更新日:2025年08月04日
妊娠を希望している場合、生理の後の妊娠しやすいタイミングが気になる方もいるでしょう。生理の後の妊娠しやすいタイミングは、一般的に排卵日の2日前といわれています。
この記事では、生理の後の妊娠しやすいタイミングや妊娠に向けて知っておきたい月経周期のほか、排卵日の予測方法、妊娠の初期症状について解説します。ぜひ参考にしてください。
子どもが欲しいと考えている場合、生理の後の妊娠しやすい日がいつなのか気になる方もいるでしょう。一般的に妊娠しやすいといわれるのは、排卵日の2日前です。
排卵日の2日前が妊娠しやすいのは、卵子と精子の寿命が関係しています。通常、卵子の寿命は約24時間、精子の寿命は約72時間です。
排卵された卵子は、受精せずに24時間ほど経過すると寿命を迎えます。一方、精子は女性の体内でおよそ72時間生きられます。そのため、排卵日の2日前から排卵直後の間に性交渉をすると、妊娠しやすいといわれるのです。
排卵日が生理後のいつになるかは、個人差があるため一概にはいえません。自身の排卵日の目安を知りたい場合、まずは月経周期を押さえておくことが大切です。
妊娠しやすいタイミングには、月経周期が深く関わっています。月経周期とは、月経が始まってから次の月経が始まるまでの期間のことです。
月経周期の期間には個人差がありますが、正常な月経周期は25~38日とされています。月経周期は、大きく以下の4つの時期に分けられます。
ここでは、月経周期の4つの時期について解説します。妊娠を希望している方は、ぜひ知識として押さえておきましょう。
月経期とは、生理が起こっている期間のことです。子宮内膜を厚くする女性ホルモンのエストロゲンや、妊娠を継続させる女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が著しく減少するため、妊娠の可能性が低い時期です。
一般的に、月経期は3~7日程度とされています。月経期は、下腹部痛や腰痛、頭痛、気持ちの落ち込みなどを感じやすいでしょう。
卵胞期とは、月経期が終わり新たな卵子を育てる時期のことです。卵子のもとである原始卵胞の成長がスタートし、成熟卵胞へと育ちます。あわせて、妊娠に備えてエストロゲンの分泌が増え、子宮内膜が厚くなります。
卵胞期の日数は、7~10日程度です。月経周期の中でも身体やメンタルの調子が良い時期で、前向きな気持ちで生活できる人が多いといわれています。
排卵期とは、卵子が卵胞から卵管へと飛び出していく時期のことです。排卵期は通常16~32時間程度とされ、黄体形成ホルモンの分泌が急上昇してから約10~12時間後に排卵されます。
排卵期はエストロゲンの分泌がピークを迎え、排卵が終わるとプロゲステロンの分泌が増え始めます。このようなホルモンバランスの変化によって、冷えやむくみを感じる方もいるでしょう。また、人によっては下腹部痛(排卵痛)を感じる場合もあります。
黄体期とは、妊娠に備えてプロゲステロンの分泌が増え、子宮内膜が厚く柔らかくなる時期です。妊娠に必要な栄養や水分が体内に溜まるため、むくみを感じる方もいます。
また、ホルモンバランスの変化により、以下のような症状が現れるケースもあります。
黄体期の心身の不調の有無や程度は人によって異なりますが、症状がつらいときは婦人科で受診して医師に相談するとよいでしょう。
黄体期は一般的に14日程度続き、妊娠が成立しないときは月経期を迎えます。
排卵の大まかなタイミングは、月経周期によって見当が付きます。しかし、妊娠を希望する場合、より詳しく排卵日を予測し、妊娠しやすいタイミングを知りたいと考える方もいるでしょう。
ここでは、排卵日を予測できる以下の4つの方法を紹介します。
それぞれの内容を確認し、始めやすいものから取り入れてみましょう。
排卵日を予測する方法の1つ目は、基礎体温の計測です。基礎体温とは、生きるうえで最低限のエネルギーのみを使っているときの体温のことです。
基礎体温には、低温期と高温期があります。基礎体温は月経周期の中で変動しており、排卵は低温期の中で最も基礎体温が落ち、高温期に替わるときに起こるといわれています。そのため、基礎体温を記録することで、排卵日の目安を予測できます。
基礎体温は、一般的な体温計ではなく婦人用基礎体温計を使用して測ります。婦人用基礎体温計は、薬局やドラッグストアで購入可能です。婦人用基礎体温計は枕元に置き、毎朝目覚めたら身体を起こす前に、舌の下に5分間入れて計測しましょう。
排卵日を予測する方法の2つ目は、オギノ式での計算です。オギノ式とは、産婦人科医の荻野久作氏が発表した、生理周期に基づいて算出する排卵日の予測方法のことです。
オギノ式では、生理周期を基に月経予定日から14日後に排卵が起こるとして排卵日を算出します。オギノ式の計算式は、以下のとおりです。
たとえば、月経周期が30日の方であれば、月経開始後から16日目(30日-14日)が排卵日と予測できます。このように、オギノ式は誰でも比較的簡単に排卵日を予測できる方法といえるでしょう。
ただし、ストレスや体調不良などにより月経周期がずれることもあり、オギノ式での計算はあくまで目安を把握するための方法です。また、もともと生理不順の方には向かない方法でもあります。
排卵日を予測する方法の3つ目は、おりものの状態の確認です。
排卵が近づくと、エストロゲンの分泌が増えることで、卵白のような粘り気のあるおりものが出ます。また、おりものの量は排卵が近くなると増え、排卵の1~2日前にピークとなります。
このようなおりものの変化は、排卵日を予測する材料の1つとなります。排卵日を予測し、妊娠しやすいタイミングを知りたい方は、日ごろからおりものの状態をチェックし、変化に気付けるようにしておきましょう。
排卵日を予測する方法の4つ目は、排卵日予測検査薬の使用です。排卵日予測検査薬とは、尿に含まれる黄体形成ホルモン(LH)を計測できるキットのことで、薬局やドラッグストアで購入できます。
黄体形成ホルモンは通常、微量しか分泌されていません。しかし、排卵前に分泌量が急増するため、黄体形成ホルモンの濃度をチェックすることで、妊娠しやすい排卵日を予測するのが、排卵日予測検査薬の仕組みです。
排卵日予測検査薬と他の方法を併用することで、より排卵日を予測しやすくなるでしょう。
妊娠している場合、身体の変化を感じることがあります。妊娠を希望している場合、具体的な体調の変化を知っておきたい方も多いでしょう。
ここでは、妊娠初期によく見られる以下の8つの症状を解説します。
なお、これらの症状の有無や程度には個人差があり、症状が現れない方もいます。また、生理前の症状と似ている点にも注意しましょう。
妊娠すると基礎体温の高温期が継続するため、熱っぽさやだるさを感じることがあります。ほてりや発汗が見られることもあるため、風邪と勘違いする方もいるようです。
妊娠していない場合、生理の開始とともに基礎体温が下がります。そのため、基礎体温が高い状態が続いているときは、妊娠している可能性があるでしょう。
なお、熱っぽさは妊娠初期の間は継続するものの、妊娠中期になると多くの方は落ち着きます。
受精卵の着床にあたり子宮内膜に傷が付くと、少量の出血が起こることがあります。生理予定日付近の1~3日間の出血は、着床出血の可能性があることを覚えておきましょう。
着床出血の有無は人によって異なり、生理と同程度の出血がある方もいれば、着床出血がない方もいます。着床出血が起こるのは妊娠した人のうち20~25%程度といわれているため、必ず見られる症状ではないでしょう。
妊娠が成立すると、子宮は収縮を繰り返しながら大きくなります。この子宮の収縮により生じるのが、下腹部痛です。生理痛と似ていることから、生理前の症状と混同されることもあります。
加えて、妊娠初期は胃腸の働きが弱まることから、便秘による下腹部痛が発生することもあります。
妊娠初期は、強い眠気を感じることがあります。これは、妊娠を継続させる女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が増えることが原因です。
プロゲステロンには眠気を引き起こす作用があるため、妊娠中は日中に眠くなったりぼんやりしたりすることがあります。睡眠時間を十分にとっているにもかかわらず強い眠気を感じる場合は、妊娠の初期症状かもしれません。
妊娠初期は、食欲の変化が現れる方もいます。食欲の変化の具体例を、以下で確認しましょう。
どのような変化が起きるかは、人によってさまざまです。胃腸の不調により食欲がない場合は無理をせず食べられるものを食べる、食べ過ぎてしまうときは軽いウォーキングで調整するなど、症状に合わせた対処法を見つけましょう。
妊娠初期は、においに敏感になる方や、今まで平気だったにおいが気になる方もいます。妊娠初期の苦手なにおいとして挙げられる代表的なものを、以下に紹介します。
妊娠初期の嗅覚の変化では、香水や柔軟剤など今まで好んで使用していたにおいも苦手になるケースがあります。
妊娠初期は、女性ホルモンの分泌が増えることで、胸の張りを感じる方がいます。そのほか、胸の違和感や痛みが生じる方もいるようです。妊娠初期の胸の張りは、多くの場合日数が経つにつれて軽減するでしょう。
なお、妊娠すると、身体は母乳を出すための準備も始めます。これにより、妊娠中は胸のサイズが1~2カップ程度アップするでしょう。
ホルモンバランスの急激な変化によって気持ちが不安定になるのも、妊娠の初期症状の1つです。感情のコントロールが難しくなり、無性にイライラしたり、気分が落ち込んだりすることがあります。
また、妊娠がはっきりした後も、つわりや身体の変化に不安や戸惑いを感じ、気持ちが落ち着かない方もいるようです。このようなイライラや不安は、日数が経つにつれ少しずつ落ち着くといわれています。
生理予定日を過ぎても生理が始まらない場合、妊娠の可能性を考え、受診を検討する方もいるでしょう。妊娠の可能性があるときは、生理予定日から1週間経過したタイミングで受診するのがおすすめです。
妊娠の有無は、尿中に含まれる「hCG」というホルモン量の検査によって判定します。
hCGは受精卵が子宮内膜に着床してから分泌が始まるため、着床直後は十分な量が分泌されておらず、検査をしても陽性とならないことがあるでしょう。一般的に、hCGは生理予定日から1週間程度経過すると判定可能な量に達するとされています。これは、市販の妊娠検査薬に限らず病院の検査においても同じです。
生理の後の妊娠しやすいタイミングは、排卵日の2日前といわれています。排卵日を知る方法には、基礎体温の計測やオギノ式での計算、おりものの状態の確認、排卵日予測検査薬の使用が挙げられます。排卵日の予測の精度を高め、妊娠しやすいタイミングを知るには、複数の方法を併用すると良いでしょう。
妊娠が成立すると、初期症状として身体や心に変化が生じる場合があります。症状の種類や程度には個人差がありますが、胸の張りや眠気、食欲の変化などを感じることがあるでしょう。
妊娠の可能性がある場合、生理予定日から1週間を経過したタイミングで病院を受診しましょう。それ以前に受診しても、検査の判定に使われるホルモンが十分に分泌されておらず、妊娠の有無を判断できないケースがあります。
「妊娠しやすいタイミングを知りたいけれど、自分で予測するのは難しい」「自分の生理周期がよくわからない」といった方は、クリニックで受診して医師に相談するのも一つの方法です。
レバクリでは、ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれず、電話やビデオチャットで医師の診察を受けられます。病院に足を運ぶ必要がなく、予約時間になると診察が始まって基本的に待ち時間がないため、忙しい方にも便利です。ぜひレバクリを利用してみてください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました