更新日:2025年08月04日
「つらいPMSを緩和したい」「生理前の吐き気や頭痛はPMSの症状なのかな…」と悩んでいる方もいるかもしれません。PMSは、食生活の改善や適度な運動、ピルの服用などにより緩和を図れます。PMSの症状の種類や自分でできる緩和方法を知り、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。
この記事では、PMSの主な症状や緩和方法について解説します。生理前に現れるつらい症状にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
PMS(月経前症候群)とは、生理が開始する3~10日ほど前から現れる身体的・精神的な不快症状のことです。多くのケースでは、生理の開始とともに症状が緩和します。
月経周期は、月経→卵胞期→排卵期→黄体期というサイクルを繰り返します。約1か月のサイクルの中で、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という、2種類の女性ホルモンの分泌量が変化します。
PMSの原因は解明されていないものの、月経周期における女性ホルモンの分泌量の急激な変化が関与していると考えられています。また、女性ホルモンだけではなくストレスや疲労などの影響も受けるとされています。
PMSの症状は、年齢やライフステージによって変化すると考えられています。
たとえば、20代では以下のような身体的な症状が強く現れやすいことが特徴です。
精神的な症状としては、「クヨクヨする」「憂うつ」などの症状が出やすいとされています。
一方、30代では以下のような身体的な症状が出やすくなるとされています。
精神的な症状としては、怒りっぽくなったりイライラしたりすることが増えるとされています。
また、出産経験のある女性の場合、怒りっぽい・イライラする・自己否定的になるといった精神的な症状が多くみられる一方、出産経験のない女性は下腹部痛や乳房のはり、頭痛などの身体的な症状が現れやすいといわれています。
生理前になると現れる症状は多岐にわたり、症状の一例は以下のとおりです。
ここでは、それぞれの症状や原因について解説します。当てはまる症状について、チェックしてみてください。「市販薬では症状が緩和されない」など気になる点があるときは、速やかに医療機関を受診しましょう。
頭痛や吐き気は、代表的なPMSの症状の1つです。
PMSによる頭痛は、「症状が長期間続く」「痛みが強い」といった特徴があります。生理前にエストロゲンの分泌量が急減すると、脳内物質のセロトニンも減少し、脳内の血管が拡張して頭痛が起こりやすくなると考えられています。
PMSによる吐き気は、胃や腸を収縮させる作用があるプロスタグランジンの過剰分泌や、プロゲステロンの作用により腸の壁に水分が溜まることが原因だと考えられています。
生理前に分泌量が急増するプロゲステロンの影響により、PMSの症状の一つとしてむくみが生じやすくなります。プロゲステロンには、体内に水分を溜める作用があるためです。
また、プロゲステロンには食欲を増進させたり胃や腸の働きを弱めたりする働きがあるため、体重が増加しやすくなります。
プロゲステロンの影響で体温が上がる生理前には、眠気やだるさが生じやすくなります。基礎体温(安静時の体温)が上がる黄体期は高温期とも呼ばれており、一日の中で体温のメリハリが少なくなり、睡眠リズムが乱れやすくなるためです。睡眠リズムが乱れると、日中の眠気やだるさにつながります。
イライラや気分の落ち込みなどの精神的な症状も、PMSの症状の1つです。些細なことでイライラしたり、気分が落ち込んでしまったりします。「普段は気にならないことが気に障り、子どもやパートナーにきつくあたってしまった」など、罪悪感を抱くケースもあるでしょう。
イライラや気分の落ち込みなどの症状が出る明確な原因はわかっていないものの、月経周期にともなうホルモンバランスの変化や、気分のコントロールに関わるセロトニンの低下などが関与していると考えられています。
生理前には、おりものの色やにおいの変化を感じることがあります。おりものとは、子宮や腟から流れ出た分泌物・分泌液のことです。
おりものは、月経周期の中で女性ホルモンの分泌量にともなって変化します。PMSの症状が現れやすい黄体期には、以下の傾向がみられます。
黄体期のおりものは、下着に付着すると黄色く見えることもあります。
PMSの症状を緩和するためには、どのような対策をとればよいのでしょうか。
ここでは、PMS緩和につながるおすすめのセルフケア方法を紹介します。
バランスのよい食生活は、PMSの症状緩和に役立ちます。食生活が乱れていると、ホルモンバランスの乱れを招き、下記のようなPMSの症状が悪化する恐れがあるでしょう。
イライラ感や緊張感を高める原因となるため、アルコールやカフェインを含む飲み物の過剰摂取は控えましょう。リラックスしたいときは、ハーブティーやホットミルクなどがおすすめです。
また、PMSの症状緩和に役立つとされている、カルシウムやマグネシウム、ビタミンB6を含む食品を意識的に摂取するとよいでしょう。カルシウムは乳製品や大豆製品、魚介類、マグネシウムは藻類や魚介類、ビタミンB6は赤身の魚・肉などに含まれています。
生理前に限らず、普段から栄養バランスの整った食事を心がけることが大切です。
生活習慣の改善や適度な運動も、PMSの緩和につながります。
たとえば、タバコは血の巡りを悪くし、腹痛やむくみ、冷えなどのPMSの症状を悪化させる原因となります。PMSの症状を緩和するには、禁煙が有効です。
一方、適度な運動は血液の循環を促し、リフレッシュ効果も期待できます。なかでも、以下のような有酸素運動はPMSの症状緩和に役立つといわれています。
1回につき20分から1時間かけて行い、週に3回程度運動するのが望ましいでしょう。
PMSの期間や症状を記録し、不快症状が現れるタイミングや傾向を把握しておくことも大切です。事前にスケジュールを調整したり、症状が出やすい時期に自分に合った対処法を試したりすることで、気持ちに余裕が生まれ、結果としてPMS緩和につながる可能性があります。
スケジュール帳に書き込む方法のほか、生理管理アプリを活用して自分の体の状態を記録するのも一つの選択肢です。
「PMSの症状がつらく、自分でできる緩和方法だけでは改善しない」というときは、低用量ピルの服用を検討してみましょう。
低用量ピルとは、エストロゲンとプロゲステロンを含む薬剤で、PMSの治療にも用いられています。毎日の服用によって女性ホルモンの増減が穏やかになり、頭痛やイライラ、気分の落ち込みなどのPMSの症状を緩和できます。
「低用量ピルを服用したいけれど婦人科の病院に行くのは大変」という方は、オンラインクリニックでの受診がおすすめです。
オンラインクリニックであれば、婦人科の病院まで足を運ぶ必要はありません。自宅にいながら、スマートフォンやパソコンを使ってPMSの症状について医師に相談できます。症状がつらいときでも、自宅でであれば移動の負担がなく、診察を受けやすいでしょう。
セルフケアでPMSの症状緩和を目指す場合、食生活を見直し、有酸素運動を取り入れましょう。PMSの期間や症状を記録し、症状が出やすい時期はなるべく大事な予定を入れないようにしたり、リラックスして過ごすための対処法をとったりすることもおすすめです。
セルフケアによるPMSの症状緩和が難しいときは、医師に相談のうえ、低用量ピルの服用を検討してみましょう。忙しくて病院に行く時間がとれない方や症状がつらくて病院に行くのが難しい方には、自宅で診察を受けられるオンラインクリニックがおすすめです。
レバクリでは、ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました