更新日:2025年01月21日
生理前・生理中に眠い原因とは?眠気対策や寝た方がいいのかも解説
- 生理前や生理中の眠気は、プロゲステロンの分泌量の増加や体温の上昇、貧血などが原因
- 生理前・生理中に眠いとき、正午から14時頃までに15~30分ほどの仮眠をとるとよい
- 生理前・生理中に眠く仮眠がとれない場合は、ストレッチ・深呼吸などによって眠気を覚ます
- 生理前・生理中に眠いときは生活習慣を見直し、整った生活リズムや良質な睡眠などを心掛けることも大切
- 生理前・生理中の眠気対策が難しい場合は、薬・サプリの服用や医療機関の受診も選択肢
生理前や生理中に眠気に襲われ、「眠いときは寝た方がいいのか?」と思ったことがある方もいるでしょう。排卵から生理前にかけては女性ホルモンのプロゲステロンの分泌の増加、生理中は経血の排出による貧血によって、眠気が生じる場合があります。
本記事では、生理前・生理中の眠気の原因や眠いときに寝た方がいいのかを解説します。眠気覚ましの方法や眠気対策として日頃から気をつけるべきことも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
生理前・生理中のひどい眠気の原因は?
生理前や生理中のひどい眠気に悩んでいる方もいるでしょう。眠気が起こる原因は、生理前や生理中に起こる身体の変化にあります。以下で見ていきましょう。
プロゲステロンの分泌量の増加
排卵後から生理が始まるまでの期間には、女性ホルモンの1つであるプロゲステロンが多く分泌されます。プロゲステロンが分泌されると、眠気やむくみ、イライラなどの不快な症状が起こりやすくなります。
基礎体温の上昇
プロゲステロンの増加に伴い、基礎体温(安静時の体温)が上昇します。排卵後から生理前までは、基礎体温が通常よりも0.3~0.6度ほど高い状態が続く「高温期」です。
一般的に、人が眠くなるのは体温が下がったときです。しかし、高温期では体温の高い状態が続き、眠る時間になっても体温が下がらないため、寝つきや睡眠の質が悪くなります。その結果、昼間に強い眠気を感じる場合があります。
貧血
生理中に眠くなる原因として、貧血も挙げられます。生理の出血量が多いと、体内で酸素を運ぶ血液が不足し、脳に送られる酸素が不足します。その結果、眠気が起こったり頭がぼんやりしたりします。
生理前・生理中に眠いときは寝た方がいいのか?
生理前や生理中に眠い場合、無理をせず仮眠をとることをおすすめします。眠気を我慢するのはつらく、作業に集中しづらいでしょう。仮眠によって眠気が解消されれば、気分もすっきりすると考えられます。
ただし、夕方以降に仮眠をとると夜に眠れなくなる可能性があります。仮眠をとる場合は、正午から14時頃の15~30分程度にとどめましょう。
生理前・生理中に仮眠がとれない場合の眠気対策5選
仕事や学校の日に仮眠をとることはなかなか難しいものです。以下では、仮眠がとれない場合に眠気を覚ます5つの方法を紹介します。
1.眠気を覚ます飲み物を飲む
コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインの入った飲料は、眠気を覚ます効果があります。温かいものなら約30分後、冷たいものなら1時間ほどで頭がすっきりするでしょう。
また、カフェインが入っていない飲料でも、冷たい飲み物を飲むことで身体が冷え、眠気覚ましになることもあります。
2.軽くストレッチする
肩や首を回す、上半身をひねるなど、軽いストレッチも日中の眠気覚ましに効果的です。人が眠さを感じるときは、身体の働きを抑制する副交感神経が優位になっています。
身体を動かすことで、身体の働きを促進させる交感神経が優位となり、眠気が覚めやすくなります。ストレッチをすることで、気分転換・リフレッシュにもなるでしょう。
3.深呼吸する
深呼吸によって、眠気が覚めることがあります。脳に酸素が不足すると眠くなるため、酸素を多く取り込む深呼吸は有効です。
部屋の窓を閉め切っている場合は、窓を開けて換気をしてみましょう。換気することで室内の酸素濃度を高められ、体内に酸素を取り込みやすくなります。
4.手や首を冷やす
体温が上がりすぎないように、手や首などを冷やすことも効果的です。冷たい水で手を洗うことなら、仕事や学校の日も手軽にできるでしょう。そのほか、ネッククーラーや冷却ジェルシートなどを活用し、首やわきの下といった血管が集まる箇所を冷やすと、身体を効率的に冷やせます。
5.アロマやハーブの香りをかぐ
香りによって、眠気を覚ます方法もあります。眠気対策に効果的な香りは、以下のとおりです。
- ペパーミント
- レモン
- グレープフルーツ
- ハッカ
- ローズマリー
- ユーカリ
アロマオイルやハーブティーで、香りを楽しみながら生理前・生理中の眠気を覚ましましょう。
生理前・生理中に眠くならないための生活習慣
生理前や生理中の眠気を防止するためには、日々の生活習慣にも気を付けましょう。具体的にどのような点に注意すべきなのか、以下で解説します。
生活リズムを整える
普段から生活リズムを整えることで、生理前や生理中の心身への影響を最小限にできます。生活リズムを整えるための過ごし方を以下で見ていきましょう。
朝日を浴びて朝食をとる
起床したら朝日を浴びて朝食をとることで、「今は朝だ」と身体が認識します。朝日を浴びることで、セロトニンの分泌が促進されるほか、体内時計がリセットされます。毎朝行うことで、覚醒・睡眠のリズムが整いやすくなるでしょう。
起床時間を一定にする
毎朝一定の時間に起きることも、生活リズムを整えるために大切です。前日の就寝時間にかかわらず、朝は決まった時間に起きることで体内時計をリセットできます。
良質な睡眠を十分にとる
生理前や生理中に眠いと感じるのは、日頃の睡眠不足や睡眠の質の悪さが原因の場合もあります。良質で十分な睡眠をとるために大切なことを、以下で紹介します。
自分に必要な睡眠時間を知る
まずは、自分にとって十分な睡眠時間を把握しましょう。そのために、連休などを利用して十分に睡眠をとる生活を続けてみてください。
日頃の疲労から、最初の数日は長くなる場合もありますが、続けることで徐々に睡眠時間が減少します。日によってばらつきがなくなった頃の睡眠時間が、自分に必要な睡眠時間だと考えられます。
睡眠環境を整える
寝室の環境を整えることで、質の高い睡眠の確保が期待できます。温度や湿度、寝具、明るさなど、快適に眠れる環境を整えましょう。
ぬるめのお湯に浸かる
就寝の2~3時間前に、38度くらいのぬるめのお風呂にゆっくり浸かると効果的です。入浴時に上がった体温が就寝前に下がることで、眠りに入りやすくなります。
寝る前にスマートフォンやパソコンを使わない
寝る前にスマートフォンやパソコンを使うことは避けましょう。デバイスから発せられる強い光が目に入ることで、脳への刺激となり寝つきが悪くなります。
運動の習慣をとり入れる
運動によって身体が適度に疲れることで、深い眠りにつきやすくなります。運動は習慣として定期的に行うことが大切です。就寝前の激しい運動はかえって睡眠に悪影響を及ぼすおそれがあるため、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。
運動する時間は夕方から夜にかけて、就寝の3時間ほど前がよいでしょう。運動によって上がった身体や脳の温度が低下することで、スムーズに眠りにつけます。
生理前・生理中の眠気に自分で対策できない場合
眠気対策を行っても生理前・生理中に眠い場合は、薬や医療機関を頼ることも選択肢の1つです。以下では、それぞれどのようなケースがあるのかを紹介します。
市販薬やサプリを利用する
生理前・生理中の眠気に効果が期待できる市販薬・サプリとして、以下の例が挙げられます。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- チェストベリー
加味逍遙散は漢方薬で、生理前・生理中で不安定な睡眠のサイクルを整えて日中の眠気を起こりにくくする効果が期待できます。チェストベリーは西洋ハーブの1つで、古代から婦人科の疾患に使われてきた成分です。チェストベリーを使った市販薬やサプリが販売されています。
薬局やドラッグストアで購入できるため、自分に合いそうなものを選んで服用するとよいでしょう。
医療機関を受診する
生理前・生理中に強い眠気がある場合は、婦人科や産婦人科で相談することも一案です。一人ひとりの症状や体質に合わせて、ピルや漢方の処方を受けられます。
医療機関へ出向く時間がない方は、オンライン診療も選択肢に入れましょう。オンラインで医師の診察を受けられ、薬の処方も受けられるため便利です。自分に合った受診方法を検討しましょう。
まとめ
生理前や生理中に眠くなる原因は、女性ホルモンのプロゲステロンの分泌量の増加や体温の上昇、貧血などです。「生理中に眠いときは寝た方がいいのか」と迷うこともあるかもしれませんが、眠気を感じたら、可能であれば仮眠をとりましょう。仮眠をとれない場合は眠気覚ましの対策をするとともに、生理前・生理中の眠気を防ぐために日々の生活習慣を見直すこともおすすめします。
それでもひどい眠気を感じる場合は、薬やサプリの服用を検討しましょう。市販薬もありますが、医療機関を受診すれば自分の症状や体質に合った薬を処方してもらえます。
医療機関に行く時間がない場合は、オンライン診療で医師の診察を受けることがおすすめです。
レバクリでは、ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました