更新日：2025年05月26日
生理前に胃腸の働きが低下し気持ち悪い状態が続くと、仕事やプライベートに集中できず、つらいと感じるでしょう。生理前に吐き気や頭痛、気分の落ち込みといったさまざまな不調がみられる場合は、PMSの可能性があります。
この記事では、生理前に気持ち悪いと感じる原因や吐き気の対処法のほか、PMSの症状を緩和させる方法などについて解説します。
生理前に気持ち悪いと感じるのは、珍しいことではありません。生理前の体調が不安定な時期に気持ち悪いと感じる主な原因は、次の3つです。
自分がどのパターンに当てはまるのかを知ることで、対処法を検討しやすくなります。まずは、生理前に気持ち悪いと感じる原因について解説します。
生理前に毎回気持ち悪いと感じるケースでは、PMSの可能性が考えられます。PMSは月経前症候群とも呼ばれ、生理の3～10日ほど前からみられる精神的・身体的な不調の総称です。
気持ち悪さだけではなく、腰痛や頭痛、気分の落ち込み、食欲不振、めまいなど、症状は多岐にわたります。生理前になると調子が悪い場合は、PMSを疑いましょう。
PMSの症状や程度は個人差が大きいですが、日常生活に支障をきたすほど深刻な場合は早めに医療機関を受診しましょう。
生理前のタイミングで服用している薬がある場合は、副作用で気持ち悪さが生じている可能性があります。ホルモンバランスが乱れて体調が不安定になりやすい生理前は、薬の影響も受けやすいでしょう。
市販薬であっても、成分によっては胃腸に負担がかかり、気持ち悪いと感じる原因になります。また、低用量ピルの服用を開始した直後は、体がホルモンバランスの変化に慣れず、吐き気の副作用が現れる可能性があります。
低用量ピルの副作用に関しては、飲み続けることで症状が緩和するのが一般的なため、大きな心配はいらないでしょう。
妊娠している場合は、生理前のタイミングで気持ち悪いと感じる可能性があります。つわりは多くの妊婦が経験する症状で、始まるタイミングや程度は人それぞれです。
つわりの症状が早くから出るケースでは、妊娠が発覚する前に気持ち悪さを感じることもあるでしょう。妊娠の可能性があり生理が遅れている場合は、妊娠検査薬を使用して妊娠の有無を確認してみましょう。妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後から使用できます。
妊娠の可能性がある場合、気持ち悪いのが生理前の症状なのか妊娠の初期症状なのかを早く見極めたいと感じることもあるかもしれません。しかし、吐き気の症状だけでは、原因がPMSと妊娠のどちらかを判断するのは難しいでしょう。
PMSと妊娠初期ではどちらも吐き気の症状が出やすく、症状の程度に大きな差はないためです。妊娠の有無を確認するなら、まずは生理予定日の1週間後になるまで待ち、妊娠検査薬で確認しましょう。
生理前に気持ち悪い原因がPMSの場合は、生理の1週間ほど前から数日前までの期間に症状が現れることが多いでしょう。
一般的には、生理が始まる頃にはエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が低下し、吐き気の症状が落ち着きます。ただし、場合によっては生理が始まった後も気持ち悪さが続くことがあります。
生活習慣やストレスが影響を与えることもあるため、無理をせず安静にすることが大切です。
生理前に気持ち悪いときは、次の6つの対処法を試してみましょう。
生理前から気持ち悪い状態が続くと、生理期間を含めて1か月の半分近くを体調が不安定な状態で過ごすことになります。気持ち悪いときの対処法を知り、症状緩和を図りましょう。
生理前に気持ち悪いと感じたとき、身体を温めることが対処法の一つです。生理前は女性ホルモンのプロゲステロンの増加により、胃腸の働きが鈍くなりやすく、生理前に気持ち悪さや吐き気を感じやすくなります。
身体を温めることで、胃腸周辺の筋肉の緊張が取れ、消化機能を促す効果が期待できるでしょう。また、入浴時は湯船に浸かって全身を温めると、精神的にもリラックスでき、吐き気や気持ち悪さが落ち着く可能性があります。
生理前に気持ち悪いと感じるときの対処法として、胃腸に負担をかけない消化のよい食事をとることも大切です。体力をつけようと無理をしてたくさん食べたり、カロリーの高いものを食べたりするのは逆効果です。
消化に時間がかかる脂肪・食物繊維の多い食べ物を摂取すると、余計に胃腸に負担がかかり、気持ち悪い状態が悪化する恐れがあるでしょう。コーヒーやアルコール飲料など、胃腸を刺激する飲み物も避けるのが無難です。
空腹時に血糖値が下がることで、気持ち悪いと感じる場合があります。空腹時間が長くなると暴飲暴食しやすくなり、空腹状態で一気に食べると血糖値が急上昇し、そのあと急激に低下して吐き気が生じる可能性があります。
空腹を避けるため、空腹を満たせる間食を用意し、こまめに食事を取るのがおすすめです。ただし、刺激の強い食事やカロリーの高い食事は消化に負担がかかるため、避けましょう。
無理のない範囲での軽いストレッチは、身体の緊張をほぐし、血流を改善する効果が期待できます。血流がよくなることで消化器官の働きが促され、気持ち悪さの緩和につながるでしょう。
気持ち悪くて動けない場合は無理をせず休息を取るのが優先ですが、気持ち悪い症状がある程度落ち着いている状態であれば、ストレッチをすることでリフレッシュできるかもしれません。体調をみながら、気持ちよいと感じられる程度のストレッチをしてみましょう。
対処法を試しても気持ち悪い状態が続く場合は、市販薬を服用するのも1つの方法です。漢方薬の「五苓散（ごれいさん）」は薬局やドラッグストアで購入でき、生理前の気持ち悪さの緩和効果が期待できます。
どの薬を飲んだらよいか迷う場合は、医療機関を受診して医師に相談しましょう。
生理前の吐き気の根本的な原因に対処するためには、低用量ピルの服用を検討しましょう。PMSによって生理前に気持ち悪い場合、ホルモンバランスの乱れが原因だと考えられます。
低用量ピルを服用することで、ホルモンバランスが整い、生理前であっても大きな体調の変化なく過ごせる可能性があります。
生理前に気持ち悪いと感じる原因のPMSは、次の2つの影響を受けます。
生理前の体調をうまくコントロールするためにも、PMSを悪化させる原因について知っておきましょう。
PMSが悪化する原因として、日常生活における過度なストレスが挙げられます。生理前は心身ともに敏感になりやすい時期であり、過度なストレスにさらされると、PMSによる不快症状が強く出る可能性があるでしょう。
強いストレスを感じた際には、コルチゾールというストレスホルモンの分泌が促されます。その影響で女性ホルモンのバランスが乱れ、PMSの症状が悪化する恐れがあります。
ストレスのほか、食生活の乱れによってプロスタグランジンの分泌量が増えることがあり、PMSの悪化につながります。子宮の収縮や痛みの感じ方、炎症反応の調整などに関係するプロスタグランジンは、体内で生成される生理活性脂質です。
添加物を含んだ食品を過度に摂取したり、脂質の多い食事を続けたりしていると、プロスタグランジンの分泌量が増え、PMSの症状が強く出る恐れがあるでしょう。
生理前に気持ち悪い原因として、PMSや妊娠の初期症状などが考えられます。とくにPMSに悩む女性は多く、毎月生理前に体調が不安定になるケースもあるでしょう。
身体を温める・ストレッチをするといった対処法で吐き気が緩和されない場合は、低用量ピルを服用して女性ホルモンのバランスを整えるのも1つの手段です。
レバクリでは、低用量ピルのオンライン処方をおこなっています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修：
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
＜所属学会＞ 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました
