レバクリ

更新日:2025年01月21日

ピルを飲み始めるのはいつでもいい?タイミングや飲み方、効果を解説

この記事のまとめ
  • 低用量ピルは21日間連続で服用したあと、7日間休薬する
  • 低用量ピルを飲み始めるタイミングには、Day1スタートとSundayスタートがある
  • ピルを1日分だけ飲み忘れたときは、気づいた時点で前日分を服用し、当日分はいつもの時間に飲む
  • ピルを飲み始めることでいつ効果が出るかは、服用目的によって異なる

低用量ピルの服用を検討しており「いつから飲み始めるの?」と気になっている方もいるでしょう。低用量ピルを飲み始める主なタイミングとして、生理初日または生理開始後の最初の日曜日が挙げられます。

この記事では、低用量ピルをいつから飲み始めるかや飲み忘れたときの対処法、飲み始めてから効果が出るまでの期間を症状別に解説します。低用量ピルの副作用についても解説するので、服用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

低用量ピルとは?

低用量ピルとは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類の女性ホルモンを配合した薬です。主に避妊やPMSの治療、生理痛の緩和、肌荒れの改善などを目的として処方されます。

低用量ピルは、黄体ホルモンの種類によって第一世代・第二世代・第三世代・第四世代に分類されます。ここでは、低用量ピルの4つの分類と飲み方を見ていきましょう。

含まれるホルモンによって4つに分類

低用量ピルは、含まれる黄体ホルモンの種類によって以下の4つに分類されます。

分類含まれる黄体ホルモン効果・特徴
第一世代ノルエチステロン(NET)・肌荒れの改善
・月経困難症の改善
・子宮内膜症の治療
第二世代レボノルゲストレル(LNG)・生理周期の安定
第三世代デソゲストレル(DSG)・ニキビの治療
・多毛症の改善
第四世代ドロスピレノン(DRSP)・子宮内膜症の治療
・月経困難症の治療
・避妊目的では処方されない

どの種類のピルが適しているかは、悩んでいる症状や服用する目的によって異なります。ピルを飲み始める際は病院を受診し、医師の処方を受けましょう。

ピルの処方を受けるには、場所や時間にとらわれずビデオチャットや電話で診察が受けられるオンライン診療を利用する方法もあります。忙しくて病院に行く時間が取れない方は、ぜひ検討してみてください。

低用量ピルの飲み方

低用量ピルの飲み方のポイントは、以下の2点です。

  • 1日1錠を決まった時間に服用する
  • 21日間連続で服用する

低用量ピルは原則として21日間連続で服用し、7日間の休薬期間を挟んで再び21日間の服用を行います。低用量ピルには、21錠シートと28錠シートがあります。

21錠シートの場合は、シートの薬を飲みきったら7日間は錠剤の服用をお休みしてください。28錠シートの場合、22錠目~28錠目は薬の成分が入っていない偽薬となっており、毎日錠剤を飲み続けます。

低用量ピルを飲み始めるタイミングはいつ?

低用量ピルを飲み始めるタイミングは、原則として生理開始日〜5日以内です。生理5日以内に飲み始める理由は、卵子の成長を止められる期間であることと、妊娠していないことがはっきりしている期間のためです。

低用量ピルを飲み始めるタイミングには、主にDay1スタートとSundayスタートがあります。ここでは、それぞれの飲み方を確認しましょう。

Day1スタート

Day1スタートは、生理初日からピルを飲み始める方法です。

万が一生理初日を逃したとしても、生理開始から5日以内に飲み始め、7日間服用を継続すれば、避妊効果を期待できるとされています。妊娠を避けたい場合、7日間連続の服用が終わるまでは、ピル以外での避妊を怠らないようにしましょう。

Sundayスタート

Sundayスタートは、生理開始後の最初の日曜日からピルを飲み始める方法です。仮に生理3日目が日曜日であれば、3日目から服用をスタートします。Sundayスタートの場合、低用量ピルの避妊効果が出るまでは連続7日間の服用が必要です。

低用量ピルを服用している場合、21日間の服薬を終えた2~3日後に生理が始まります。そのため、Sundayスタートでは週末に生理が重ならないようにできるメリットがあります。

1Dayスタート・Sundayスタート以外

低用量ピルは、1DayスタートやSundayスタート以外のタイミングであっても飲み始めることが可能です。ただし、妊娠していないことを確認したうえでのスタートになります。前回の生理から性行為を一度もしていない状態であると安心でしょう。

ピルを飲み忘れたときの対処法

ピルを飲み忘れたときの対処法は、飲み忘れた日数によって変わります。

1日分だけ飲み忘れたときは、気付いたときに速やかに1錠服用してください。飲み忘れに気付いたのが翌日の服用時間だったときは、その日だけは2日分(2錠)飲みます。その後は、通常どおり服用を継続しましょう。

2日分飲み忘れたときも、1日分飲み忘れたときと同様に気づいた時点で前日分を服用し、当日分をいつもの決まった時間に飲みます。低用量ピルを飲めるのは、1日2錠までです。

3日間飲み忘れたときは服用を中止し、次の生理が始まってから新しいシートのピルを飲み始めましょう。ピルを飲み忘れたときの対処法に不安があるときは自己判断せず、医師の判断を仰ぎましょう。

ピルの効果はいつから?症状別に確認

ここでは、低用量ピルを飲み始めてから効果が出るまでの日数を症状別に解説します。自分の症状や服用目的に合わせて確認しましょう。

1.生理痛やPMSの軽減

生理痛やPMS軽減の効果は、早ければ低用量ピルを飲み始めた次の生理から感じられます。基本的には、2~3ヶ月ほど服用を継続すると効果を感じられるでしょう。

なお、ピルは種類によって期待できる主な効果が異なり、効果の感じ方にも個人差があります。最初に選んだピルで効果を感じられなくても、種類を変えると症状が改善されることも少なくありません。数ヶ月飲み続けても効果を感じられないときは、医師に相談しましょう。

2.避妊

避妊効果が出るまでの日数は、ピルを飲み始めたタイミングによります。生理初日から服用をスタートしたときは、その日から避妊効果を得られます。Sundayスタートで避妊効果を得られるのは、服用を開始してから1週間後です。

それ以外のタイミングで服用をスタートしたときや、2日分の飲み忘れがあったときは、連続して7日間の服用を続けたあとに避妊効果を期待できます。ただし、1シート目で2日分の飲み忘れがあった場合、避妊効果が下がるおそれがあることに注意しましょう。

3.肌荒れ

肌荒れの改善は、症状の程度によって効果を感じられるまでの期間が異なりますが、2~3ヶ月ほど服用を継続すると効果が出ると考えられます。数ヶ月服用を継続しても効果を感じられない場合、体質に合っていない可能性があるため医師に相談しましょう。

なお、ピルを飲み始めて間もないころは一時的にホルモンバランスが乱れるため、肌荒れする可能性があることを覚えておきましょう。

4.生理開始日の調整

低用量ピルをすでに服用している場合は、休薬するタイミングを変更することで生理開始日を調整できます。

ピルの一時的な服用により生理開始日を調整したいときは、中用量ピルを服用するのが一般的です。中用量ピルは低用量ピルと比較して副作用が出やすいとされているため、まずは医師に相談しましょう。

低用量ピルの副作用

低用量ピルはPMSの軽減や生理痛の緩和、肌荒れの改善などさまざまな効果がある一方で、気を付けたい副作用もあります。

ここでは、低用量ピルを服用した際に起こりうる主な副作用について解説します。

めまい・頭痛・吐き気・むくみ

低用量ピルを服用した際に表れる主な副作用として、以下の例が挙げられます。

  • めまい
  • 頭痛
  • 吐き気
  • むくみ
  • 乳房の張り
  • 不正出血
  • 肌荒れ

いずれの症状も一時的なホルモンバランスの乱れによるもので、2~3ヶ月程度服用を継続すると治まるとされています。服用開始から3ヶ月以上経っても副作用の症状が続くときは、自己判断で服用を中止せず、まずは医師に相談しましょう。

血栓症のリスクがわずかに上昇する可能性も

低用量ピルの副作用として、血栓症リスクがわずかに上昇することも挙げられます。ピルに含まれる卵胞ホルモンには、血を固まりやすくする作用があるためです。しかし、ピルの服用による血栓症の発症はまれであり、過度に心配する必要はありません。

もともと血栓症リスクが高い、35歳以上で1日15本以上の喫煙をしている方は原則として低用量ピルを服用できません。35歳未満であっても、ピル服用中は禁煙することを強く勧めます。

ピルは病院を受診して処方してもらおう

ピルの服用を希望するのであれば、まずは病院を受診して医師に相談しましょう。

ピルにはさまざまな種類があり、それぞれ含まれる黄体ホルモンの種類やホルモン量が異なります。期待する効果を得るために、自分の症状や体質に合うピルを医師に処方してもらいましょう。

また、ピルの服用により副作用が生じることがあります。2~3ヶ月ほど服用を継続すると副作用は落ち着くとされていますが、心配なときは医師に相談しましょう。

ピルを服用したいものの通院時間を確保できないときは、オンライン診療の利用も検討してみてください。

まとめ

低用量ピルは21日連続で服用し、7日間休薬する薬です。ピルを飲み始める主なタイミングには、生理初日に飲み始める1Dayスタート、生理が始まった次の日曜日から始めるSundayスタートがあります。

また、1DayスタートやSundayスタート以外のタイミングであっても、妊娠の可能性がない場合は服用を開始することが可能です。

低用量ピルは避妊やPMSの症状軽減などさまざまな効果がある一方で、一時的なホルモンバランスの乱れによって不正出血や吐き気といった副作用が起こる可能性があります。低用量ピルの服用を考えている方は、まずは医師に相談しましょう。

低用量ピルの相談や処方には、場所や時間にとらわれず、ビデオチャットや電話で診察が受けられるオンライン診療が便利です。

オンライン診療のレバクリであれば、初診料・診察料0円でピルの処方を受けられます。忙しくて病院に行く時間が取れない方は、ぜひ利用を検討してみてください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました