更新日:2025年05月26日
「排卵期になるとイライラや眠気がひどい」「排卵期の体調不良がしんどい」と悩んでいる方もいるかもしれません。排卵期のイライラや眠気といった症状は、女性ホルモンの急激な変動により起こると考えられています。
本記事では、排卵期に起こりやすい症状について解説します。また、月経周期ごとに見られる体調の変化や、排卵期の不調を軽減するための方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
排卵期とは、排卵日前後の期間のことです。排卵日とは排卵が起こった日のことで、成熟した卵子が卵巣から排出されることを排卵といいます。
個人差はありますが、排卵は約4週間に1回の頻度で起こるため、排卵期も約4週間に一度の頻度で訪れます。
排出された卵子は卵管に取り込まれ、卵管内で精子と出会って受精すると受精卵になります。受精卵が子宮にたどり着き、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。排卵日に卵子が排出されるため、排卵期は妊娠しやすい時期といえます。
月経周期とは、月経が始まってから次の月経が開始するまでの期間です。個人差はありますが、約1か月のサイクルで繰り返され、次の4つの時期に分けられます。
月経期とは、月経が起こっている期間のことです。月経は、受精が起こらなかったときや、受精しても着床しなかったときに子宮内膜が剥がれ落ち、体外に排出されることで起こります。比較的妊娠しにくい時期とされ、月経期には腰痛や腹痛を感じたり、気分が落ち込んだりしやすくなります。
月経期が終わると、子宮内膜の厚みが少しずつ増す卵胞期です。身体面と精神面のどちらも調子が良くなる傾向があります。
卵胞期が過ぎると排卵期です。排卵日前後には女性ホルモンの分泌量が大きく変化するため、倦怠感や眠気、イライラといったさまざまな症状が生じやすくなります。また、人によっては排卵痛を感じる場合もあります。
排卵期が終わると黄体期です。黄体期には子宮内膜が厚くなり、着床に備えます。黄体期には身体に栄養や水分が溜まるため、むくみを感じる場合があります。また、イライラや不安、眠気などの症状も出やすくなります。
個人差はありますが、月経周期が28日の場合、月経開始日から約14日後に排卵し、排卵から14日ほど経つと月経が始まるため、排卵日は月経の始まりと次の月経の始まりのおよそ中間の日となります。
月経前後は妊娠しにくく、排卵日前後は妊娠しやすいという違いはありますが、いずれも心身の不快症状が出やすい時期です。ストレス解消を心がけたり、趣味を楽しんだりと、穏やかに過ごせるよう工夫しましょう。
排卵期は、心身ともに不調になりやすいと考えられます。ここでは、排卵期によく見られる症状を紹介します。
排卵痛は、排卵の際に卵胞が破れ、卵胞液と血液が腹膜を刺激することで生じると考えられています。
個人差はありますが、排卵痛は長ければ2日ほど続くこともあります。無理に我慢せず、鎮痛剤で対処する方法も検討してみましょう。
あまりにも痛みが強いときは、子宮内膜症の可能性があります。早めに医療機関を受診し、症状を伝えて痛みの原因を調べてもらいましょう。
排卵期には、ごく少量の出血が見られることがあります。これを排卵期出血と呼び、病気ではないため過度に心配する必要はありません。
下着の汚れが気になるときは、排卵日の2~3日前からおりものシートやナプキンをつけておきましょう。
排卵期は体調不良になりやすく、「身体がだるい」「しんどい」と感じる場合があります。
また、吐き気や眠気が生じることもあります。排卵期に眠気の症状が出るのは、排卵後に分泌量が増える女性ホルモンのプロゲステロンが分解されると、眠気を引き起こすアロプレグナノロンが産生されるためです。
排卵後には、黄体ホルモンの分泌量が増えます。黄体ホルモンには腸の蠕動運動を抑える作用があるため、排卵後から生理前にかけては便意を感じにくくなり、便秘が生じやすくなります。
また、便秘が続くと肌荒れを引き起こすこともあるため注意が必要です。便秘や肌荒れの予防のためにも、水分をしっかり摂ることを心がけ、決まった時間にトイレに行く習慣をつけましょう。
排卵後に黄体ホルモンの分泌量が増えることで乳腺が刺激され、胸の張りを感じることがあります。排卵期の胸の張りの症状には個人差がありますが、痛みを感じるほど張ることもあります。
排卵期には、イライラしたり怒りっぽくなったりすることがあります。
排卵期のイライラ感は、ホルモンバランスの変化により起こると考えられています。軽い運動や友人との会話、アロマなどで気分転換を図りましょう。
排卵日の2~3日前はおりものの量が増え、排卵日を過ぎると減少する傾向があります。また、排卵日前のおりものは量が増えるだけでなく、色は透明で粘り気があるのも特徴です。
ただし、おりものの量には個人差があるため、量が増えた際に必ずしも排卵日が近いわけではありません。
排卵期は便秘やイライラ感など、不快な症状が出やすくなります。ここでは、排卵期をできる限り快適に過ごせるよう、症状を和らげる方法を4つ紹介します。
身体を温めることで、排卵期の症状を軽減できる可能性があります。排卵日は体温が下がるため、靴下や手袋などで末端部を温めたり、普段よりも長めにお風呂に入ったりすると良いでしょう。
また、腹部を締め付ける服を避けることで、血行不良を防ぎ、腹痛を軽減できる可能性があります。ゆったりとした下着や衣服を身につけて血行を促進し、身体も心もリラックスして過ごせるようにしましょう。
排卵期の症状を和らげるには、規則正しい生活を心掛け、十分な睡眠をとることが大切です。睡眠時間が不足すると女性ホルモンの分泌に影響を与え、身体の不調が起こりやすくなる恐れがあります。
また、栄養バランスの良い食事をとることも大切です。適度な運動も心掛け、健康的な暮らしを意識しましょう。
ストレスにより自律神経(交感神経・副交感神経)が乱れると、女性ホルモンのバランスも乱れる恐れがあります。また、過度なストレスを受けると交感神経が優位になり、血行が悪くなって排卵期の腹痛や便秘などの症状が悪化する可能性もあります。
排卵期は、普段以上にストレス解消に努めることが大切です。好きな音楽をかけたり、好みのアロマを焚いたりすることで、リラックスして過ごせるようにしましょう。
低用量ピルとは、女性ホルモンのプロゲステロンとエストロゲンを配合した薬です。
低用量ピルを正しく服用すれば、排卵が起こらないため、排卵痛もなくなります。また、低用量ピルの服用によりホルモンバランスが整うことで、女性ホルモンの急激な変動によるイライラや倦怠感などの症状も軽減すると考えられます。生理にまつわる症状がつらいと感じている場合は、医療機関を受診し、ピルを処方してもらうのも一つの方法です。
忙しくて病院に行く時間を取れない方や、婦人科の病院に行くことに抵抗がある方は、オンライン診療を検討しましょう。
妊娠しているときは、おりものの量や粘り気が変わることがあります。おりものの量が増えるという点は通常の排卵期の症状と同じですが、妊娠している場合は粘り気がなく普段よりもサラサラと水っぽくなる点が異なります。
普段は排卵期におりものの量が増えない方も、妊娠すると増えやすくなるようです。
また、排卵期のおりものは一般的に透明ですが、妊娠すると色が白っぽくなったり、黄色やクリーム色になったりすることがあります。着床出血が生じておりものに混ざり、薄茶色のように見えることもあるでしょう。
妊娠しているときのおりものは、臭いが強くなることも特徴です。普段よりも酸っぱい臭いがする場合があります。
ただし、妊娠したときのおりものの変化には個人差があります。量が増えて粘り気がなく、色が白っぽくなったとしても、必ずしも妊娠のサインではない点に注意しましょう。
排卵期には、女性ホルモンの分泌量の急激な変化により、排卵痛や便秘、眠気、倦怠感といった症状が出ることがあります。
十分な睡眠や栄養バランスの取れた食事、軽い運動などによって生活習慣を改善することで、排卵期の不快な症状が軽減する可能性があるでしょう。
また、身体を温めることやストレス解消によっても、排卵期の症状を軽減できる可能性があります。
排卵期から生理開始までの不快な症状に悩んでいるときは、ピルの服用も検討してみましょう。ピルを正しく服用するとホルモンバランスを整えられ、女性ホルモンの急激な変動による不快症状を改善できます。
ピルを服用したい場合、婦人科・産婦人科の病院で受診することで処方してもらえます。病院に行く時間がとれない方は、オンライン診療を検討してみましょう。
レバクリは、ピルのオンライン処方を行っています。通院時間や待ち時間がかからず、初診料や診察料は無料です。ピルは最短で即日発送され、自宅に届きます。生理にまつわるお悩みがある方は、ぜひご相談ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました