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更新日:2025年01月21日

生理痛の薬にはどんなものがある?市販薬と処方薬について解説

この記事のまとめ
  • 市販の生理痛の薬のメリットは、痛みがつらいときにすぐに購入できること
  • 処方された生理痛の薬のメリットは、体質や症状に合う薬を服用できること
  • 市販の生理痛の薬は用法・用量を守り、痛み始めたら早めに服用する
  • 処方される生理痛の薬には、鎮痛剤のほかホルモン剤や漢方薬などがある

市販の生理痛の薬を服用し、「あまり効かなかった」と感じたことのある方もいるかもしれません。市販の生理痛の薬の効果が十分に感じられない場合には、処方薬も選択肢に入れましょう。医師の診察が必要ではあるものの、自分の症状や体質に合った生理痛の薬の処方を受けられ、生理痛の根本的な改善を図れます。

本記事では、生理痛を和らげる市販薬・処方薬のメリットとデメリットや、市販の生理痛の薬の選び方、処方薬の種類などを紹介します。

生理痛の薬には市販薬と処方薬がある

「生理痛の薬はいつもドラックストアで購入している」という方もいるでしょう。生理痛に効く市販薬は多く販売されており手軽に入手できますが、診察を受けて薬を処方してもらうことも1つの方法です。

ここでは、生理痛の薬について、市販薬・処方薬それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

生理痛の市販薬のメリット・デメリット

市販の生理痛の薬のメリットは、ドラッグストアなどで手軽に購入でき、痛みがつらいときにすぐ服用できることです。医療機関で受診する時間がない場合も購入できる、生理痛に備えてあらかじめ購入しておけるといったメリットがあります。市販薬の中には、痛みを止める成分のほか胃腸に優しい成分がプラスされているものもあり、副作用を軽減できることもメリットの1つです。

ただし、市販薬でできることは生理痛への応急処置にとどまります。一時的な痛みはしのげても、根本的に生理痛の改善・治療はできないことを理解しておきましょう。強い痛みの原因が病気であるにもかかわらず市販薬で対応し続けると、病気の発見が遅れてしまうことも考えられます。

生理痛の処方薬のメリット・デメリット

生理痛の薬の処方を受けるメリットは、症状や体質に合う薬を入手でき、生理痛の緩和だけでなく、薬によっては生理痛自体の根本的な治療ができることです。市販薬として入手できるのは主に鎮痛剤ですが、病院で受診すれば、鎮痛剤だけでなく必要に応じてホルモン剤も処方されます。ホルモン剤の服用により、生理痛の緩和のほか経血量を減らしたり、生理に伴うイライラなどの症状を軽減したりできます。

市販の生理痛の薬の選び方

市販の生理痛の薬の主な成分には、ロキソプロフェン・アセトアミノフェン・イブプロフェン・アスピリンなどがあります。いずれも鎮痛作用のある成分ですが、以下のような場合は適した成分や着目すべきポイントが異なります。

  • 小・中学生が服用する場合
  • 胃腸に優しいものを選びたい場合
  • 仕事中や運転時に服用したい場合

それぞれにおける市販の生理痛の薬の選び方について、以下で見ていきましょう。

小・中学生が服用するならアセトアミノフェン

小学生や中学生が生理痛の市販薬を服用するなら、15歳未満も服用できるアセトアミノフェンを主成分とする薬を選びましょう。生理痛は初潮を迎えて2〜3年後から起こることが多く、小・中学生であっても重い生理痛に悩む可能性があります。若いうちから薬を飲んでも、用法・用量を守って長期間連続で服用しなければ、将来効かなくなることはありません。快適に学校生活を送るために、つらい場合は薬に頼りましょう。

飲みやすい味のものや、噛み砕いて服用できるチュアブルタイプのものなど、子どもも飲みやすい生理痛の薬が販売されています。本人に合ったものを一緒に選ぶとよいでしょう。

胃腸に優しい薬を選ぶなら成分や表示に注目する

「胃腸が弱い体質」「鎮痛剤を飲んで胃が痛くなったことがある」という方は、成分や表示に注目して生理痛の薬を選びましょう。

さまざまな鎮痛成分の中でも、アセトアミノフェンは胃腸障害が起こりにくい成分です。ロキソプロフェンやイブプロフェン、アスピリンなどはNSAIDs(エヌセイド)と呼ばれ、痛みのもとである「プロスタグランジン」の生産を抑えることで痛みを緩和します。

しかし、プロスタグランジンは、胃の粘膜を保護したり、胃酸の分泌を抑えたりする働きも持っています。そのため、NSAIDsの薬を服用すると副作用として胃腸障害が出る場合もあります。アセトアミノフェンはこうした仕組みで痛みを止めるものではないため、胃腸障害の症状が出にくい傾向があります。

ただし、アセトアミノフェンは他の鎮痛成分に比べると効き目が穏やかです。そのため、「胃腸も守りたいが早く効いてほしい」という場合は、NSAIDsを主成分としながら胃腸に優しい成分も配合された生理痛の薬を選ぶとよいでしょう。加えて、胃腸への刺激を減らすために、空腹時の服用を避けることも大切です。

仕事中や運転時に飲むなら眠くなる成分が無配合のもの

市販の生理痛の薬には眠くなる成分が含まれているものもあるため、仕事中や運転中に服用する場合には注意が必要です。眠くなる主な成分は、「ブロモバレリル尿素」「アリルイソプロピルアセチル尿素」などがあります。いずれも鎮静作用があり、鎮痛剤に含まれていることが多い成分です。眠気を避けたいときに生理痛の薬を飲む場合は、こうした成分が配合されていない市販薬を選びましょう。

市販の生理痛の薬を飲む際の注意点

生理痛を和らげるために市販薬を飲む場合は、注意しておきたいポイントが2つあります。生理痛の薬を安全に服用して効果を得るために、ぜひ知っておきましょう。

用法・用量を守る

市販の生理痛の薬を服用する場合は、パッケージや添付書類に記載されている用法・用量を守りましょう。自己判断で量や服用のタイミングを増やすと、副作用のリスクが高まります。また、本来子どもが服用できない薬を成人の用量の半分だけ飲ませるようなことも、やめましょう。

用法・用量を守って薬を服用しても生理痛が改善されない場合は、病気が原因の可能性もあるため医療機関の受診をおすすめします。

痛みが強くなる前に飲む

市販の生理痛の薬は、痛み始めたら我慢せず早めに服用しましょう。服用してから効果を感じられるまでに30分ほどかかるため、生理痛が強くなってから服用すると、プロスタグランジンが多く生成された状態で十分な鎮痛効果を得にくくなります。

ただし、まだ生理痛がない状態での服用はおすすめできません。予防的に生理痛の薬を服用すると、副作用が出たり服用回数の増加による使用過多で頭痛が起こったりする可能性があるためです。

生理痛で受診した際の処方薬の種類

医療機関で処方される生理痛の薬の中には、市販薬とは異なる種類もあります。薬によっては、市販薬のように痛みを緩和するだけでなく、生理痛そのものの改善も期待できます。生理痛で受診した際にどのような処方薬があるのか、以下で見ていきましょう。

鎮痛剤

痛みを抑える鎮痛剤は、生理痛の主な処方薬の1つです。市販の生理痛の薬と同成分の処方薬もあるものの、診察を受けたうえで処方されるため、自分の症状や体質に合った鎮痛剤を受け取れるでしょう。

低用量ピル

生理痛の治療を目的として、女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」を含む低用量ピルが処方されることもあります。主に避妊を目的とする低用量ピルが「OC(Oral Contraceptives)」、月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられる低用量ピルは「LEP(Low dose Estrogen Progestin)」と呼ばれます。

低用量ピルの服用によって子宮内膜の増殖を抑制すると、月経時に経血を排出するために子宮を収縮させる「プロスタグランジン」の生産を抑えられます。痛みのもととなるプロスタグランジンの生産を抑えることで、生理痛の軽減が期待できるでしょう。

漢方薬

漢方薬も、生理痛の薬の一つです。漢方薬によって体質を改善することで、生理痛の緩和を図ります。多くの場合、生理痛が起こる背景には身体の冷えがあり、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」「五積散(ごしゃくさん)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」など、冷えに効果的な漢方が一人ひとりの症状や体質に合わせて処方されます。生理中のイライラや不安など、精神面における症状の改善効果が期待できる漢方もあります。

抗不安薬

生理痛に加えて精神的な症状が強い場合は、抗不安薬が処方されることもあります。具体的な症状には、「些細なことにイライラする」「涙もろくなる」「憂うつで無気力になる」などが挙げられます。こうした精神的な症状は、生理中だけでなく生理の前後にわたって強く出る場合があります。「生理前後は気分の浮き沈みが激しく、どうして良いかわからずつらい」という方は、医師に相談してみましょう。

生理痛の処方薬を入手する方法

生理痛の薬の処方を受けるには、医療機関での受診が必要です。受診の方法には、医療機関を直接訪れる方法と、オンライン診療を利用する方法があります。それぞれの方法について、以下で見ていきましょう。

医療機関に行って受診する

医療機関に足を運び、直接医師の診察を受けたのちに処方箋を発行してもらうことで、生理痛の薬を入手できる方法です。診察を受けた医療機関の中で薬を受け取れる院内処方と、処方箋を受け取り調剤薬局へ薬を受け取りに行く院外処方の2パターンがあります。どのパターンで薬を受け取れるかは、医療機関によって異なります。

オンライン診療で受診する

オンラインで医師の診察を受け、生理痛の薬の処方を受ける方法です。医療機関に足を運ぶ必要がないため、時間がない場合や外出が難しい場合であっても気軽に受診できます。処方された生理痛の薬は、自宅に配送される場合もあれば、郵送によって処方箋を受け取り、調剤薬局に持参して薬を受け取る場合もあります。

まとめ

市販の生理痛の薬は、必要なときに購入してすぐに服用できるのがメリットです。一方、医療機関で受診すれば、自分の症状や体質に合った生理痛の薬を処方してもらえるほか、ピルの服用により生理痛の根本的な治療が行えます。毎回生理痛がつらく悩んでいる方は、医療機関やオンライン診療で受診してみてはいかがでしょうか。

レバクリでは、ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました