更新日:2025年09月03日
「生理中のダイエットは意味がない?」「生理中はダイエットを休むべき?」と考えている人もいるかもしれません。女性がダイエットをする場合は、生理周期を考慮して取り組む内容を考えることが大切です。ダイエットに適しているのは、生理後から排卵までの約2週間です。生理前から生理開始にかけては、むくみが起こりやすく脂肪燃焼しにくいため、ダイエットには向いていない時期でしょう。
本記事では、ダイエットに適した時期や生理周期を考慮したダイエット方法などを解説します。生理中もダイエットしたい場合の注意点や食事のポイントなども紹介するため、参考にしてください。
生理周期とは、生理の開始日から次の生理が始まる前日までの期間を指します。正常な生理周期は25〜38日で、24日以下の場合は「頻発月経」、39日以上の場合は「稀発月経」とされています。頻発月経や稀発月経の場合、病気が隠れている可能性もあり注意が必要です。
生理周期は女性ホルモンの働きによってコントロールされており、ストレスや過労、過度なダイエットなどによってホルモンバランスが乱れると、生理周期にも影響が出ます。
生理周期は、次の4つの時期に分類されます。
卵胞期は、女性ホルモンのエストロゲンが多く分泌される時期です。卵子の元となる原子卵胞が成熟し、子宮内膜が次第に厚くなって受精卵が着床しやすい状態に変化します。卵胞期は、副交感神経が優位になり、心身とともに調子がよいと感じる人が多いでしょう。
排卵期は、成熟した卵胞から卵子が排卵される時期です。排卵された卵子が精子と出会うと、妊娠する可能性があります。排卵が起こると、基礎体温が上昇して高温期に入ります。
黄体期は女性ホルモンのプロゲステロンの分泌量が増加し、子宮内膜がさらに厚くなって妊娠に適した状態に整う時期です。ホルモンバランスの変化により、イライラしたり不安感が強くなったりと、気分が不安定になりやすいでしょう。
月経期は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が急激に減少し、子宮内膜が剥がれ落ちて体外に排出されます。生理期間中は、下腹部痛や腰痛などが起こりやすく、憂鬱になったりイライラしたりしやすいのが特徴です。しかし、生理が終わると次第に不快症状が和らぎ、体調も回復していきます。
ダイエットをする場合、適した時期と適さない時期があります。ダイエットを成功させるためにも、生理周期におけるダイエットに適した時期・適さない時期を把握しておきましょう。
ダイエットに適した時期は、生理後から排卵までの約2週間です。この時期は、プロゲステロンの分泌量が少ないためむくみが起こりにくく、体重が落ちやすくなります。
また、生理後から排卵期まで、エストロゲンの分泌量は増加し、脂肪の分解が促進されて痩せやすくなります。
ダイエットに適さない時期は、排卵後から生理が終わるまでの期間です。プロゲステロンの分泌量が増えるため、身体に水分や栄養がたまり、むくみやすくなります。瘦せにくいだけでなく、体調がすぐれず運動に身が入らないという人もいるでしょう。
生理前のダイエットが難しい理由は、次の3つです。
それぞれの理由について解説します。
生理前のダイエットが難しい理由は、食欲が増すためです。生理前は、プロゲステロンの影響で食欲が増します。甘いものや炭水化物など、ダイエットでは控えたほうがよいとされるものを食べたいと感じる場合もあるでしょう。
甘いものを食べたいときは、食後のデザートとして、フルーツを食べるのも一つの方法です。果物にはビタミンやポリフェノールなどが含まれており、美容にもよい効果を得られます。
脂肪が燃焼しにくいことも、生理前のダイエットが難しい理由のひとつです。生理前は、女性ホルモンの影響で脂肪を燃焼しにくい状態になります。身体が冷えやすく、基礎代謝が下がることもダイエットが難しい要因です。
生理前のダイエットが難しいのは、身体が水分をため込みやすいためです。身体がむくんだり便秘になったりすることで、体重が落ちにくくなります。
むくみや便秘を予防するには、こまめな水分補給が大切です。また、ストレッチやウォーキングといった運動を無理のない範囲で取り入れるとよいでしょう。
ダイエットを成功させるには、生理周期を考慮して方法を考えることが大切です。ここでは、生理前・生理中・生理後のタイミングごとに、ダイエットの方法をご紹介します。
生理前は、プロゲステロンの影響により食欲が増しやすいため、過食にならないよう気を付け、栄養バランスのとれた食事をとりましょう。
生理前は心身とともに不調を感じやすくなるため、無理に運動する必要はありませんが、運動がストレス解消になる場合は、適度な運動で身体を温めると代謝アップに役に立ちます。軽いストレッチやウォーキングであれば、身体への負担が少ないでしょう。
生理前は痩せにくい時期のため、ダイエットの調整期と割り切ることも大切です。
生理中は、下腹部痛や腰痛、吐き気といった不快症状を感じる人もいるでしょう。そのため、生理中はダイエットのために無理をして運動する必要はありません。
運動したほうが気分転換になる場合は、ストレッチやヨガなど軽い運動に留めるとよいでしょう。栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠をとり、体調を整えることを優先しましょう。
生理が終わると、心身の不調が和らいで運動に取り組みやすくなります。ジョギングや水泳、エアロビクスなどの有酸素運動を行うことで、脂肪燃焼を図りましょう。
有酸素運動のほか、腹筋やスクワットなどの筋力トレーニングを取り入れると、筋肉がつくことで基礎代謝が上がり、ダイエットにつながります。
生理中もダイエットのために運動したい場合、下記を無理のない範囲で行うとよいでしょう。
それぞれについて解説します。
ダイエットを目的に生理中も運動したい場合、軽めの筋トレを行うとよいでしょう。
ゆっくりしたペースで行うスクワットやヒップスラストなどの自重トレーニングであれば、器具を使ったトレーニングに比べて関節や筋肉への負担を少なくできます。ゆっくりと「気持ちいい」と感じるレベルで行うのが理想です。
生理中に行う運動として、ヨガやピラティスもおすすめです。ヨガやピラティスは呼吸法や瞑想を取り入れた運動で、生理中に感じやすいイライラや不安感などの解消にもつながります。
生理中にヨガやピラティスを行う場合は、無理のないポーズ・エクササイズを選ぶようにしましょう。
有酸素運動の一つであるウォーキングも、生理中のダイエットにおすすめの運動です。
ウォーキングにより体内の血行が促進され、むくみの改善も期待できます。1回につき20〜30分程度を目安に、無理のない範囲で行いましょう。
生理中のダイエットは、女性ホルモンの影響により期待している結果を得るのは難しいものです。そのため、「なかなか痩せない」という焦りから、無理なダイエットを試みる人もいるかもしれません。生理中にダイエットをする場合は、以下の4点に気を付けましょう。
それぞれのポイントを解説します。
生理中のダイエットで注意すべきポイントは、激しい運動をしないことです。激しい運動により、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの分泌が増加し、生理痛が悪化するおそれがあります。
プロスタグランジンは、子宮を収縮させ、不要になった子宮内膜を血液とともに押し出す働きがあります。プロスタグランジンの分泌が多いと、必要以上に子宮が収縮するため、生理痛がひどくなります。
また、生理中は血液が体外に排出されるため、貧血になる人も少なくありません。鉄分が減少すると酸素が体内に行き渡らず、疲労感や倦怠感、動悸などの症状が出やすくなるため、激しい運動により症状が悪化する可能性があります。
生理中もダイエットを続ける場合、過度な食事制限はしないよう気を付けましょう。過度な食事制限により身体に必要な栄養素が不足すると、生理痛の悪化や貧血などを招くおそれがあります。
ダイエットをする場合は、生理中のみならず、普段からバランスの取れた食事をとることが大切です。とくに、生理に伴って不足しやすい鉄分やタンパク質は、十分に摂ることを心がけましょう。栄養バランスのよい食事をとることが心身の健康につながり、ダイエットをスムーズに進めやすくなります。
ストレスをためないようにすることも、生理中のダイエットにおいて大切です。過度なストレスはホルモンバランスの乱れを招き、体重増加につながる可能性があります。ダイエット自体がストレスにならないよう気を付けるとともに、適度にストレス発散することが大切です。
イライラや不安を感じる場合は、好きな音楽を聴いたり散歩をしたりして、気分転換を図りましょう。
生理痛があるときは、無理をせず休むことが大切です。
お腹に温熱シートやカイロなどあてたり、温かい食事で身体を温めたりすると、生理痛の改善に効果的です。生理痛が治まり体調が回復したら、ダイエットを再開しましょう。
生理中のダイエットで心掛けたい食事のポイントは、次の5つです。
それぞれのポイントについて解説します。
生理中にダイエットを行う場合も、規則正しい食事を心がけましょう。ただし、食事に関して我慢しすぎないことも大切です。
生理前から生理開始にかけては、身体が栄養を蓄えようとして食欲が増加します。これは女性ホルモンの影響によるものであり、空腹を感じたときに無理をしてまで制限するのはおすすめできません。
生理前・生理中に少し多く食べたとしても、過度に気にしないようにしましょう。「週単位や月単位で調整しよう」と考えると、気持ちも楽になります。生理が終わり、体調が回復してから本格的なダイエットを再開することが、長く続けるコツです。
生理中は、身体を温める食材を積極的に食べることも大切です。身体を温める食材をとることで代謝が上がり、ダイエットをスムーズに進めやすくなります。
にんじん・ごぼう・れんこんといった根菜類や生姜などを食事に取り入れましょう。
野菜や果物、豆類、海藻類といった食物繊維が多い食材を選ぶことも、ダイエットで心掛けたいポイントです。生理前から生理開始直後は、プロゲステロンの影響で便秘が起こりやすくなります。
ただし、生理が始まるとプロスタグランジンの影響で腸の働きが活発になり、下痢が起こりやすくなります。食物繊維を多く摂ると下痢が起こる人は、身体の反応を見ながら調整しましょう。
鉄分の多い食材を意識して食べることは、生理中の体調管理のために大切です。生理中は、血液が排出されることで鉄分が不足し、貧血になりやすくなります。
鉄分が多く含まれる食材は、赤身肉や魚類、レバー、卵、海藻類、豆類などです。
なお、野菜や果物に多く含まれるビタミンCは、鉄分の吸収を助ける働きがあります。鉄分を摂る際はビタミンCも一緒に摂取しましょう。
生理中のダイエットでは、アルコールを控えることも大切です。生理中でなくとも、お酒を飲み過ぎるとむくみを引き起こします。むくみが生じやすい生理中にアルコールを摂取すると、症状が悪化しかねません。
また、アルコールを摂取すると、分解するために肝臓に負担がかかります。生理中は心身が不安定で疲れやすいため、身体に負担がかかるアルコールは控えたほうがよいでしょう。
ピルの服用を検討している人の中には、「ピルを飲むと太りやすいと聞いたことがある」という人もいるかもしれません。ここでは、ピルの副作用や、生理中のダイエットとピルとの関係について解説します。
ピルの副作用には、食欲増加やむくみがあります。ピルの服用を開始して間もない頃は、一時的な食欲増加やむくみにより、体重が増える人もいるようです。しかし、1〜3か月ほど服用を継続すると、身体が慣れて食欲増加やむくみの副作用は落ち着くことがほとんどです。
ピルには、複数の種類があります。それぞれ特徴や副作用は異なるため、食欲増加やむくみが起こりにくいピルを選べば、ピルを服用しながらダイエットできるでしょう。
また、ピルを服用すると、生理周期が整うほか、生理前のイライラ・不安や生理痛などを軽減できるため、ダイエットを計画的に実行しやすくなります。ホルモンバランスが一定に保たれることで急な食欲増加も抑制でき、食事管理もしやすくなるでしょう。
ピルを服用したい場合、医療機関に足を運ぶほか、オンライン診療を受けることで処方してもらえます。
オンライン診療であれば、自宅にいながら診察を受けられ、通院時間や交通費を削減できます。予約時間になると診察が始まって基本的に待ち時間がないため、忙しい方も受診しやすいでしょう。
ダイエットをする場合は、生理周期を考慮して方法を考えることが大切です。生理前から生理開始までは女性ホルモンの影響により食欲が増すほか、脂肪が燃焼しにくくなるため、ダイエットには向いていない時期です。生理中もダイエットを続けたい場合は、激しい運動や過度な食事制限は控え、栄養バランスのとれた食事をとって身体を休めることを意識しましょう。
レバクリでは、ピルのオンライン処方を行っています。オンライン診療であれば、自宅で診察を受けられ、ピルの服用について医師に相談できます。ピルは自宅に配送されるため、薬局まで出かける必要もありません。生理にまつわる悩みを医師に相談したい方やピルを服用したい方は、ぜひレバクリをご利用ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました