更新日:2025年08月04日
「生理中にセックスしたいと彼氏に言われた」「生理中は性行為をしてもいいのか知りたい」という方もいるかもしれません。生理中の性行為は感染症や子宮内膜症などのリスクがあるため、できる限り避けたほうがよいでしょう。
本記事では、生理中に性行為をするリスクや注意点について解説します。ピルの服用による生理日の移動についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
生理中の性行為について判断する際に大切なのは、お互いの気持ちです。生理中は体調不良になる女性も多く、セックスが負担となる場合があります。経血に触れる・触れられることへの抵抗感を持つ方もいるでしょう。
気持ちの面だけでなく、身体的なリスクについても考えることが大切です。以下では、生理中のセックスについて考える際のポイントを紹介します。
生理中に性行為をするかどうかは、お互いの気持ちを尊重して考えましょう。
生理中の女性の体はデリケートな状態です。生理痛をはじめ、頭痛や倦怠感など不快な症状が出る人が多くいます。性行為により痛みが増すのを恐れて、生理中の性行為に前向きになれない女性もいるでしょう。
また、「パートナーが自分の経血を見たり触ったりすることが受け入れられない」「寝具を汚すことになり衛生面が気になる」という女性もいると考えられます。
反対に、女性が生理中にセックスをしたくても、パートナーが経血に触れることに抵抗を感じる場合も考えられるでしょう。
生理中はお互いの気持ちや体調を尊重し、無理に性行為をすることのないよう心掛けましょう。
生理中の性行為は、絶対にダメというわけではありません。女性の中には、生理中に性欲が高まる人もいます。
ただし、生理中の性行為は女性の身体に負担がかかります。また、後述する健康面のリスクもあるため、基本的には生理中の性行為は避けたほうがよいでしょう。
知識不足や誤った認識によって生理中に性行為をすると、望まない妊娠や体調への悪影響が考えられます。女性とパートナーの両方にとって安全なセックスをするために、どのようなリスクがあるのかを知っておくことが大切です。
生理中に性行為をする主なリスクは、次の3つです。
こうしたリスクがあることを踏まえて、生理中にセックスするかどうかを考えることが大切です。生理中に性行為をするそれぞれのリスクについて、以下でみていきましょう。
生理中であっても、性行為をすることで妊娠する可能性があります。
排卵が起こり、卵子が卵管にあるタイミングで性行為をすると、精子が卵子と出会い妊娠する可能性があります。一般的に、排卵のタイミングは生理開始日から大体14日後といわれているものの、正確な排卵のタイミングを予測することは難しく、毎回同じ間隔で起こるとも限りません。排卵が早く起こった場合、生理中のセックスで妊娠する可能性もあります。
精子は子宮内で1週間以上生存することがあります。精子が生存している間に排卵が起これば、妊娠する可能性はゼロではありません。
生理中の性行為には、感染症のリスクもあります。
生理中の膣や子宮内部は、少しの刺激であっても傷つきやすい状態です。生理中の性行為によって傷ができると、傷口から細菌やウイルスが入ってしまい、感染症にかかる可能性があります。
傷ができて出血しても経血に混じってしまうため、傷ができたことに気づかない場合もあるでしょう。
生理中のセックスでは淋病やクラミジア感染症、HIVなどのリスクが高まります。血液を介して感染する病気もあり、女性だけでなくパートナーにも感染するリスクがあります。
生理中の性行為によって、子宮内膜症が引き起こされる恐れもあります。
子宮内膜症とは、本来子宮にできるはずの組織が子宮以外の場所にできてしまう病気です。痛みや炎症、癒着が起こり、不妊の原因になる場合もあります。
生理中の性行為によって、経血が子宮内に逆流することで、子宮内膜症のリスクが高まるといわれています。そのため、生理中の激しい行為や深い挿入は避けたほうがよいでしょう。
生理中の性行為であっても、妊娠を望んでいないのであれば避妊が必要です。また、女性の負担を減らすために、経血の多い生理1~3日目の性行為や深い挿入は避けましょう。寝具の汚れを防ぐための対策もしておくことをおすすめします。
生理中に性行為をする場合のそれぞれの注意点について、以下で解説します。
生理中の性行為であっても妊娠する可能性はあるため、望まない妊娠を防ぐために避妊しましょう。
コンドームの装着は、手や性器についた雑菌が女性の体内に入ることを防げます。コンドームを使用することは、避妊だけでなく感染症の対策にも有効です。
生理中にセックスをしたくなっても、経血の多い1~3日目は避けましょう。
経血が多い時期は、生理痛や頭痛、だるさなどが強く出やすい時期でもあります。体調がすぐれない女性にとって大きな負担となり、生理痛などの症状が悪化する恐れがあるため、経血の多い日のセックスはおすすめできません。
衛生面や精神面から、経血に触れることに抵抗がある人もいます。経血を意識することで性行為に集中できない可能性もあるため、生理中の性行為は経血の少ない時期を選ぶとよいでしょう。
生理中の性行為では、浅い挿入を心がけましょう。
生理痛や倦怠感があるときに深く挿入されると、苦痛を感じる女性もいるでしょう。浅い挿入にとどめることで、女性の負担を軽減でき、経血が子宮内に逆流することも防止できます。
生理中のセックスでは、寝具を汚さないための対策も大切です。
経血で寝具を汚さないか気になっていると、性行為に集中しづらいでしょう。シーツや布団を汚してしまわないよう、あらかじめ大判のタオルを敷くのがおすすめです。
旅行や誕生日、デートなど、性行為が予想される大切な予定があり、生理開始日をずらしたい場合は、ピルによる生理の移動を検討しましょう。ピルは、婦人科や産婦人科を受診すると処方してもらえます。
正しいピルの服用によって、生理を早めたり遅らせたりすることが可能です。それぞれの方法について、以下で解説します。
生理を早めたいときは、移動させたい生理の前の生理開始から5日目までにピルの服用を開始します。服用を10~14日ほど続け、生理がきてほしい日の2~3日前に服用をやめると、2~3日後に生理が始まります。
生理を早める方法では、大事な予定の前に生理が終わるよう調整できるため、生理開始を恐れることなく予定を楽しめるでしょう。
ただし、生理を早める方法では、早めたい生理の1つ前の生理期間中にピルの服用を開始する必要があります。大切な予定の1か月以上前から準備が必要なため、注意しましょう。
遅らせたい生理予定日の5~7日ほど前からピルの服用を開始し、生理を避けたい日またはその前日まで服用することで、生理を遅らせることができます。服用をやめると、2~3日後に生理が来ることが一般的です。
生理を遅らせる方法の場合、基本的に大切な予定の期間中もピルを飲む必要があり、飲み忘れや副作用などに注意が必要です。一方で、「来週デートすることになった」「急に温泉に誘われた」と突発的に予定ができた場合も対応しやすいことがメリットとして挙げられます。
生理中に性行為をしたい場合、お互いの気持ちや女性側の体調を尊重することが大切です。また、生理中のセックスには健康面のリスクがあることを念頭に置き、望まない妊娠や感染症を避けるために、コンドームを使用しましょう。
大切な予定があり、生理と重なるのを避けたい場合は、ピルによる生理開始日の移動を図るのも一つの方法です。ピルは婦人科・産婦人科で処方を受けることで入手できます。ピルで生理を早める・遅らせる場合は、それぞれ服用を開始するタイミングが異なるため、医師の指示に従って服用しましょう。
ピルを服用したいものの「病院に行く時間がない」「婦人科・産婦人科の病院に行くことに抵抗がある」という方には、オンライン診療がおすすめです。スマートフォンやパソコンを使って自宅にいながら医師の診察を受けられ、ピルを処方してもらえるため、忙しい方も無理なく受診できます。
レバクリでは、ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました