更新日:2025年08月04日
「排卵日前後にイライラしてしまうのはなぜ?」と悩んでいる方もいるかもしれません。排卵日前後のイライラは、女性ホルモンの急激な変動が関係していると考えられます。日常生活に支障をきたしている場合、受診して医師に相談するのがおすすめです。
この記事では、排卵日前後に現れるイライラの原因や月経前症候群(PMS)の症状、対処法などを解説します。排卵日前後のイライラの症状に困っている方は、ぜひ参考にしてください。
排卵日前後のイライラは、女性ホルモンの変動が関係していると考えられます。
排卵日とは、卵子が卵巣から卵管へ放出される日のことです。体調の変化などによって多少のずれは生じるものの、一般的には生理が始まる約14日前が排卵日にあたります。排卵の際、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が急激に変化し、これによりイライラなどの症状が出て不調を感じやすくなるとされています。
なお、排卵日前後にイライラの症状を感じ、生理開始まで不調が続く場合は月経前症候群(PMS)の可能性があります。
月経前症候群(PMS)とは、生理の約3~10日前から始まる身体的・精神的な不快症状のことです。PMSは生理の1週間ほど前から始まって生理開始とともに落ち着くのが主なパターンとされていますが、排卵日前後に症状が出て、一旦治まったのちに再び症状が出る場合もあるといわれています。
「月経→卵胞期→排卵期→黄体期」という月経周期のうち、黄体期の前半には女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが多く分泌され、後半になると急激に低下します。この女性ホルモン分泌の急激な変動が、月経前症候群(PMS)の原因ではないかと考えられています。
排卵日前後にイライラを感じ、日常生活に支障をきたすほどの強いイライラが生理開始まで続く場合、月経前不快気分障害(PMDD)の可能性があります。
月経前不快気分障害(PMDD)とは、月経前症候群(PMS)のなかでも特に精神症状が強く出る状態のことです。イライラのほかにも、不安や情緒不安定、抑うつといった精神症状が見られます。腹痛や腰痛、乳房の張りなどの身体症状を伴う場合もあります。
強い精神症状に悩まされている場合は、我慢せずに産婦人科・精神科・心療内科などを受診しましょう。
月経前症候群(PMS)には、イライラ以外にもさまざまな精神・身体症状があります。
代表的な症状の例は、以下のとおりです。
精神症状の例 | 身体症状の例 |
---|---|
・イライラ ・不安・緊張感 ・易疲労感 ・抑うつ ・不眠 ・無気力 ・判断力の低下 | ・下腹部痛 ・頭痛 ・腰痛 ・乳房痛 ・動悸 ・吐き気 ・めまい |
現れる症状の種類や強さは、年齢によって変化する点も特徴のひとつです。たとえば20代の月経前症候群(PMS)では、気分が落ち込みやすい傾向があります。一方、30代ではイライラの症状が目立ち、身体症状も加わりやすいといわれています。
排卵日前後のイライラや体調不良は、どのように対処すべきなのでしょうか。排卵日前後に不調を感じたときに試したいセルフケア方法を紹介します。
排卵日前後にイライラするときの対処法の1つめは、バランスの良い食事をとることです。栄養バランスが偏った食生活は、ホルモンバランスの乱れを引き起こす原因になります。
暴飲暴食や偏食は避け、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルをまんべんなく摂ることを意識して1日3食とりましょう。
アルコールやカフェインは、過剰摂取すると排卵日前後のイライラを助長させる恐れがあります。アルコールやカフェインを含む飲み物は、できる限り避けたほうが良いでしょう。
排卵日前後にイライラするときの2つめの対処法は、リラックスして過ごすことです。ホルモンバランスの変動によるイライラの症状は、ストレスによって強まると考えられているためです。イライラによるストレスで緊張状態が続くと、交感神経が優位に働くことで寝つきや血行が悪くなり、さらに体の不調を感じやすくなる可能性もあります。
イライラによる緊張状態が続かないよう、以下のようなリラックスできる行動を生活に取り入れてみましょう。
腹式呼吸は、鼻から息を吸い、口からゆっくり息を吐き出すのがポイントです。息を吐き出すときは、吸ったときの倍くらいの時間をかけましょう。
排卵日前後にイライラするときは、生活習慣を見直し、規則正しい生活を送ることも大切です。不規則な生活習慣は、ホルモンバランスの乱れにつながりやすいためです。
できる限り毎日決まった時間に就寝・起床する、毎日決まった時間に食事をとるといった対策のほかに、適度な運動もイライラの緩和効果が期待できます。以下に挙げるような有酸素運動を、負担にならない程度に取り入れてみてください。
そのほか、喫煙も排卵日前後のイライラを悪化させる恐れがあるため、禁煙することが望ましいでしょう。
ピルには、排卵日前後のイライラや月経前症候群(PMS)の症状を緩和する効果が期待できます。セルフケアを行ってもイライラの症状が改善せず悩んでいる方は、ピルの服用も検討してみると良いでしょう。
ここでは、ピルの主な効果や副作用について解説します。
ピルの服用によって期待できる主な効果は、以下のとおりです。
ピルには、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが含まれています。毎日服用することでホルモンバランスを整えられるため、女性ホルモンの急激な変動による排卵日前後のイライラや月経前症候群(PMS)の症状を緩和できます。
イライラの症状だけでなく生理痛やニキビなどの改善効果も期待できるため、受診した際は悩んでいる症状を伝え、症状に合うピルを処方してもらいましょう。ピルには複数の種類があり、それぞれ期待できる主な効果が異なります。
ピルの服用によって、以下のような副作用が生じることがあります。
これらの副作用は、ピルの服用を開始してから1~3か月程度でおさまるケースが一般的です。副作用が強かったり長期間継続したりする場合は、医師に相談してピルの種類を変更するのも一つの方法です。
イライラをはじめとする排卵日前後の症状がつらいときは、医療機関の受診がおすすめです。イライラの症状が強いと、人間関係に支障をきたしたり仕事に集中できなかったりすることもあります。
「忙しくて病院に行く時間がとれない」「ピルを処方してもらうために毎回通院するのは大変」という方は、スマートフォンやパソコンを使って診察を受けられるオンライン診療を活用してみましょう。
オンライン診療であれば、自宅にいながら排卵日前後のイライラの症状について医師に相談できます。ピルによる治療を行う場合も、薬を配送してもらえるので便利です。
排卵日前後のつらい症状は一人で抱え込まず、医療機関で相談してみてください。
排卵日前後のイライラは、女性ホルモンの急激な変動が関係していると考えられます。ストレスや生活習慣の乱れなども排卵日前後のイライラの原因となるでしょう。
できる限りリラックスして過ごしたり生活習慣を改善したりしても排卵日前後のイライラが改善しない場合は、医療機関で相談しましょう。通院に負担を感じる方は、オンライン診療で医師に相談することもおすすめです。
レバクリでは、ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました