちに精子と出会うには、精子があらかじめ卵管内でスタンバイしておく必要があります。
排卵日がいつかを予測する方法
自分の排卵日がいつになるかわからず、困っている方もいるでしょう。排卵日がいつになるかを予測する方法として、以下の4つが挙げられます。
- 排卵日を計算する
- 基礎体温を測る
- 排卵日予測検査薬を使う
- おりものの形状で判断する
それぞれの方法を解説します。
排卵日を計算する
排卵日がいつになるかは、「オギノ式」の計算方法を用いることで予測できます。オギノ式は、生理周期と生理予定日をもとに、排卵日を予測する方法です。
具体的には、排卵日が生理予定日から14日後にくるとして、生理周期から14を引いた数を「生理開始から排卵までの期間」と捉えます。
たとえば、生理周期が30日の場合、「30-14=16」で、生理開始日から16日目に排卵日がくると仮定します。排卵日が仮定できたら、前後2日間のズレを考慮して生理開始後14~18日を排卵予定と予測することが可能です。
この場合、妊娠を希望するのであれば、生理開始日から14日~18日目に性交すると、妊娠の可能性が高いといえるでしょう。
基礎体温を測る
基礎体温を測り、排卵日がいつになるかを予測する方法です。基礎体温とは、安静状態における、生命維持に必要な最低限のエネルギーを消費しているときの体温のことです。
生活の影響を受けないよう、朝、目が覚めた後に起き上がらずそのままの状態で、基礎体温計を舌の裏側に入れて5分間計測します。身体を動かさずに体温を測れるよう、枕元に基礎体温計を置いておくことをおすすめします。基礎体温はトイレに行くだけでも変化してしまうため、目覚めてすぐに計測することを習慣づけましょう。
毎朝基礎体温を測り、体温の推移を確認していくと、低温期と高温期があることがわかるでしょう。排卵が起こるのは、低温期の中でもさらに基礎体温が低下した後、高温期に切り替わるタイミングです。つまり、基礎体温が低下してから上昇し始める3日程度の期間が「排卵期」にあたります。
排卵日予測検査薬を使う
排卵日がいつになるかは、排卵日予測検査薬を使うことでも予測できます。排卵日予測検査薬とは、尿の中の「黄体形成ホルモン(LH)」の濃度を調べ、排卵日を予測する検査薬のことです。
黄体形成ホルモンは、排卵の36~48時間ほど前に脳から分泌されることから、濃度が上昇していれば排卵日が近いことがわかります。
生理予定日の17日前から1日1回の検査を続けることで、黄体形成ホルモンの濃度の変化を追い、排卵日の1日前を導き出します。基礎体温の測定と並行して排卵日予測検査薬を使えば、排卵日予測の精度を上げられるでしょう。
おりものの形状で判断する
おりものの形状から、排卵日を予測することも可能です。おりものとは、子宮や膣などから分泌される液体です。タンパク質や水分、老廃物などからなり、生理周期に応じて形状が変化するため、おりものを観察することで排卵日がいつかを予測できます。
個人差はあるものの、おりものの普段の形状は、サラッとしていることが一般的です。しかし、排卵日が近づくと、エストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受け、白く粘り気のある形状に変化します。エストロゲンの影響を受けたおりものは粘度が高く、10センチ以上伸びることもあります。
おりものの粘度が高くなってきたら、排卵日が近づいてきたと考えてよいでしょう。実際に目に見える変化があるため、妊活中はおりものの状態にも意識を向けるようにしましょう。
排卵日付近で起こる身体の症状
排卵日前後には、以下のような症状が起こることがあります。
- 排卵痛
- 排卵期出血
- おりものの増加
- イライラ・倦怠感
- 頭痛・めまい
- 便秘・吐き気・肌荒れ
それぞれの症状について解説します。
排卵痛
卵子が卵巣の外に飛び出す際に、卵巣が少し傷つくことで感じる、生理痛のような痛みが排卵痛です。排卵痛を感じる場所は、毎月異なることも珍しくありません。排卵は、毎月左右交互の卵巣から行われるためです。
排卵痛は、チクチク痛む程度であれば問題ありません。しかし、我慢できないほどの強い痛みがある場合は、卵巣や子宮の疾患のサインの可能性があるため、早めにクリニックで受診しましょう。
排卵期出血
排卵期出血は、ホルモンバランスの急激な変動によって、子宮内膜の一部が剥がれ落ちることで起こります。生理と生理の間に起きるため、中間期出血とも呼ばれています。
排卵期出血は、毎月必ず起こるものではありません。排卵期出血がある場合でも、おりものシートで対応できる少量のケースが多いでしょう。出血の色は、おりものに混じるとピンク色や茶色になることがあります。
出血期間は短く、長くても3日程度で終わることが一般的です。病気ではないため、基本的に治療の必要はありません。ただし、出血が長引く、出血量が著しく多い、毎月のように排卵期出血があるといった場合は排卵期出血以外の要因も考えられることから、医師に相談することをおすすめします。
おりものの増加
排卵日が近づくと、粘り気のある白色やクリーム色のおりものが増える方も多いでしょう。排卵日付近になるとおりものの形状が変わり量も増えるのは、精子を膣から子宮にスムーズに送り込むためだといわれています。
おりものシートが必要なほど増える方もいれば、ほとんど気にならない方もいます。量や形状には個人差があり、体調によっても変化することを知っておきましょう。
イライラ・倦怠感
排卵日前後はホルモンバランスが崩れやすいため、イライラしたり怒りっぽくなったりすることがあります。基礎体温が低温から高温に移るため、倦怠感を感じることもあるでしょう。
また、排卵後に分泌量が増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)が分解されることで、眠気を起こす物質のアロプロゲステロンが発生します。眠気によって日常生活に支障が生じるような場合は、低用量ピルを内服することで症状が緩和することがあるため、クリニックに相談するとよいでしょう。
頭痛・めまい
排卵期はエストロゲンが急激に減少することにより、偏頭痛やめまいがあらわれやすい時期です。エストロゲンの減少により脳内物質の「セロトニン」も減少することで、脳内血管が拡張し、痛みが生じている可能性があります。偏頭痛が辛いときは、鎮痛剤を内服すると痛みが和らぐでしょう。
便秘・吐き気・肌荒れ
排卵期に起きるホルモンバランスの変化により腸の働きが鈍くなり、便秘になることがあります。また、排卵期に吐き気を感じる場合もあり、排卵後に作られる、胃腸のはたらきを強める作用を持つ物質「プロスタグランジン」が原因と考えられます。
そのほか、排卵期は生理周期の中でもホルモンの分泌が活発な期間であり、卵巣からエストロゲンが分泌され、皮脂の分泌が増加しやすくなることにも注意が必要です。皮脂が過剰分泌されると毛穴が詰まりやすくなり、ニキビが発生しやすくなる傾向があります。
ピルで排卵日をコントロールできる?
ピルを内服すると排卵自体が起こらなくなるため、ピルで排卵日は調整できません。「ピルの休薬期間も内服を続ける」「一定期間ピルを内服した後に休薬する」といった方法で、生理開始日をコントロールすることは可能です。
たとえば、生理開始日を後ろにずらしたいときは、7日間の休薬期間を設けず連続してピルを飲み続ける方法があります。通常、低用量ピルは21日間内服して排卵を抑制し、7日間休薬して生理を発生させます。
しかし、7日間の休薬期間を設けず連続して低用量ピルを飲むことで、排卵抑制状態が続き、生理を遅らせることが可能です。ただし、生理日を遅らせられるのは、長くても7~10日程度です。
また、生理開始日を早めたいときは、ずらしたい生理の1つ前の生理が開始してから5日目までに低用量ピルの内服を始め、14日以上内服を続けた後に内服をやめます。ピルの内服をやめた2~3日後に生理がくるため、当初の予定日よりも前倒しできます。
まとめ
排卵日がいつになるかは、「オギノ式」などの計算や基礎体温の計測、排卵日予測検査薬のほか、おりものの形状などによって予測できます。
卵子が排出されるのは排卵日ですが、排卵日のみ妊娠確率が高まるわけではありません。29歳以下の女性の場合、排卵日の6日前から排卵日の翌日までに性交した場合、妊娠確率は約30〜50%です。また、妊娠確率が特に高まるのは、排卵日の1〜2日前といわれています。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました