更新日:2025年08月04日
「プロゲステロンって何?」「プロゲステロンは生理に関係している?」と気になっている方もいるでしょう。女性ホルモンにはプロゲステロンとエストロゲンの2種類があり、月経周期やライフステージ・年齢によって分泌量が変化します。
本記事では、女性ホルモンのプロゲステロンとエストロゲンの役割を紹介するほか、女性ホルモンと月経周期の関係、ライフステージ・年齢における分泌量の変化などについて解説します。女性ホルモンが乱れたときの対処法も解説するので、参考にしてください。
女性ホルモンとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)のことです。エストロゲンとプロゲステロンにはそれぞれ役割があり、生理周期や年齢によって分泌量が変化します。ここでは、そもそもホルモンや女性ホルモンとは何かを確認しましょう。
そもそもホルモンとは、脳下垂体や甲状腺、副甲状腺、副じん、すい臓、生殖腺などでつくられる化学物質で、血液によって全身に送られます。
ホルモンの主な働きは、身体の外側・内側の環境が変化しても、身体の働きを常に同じように保つことです。ホルモンは種類ごとに異なる働きをしており、多すぎたり少なすぎたりすると、病気を引き起こします。
女性ホルモンのプロゲステロンとエストロゲンは、女性らしい身体をつくったり妊娠・出産を助けたりする役割があります。ここでは、プロゲステロンとエストロゲンの2つのホルモンの役割について、それぞれ確認しましょう。
プロゲステロン(黄体ホルモン)の主な働きは、次のとおりです。
プロゲステロンは、排卵直後から分泌量が増えるのが特徴です。受精卵が着床しやすいように子宮内膜の厚みや柔らかさを維持し、妊娠に備えます。受精しなかった場合、排卵の約1週間後からプロゲステロンの分泌量は減少し、さらに1週間ほど経つと子宮内膜は体外に排出されます。
エストロゲン(卵胞ホルモン)の主な働きは、次のとおりです。
エストロゲンは、生殖器官を発達させたり、女性らしい丸みのある身体づくりを助けたりします。骨量を保持するほか、血管の健康を保って動脈硬化を防ぐ役割もあります。
エストロゲンの分泌量は20~30代頃にピークを迎え、45〜55歳頃の更年期になると急激に減少するのが一般的です。
女性ホルモンのプロゲステロンとエストロゲンの分泌量は、月経周期の中で変化します。ここでは、女性ホルモンと月経周期の関係について解説します。
月経周期とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの期間のことです。正常な月経周期は25日〜38日で、24日以下の場合は「頻発月経」、39日以上の場合は「稀発月経」とされます。
女性ホルモンのバランスが乱れると、月経周期も乱れやすくなります。ホルモンバランスの乱れの原因は、疲労やストレス、過度なダイエット、睡眠不足、病気などです。月経周期を安定させるには、ストレスや疲労を溜め込まず、規則正しい生活を送ることが大切です。
月経周期は、卵胞期・排卵期・黄体期・月経期の4つの期間からなります。ここでは、それぞれの期間におけるプロゲステロンとエストロゲンの変化について解説します。
卵胞期は、卵胞が卵巣内で成長する時期です。エストロゲンの分泌量が増え、子宮内膜が厚くなります。基礎体温(安静時の体温)は、低温が続きます。
卵胞期は、副交感神経の働きが活発になり、気分が安定しやすいのが特徴です。また、新陳代謝も活発になり、血行がよくなって肌や髪につやが出てきます。卵胞期は心身の調子がよく、アクティブに動ける時期といえるでしょう。
排卵期では、エストロゲンの分泌量がピークに達し、卵胞が十分に育つと卵胞から卵子が放出されます。排卵された卵子と精子が出会い受精すると、妊娠する可能性が出てきます。
排卵すると高温期に入り、ホルモンバランスが変動して気分が落ち込むなど、心身の変化が起こりやすくなるのが特徴です。
黄体期では、排卵を終えた卵胞が黄体に変化し、プロゲステロンを分泌します。子宮内膜がより厚くなり、妊娠に適した状態になります。
黄体期は引き続き高温期にあたり、イライラしたり落ち込んだりと精神的な不調を感じることもあります。プロゲステロンの影響により、身体のむくみや肌荒れに悩む方もいるでしょう。
受精しなかった、あるいは受精卵が着床しなかった場合、月経期に移行して厚くなった子宮内膜がはがれ落ち、体外に排出されます。月経期は、プロゲステロンとエストロゲンのどちらも分泌量が少ない時期です。
体温が下がることで血行不良になり、頭痛や腰痛などに悩まされる方もいるでしょう。生理の出血や生理痛などにより、精神的にも憂鬱になりやすい時期です。生理が終わりに近づくにつれて、エストロゲンの分泌量が増えて気分は落ち着いていきます。
プロゲステロンやエストロゲンは、生理周期の中で分泌量が増減するだけでなく、ライフステージ・年齢によっても変化します。ここでは、ライフステージ・年齢における女性ホルモンの分泌量の変化について解説します。
10代の思春期には、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が急激に増加し、多くの女性は初潮を迎えます。思春期の女性ホルモンの分泌量は不安定で、月経不順や月経困難症など、月経にまつわるトラブルが起こりやすいのが特徴です。
10代後半から45歳頃までが性成熟期にあたり、18歳〜37歳の「前期」と、37歳〜45歳の「後期」の2つの時期に分けられます。
前期は月経周期が安定しやすく、妊娠や出産に最も適した時期といわれています。後期はエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量が少しずつ減少し、不妊や身体のトラブルが増えやすくなる時期です。
閉経の前後5年間、計10年間を更年期といいます。個人差はありますが、一般的に更年期は45歳〜55歳頃です。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量は急激に低下し、肩こりや頭痛、疲労感、不眠、イライラなどさまざまな不調が生じます。月経周期は乱れ、次第に月経が来なくなり、閉経に至ります。
女性のライフステージは、閉経を経て、老年期に入ります。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量はわずかになり、それまで男性に多かった生活習慣病にかかりやすくなるのが特徴です。
女性ホルモンの分泌がわずかになることで、皮膚は弾力性を失い、シワやたるみが生じます。また、骨粗鬆症になりやすい点にも注意が必要です。
女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンは、ストレスや疲労、過度なダイエットなどによりバランスが乱れることがあります。
ここでは、女性ホルモンのバランスが乱れたときの対処法を解説します。
女性ホルモンが乱れたときの対処法は、病院でピルを処方してもらい、服用することです。ピルは、プロゲステロンとエストロゲンが配合された薬で、大体15~40歳頃まで服用できます。ピルの服用によりホルモンバランスが安定することで、女性ホルモンの変動による生理前のイライラや気分の落ち込み、生理痛などの症状が軽減します。
ピルは市販されておらず、病院で処方してもらう必要があるため、婦人科・産婦人科で受診しましょう。
病院に足を運ぶ方法のほか、オンライン診療でも、ピルを処方してもらうことができます。オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンを使って、ビデオ通話や電話などで診察を受けられる診療方法のことです。自宅で診察を受けられるため、忙しくて通院時間がとれない方にもおすすめです。
女性ホルモンには、プロゲステロンとエストロゲンの2つがあります。プロゲステロンとエストロゲンのどちらも、健康な身体づくりや妊娠・出産に重要な役割を果たします。
プロゲステロンやエストロゲンといった女性ホルモンのバランスは、疲労や過度なダイエットなどにより乱れることがあるため注意が必要です。女性ホルモンのバランスが乱れると、生理周期が乱れたり、生理痛がひどくなったりする恐れがあります。
女性ホルモンが乱れたときの対処法の一つは、ピルの服用です。ピルは病院で処方してもらう薬で、医療機関に足を運ぶ方法のほか、オンライン診療でも処方してもらえます。
レバクリのオンライン診療では、ピルの処方を行っています。自宅で診察を受けられ、薬は自宅に届くため、忙しくて病院に行く時間がとれない方や周りの目が気になる方も受診しやすいでしょう。ピルを服用したい場合は、ぜひレバクリのオンライン診療をご利用ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました