更新日:2025年08月04日
「生理前の症状はいつから出るのか知りたい」「生理前のイライラがひどい」という方もいるかもしれません。生理の3~10日ほど前にさまざまな不調が現れる場合、PMS(月経前症候群)の可能性があります。PMS(月経前症候群)とは、生理前に起こる身体的・精神的な不調のことです。
この記事では、生理前の症状がいつから出るか解説するほか、PMS(月経前症候群)の原因や症状、治療法などを紹介します。PMS(月経前症候群)になりやすい人の特徴や年代なども紹介するため、ぜひ参考にしてください。
PMS(月経前症候群、Premenstrual Syndrome)とは、生理の3~10日ほど前に起こる精神的・身体的な不調のことです。ここでは、PMS(月経前症候群)の原因や症状について解説します。
PMS(月経前症候群)の原因ははっきりとわかっていませんが、一般的には女性ホルモンの急激な変動が主な原因だと考えられています。
排卵のリズムがある女性では通常、排卵から月経までの期間(黄体期)の前半に、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。しかし、黄体期の後半にエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質のバランスが乱れることで、PMS(月経前症候群)が起こると考えられています。
PMS(月経前症候群)の症状として、以下の例が挙げられます。
身体的な症状 | 精神的な症状 |
---|---|
・倦怠感 ・眠気 ・下腹部痛、下腹部の張り ・下痢、便秘 ・乳房の張り ・頭痛 ・食欲増加 ・吐き気 ・めまい ・肌荒れ、ニキビ ・肩こり ・むくみ ・関節痛・筋肉痛 | ・イライラ ・憂うつ ・感情の起伏が激しい ・気力がなくなる ・家に引きこもる ・仕事に行きたくなくなる ・集中力・判断力が低下する ・不安感、泣きたくなる |
続いて、PMS(月経前症候群)のセルフチェック方法も紹介します。下記の中で生理前の症状として当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。
生理前の症状に関して、以下の4つにすべて当てはまる場合はPMS(月経前症候群)だと考えられるでしょう。
生理前の症状つらいときは、早めに医療機関を受診しましょう。
生理前の症状(PMS)が出るタイミングは、大きく分けて次の4つのパターンに分類できます。
生理期間の後半から次の排卵までの間にも症状が出る場合、PMS(月経前症候群)ではなく別の病気の可能性があるため、医師に相談してみましょう。
生理前の症状(PMS)は、初潮を迎える10代から閉経を迎える50歳前後まで、生理のある女性であればいつでも発症する可能性があります。なかでも、20~30代に比較的多いとされているのが特徴です。
症状も人によってさまざまで、身体症状だけ出る人もいれば、精神症状が強い人もいます。
PMS(月経前症候群)は、なりやすい人とそうでない人がいます。生理前の症状が出やすい人の特徴は、次のとおりです。
普段からよく悩む人や几帳面な人はとくにPMS(月経前症候群)になりやすいため、注意しましょう。
生理前の症状を軽減したい場合、以下の2つの方法があります。
それぞれ見ていきましょう。
薬を使わずに生理前の症状を軽減する方法として、生活習慣の改善が挙げられます。バランスのとれた食事や質のよい睡眠、適度な運動を心掛けることが大切です。食事に関しては、とくにカルシウムやマグネシウム、ビタミンB6を摂るとPMSの症状が軽減する可能性があるとされています。
また、PMS(月経前症候群)の症状はストレスで悪化するため、できる限りストレスを減らすことも大切です。ランニングや水泳などの運動は脳内の神経伝達物質(エンドルフィン)の産生を高め、ストレスの軽減効果が期待できます。
ほかにも、マッサージを受けたり、友人と話したりすることで気分転換を図り、リラックスできる時間を作りましょう。
なお、「生理前の症状がいつから起こるか」「どのような症状が出やすいか」を記録しておくと、症状が出る時期に大事な予定を入れないようにしたり意識的に休息の時間をとったりでき、対策をとりやすくなります。
薬を用いて生理前の症状を軽減する方法として、次の3つが挙げられます。
それぞれの治療法について、見ていきましょう。
排卵抑制療法は、排卵を止めて女性ホルモンの急激な変動を抑える治療法です。PMS(月経前症候群)は、排卵による女性ホルモンの大きな変動が原因と考えられているため、排卵を抑制することで生理前の症状軽減が期待できます。
主に使用されるのが、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが配合された低用量ピルです。低用量ピルの内服期間中は、排卵を止められます。
対症療法とは、症状を和らげる治療法です。病気の原因を取り除くのではなく、起こった症状の緩和を図ります。生理前の症状緩和のために用いられる薬には、次のようなものがあります。
症状に合わせて、上記のような薬を服用します。
PMS(月経前症候群)の場合、症状や体質にあわせて漢方薬を用いた治療を行う場合もあります。
生理前の症状改善に用いられる漢方薬の例は、以下のとおりです。
漢方薬は市販されていますが、種類が多くそれぞれ効能・効果が異なるため、自身の症状に合う漢方を服用できるよう医師に処方してもらうのも一つの方法です。
下記のようにPMS(月経前症候群)と似た症状が出る疾患もあるため、注意しましょう。
ここでは、上記3つの疾患について解説します。
PMDD(月経前不快気分障害)とは、PMS(月経前症候群)の中でも精神的症状が重く、日常生活に支障をきたすほどの状態を指します。生理前の精神症状がつらいときは、我慢せず早めに医療機関を受診しましょう。
生理中に下腹部痛や腰痛、下痢、イライラ、頭痛などの症状があり日常生活に支障が出ている場合は、月経困難症の可能性があります。PMS(月経前症候群)と月経困難症は併発することもあるため、生理前の症状だけでなく生理中の不調も気になる方は、医師に相談しましょう。
プロゲステロン過敏症とは、プロゲステロンやプロゲステロンと似た物質を体が異物として認識し、それに対して抗体を作ることで症状が引き起こされる疾患です。稀な疾患とされていますが、経口避妊薬などのホルモン製剤の服用がきっかけとなり、発症することもあります。
PMS(月経前症候群)と同じ時期に症状が出やすいため、混同されやすい疾患です。湿疹やむくみのほか、点状出血、かゆみなどの皮膚症状が起こるとされています。
PMS(月経前症候群)のつらい症状は、人によっては我慢してしまうケースもあります。しかし、1か月に3~10日ほどつらい症状があるということは、1年間で考えると最大120日ほどつらい日々を過ごすことになります。
生活の質を向上させるためにも、生理前の症状がつらいときは病院で相談し、適切な治療を受けましょう。忙しくて病院に行く時間がとれない場合は、オンライン診療を活用する方法もあります。
オンライン診療のメリットは、次のような点です。
時間がない人やほかの患者と顔を合わせることにためらいがある場合は、オンライン診療も検討してみましょう。
PMS(月経前症候群)とは、生理前に心と体に起こるさまざまな不調のことです。イライラや憂うつ感、腹痛、めまいなどの生理前の症状は生活に影響を与えるため、早めに医療機関を受診しましょう。
生理前の症状緩和を図る際、薬を用いない方法として生活習慣の改善が挙げられます。バランスのとれた食事や適度な運動、質のよい睡眠を心掛けるほか、できるだけストレスを減らすことが大切です。薬を用いて生理前の症状緩和を図る場合は、低用量ピルの服用が有効です。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました