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更新日:2025年01月21日

生理痛はいつから始まる?痛みの原因や生理時の症状、対処法を解説

この記事のまとめ
  • 生理痛がいつから生じるかは個人差があるが、生理の前日から生理3日目ごろまでに起こる
  • 生理痛の主な原因はホルモンバランスの乱れや冷え、ストレスである
  • 血行改善や服薬により、生理痛の症状改善が期待できる
  • 生理痛の症状が重いときは、受診して医師に相談するのがおすすめ

生理痛が生理前のいつごろから始まるか、気になる方もいるでしょう。生理痛がいつから生じるかは個人差がありますが、生理の前日から生理3日目ごろまでに起こります。

この記事では、生理痛が始まる時期や症状、つらい痛みが起こる原因を解説します。また、生理痛を和らげる対処法と受診の目安もご紹介します。「生理痛がひどく生活に影響が出ている」「病院で受診するべきか悩んでいる」という方は、ぜひ参考にしてください。

生理痛はいつから?時期によって変わる症状

生理中だけでなく、生理が始まる前から生理痛を感じる方も少なくありません。ここでは、生理痛が始まる時期と主な症状を解説します。

一般的には生理の前日から生理3日目ごろまでに始まる

一般的に生理痛は、生理が始まる前日から生理3日目ごろまでに始まります。痛みの原因は、プロスタグランジンという物質の急激な増加です。

子宮内膜は排卵とともに徐々に厚くなり、受精卵の着床に備えます。しかし、妊娠しなかったときは剥がれ落ち、血液とともに身体から排出されます。これが生理です。プロスタグランジンは、子宮内膜と血液を体外に押し出すために子宮を収縮させる作用を持ちます。

プロスタグランジンの分泌量は人によって異なりますが、多く分泌されるほど子宮が強く収縮し生理痛がひどくなると考えられます。

生理の後半に痛みを感じる場合も

生理後半の生理痛は、プロスタグランジンによる血管収縮作用が原因です。血管収縮が起こると、血液の流れが悪くなりうっ血が発生します。主に骨盤周りでうっ血が起こることで、腰痛や下腹部鈍痛、むくみが現れるでしょう。また、冷えや下半身のだるさを感じることもあります。

生理痛が起こる原因

ここでは、生理痛を引き起こす3つの原因を解説します。複数の原因が重なることで、さらに生理痛がひどくなるケースもあります。痛みの軽減を目指すのであれば、まずは生理痛の仕組みや原因を押さえておくことが大切です。

1.ホルモンバランスの崩れ

生理痛の原因の1つ目は、ホルモンバランスの崩れです。生理痛の原因となるホルモンには、以下の2つがあります。

  • プロスタグランジン
  • 黄体ホルモン(プロゲステロン)

プロスタグランジンが生理痛を引き起こす仕組みは前述のとおりで、過剰分泌されると子宮の収縮が強くなって痛みが増します。

黄体ホルモン(プロゲステロン)は女性ホルモンの1つで、排卵後に分泌量が一気に増え、生理が始まると急激に減少します。黄体ホルモンの急激な増減により自律神経が崩れ、下腹部痛のほかイライラや頭痛、胃痛、乳房痛、肩こり、だるさ、集中力低下といったさまざまな不快症状を引き起こします。

2.冷えによる血流の悪化

生理痛の原因の2つ目は、冷えによる血流の悪化です。身体が冷えると血流が悪くなり、骨盤内に生理痛の原因であるプロスタグランジンが溜まって痛みがひどくなります。

女性はもともと筋肉量が少なく、体内で熱を作りづらい傾向があります。現代の生活においては、運動不足や洋服による締め付け、ダイエットなどが重なってさらに身体が冷えやすくなることが、生理痛の悪化につながるといわれています。

3.ストレス

生理痛の原因の3つ目は、ストレスです。ストレスには肉体的ストレスと精神的ストレスがあります。

「エアコンで身体が冷える」「立ちっぱなしで下半身がむくむ」といった肉体的ストレスがあると、生理痛が悪化するといわれています。また、生活環境の変化や過度な緊張などの精神的ストレスを感じると、ホルモンバランスや自律神経の乱れにつながり、生理痛の症状が強くなるおそれがあるでしょう。

生理痛を和らげる対処法

ここでは、生理痛を和らげる対処法を紹介します。生理痛や不快症状がひどいときは、ぜひ試してみてください。

1.カイロや足湯で体を温める

カイロや足湯で身体を温めると、血流が良くなり、下腹部痛やむくみの改善が期待できます。足湯をする際は洗面器に41度程度のお湯を張り、くるぶしまで浸してください。15~20分ほど浸かれば、身体全体が十分に温まります。

生理痛を悪化させないためには、身体を冷やさないことが大切です。冷たい飲み物の飲みすぎや、締め付けが強い洋服の着用による血行不良、エアコンの効きすぎに注意しましょう。

2.ストレッチにより血行を改善させる

ストレッチによる血行改善も、生理痛の緩和に効果的です。生理痛に効果があるとされるストレッチには、以下の例が挙げられます。

ストレッチの種類やり方
腰回し1. 両足を肩幅に開いてまっすぐに立ち、両手を腰に当てる
2. 円を描くように腰をゆっくり回す。なるべく足や上半身が動かないようにする
3. 左右5回ずつ、1日3セット程度行う
足首の曲げ伸ばし1. イスに深く座り、足の裏を床につける
2. かかとを床につけたままつま先を上げ、5秒キープする
3. ゆっくりつま先を下ろし、次はかかとを上げて5秒キープする
4. 5~10セット程度行う
赤ちゃんのポーズ1. 仰向けになり、両手で両膝を抱えてお腹に引き寄せる
2. 頭を持ち上げ膝とあごを近づける
3. ゆっくり3回呼吸したら、手をほどき体を伸ばす
骨盤ほぐし1. 仰向けになり、足裏を合わせて膝を両サイドに開く
2. 両手を下腹部に置いて、ゆっくりと深呼吸する
3. そのまま身体全体の力を抜いて呼吸しながらリラックスする
マンスリービクス1. 仰向けに寝る
2. 左足を抱えてゆっくり胸元まで引き寄せる
3. 右足も同様に行う
4. 最後に両足を抱えてゆっくり引き寄せる

ストレッチは血流改善とリラックスに効果的ですが、無理は禁物です。痛みの度合いや身体の状態に合わせて、無理なく行いましょう。

3.薬を服用する

身体の温めやストレッチで症状が改善しないときは、薬の服用も選択肢です。生理痛に効果的な薬には、以下の2つがあります。

  • 鎮痛剤
  • ホルモン剤

鎮痛剤は痛みを抑える効果がある薬で、薬局やドラッグストアで購入可能です。生理痛がひどいときは、無理をせず鎮痛剤を服用してみてください。

生理痛がひどいときは、ホルモン剤(低用量ピル)を服用する方法もあります。低用量ピルは女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが配合されており、服用することで排卵を抑制します。排卵の抑制とともに子宮内膜の増殖も抑えられるため、経血量の減少や生理痛の軽減が期待できます。

低用量ピルは市販されておらず、医師による診察と処方が必要です。忙しくて通院が難しい方は、電話やビデオチャットによる診察が可能なオンライン診療の利用も検討しましょう。

生理痛がひどいときは受診も検討しよう

自身でできる血流改善のストレッチや鎮痛剤の服用をしても生理痛が改善しないときは、病気が隠れている可能性があります。日常生活がままならないほど生理痛がつらい、何をしても改善されないのであれば、病院で受診しましょう。

ここでは、生理痛の症状がひどいときに考えられる病気と、病院で受診する目安を確認します。

ひどい生理痛は月経困難症の可能性も

ひどい生理痛には、病気が原因ではない「機能性月経困難症」と、子宮や卵巣に何らかの病気がある「器質性月経困難症」があります。器質性月経困難症の場合、病院での治療が必要なケースもあるため注意が必要です。ここでは、器質性月経困難症で多くみられる3つの病気を解説します。

子宮内膜症

子宮内膜症とは、子宮の内側だけにあるはずの子宮内膜が、子宮の内側以外の場所にできる病気です。

子宮内膜症を患っていると、子宮の外側にできた子宮内膜が生理のたびに炎症を起こし、生理痛が悪化します。子宮内膜症は、ホルモン剤などにより痛みをコントロールしながら長く付き合っていく病気で、定期的に通院し医師と相談しながら治療にあたる必要があるでしょう。

子宮腺筋症

子宮腺筋症とは、子宮の内側だけにあるはずの子宮内膜が子宮筋の中にできる病気です。30代~50代の患者が多く、中でも出産経験がある方が発症しやすいとされています。

子宮腺筋症になるとひどい生理痛や経血量の増加、貧血などの症状が現れます。また、生理中以外の下腹部痛や出血が起こることもあるようです。

子宮腺筋症も、ホルモン剤の服用などにより、症状を抑えながら長く付き合っていく病気です。該当する症状がある方は、まずは医師に相談しましょう。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。経血量の増加やひどい生理痛だけでなく、腫瘍ができる場所によっては頻尿や貧血、不妊の原因となります。

子宮筋腫も、ホルモン剤などの服用により症状を抑えながら長く付き合う病気です。腫瘍の大きさや症状の強さなどによっては手術により腫瘍を取り除くこともあります。該当する症状があり不安を感じる方は、一度医師の診察を受けると安心です。

病院に行くか迷ったら?受診の目安を確認

生理痛で病院に行くか迷ったら、以下の目安を参考にしてください。

  • 痛みで寝込んでしまう
  • 痛みが強く通学・通勤が困難
  • 市販の痛み止めが効かない
  • 不正出血がある
  • 生理の出血量が増えてきた
  • 生理痛が生理の度に強くなっている
  • 生理痛以外にも吐き気や頭痛、下痢などの症状がある
  • 貧血
  • 生理期間以外にも下腹部痛などの痛みがある

受診の結果とくに病気が原因ではなかったとしても、医師による適切な薬の処方や対処により生理痛の軽減を目指せます。万が一、生理痛の原因となる病気が明らかになったときは、速やかに治療をスタートできます。生理痛がひどく不安を感じている方は、安心を得るためにもぜひ病院で診察を受けましょう。

しかし、日々の家事や育児、仕事などが忙しく病院に行く時間が取れない方もいるでしょう。そのような場合は、オンライン診療を利用するのも一つの方法です。オンライン診療であれば通院時間がかからず自宅で受診できるため、利用を検討してみましょう。

まとめ

生理痛がいつから起こるかは個人差がありますが、生理の前日から生理3日目ごろまでに始まります。生理痛の主な原因はプロスタグランジンによる子宮収縮作用で、身体の冷えやストレスにより症状が重くなるケースもあります。

生理痛を和らげるには、身体を温める足浴やストレッチによる血流改善が効果的です。それでも痛みが続くときは、鎮痛剤の服用も検討しましょう。

生理痛がひどく日常生活に支障をきたしている、不正出血や月経過多など生理痛以外の症状があるといったときは、子宮の病気が隠れているかもしれません。生理痛の症状が重く不安を感じる方は、病院で受診すると安心です。

レバクリでは、低用量ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました