更新日:2025年08月04日
「40代前半で生理が来ないのは病気?」「40代になって突然生理が来ない状況になったので不安」と考えている方もいるかもしれません。40代で生理が来ない場合、閉経が近づいている可能性があります。
本記事では40代で生理が来ない場合に考えられる原因のほか、更年期障害の症状や対策、治療法について解説します。40代で生理不順に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
40代を迎えた女性が、生理が来ない・生理周期が不規則になるといったことに悩むケースは少なくありません。生理が来ない・生理周期が不規則になる状況は、閉経が近いことによって引き起こされている可能性があります。
ここでは、閉経とはどのような状態を指すのか解説するほか、生理不順と閉経との関係性について説明します。
閉経とは、月経が完全に止まった状態を指します。卵巣の中にある卵胞がなくなり、排卵が行われなくなることで月経が終わります。
一般的には、月経がないまま1年以上経過した状態を閉経と呼びます。最後に月経があったときの年齢が、閉経年齢です。
閉経の平均年齢は50歳前後とされていますが、実際には40代前半から50代後半までと、個人差があります。卵巣機能が低下し、40歳を迎える前に月経が止まる「早発卵巣不全」が起こる場合もあります。
月経周期の乱れや、排卵を示す基礎体温の高温期がなくなることは、卵巣機能の衰えを表すサインです。なお、「初潮が早かった人は閉経も早い?」と思う人もいるかもしれませんが、必ずしもそうではないとされています。
年齢を重ねるにつれて卵胞の減少や卵巣機能の低下が起こることで、女性ホルモンの分泌に影響を与え、生理が来ないことがあります。
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。
エストロゲンは排卵前に、脳下垂体からの指令によって卵巣から分泌されます。卵巣機能が低下すると、脳の指令通りにエストロゲンが分泌されず、排卵が起こりにくくなって生理が来ないことがあります。
生理は女性ホルモンの作用によってコントロールされていますが、40代以降はホルモンバランスが乱れやすくなり、生理周期が短くなったり長くなったりして次第に閉経へと向かいます。
40代の生理不順の状況は、人によってさまざまです。生理予定日に生理が来ない人もいる一方で、月経周期が短くなる人もいます。なかには、月経周期が一定のまま変わらずに、閉経を迎えるケースもあるようです。
閉経したかどうかは、すぐにはわかりません。多くの場合は、40代に入ったころから月経周期がいったん短くなり、その後に50日~3か月周期などと周期が長くなっていきます。
生理不順で生理がいつ来るのかわからない状況になると、悩みの種となりやすいでしょう。
40代で生理が来ない場合、閉経が近い可能性がありますが、なんらかの病気が原因となっている場合もあります。
40代で生理が来ない場合に考えられる婦人科系の病気は、子宮がんや子宮筋腫、子宮内膜症です。
子宮がんには、比較的若い世代での発症が多い子宮頸がんと、40~60代に多い子宮体がんがあります。
子宮頸がんは、子宮頸部にできるがんで、主にヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。HPVは、性交渉の経験がある女性なら誰でも感染する可能性があります。子宮頸がんの予防には、HPVワクチンが有効だとされています。
子宮体がんは子宮内膜に発生するがんで、多くの場合出血をともないます。どちらの子宮がんも、早期発見できるよう、定期的に検診を受けることをおすすめします。
子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。子宮内膜症は、子宮の内側以外の場所に子宮内膜ができてしまう病気を指します。これらの病気も、生理不順を引き起こすことがあります。
閉経前後の数年間は、心身の不調を感じる原因となる更年期症状が表れやすい時期です。
閉経の前後5年間を「更年期」と呼び、30代後半から40代前半にかけての年齢は、更年期を控えた「プレ更年期」といわれます。プレ更年期は、閉経に向けて体の変化が起こり始める時期です。
ここでは、更年期とは何か解説するほか、更年期障害の症状や対策・治療法について解説します。
更年期は、閉経の前後5年間(計10年間)を指します。
更年期になると女性ホルモンの分泌量が減少し、その影響で更年期症状が引き起こされます。症状が重く、日常生活に支障が出るようになった状態が更年期障害です。
更年期障害の原因には、女性ホルモンのエストロゲンの減少にともなう自律神経の乱れや、加齢、ストレスなどが挙げられます。
更年期障害の主な症状として、以下の例が挙げられます。
更年期障害の原因となる自律神経の乱れは、年齢を問わずに起こります。しかし、40代は仕事の責任が重くなったり、子育てや親の介護といった負担が増えたりし、ストレスの増加と卵巣機能の低下が相まって、自律神経の乱れによる心身の不調を感じやすくなります。
「疲れやすい」「身体がだるい」といった不調は、更年期が近づいているサインの可能性があります。40代頃から心身の不調が出始めるかもしれないと考え、心の準備をしておきましょう。更年期症状を少しでも和らげられるよう、日ごろから体調管理に気を付けることが大切です。
更年期障害の対策として大切なのは、生活習慣の改善です。飲酒や喫煙はできる限り控え、栄養バランスのとれた食事や適度な運動、十分な睡眠を心掛けるとよいでしょう。ヨガやアロマでリラックスするのもおすすめです。
更年期障害の症状が重い場合、受診して治療を行うのも一つの方法です。更年期障害の薬物療法として、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、向精神薬が挙げられます。
ホルモン補充療法(HRT)は、エストロゲンを補うことで症状の改善を図る治療法です。ホルモン補充療法の方法は子宮のある方とない方で異なり、子宮のある方には子宮体がんを予防するためにプロゲステロンとエストロゲンの両方を投与します。
ホルモン補充療法の薬剤には、飲み薬・貼り薬・塗り薬があります。飲み薬は毎日服用するもので、成分は腸管から吸収されます。貼り薬と塗り薬は成分が皮膚から血管に吸収され、内臓への影響が比較的少ないのがメリットです。
更年期障害に対応する漢方薬には、加味逍遙散(かみしょうようさん)、五積散(ごしゃくさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などがあり、体力や症状にあわせて使用します。
気分の落ち込みやイライラ、意欲の低下などの症状が強いときは、抗不安薬・抗うつ薬といった向精神薬で治療を行うこともあります。
「40代で生理が来ないのは病気?」「40代になって突然生理が来なくなったので心配」と不安を感じている方は、婦人科を受診するのがおすすめです。閉経が近づいている可能性があるほか、病気が原因の場合もあり、原因を知ることで対策をとれます。
生理が来ないことについて医師に相談したい場合、オンライン診療を活用するのも一つの方法です。オンライン診療であれば、スマートフォンやパソコンを使って自宅で診察を受けられます。待合室で長時間待つ必要がなく、周囲の目を気にせずに受診できるのがメリットです。
オンライン診療では基本的に予約時間になるとすぐに診察が始まり、処方された薬は配送してもらえるため、忙しい人にも適しています。
40代で生理が来ない場合は、閉経が近づいていると考えられます。年齢を重ねると卵巣機能の低下や卵胞の減少が起こり、女性ホルモンの分泌に影響を与えることで生理周期が乱れやすくなります。30代後半から40代前半にかけては「プレ更年期」、閉経の前後5年間は「更年期」と呼ばれ、心身の不調を感じやすい時期です。
40代で生理が来ない場合、婦人科系の病気が原因となっていることもあります。生理が来ないことに不安を感じる場合は、婦人科の受診をおすすめします。
オンライン診療に対応しているクリニックなら、スマートフォンやパソコンを使って自宅で診察を受けられるため受診のハードルが低く、予約時間になると診察が始まって基本的に待ち時間がないため便利です。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました