更新日:2025年08月04日
排卵日前後のおりものの変化について気になっている方もいるかもしれません。排卵日が近づくとおりものの量は増え、卵白のような粘り気のある状態になるため、排卵日を予測する際の参考になります。
本記事では、おりものの役割や排卵日前後における量・形状の変化について解説します。おりものの量や状態、身体に起こっている症状により考えられる病気についても説明するため、おりものの変化が気になっている方はぜひチェックしてください。
おりものとは、女性の子宮や膣から出る分泌物のことです。
おりものの量が変化すると、何か異常があるのではないかと気になることがあるかもしれません。しかし、おりものには腟の自浄作用など大切な役割があり、多少の量が分泌されるのは正常な状態といえます。
ここでは、おりものの役割や生理周期における変化について解説します。
おりものは膣や子宮、汗腺から出る酸性の分泌物で、膣内の潤いを保って粘膜を守る働きがあります。膣内の環境を清潔に保つ自浄作用があり、細菌が膣を通して身体に入り込み感染症にかかるのを防ぐうえで、重要な役割を担っています。
また、おりものは受精の手助けをする役割もあり、精子がスムーズに子宮に到達できるようにしています。
おりものの量は女性ホルモンのひとつである卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量に比例し、生理周期に合わせて変化します。
生理が順調であれば、排卵の時期には卵胞ホルモンの分泌が多くなり、おりものの量は増えていきます。排卵日前後の正常なおりものは匂いがほとんどなく、乳白色もしくは透明で卵の白身のような粘り気のある状態であることが特徴です。
生理が終わったあとの数日はほとんどおりものは分泌されず、その後は排卵期に向けて少しずつ増えていきます。このようなおりものの変化は女性ホルモンの分泌が正常であるサインであり、生理周期を把握する目安にもなります。
おりものは排卵日の前後で変化し、おりものの量や形状によって排卵日を予測することができます。排卵日とは卵巣から卵子が排出される日であり、排卵日前後の期間を排卵期と呼びます。
ここでは、排卵日前後や生理後のおりものの変化を解説します。
排卵日が近づくと卵胞ホルモンの分泌が増えておりものの状態が変化し、排卵日の2〜3日前をピークに多く分泌されるようになります。匂いは強くなく、卵白のような粘り気のある透明のおりものが多く出るようになります。
排卵日前におりものの量が増えて形状も変わるのは、精子を受け入れやすくして受精を助けるためです。
排卵日を過ぎると卵胞ホルモンの分泌が減り、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増えていきます。おりものの色は乳白色に変化し、量が減って粘り気もなくなります。白いかたまりのような状態になり、下着につくこともあるでしょう。
生理後はおりものがほとんど出ませんが、残った経血と混ざり茶色いおりものが少量出ることもあります。おりものの量は生理が終わって2〜3日後から少しずつ増え始め、形状は粘り気のないサラッとした状態です。
おりものは排卵日の前後で変化するため、排卵日を予測する際に役立ちます。排卵日は、基礎体温の変化からも予測できます。
ここでは、排卵日を予測する方法をみていきましょう。
排卵日の前後で、おりものがどのように変化するのかを理解すれば、排卵日をある程度予測できるでしょう。
排卵日が近づくと卵胞ホルモンの分泌が増えることに比例して、排卵日の2〜3日前くらいからおりものの量が増え始めます。
排卵日を過ぎるとおりものの量が減り、粘り気も少なくなり始め、透明だった色は白っぽく変化します。こうした変化は、排卵日を予測する際に役立ちます。
排卵日は、基礎体温の変化から予測することもできます。基礎体温は、心身ともに安静な状態で測った体温です。朝起きてすぐ、布団の中で安静にしている状態で測ります。
基礎体温を記録していくと、低温期と高温期があることがわかります。排卵は、低温期の中で最も基礎体温が落ちて高温期に切り替わるタイミングで起こるため、日々の変化を確認することで、排卵日を予測することが可能です。
ただし、ホルモンバランスが乱れている場合は、基礎体温が安定しないケースもあります。自身で排卵日を予測するのが難しいときは、医師に相談してみるとよいでしょう。
おりものシートの中には、排卵日を予測できるものもあります。薬局やドラッグストアなどで購入でき、おりものに含まれる成分から、妊活に適したタイミングを予測するシートです。
通常のおりものシートと同じ感覚で使用でき、おりものの成分をチェックする部分におりものが付着すると、判定サインが出て排卵日が近いかどうかを確認できます。
ただし、判定サインで妊活のタイミングと分かった日が排卵日とは限らず、正確な排卵日を示すものではない点に注意が必要です。妊活の際は、あくまで目安のひとつとして活用するとよいでしょう。
妊娠したときも、おりものの量や形状が変化します。妊娠すると黄体ホルモンの分泌が続き、おりものの量が増えるのが特徴です。
色は白または黄色で、粘り気のないさらさらした水っぽいおりものが出るケースが多いでしょう。酸っぱいような強い匂いがあるのも特徴です。
受精卵が着床した際に起こる着床出血などが原因で、一時的に茶色・ピンク色のおりものが出ることもあります。
おりものがいつもと違う場合、病気の可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、どのような場合に注意が必要か、チェックすべき点を解説します。
おりものの色・形状は生理周期の中で変わるため、おりものの色・状態だけで異常があるかを判断するのは難しいでしょう。おりものに血が混ざっていても、排卵期出血(排卵前後の出血)や生理直後の経血が原因の場合もあります。
色や状態だけで正常・異常を判断するのは難しいため、ほかの症状もあわせて確認することが大切です。
おりものの色・状態や身体の症状により、考えられる病気の一例は次のとおりです。
おりものの色・状態 | 身体の症状 | 可能性のある病気 |
---|---|---|
白くてポロポロした状態 | ・膣内部・外陰部のかゆみ | ・卵管炎 |
白もしくは黄色で量が多い | ・発熱 ・下腹部痛 | ・子宮内膜炎 |
白っぽい | ・膣内部・外陰部のかゆみ ・灼熱感、刺激感、性交痛 | ・カンジダ膣炎 |
茶色、ピンク色 | ・下腹部痛 ・腰痛 ・排尿痛 | ・子宮頸がん ・子宮体がん |
黄緑色で量が多い | ・外陰部のかゆみ | ・トリコモナス膣炎 ・細菌性膣炎 |
身体の症状は一例で、上記以外の症状が出る場合もあります。異常を感じたら、早めに病院を受診しましょう。
正常なおりものには匂いがほとんどないため、いつもとは違う匂いがあり、かゆみや痛みなどの症状が伴う場合は、病気の可能性があります。
なお、女性の膣内は細菌が繁殖しないよう酸性に保たれているため、少し酸っぱい匂いがする程度であれば、とくに問題はありません。
おりものの匂いが強くなる原因として考えられるのが、雑菌の繁殖です。疲れやストレスなどで免疫力が低下すると、膣内環境が乱れて雑菌が増えやすく、おりものの匂いが強くなることがあります。
魚のような生臭い匂いや腐敗臭など、明らかに異常な匂いがある場合は、性感染症などの病気にかかっている可能性があります。匂いだけでなく色や状態も確認し、おりものがいつもと違う場合は病院を受診しましょう。
おりものの量や状態は、生理周期の中でホルモンバランスが変化することにより大きく変わります。そのため、おりものが多くなる排卵日の前におりものが出ない・少ない場合は、ホルモンバランスが乱れている可能性があるでしょう。
おりものの量はホルモンの分泌により変化するため、女性ホルモンの分泌が減ることで、おりものの量も減少します。
40代ごろからは女性ホルモンの分泌が減少するため、おりものが減るのは自然ですが、20〜30代でおりものが出ない場合は注意が必要です。病院を受診して、医師に相談するとよいでしょう。
おりものの量や状態は、生理周期やホルモンバランスによって変化します。生活習慣の変化は生理周期やホルモンバランスに影響を与えるため、おりものが変わることがあるでしょう。
ストレスの蓄積や不規則な生活、風邪などで体調を崩しているときなどは、膣内の自浄作用が弱まりやすくなることで、おりものの量や色、状態などが変化することがあります。
とくに、食生活の乱れや睡眠不足などはホルモンバランスに影響し、おりものが変化することがあるでしょう。
おりものは生理周期や生活習慣などによって変化するため、現時点でのおりものの量・状態が正常であるか自身で判断するのは難しいと感じることもあるでしょう。
ここでは受診したほうがよいおりものの状態を紹介するので、病院に行くか迷っている場合は以下を参考に検討してみてください。
上記以外にも、普段とは違う症状があるときは、医師に相談しましょう。
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おりものは排卵日の前後で変化し、排卵日が近づくにつれて量が増えていきます。形状も変化し、排卵日前は卵白のような粘り気のある状態になるのが特徴です。
おりものの色や状態がいつもと違っても、生理周期や年齢による変化の場合もあるため、必ずしも異常があるとは限りません。しかし、膣内部・外陰部のかゆみや下腹部の痛みなどの症状を伴う場合、病気の可能性もあるため、病院を受診したほうがよいでしょう。
また、20~30代でおりものの量が少ない場合は、ホルモンバランスが乱れている可能性もあります。おりものの量や状態などについて気になることがあるときは、医師に相談してみるのもよいでしょう。
「おりものの状態が気になるけれど、婦人科には行きづらい」「病院に行く時間がない」という方は、オンライン診療を利用してみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました