更新日:2025年08月04日
「いつも排卵日に胸が張る」「排卵日から胸の張りが続く」と悩んでいる方もいるかもしれません。排卵日前後から生理前にかけては女性ホルモンの影響で胸の張りを感じやすくなります。人によっては痛みを感じる場合もあるでしょう。
本記事では、排卵日に胸が張る原因や対処法などについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
排卵日に胸が張るのは、生理周期における女性ホルモンの分泌量の変化が原因と考えられます。個人差はありますが、正常な生理周期は25〜38日で、排卵日は前の生理開始日から約14日後です。
生理は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量の変化によって起こり、特にプロゲステロンが胸の張りに関係しています。プロゲステロンは排卵が終わると分泌量が増え、身体に水分を溜め込む作用があるホルモンです。乳腺にも作用し、胸に水分が溜まりやすくなるため、胸の張りを感じやすくなります。
プロゲステロンの分泌量は排卵後7日目頃にピークを迎え、妊娠が成立しなかった場合は徐々に減少します。
排卵日前後は、胸の張りだけでなくさまざまな症状があらわれやすくなります。代表的な症状は、以下のとおりです。
それぞれについて解説します。
排卵日を過ぎるとプロゲステロンの分泌量が増え、身体に水分が溜まりやすい状態になります。また、排卵日を過ぎて生理が近づくとストレスや緊張を感じやすくなり、血流が悪化してむくみにつながることがあるでしょう。むくみが生じると、余分な水分によって体温が奪われ、冷えを引き起こします。
生理前のむくみは、生理が終わってホルモンバランスが戻ることで、自然に改善に向かうことがほとんどです。むくみの症状が出る場所や程度は人によって異なりますが、顔や足がむくみ、むくみによる体重増加が起こる場合があります。
排卵後にプロゲステロンの分泌量が増えると、眠気を感じやすくなります。プロゲステロンには、体温を上昇させる働きがあるためです。排卵後から生理直前までは、通常より基礎体温が高い「高温期」になります。
高温期は基礎体温が高い状態で維持され、1日の中での基礎体温のアップダウンが少なくなります。本来であれば夜になると体温が少しずつ下がって入眠しやすくなりますが、高温期では体温が高いままで、寝つきが悪くなったり睡眠の質が低下したりするでしょう。睡眠リズムの乱れや睡眠の質低下が起こると、日中に眠気を感じやすくなります。
排卵日前後は、腰痛の症状が出ることがあります。排卵の際、卵胞から流れ出た卵胞液と血液が腹膜を刺激し、痛みが生じる場合があるためです。腰痛の有無や程度は人によって異なります。
排卵日前後は、ホルモンバランスの変化によってイライラや気分の落ち込みなどの症状が出ることがあります。イライラや気分の落ち込みなどの症状が出ているときは、好きな音楽を聴いたり運動したりして、気分転換を図ると良いでしょう。
排卵日や生理前ではないのに、胸が張って心配になることがあるでしょう。その場合は、以下のような原因が考えられます。
それぞれについて見ていきましょう。
妊娠すると、妊娠を維持するためにプロゲステロンの分泌量が増え、その影響で乳腺が発達するため胸の張りを感じやすくなります。特に妊娠初期には、胸の張りや痛みを感じやすいでしょう。
更年期障害によって、胸の張り・痛みを感じる場合もあります。女性の身体は、閉経を機にエストロゲンの分泌量が大幅に減少します。これにより自律神経のバランスが乱れ、更年期障害の症状の一つである胸の張り・痛みを感じることがあります。
乳腺症や乳腺炎、乳がんなどの病気が原因で胸の張りが起こることがあります。
乳腺症は、主に女性ホルモンのバランスが乱れることで起こる疾患で、胸の痛みやしこりなどの症状が出ます。乳腺炎は、乳腺に乳汁が詰まったり感染を起こしたりして引き起こされる病気です。胸の痛みのほか、乳房の腫れや赤みなどの症状をともなうケースがあります。
乳がんは、乳腺の組織にできるがんのことです。乳がんの症状として、乳房のしこりやくぼみなどが挙げられます。定期的に検査を受けるとともに、違和感があるときは早めに医療機関を受診することが大切です。
排卵日に胸が張る場合、つらいときの対処法として以下の3つが挙げられます。
それぞれについて解説します。
排卵日に胸が張る場合は、普段より大きめの下着を着用して過ごしましょう。ノンワイヤータイプやカップ付きキャミソールなど、締め付けが少ないタイプの下着がおすすめです。
きつい下着を着用していると、締め付け感から胸の張りを強く感じる場合があります。サイズやカップの形状、素材などに気を配り、ストレスなく過ごせるようにしましょう。
排卵日に胸が張る場合は、食事内容を改善することも心掛けましょう。栄養バランスのよい食事をとることは、ホルモンバランスの安定につながります。タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルをまんべんなく摂るようにしましょう。
そのほか、朝ごはんを普段食べない人や日によって食べない日がある人は、体内のリズムを整えるために朝ごはんを決まった時間に食べるのがおすすめです。朝ごはんを食べるとエネルギーが生み出され、体温が上昇します。身体の冷えは胸の張りを悪化させる要因になるため、体温を上げるためにも朝ごはんを食べましょう。
ホルモンバランスが乱れると胸の張りが強くなりやすいため、排卵日に胸が張る場合は、ホルモンバランスを整えるために規則正しい生活を送ることが大切です。夜更かしや暴飲暴食、過度な飲酒などは控え、1日3食を決まった時間に食べ、できる限り毎日同じ時刻に就寝・起床しましょう。
「いつも排卵日に胸が張るのでつらい」といったときは、クリニックを受診するのがおすすめです。
胸の張りの原因はさまざまで、ホルモンバランスの変化が関係している場合もあれば、病気の可能性もあります。医師に相談することで、考えられる原因や対処法などが分かり、状況を改善できるでしょう。
排卵日に胸が張る原因が女性ホルモンの変動による場合は、ピルの服用によって症状改善を図れるでしょう。ピルは女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを配合した薬で、服用によりホルモンバランスを整えられます。ピルの服用を開始して間もないころは副作用で胸の張りを感じる場合もありますが、1~3ヶ月ほど経つとホルモンバランスが安定し、症状が改善するでしょう。
オンライン診療であれば、自宅にいながら医師の診察を受けられます。処方されたピルは、自宅や薬局で受け取ることが可能です。
排卵日に胸が張る場合、原因としてホルモンバランスの乱れが考えられます。排卵日に胸が張るときは、サイズの大きな下着を着用する、バランスのよい食事をとる、規則正しい生活を送るなどの対処法が有効です。
排卵日に胸が張る症状がつらいときは、医師に相談するのがおすすめです。オンライン診療であれば、スマートフォンやパソコンを使って自宅で診察が受けられます。
レバクリでは、ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました