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更新日:2025年09月03日

生理前に微熱が出る原因は?妊娠の可能性や対処法を解説

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この記事のまとめ
  • 生理前に微熱が出る原因として考えられるのは、女性ホルモンの働きによるもの
  • 微熱のほかに身体的・精神的な症状が生理前に出る場合、PMSの可能性がある
  • 「生理が始まっても微熱が続く」と感じるときは、妊娠または風邪の症状の可能性がある
  • 生理前の微熱の対策として、基礎体温の記録や生活習慣の改善が大切

「生理前に微熱が出ることが多く、病気ではないか心配」という方もいるかもしれません。生理前は女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が増えて基礎体温が上がるため、微熱が出やすいと考えられます。しかし、風邪や婦人科疾患により微熱が続くこともあり、注意が必要です。

本記事では、生理前に微熱が出る原因や、微熱以外で生理前に出やすい症状、PMSにより微熱が出る場合の対処法などを解説します。

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目次
  • 生理前に微熱が出る原因は?
    • 女性ホルモンの働き
    • 生理前に毎回微熱が出る場合はPMSの可能性も
  • 生理前にみられる微熱以外の症状
    • 身体的症状
    • 精神的症状
  • 生理がきても微熱が下がらないときの原因は?
    • 妊娠
    • 風邪
    • 月経困難症
  • PMSで生理前に微熱が出る場合の対処法
    • 対症療法を行う
    • 漢方薬を服用する
    • ピルを服用する
  • 生理前の微熱の対策
    • 基礎体温を記録する
    • 生活習慣を整える
    • 病院を受診する
  • まとめ

生理前に微熱が出る原因は?

生理前になると微熱が出る原因は、主に女性ホルモンの働きによる体温の変化が考えられます。

ここでは、生理前に微熱が出る原因をみていきましょう。

女性ホルモンの働き

生理前は女性ホルモンの働きにより基礎体温が上がる時期で、37度前後の微熱が出るのは自然な現象と考えられます。基礎体温とは、最小限のエネルギーしか消費していない安静時の体温のことです。基礎体温は、生理周期によって変化します。

生理周期は、卵胞期→排卵期→黄体期→月経期という4つの段階に分かれ、体温は生理周期により次のように変化します。

  • 卵胞期:基礎体温が低く低温期になる
  • 排卵期:基礎体温が上昇し始める
  • 黄体期:基礎体温が高温期に入る
  • 月経期:基礎体温が低下し、低温期に戻る

卵胞期は、生理が終わってから排卵が起こるまでの時期です。卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が多くなる時期で、排卵までの間は体温が低くなるのが特徴です。

排卵期は、排卵前後の数日間です。排卵が終わると基礎体温は高温期に移行し、ホルモンバランスが変化します。

黄体期は、排卵後から次の生理が始まるまでの約2週間です。排卵後の卵胞が黄体に変化して黄体期に入ると、黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌され、基礎体温が高くなります。高温期は生理開始まで続き、生理前は微熱が出ることもあるでしょう。

また、女性ホルモンの変化が大きくなる黄体期(生理前)は、微熱だけでなく頭痛やだるさ、眠気といった症状も起こりやすくなります。

生理前に毎回微熱が出る場合はPMSの可能性も

生理前に毎回微熱が出る場合は、PMSの可能性もあります。PMSは「月経前症候群」とも呼ばれ、生理の3〜10日ほど前の期間に現れる精神的または身体的な症状です。PMSでは心身にさまざまな症状が現れ、その一つとして微熱が生じることがあります。PMSの場合、生理が始まると症状は自然に治まるのが一般的です。

PMSの原因ははっきりとわかっていませんが、ホルモンバランスの変化が影響していると考えられています。

生理前にみられる微熱以外の症状

生理前には、微熱以外にも身体的・精神的症状が出る場合があります。

ここでは、生理前に起こる微熱以外の症状を解説します。

身体的症状

微熱以外の身体的症状として、頭痛や腹痛、むくみなどがあげられます。頭痛が起こる原因には、女性ホルモンのエストロゲンが減少することが原因だと考えられます。

また、生理の開始直前から子宮を収縮させる働きがあるプロスタグランジンという物質が分泌されるため、腹痛が起こることもあるでしょう。

黄体期に増えるプロゲステロンには体内に水分をためる作用があり、生理前はむくみやすくなるのも特徴です。

精神的症状

生理前は、情緒不安定やイライラ、不安といった精神的な症状も現れやすくなります。生理前の精神的な症状も、女性ホルモンの変動が関係していると考えられています。また、神経伝達物質の「セロトニン」の分泌が低下することも影響していると考えられています。

精神を安定させる働きのあるセロトニンが不足することで、不安感やイライラなどの症状が起こりやすくなります。身体的な症状も同時に起こると、精神的症状が悪化することがあるでしょう。

生理がきても微熱が下がらないときの原因は?

生理が始まると女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが急激に減少し、基礎体温が低下します。そのため、生理前の微熱は生理の開始とともに平熱に戻るのが一般的です。

生理がきても微熱が下がらない場合、妊娠もしくは病気などの原因が考えられます。

ここでは、生理がきても微熱が下がらない場合の原因について解説します。

妊娠

「生理がきたのに微熱が下がらない」と感じる場合、妊娠している可能性があります。妊娠するとプロゲステロンの分泌が続き、高温期が続くためです。

「生理がきたから妊娠していないのでは?」と思うかもしれませんが、妊娠したときは、生理の出血と似た「着床出血」と呼ばれる妊娠の初期症状が起こることがあります。

普段よりも出血量が少ないときや1週間程度経過しても体温が下がらない場合は、妊娠の可能性を考え、早めに検査を受けましょう。

妊娠初期には、体温が高い状態が続くほか、胸の張りや倦怠感、吐き気などの症状が現れることもあるため、判断の目安にしてください。

風邪

風邪をひき、その症状で微熱が続いている可能性もあります。風邪の初期症状として、喉の痛みや鼻水などとともに微熱が現れることも多く、通常の風邪であれば熱は37度前後にとどまり、高熱にはならないことが多いでしょう。

ウイルス・細菌と戦うために免疫細胞が活発になり、微熱が数日間続くこともあります。風邪による微熱の場合、通常は安静にして十分な水分と栄養を摂ることで回復していきます。

症状が長引いたり高熱が続いたりする場合は、早めに病院を受診しましょう。

月経困難症

生理がきても微熱が続く場合、月経困難症の可能性も考えられます。月経困難症とは、生理中に腹痛や腰痛といった生理痛のほか、頭痛や吐き気、下痢などの症状が起こる病的な状態のことです。微熱も症状の一つとしてあげられます。

月経困難症は、原因疾患がない「機能性月経困難症」と、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因で起こる「器質性月経困難症」に分けられます。機能性月経困難症は、プロスタグランジンの過剰分泌や子宮口が狭いことなどが原因です。

器質性月経困難症の原因疾患の一つである子宮内膜症は、微熱が出やすいという特徴があります。子宮内膜が子宮の内側以外の場所で発育する疾患で、生理周期に伴い出血や炎症を引き起こします。

炎症反応により生理中やその前後に微熱が出ることがあり、微熱とともに、腹痛や腰痛などの症状を伴うのが一般的です。いずれの場合もそのままにせず、早めに病院を受診することが大切です。

PMSで生理前に微熱が出る場合の対処法

PMSの症状で生理前に微熱がある場合、対処法として次の3つがあげられます。

  • 対症療法を行う
  • 漢方薬を服用する
  • ピルを服用する

それぞれの内容をみていきましょう。

対症療法を行う

対症療法とは、病気によって生じた痛みや発熱など、特定の症状を和らげる治療法のことです。 一時的に症状を緩和するもので、病気を根本的に治す治療とは異なります。

微熱の場合は解熱剤、頭痛や腹痛などの痛みには鎮痛剤を使うのが一般的です。

対症療法は症状の一時的な改善に役立ちますが、原因がPMSや子宮の病気などの場合、根本的な治療にはなりません。生理前の症状がひどい場合は、病院を受診して適切な治療を受けることが大切です。

漢方薬を服用する

漢方薬を服用し、生理に関する不快な症状を緩和する方法もあります。漢方薬は、植物や動物、鉱物などの生薬を組み合わせて作られた薬です。漢方医学に基づき、体全体のバランスを整えて自然に治癒する力を高めることを目的としています。

漢方では、「気」「血」「水」という3つの要素のバランスが取れている状態を健康な身体と考え、生理前にはホルモンの変動によりこれらのバランスが崩れることで、不快症状が現れると考えられています。

生理前に微熱の症状がある場合、選択肢となる漢方薬の例は以下のとおりです。

  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)

漢方薬には市販薬と処方薬があり、配合されている生薬の種類は基本的に同じです。症状や体質に合う漢方薬がわからないときは、漢方薬を処方している医療機関を受診するとよいでしょう。

ピルを服用する

微熱をはじめとする生理前の症状がひどいときは、ピルを服用する方法もあります。ピルは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを配合した薬です。

ホルモンバランスを一定に保って排卵を抑制する働きがあり、PMSや生理痛、月経困難症などの治療にも使われています。

ピルを服用する際は、医師の診察が必要です。「病院が遠い」「婦人科の病院に行くのは抵抗がある」という場合は、オンライン診療を受ける方法もあります。オンライン診療は、スマートフォンやパソコンなどを使って、自宅にいながら医師の診察や薬の処方を受けられる診療です。

通院にかかる時間やコストの負担を軽減し、好きな時間・場所で診察を受けられるのが魅力です。医師以外の受付スタッフや他の患者と顔を合わせなくて済み、院内感染の心配もありません。

生理前の微熱の対策

生理前の微熱対策として、まずは基礎体温を記録する習慣をつけ、体温の変化を把握しましょう。症状を抑えるために、生活習慣を整えることも大切です。

ここでは、生理前の微熱の対策を紹介します。

基礎体温を記録する

生理前の身体の変化に対応するために、基礎体温を記録することをおすすめします。基礎体温を毎日記録することで、生理前の体温の変化を把握でき、微熱がホルモンバランスの変化によるものなのかを判断しやすくなるでしょう。

基礎体温は一般的な体温計ではなく、小数点第2位(0.01単位)まで表示される基礎体温計で測定します。近年は、測定値を自動で記録したり、検温を知らせる目覚ましアラームがついていたりするなど多機能な基礎体温計も多いため、自分に合うものを選びましょう。

スマートフォンのアプリと連携し、測定値が自動でグラフ化できる基礎体温計もあります。アプリと連携すれば基礎体温をグラフ化して生理日の予測もできるため、生理前の体調の変化も把握しやすいでしょう。

生活習慣を整える

生理前の不調を軽減するためには、生活習慣を整えることも大切です。女性ホルモンの分泌は生活習慣の乱れによる影響を受けやすく、生理前の微熱だけでなく、イライラやむくみなどの不快症状を引き起こす原因になります。

バランスの良い食事を心がけることで、ホルモンバランスの乱れを防ぎ、生理前の不快症状の軽減を図れるでしょう。

また、質の良い睡眠をとることも大切です。6〜8時間程度の睡眠時間を確保し、寝る前のパソコンやスマートフォンの使用は控えましょう。

カフェインやアルコールの摂りすぎにも注意が必要です。カフェインやアルコールの過剰摂取は自律神経のバランスを乱す原因になり、ホルモンバランスにも影響を与えます。特に、アルコールはエストロゲンの代謝を妨げるとされており、ホルモンバランスの乱れを引き起こして微熱が長引く可能性があります。

病院を受診する

生理前に毎回微熱が出て日常生活に支障をきたしている場合は、早めに病院を受診しましょう。37度台後半の熱が続く場合、婦人科の病気の可能性もあります。医師の診察を受け、必要な治療やアドバイスを受けることが大切です。

基礎体温をつけている場合は記録を持参し、確認してもらうとよいでしょう。

まとめ

生理前の微熱は、生理周期における女性ホルモンの変化により起こっていると考えられます。基礎体温をつけて体温の変化を知ることで、微熱が女性ホルモンの働きによるものなのか判断しやすくなるでしょう。

頭痛や腹痛、イライラなど、他の不快な症状を伴うときは、PMSの症状かもしれません。生理前の不快症状で日常生活に支障をきたしている場合は、病院を受診して適切な治療を受けましょう。

生理が始まっても微熱が続くときは、風邪の症状である可能性があります。微熱以外の症状も確認し、必要に応じて病院を受診しましょう。

「生理前の微熱に悩んでいて診察を受けたいが、病院が遠くて通院できない」「生理前の不快症状の治療のためにピルを服用したいが、婦人科に行きづらい」という方は、オンライン診療を利用してみてはいかがでしょうか。

レバクリのオンライン診療であれば、ビデオチャットや電話で診察が受けられます。処方されたピルは自宅に届き、生理前の不快症状を軽減できます。診察料は無料のため、ぜひご利用ください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました

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