更新日:2024年10月29日
生理が2ヶ月以上来ないことに悩み、原因や対処法を知りたい方もいるでしょう。生理が2ヶ月以上来ない原因としては、生理不順や妊娠、閉経、甲状腺の病気などが考えられます。生理不順には、過度なダイエットやストレス、睡眠不足、激しい運動などが密接にかかわっていることが多いでしょう。
この記事では、生理が2ヶ月以上来ない原因や対処法などを解説します。
生理が2ヶ月以上来ない原因として考えられるのは、主に以下の4つです。
それぞれの原因について解説します。
生理が2ヶ月以上来ない原因として、生理不順が考えられます。生理不順とは、正常周期とされる25日〜38日よりも生理周期が長い、あるいは短い場合や、毎月の生理周期の日数が大きく変動することを指します。
初潮から生理不順だった方もいれば、ある時期を境に生理不順になった方もいるでしょう。ホルモンバランスの乱れが原因とされており、過度なダイエットやストレス、睡眠不足、継続的な激しい運動などが密接にかかわっています。
生理不順を放置していると、排卵が起こりにくくなるなど、不妊を引き起こす原因になりかねません。ここでは、生理不順の原因についてみていきましょう。
過度なダイエットは、生理不順を引き起こす原因の1つです。栄養は生命の維持にかかわる重要度の高い臓器に優先して回されるため、ダイエットによって栄養不足の状態に陥ると、卵巣までエネルギーが行き渡らず、排卵が起こりにくくなります。
生理不順の状態にもかかわらず過度なダイエットを続けると、脳が生命の危機にあると判断し、身体に大きな負担がかかる妊娠を防ごうと排卵が起こらないように指令を出します。
精神的なストレスも、生理不順を引き起こす原因です。ストレスを感じると、脳下垂体から副腎皮質刺激ホルモン、通称「ストレスホルモン」が分泌されます。
ストレスホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌を抑制するため、生理が来なくなるケースがあります。
ストレスの原因は、仕事上の人間関係のトラブルや家族との意見の食い違いなど、ネガティブな問題だけではありません。新生活のスタートなど、一見ポジティブに感じられる出来事もストレスになっていることがあります。
生理不順の原因として、睡眠不足も挙げられるでしょう。睡眠時間が不足していると、脳が十分な休息を取れず、ホルモンバランスが乱れて生理が来なくなることがあります。
女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは卵巣から分泌されており、その分泌量のコントロールを行うのは、脳の下垂体や視床下部です。
脳が休息できていないと、下垂体や視床下部が適切に機能せずにホルモンバランスが乱れることから、睡眠不足が生理不順につながる可能性があることを知っておきましょう。
継続的な激しい運動も、生理不順の原因になり得ます。過度な運動を続けてエネルギーを激しく消費すると、しっかり食事をとっているつもりでも、食事制限をしているのと同じように栄養不足の状態に陥りかねません。
その結果、卵巣に栄養が回らなくなってしまい、生理不順を引き起こします。適度な運動は健康のために大切ですが、継続的な激しい運動は女性ホルモンの乱れを招いてしまいます。
2ヶ月以上生理が来ない原因として、妊娠している可能性も考えられるでしょう。性交時にコンドームをつけていたり、ピルを内服していたりしても、100%妊娠を防げるわけではありません。少しでも妊娠の可能性がある方で、2ヶ月以上生理が来ない場合は、妊娠検査薬で調べてみましょう。
生理が2ヶ月以上こない原因は、閉経のケースもあります。個人差はあるものの、多くの女性が閉経するのは、50歳~55歳を迎える頃です。人によっては、40歳未満で早発卵巣不全となり閉経することがあります。その症状を、「早発閉経」と呼びます。
生理が2ヶ月以上来ないのは、甲状腺の病気が原因というケースもみられます。甲状腺とは、喉頭の前下部にあり、ホルモンを分泌する臓器です。
橋本病と呼ばれる甲状腺機能低下症やバセドウ病と呼ばれる甲状腺機能亢進症では、ホルモンバランスが大きく乱れ、生理不順を引き起こすことがあります。
生理周期とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの期間のことです。正常な生理周期は25~38日とされています。
そもそも、生理が毎月一定の間隔で来るためには、以下のプロセスを経る必要があります。順番に確認しましょう。
この流れがどこかで乱れると、生理不順が起こります。
ここでは、女性ホルモンが分泌されていない、あるいは無排卵であるために生理が2ヶ月以上来ない場合のそれぞれのリスクを解説します。
女性ホルモンが分泌されていない場合、骨折や脳梗塞、心筋梗塞になるリスクが高まることに注意しましょう。
女性ホルモンは、骨粗鬆症や脂質異常症の発症リスクを低下させて、女性の身体を健康に保つ役割を担っています。
脂質異常症は血液中の脂質が血管内にたまり、血液の流れが滞って動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高める病気です。
排卵していない状態を放置してしまうと、次第に卵巣の機能が衰えて妊娠が困難になるほか、子宮体がんなどにかかるリスクが高まると考えられます。卵巣機能の低下は、早期閉経や骨粗鬆症も引き起こすことにも注意しましょう。
生理が2ヶ月以上来ない場合の主な対処法は、以下の4つです。
それぞれの対処法について解説します。
ストレスが原因で生理が来ない状況であれば、まずはモヤモヤした気持ちを解消することからはじめましょう。
ストレスは、人によってさまざまなサインとしてあらわれます。生理が来ないこと以外にも、イライラや不眠、頭痛などの症状があるなら、一度ゆっくりと休息を取り自分を労るようにしましょう。
ストレスを解消するには、好きな音楽を聴く、日光を浴びながら自然の中を散歩する、ゆっくり入浴するといった方法があります。適度に身体を動かすことも、ストレス解消に効果的です。
自分なりにストレス解消を試みたものの気分が晴れない場合は、心理カウンセラーなどの専門家に相談することも検討してみましょう。
過度なダイエットを続けると、身体が栄養不足に陥り、生理不順を招きます。生理が2ヶ月以上来ない原因がダイエットにあると思われる場合は、食事制限を止め、バランスのよい食生活に変えましょう。
まんべんなく栄養素を摂取することで、卵巣まで栄養素が行き渡り排卵が起こりやすくなるでしょう。
生理が2ヶ月以上来ないときは、十分な睡眠時間の確保に努めることも、有効な対処法です。睡眠不足によって脳が休息できていないと、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが卵巣で適切に分泌されず、生理不順を引き起こしかねません。睡眠はストレス解消にも効果があるため、ストレスが原因の生理不順に対しても有効です。
睡眠の重要性は理解しているものの、なかなか睡眠時間を確保できない場合は、生活全体の見直しが欠かせません。必要な睡眠時間は人によってバラツキがありますが、おおよそ7~8時間は確保するとよいでしょう。
もちろん、ただ睡眠時間を確保すればよいわけではなく、睡眠の質を向上させることも重要です。就寝3時間前までに食事を済ませ、就寝直前はスマートフォンやPCを使用しないなど、睡眠の質を高めるための工夫も行いましょう。
生理が2ヶ月以上来ないときは、漢方の力を借りてみるのも選択肢の1つです。生理不順の改善が期待できる漢方として、以下の3種類が挙げられます。
これらの漢方はドラッグストアでも購入できますが、婦人科や漢方内科などで受診すれば、症状や体質に合う漢方を医師に処方してもらえます。
生理が来なくて悩んでいるときは、ストレス解消やバランスのよい食生活、睡眠時間の確保を心掛けてみてください。それでも状況が変わらない場合は、早めに婦人科のクリニックで受診することをおすすめします。
生理が2ヶ月以上来ない状況への対処法として、ピルの内服も効果が期待できます。ピルを飲むことで、女性ホルモンの乱れを解消し、排卵を促すことが可能です。
ピルを内服している間は女性ホルモンが補われ、休薬すると生理が来るサイクルを生み出せます。このサイクルを繰り返すことで、徐々に生理周期が整うでしょう。
ピルの処方のために頻繁に通院することが困難な方には、オンライン診療がおすすめです。ピルの相談・診察・処方まで、スマートフォンやタブレットを使って自宅で完結できます。通院時間や待ち時間がないため、忙しい方も気軽に始められます。
生理が2ヶ月以上来ない原因として考えられるのは、生理不順や妊娠、閉経、甲状腺の病気などです。生理不順によって生理が来ないケースでは、過度なダイエットやストレス、睡眠不足、継続的な激しい運動などが影響していると考えられます。
生理が2ヶ月以上来ないときに手軽にできる対処法としては、ストレスを溜めない、バランスのよい食生活にする、十分な睡眠時間を確保するなどが挙げられるでしょう。
対処法を試しても状況が改善されない場合は、婦人科のクリニックで受診することをおすすめします。クリニックで処方してもらったピルを内服することで、女性ホルモンの乱れを解消し、生理周期を整える効果が期待できます。
ピルの処方のためにクリニックで受診することを負担に感じる方は、オンライン診療の利用を検討しましょう。
レバクリでは、オンライン診療によるピルの処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました