更新日:2024年10月29日
タンポンの使い方を知って生理の悩みを解決!メリットや注意点を解説
- タンポンとは、綿の吸収体を膣内に挿入し経血を吸収する生理用品のこと
- タンポンにはアプリケータータイプとフィンガータイプの2種類がある
- タンポンは中指と親指で持ち、紐がついていないほうを膣内に挿入して使う
- タンポンの主なメリットは「かぶれにくい」「温泉などに入れる」「経血が漏れにくい」
- タンポンは決められた使い方・使用時間を守ることや、経血量に合った製品を選ぶことが大切
生理の量が多いため、漏れないようにタンポンの使用を検討しているものの、使い方がよくわからず困っている方もいるでしょう。タンポンは、紐がついていないほうを膣内に挿入し、取り外す際は紐を引っ張って体外に出します。
この記事ではタンポンの種類や使い方、使用するメリットについて解説します。使用上の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
タンポンとは
タンポンとは、綿の吸収体を膣内に挿入し、経血を吸収する生理用品のことです。ナプキンが身体の外に出た経血を吸収するのに対し、タンポンは経血が外に出る前に吸収する仕組みのため、デリケートゾーンが蒸れにくく快適に過ごしやすいことが特徴です。
タンポンの種類
タンポンには、アプリケータータイプとフィンガータイプの2種類があります。それぞれの特徴を確認しましょう。
アプリケータータイプ
プラスチックのアプリケーターがついているタンポンです。アプリケーターとは、膣に挿入しやすくするためのガイド用の筒のことで、経血を吸収する吸収体が中に入っています。
装着しやすいため、はじめてタンポンを使う方はアプリケータータイプを選ぶとよいでしょう。タンポンはドラッグストアでも販売されています。
フィンガータイプ
フィンガータイプのタンポンには、アプリケーターがなく、指で直接挿入するのが特徴です。吸収体のみのシンプルな形状で、比較的安価な傾向があります。フィンガータイプのタンポンは、フィンガーキャップやフィンガーベールなどといった指カバーを装着して挿入します。
タンポンの使い方
ここからは、タンポンの挿入方法や取り外し方など、使い方を解説します。
タンポンの挿入の仕方
まず、タンポンの挿入方法を紹介します。アプリケータータイプとフィンガータイプでは挿入方法が異なるため、違いを確認しましょう。
アプリケータータイプ
タンポンを挿入する前に必ず手を洗い、清潔にしましょう。トイレの中でタンポンを袋から出したら、タンポンの紐を引っ張り、取れないかどうか確認してください。
紐が取れないことを確認できたら、持ち手であるアプリケーターの中心のギザギザした部分を親指と中指で持ち、紐がついていないほうを膣内に挿入します。挿入するときに力が入ると、痛みを感じたり入りにくくなったりするため、なるべくリラックスし、膝を曲げて挿入しましょう。
身体の中には「無感覚ゾーン」があり、そこに挿入できれば違和感を覚えることはありません。違和感があったり痛みを感じたりする場合は、正しい位置に入っていない可能性があります。一度取り出し、新しいタンポンを挿入してください。
最後に、アプリケーターを抜き取りましょう。吸収体についている紐は取り出すときに使うため、そのまま身体の外に出しておきます。
フィンガータイプ
フィンガータイプは、アプリケーターがないため直接指で掴み、膣内に挿入します。利き手の親指と中指でタンポンを挟み、人差し指で膣内に押し込んでください。人差し指の第2関節まで入るよう押し込むことがポイントです。
フィンガータイプのタンポンも、身体に力が入っていると挿入しづらくなります。呼吸を整えながら、リラックスして入れましょう。吸収体についている紐についても、アプリケータータイプと同様にそのまま身体の外に出しておきます。
タンポンの取り外し方
タンポンを取り外す際は、アプリケータータイプとフィンガータイプのどちらも同じ方法で行います。
まず、トイレに入る前に手を洗って清潔にします。
身体の外に出ている紐をゆっくりと引き、吸収体を取り出してください。このとき、身体の力を抜いて、息を吐きながらゆっくり引き出すことを意識すると、スムーズに取り外せるでしょう。
タンポンの捨て方
使用後のタンポンはトイレットペーパーに包み、サニタリーボックスに捨ててください。トイレや下水管が詰まる原因となってしまうため、トイレに流すのはやめましょう。
サニタリーボックスに捨てる際は、経血や匂いが漏れることを防止するため、ビニール袋に入れて口を結ぶとよいでしょう。そのため、タンポンを使用する際はなるべくビニール袋を持ち歩くことをおすすめします。
手持ちのビニール袋がない場合は、タンポンが入っていたビニール袋を取っておき、その袋に入れて捨てる方法もあります。
タンポンを使うメリット
タンポンを使う主なメリットは、以下の4点です。
- 肌のかぶれが起きにくい
- 生理中でも温泉やプールに入れる
- 経血が漏れにくい
- 洋服のラインに響かない
それぞれのメリットを解説します。
肌のかぶれが起きにくい
タンポンのメリットとして、肌のかぶれが起きにくい点が挙げられます。生理中に肌がかぶれる主な原因は、ナプキンや経血によってデリケートゾーンが擦れたり蒸れたりすることです。
タンポンであれば、身体の外に出ているのは紐だけであるため、肌トラブルが起こりにくいといえます。経血も体内で直接吸収することにより、肌に直接触れずに済みます。生理中にデリケートゾーンがかぶれて不快になった経験がある方は、一度タンポンを試してみるとよいでしょう。
生理中でも温泉やプールに入れる
生理中も温泉やプールに入れることも、タンポンを使用するメリットです。プールや温泉に行く計画を立てていても、生理が始まり諦めざるを得なかった経験がある方もいるでしょう。
ナプキンを使用している状態と違い、タンポンを使えばプールや温泉を利用しやすくなります。身体の内部で経血を直接吸収するため、水の中でも経血が漏れることはほとんどありません。生理を理由に予定をキャンセルする必要がなく、プールや温泉を楽しめます。
ただし、生理中の入浴や入水が禁止されている施設もあるため、それぞれのルールに従ってください。
特に生理初日~3日目の経血の量が多い場合は、タンポンをしていても経血が漏れ出るリスクがあります。経血が多い日のプール・温泉の利用は、なるべく避けたほうがよいでしょう。
経血が漏れにくい
タンポンのメリットとして、活発に動いても経血が漏れにくいことが挙げられます。ナプキンがずれて経血が漏れていないか気になってしまい、スポーツや外出を十分に楽しめなかった経験のある方もいるでしょう。
タンポンは膣と密着しているため、激しい動きをしても抜ける心配がありません。膣内で経血を吸収する構造も、漏れが起こりにくい理由の1つです。
洋服のラインに響かない
タンポンは身体の中に挿入して使うため、洋服のラインに響かないこともメリットです。生理中にナプキンを使う場合、ボディラインを気にして洋服を選ぶ方もいるでしょう。タンポンを使えば、普段通りの洋服選びをしても問題ありません。
タンポンを使う際の注意点・ポイント
タンポンを使う際は、以下の3点を意識しましょう。
- 決められた使用時間を守る
- 経血量に合った製品を選ぶ
- ナプキンと交互に使用する
それぞれの内容を解説します。
決められた使用時間を守る
タンポンを使用する際は、決められた使用時間を守りましょう。タンポンを長時間挿入したままにすると、ごくまれに「トキシックショック症候群(TSS)」を発症してしまうことがあります。
トキシックショック症候群とは、タンポンを使っている途中で、突然の高熱や血圧低下・発疹・下痢・嘔吐などの症状が起こる急性疾患のことです。黄色ブドウ球菌が生み出す毒素が原因といわれています。
トキシックショック症候群を防ぐために、製品に記載された使用時間を超えて使ったり、タンポンを装着したまま就寝したりするのは避けてください。
また、挿入する際に清潔でない手でタンポンを触ると黄色ブドウ球菌が増殖しやすくなります。タンポンを使用する際は、手指の消毒を十分に行うことが大切です。
経血量に合った製品を選ぶ
タンポンは、その日の経血量に合った製品を選ぶことも重要です。タンポンのサイズには、経血量に応じて「ライト」「レギュラー」「スーパー」「スーパープラス」などの種類があります。
経血量が少ないにもかかわらず、「スーパー」「スーパープラス」などの多い日用のタンポンを使うと、経血以外の余分な水分を吸収してしまい、膣内が乾燥した状態になって傷つきやすくなる恐れがあります。膣とタンポンの密着による痛みや取り出しにくさの原因となるため、注意が必要です。
「とりあえず多い日用を使っていれば安心」と考えるのではなく、経血量に合わせた製品を使用しましょう。
ナプキンと交互に使用する
タンポンは、ナプキンと交互に使うのがおすすめです。タンポンのみを連続使用すると、トキシックショック症候群発症の原因である黄色ブドウ球菌の増殖リスクが高まってしまいます。
タンポンを一定時間使用したら次はナプキン、その後はタンポンといった具合に、生理中はナプキンと併用しましょう。
経血の量にお悩みならクリニックに相談を
生理中の経血の量が多く悩んでいるなら、ピルの内服も検討の余地があります。ピルを内服すると、生理時に排出される経血の量が減少します。そのため、経血の量の多さにお悩みの方に対して、症状の改善のためにピルが処方されることがあります。
ピルには女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが配合されています。通常は排卵に向けてエストロゲンの分泌量が増加しますが、ピルを服用すると脳がエストロゲンの分泌をしなくてよいと判断します。
エストロゲンが分泌されないと排卵が止まり、排卵後に子宮内膜を厚くするために分泌されるプロゲステロンの量も減少し、子宮内膜が厚くなりません。これにより、経血量が減ります。
ピルの処方を希望する場合は、一度クリニックに相談してみるとよいでしょう。
しかし、時間的な制約があるなど、クリニックで受診することはハードルが高いと感じる場合もあるでしょう。手軽にクリニックで受診したい方は、オンライン診療の利用がおすすめです。通院時間や待ち時間がかからず、院内処方であれば自宅に薬を郵送してもらえるため、忙しい方も無理なく受診できます。
まとめ
タンポンを使う際は、必ず手を清潔にしましょう。挿入する際は親指と中指でタンポンを持ち、紐がついていないほうを膣内に挿入しましょう。
タンポンを取り出す際は、アプリケータータイプ・フィンガータイプのいずれも、身体の外に出ている紐をゆっくりと引き、吸収体を体内から取り出してください。トイレや下水管が詰まる原因となってしまうため、取り出したタンポンはトイレに流さず、袋に入れるなどしてゴミ箱に捨てましょう。
経血の量が多く悩んでいるなら、タンポンを使用するほか、ピルの内服も検討の余地があるでしょう。ピル処方のためにクリニックで受診することを負担に感じる方には、オンライン診療の利用をおすすめします。
レバクリでは、オンライン診療によるピルの処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所で受け取ることが可能です。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました