更新日:2025年09月03日
「初潮が来るサインは?」「毎月の生理が来るサインを知りたい」と考えている人もいるかもしれません。初潮が来るサインとして、胸のしこりやおりものの分泌などが挙げられます。また、毎月の生理が来るサインには、下腹部痛や食欲増加、肌荒れなどが挙げられるでしょう。
本記事では、初潮や毎月の生理が始まる際のサインのほか、生理の仕組み、生理周期における心身の変化について解説します。生理についての知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
初潮を迎える年齢は、多くの場合10~14歳頃とされています。周りと比べて多少早かったり遅かったりしても、個人差があるため、心配することはありません。ただし、15歳を過ぎても生理が来ない場合は、婦人科で相談するとよいでしょう。
初潮が始まる前のサインとしては、以下のようなものがあります。
このようなサインがあったら、ナプキンやおりものシートを用意するなど、初潮を迎える準備をしておきましょう。
初潮を迎えた後、毎月の生理が来るタイミングがわからず、不安を感じることもあるしょう。生理のサインとしてよくみられる症状には、下腹部痛や胸の張りなどがあります。
ここでは毎月の生理が来るサインについて、症状ごとに解説します。
生理が来るサインの1つが、下腹部痛です。生理は、妊娠に備えて厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて排出される現象です。排出を促すために子宮が収縮するため、生理直前から生理中にかけて痛みを感じることがあります。
胸の張り・痛みも、生理が始まるサインの可能性があります。生理前に胸の張りや痛みを感じやすくなるのは、ホルモンバランスの変化が原因です。排卵後に女性ホルモンの1つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増え、水分を体にため込む作用が働くため、胸の張りを感じやすくなるとされています。
生理が始まるとプロゲステロンの分泌量が減り、胸の張りや痛みは改善するのが一般的です。
生理が近づいているサインとして、頭痛や倦怠感も挙げられます。
生理前には、エストロゲンの分泌が急激に減ります。その際に頭の血管が拡張したり神経に炎症が起きたりすることで、頭痛を感じるとされています。
一方、生理前に分泌量が増えるプロゲステロンは、体温を上げる作用を持ちます。体温が上がることにより、倦怠感や眠気を感じやすくなります。
生理が始まるサインとして、便秘の解消も挙げられます。生理前の便秘の解消も、ホルモンバランスの変化の影響です。生理直前にプロゲステロンの分泌が減ると、腸の動きがよくなり、便秘が解消します。
便秘でない人の場合は、お腹がゆるくなることもあります。
生理が来るサインとして、食欲が増すことも挙げられます。生理前の食欲増加も、プロゲステロンの影響です。
生理前にプロゲステロンが多く分泌されると、血糖値を下げる働きのあるインスリンの効きが悪くなります。インスリンの効きが悪くなることで血糖値が上がりやすくなり、それによってインスリンが過剰分泌されることで血糖値が通常よりも早く下がり、空腹を感じて食欲が増すというメカニズムです。
生理が来るサインとして、肌トラブルも挙げられます。ホルモンバランスの変化は、肌にも影響を及ぼします。生理前にプロゲステロンの分泌が増えると、皮脂の分泌が活発になりニキビができやすくなります。
また、生理前はエストロゲンの分泌量が少なく、肌の潤いが不足して乾燥し、肌荒れしすくなります。
生理は、10~14歳頃に始まるのが一般的です。女性ホルモンの分泌量は7~8歳ごろから増え始め、多くの場合、小学校高学年から中学生のときに初潮を迎えます。
15~18歳ごろには排卵が安定して妊娠・出産できる状態になります。女性ホルモンの分泌がピークとなるのは20~30代です。
30代後半頃から、女性ホルモンの分泌量は減少していきます。個人差はありますが、50歳頃に閉経を迎えるでしょう。閉経の前後5年間(計10年間)は、ホルモンバランスの乱れによって更年期障害と呼ばれる不調が起こりやすくなります。
生理は、妊娠準備のために厚くなった子宮内膜が、妊娠しなかったために不要となり、子宮外へ排出される現象です。生理が終わってから排卵が起こり、子宮内膜が厚くなって剥がれ落ちるまでのサイクルは約1か月です。ただし、個人差があるほか、同じ人でも必ず毎回同じ日数になるとは限りません。生理は、「月経」とも呼ばれます。
子宮の左右には卵巣が1つずつあり、その中に卵子を入れる「卵胞」があります。卵胞が大きくなっていく過程で、分泌量が多くなるのがエストロゲンです。エストロゲンは生殖器官を発育させ、女性らしく丸みを帯びた体型を作る作用を持ちます。
エストロゲンが多く分泌されることで子宮内膜が厚くなり、それにあわせて卵胞が排出されます。これが排卵です。
プロゲステロンは妊娠を準備するためのホルモンです。受精卵を着床させるため、子宮内膜を安定させたり、乳腺を発達させたりします。
受精しなかったり受精卵が着床しなかったりした場合、厚くなった子宮内膜は不要となり、剥がれ落ちて血液とともに排出され、生理が始まります。その後、排卵に向けて次の生理周期が始まります。
正常な生理周期は、25~38日とされます。生理周期が24日以内と短い場合を頻発月経、39日以上と長くなると稀発月経です。
生理周期は、以下の4つの時期に分けられます。
生理で経血が出ている期間を「月経期」といい、生理が終わると「卵胞期」に入ります。その後、排卵が起こる「排卵期」を経て、プロゲステロンの分泌によって子宮内膜が柔らかくなるのが「黄体期」です。
以下の項で、それぞれの時期について説明します。
月経期は、女性ホルモンの分泌が少ない時期で、身体的・精神的な不調が起こりやすいでしょう。体温を上げる作用のあるプロゲステロンが減ることで、体温が下がって体が冷えやすくなる人もいます。
心身の不調を感じたら、無理をせず、安静にすることが大切です。体を温めるようにし、生理痛が重い場合には痛み止めを服用したり、婦人科を受診したりするなどの対処をとりましょう。
生理が終わると、卵胞期に入ります。卵胞期はプロゲステロンの分泌が少なく、体温は安定して低い状態になります。
卵胞期はエストロゲンの分泌が多くなり、卵胞の成長とともに子宮内膜が徐々に厚くなっていきます。
エストロゲンの分泌増加により気持ちが前向きになったり肌や髪の調子が良くなったりし、心身ともに安定しやすい時期でしょう。
卵巣内で卵子を入れている卵胞という袋が破れ、成熟した卵子が飛び出す排卵日の前後が排卵期です。排卵期はホルモンバランスの乱れから、心身が不安定になりやすい時期だとされています。
倦怠感やイライラなどの症状が出ることがあるため、できる限りリラックスして過ごすことや気分転換を心がけることが大切です。
排卵が終わってから生理が始まるまでの間が、黄体期です。卵子が出た後の卵胞は、黄体という組織に変化します。黄体から分泌される女性ホルモンが、プロゲステロンです。
黄体期はプロゲステロンの分泌量が多くなり、体にさまざまな変化が表れやすくなります。便秘やむくみの症状が出やすいのは、プロゲステロンに水分をため込む作用があるためです。
黄体期には、プロゲステロンの作用によって基礎体温が上昇します。基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか使わない状態での体温のことです。これにより、ほてりや倦怠感、眠気などを感じやすくなります。
生理前のホルモンバランスの変化による心身の不調は、「月経前症候群(PMS)」と呼ばれます。乳房の張りや痛み、気分の落ち込みなどがPMSの症状です。
生理中や生理前に起こりやすい不快症状と、その対処法を以下で説明します。
生理期間中は、下腹部痛や腰痛といった生理痛が起こりやすいでしょう。生理痛とともに吐き気や倦怠感、食欲不振、イライラなどの症状により日常生活に支障をきたす場合は「月経困難症」だと考えられます。生理痛をはじめとする月経困難症の症状は生理の開始直前または生理の開始日から始まり、生理の終了とともに治まります。
症状が出た場合には、体を冷やさないようにすることが大切です。毛布をまとったり、カイロを使ったりするとよいでしょう。好きな音楽を聴く、軽い運動をするなど、リラックスできるようにするのもおすすめです。
月経困難症には、原因となる病気がない「機能性月経困難症」と、なんらかの病気が原因となっている「器質性月経困難症」があります。機能性月経困難症の場合は、プロスタグランジンの過剰分泌や子宮口が狭いことなどが原因です。プロスタグランジンは子宮を収縮させる作用があり、子宮の収縮運動が過剰になると強い痛みを感じやすくなります。
器質性月経困難症の場合は、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因となります。生理痛が毎回重く生活に支障をきたしている場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
PMS(月経前症候群)とは、生理の3~10日ほど前から現れる身体的・精神的な不快症状のことです。頭痛や腰痛といった身体的症状のほか、イライラして怒りっぽくなったり、気分が落ち込んだりする精神的な症状も現れることがあります。
とくに精神面での不調が著しく、日常生活にも影響を与えるような場合は「月経前不快気分障害(PMDD)」の可能性があります。
PMSを改善するには、バランスのよい食事や適度な運動、十分な睡眠など生活習慣の見直しが大切です。PMSは女性ホルモンの急激な変化によって起こると考えられているため、ホルモンバランスを整えるために低用量ピルを服用することも有効です。
低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンを含有しています。女性ホルモンは脳からの指令で分泌されますが、ピルを服用することで、脳は女性ホルモンが足りている状態だと判断して、ホルモン分泌の指令を出しません。
女性ホルモンの分泌が抑制されるため、子宮内膜は厚くならず、子宮の収縮運動が軽減して生理痛が緩和します。また、ホルモンバランスが一定に保たれるため、女性ホルモンの急激な変動によるイライラ・不安といった精神面の不快症状も緩和すると考えられます。
なお、低用量ピルの服用を開始して間もない頃は、ホルモンバランスの変化により副作用が出る可能性があります。低用量ピルの服用により起こりうる副作用の例は、以下のとおりです。
低用量ピルの副作用は、1~3ヶ月ほど服用を継続することで落ち着くとされています。副作用の症状が長く続いたりつらいと感じたりした場合には、医師に相談しましょう。
低用量ピルはドラッグストアなどで販売される市販薬ではないため、服用するには医師の処方が必要です。仕事が忙しく病院に行く時間がとれない、婦人科を訪れるのはハードルが高いといった方には、オンライン診療に対応しているクリニックの利用をおすすめします。オンライン診療であれば自宅で診察を受けられ、通院時間や待ち時間を削減できます。
生理が来る際のサインには、下腹部痛や胸の張り、便秘解消などがあります。生理前には、ホルモンバランスの乱れからイライラ・憂鬱などの精神的な症状が出ることもあるでしょう。生理前の不快症状の対処法としては、生活習慣を整えるほか、低用量ピルの服用が挙げられます。
ピルを処方してもらうには、医療機関の受診が必要です。オンライン診療を利用すれば、通院時間や待ち時間、移動のための交通費などを削減でき、負担を減らして受診できます。
レバクリでは、低用量ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました