更新日:2025年09月03日
生理が月に2回くることに不安を感じ、原因や対処法を知りたいと考えている方もいるかもしれません。主な原因としては、女性ホルモンのバランスの乱れが挙げられますが、何らかの病気が潜んでいる可能性もあります。
この記事では、生理が月に2回くる原因や放置するリスク、予防法などを解説します。
生理が月に2回あり、生理と次の生理の間隔が24日以下の場合は「頻発月経」と呼ばれます。
正常な生理周期(生理開始から次の生理が始まるまでの日数)は25〜38日であるのに対し、頻発月経は生理の間隔が短いことが特徴です。頻発月経の場合、出血が続く期間は人によって異なるものの、10~14日程度が多いといわれています。
生理が月に2回くる原因としては、以下の3つが挙げられます。
それぞれの内容をみていきましょう。
生理終了後から排卵までの期間が短くなり、生理が月に2回くる原因の一つとして、女性ホルモンのバランスの乱れが挙げられます。
生理終了後から排卵までは、生理周期において「卵胞期」と呼ばれる期間です。女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増えて卵胞内の卵子が成熟し、排卵に向けて子宮内膜が厚みを増します。
卵胞期は、通常は生理が終わってから10日程度続きます。しかし、女性ホルモンのバランスが乱れると、脳から分泌される卵巣刺激ホルモン(FSH)が過剰に分泌され、卵子の成熟スピードが早くなることがあります。
排卵から生理までの期間が短いことも、月に2回生理がくる原因です。排卵から生理までの期間が短くなるのも、女性ホルモンや卵巣刺激ホルモンの分泌異常が関係していると考えられます。また、ストレスが原因となって排卵から生理までの期間が短縮することもあります。
排卵してから生理が始まるまでは、生理周期において「黄体期」という期間です。黄体期には子宮内膜を成熟させて着床しやすい環境を整えるプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。妊娠が成立しないとプロゲステロンとエストロゲンの分泌量が急激に低下して子宮内膜が剥がれ、生理が始まります。
通常、黄体期の期間は12~16日程度ですが、何らかの原因により短縮することで月に2回生理がくる場合があります。
生理が月に2回くるのは、無排卵周期症が原因の可能性もあります。無排卵周期症は、生理のような出血があるものの、排卵していない状態のことです。思春期や閉経前に多くみられます。
生理が月に2回ある状態をそのままにするリスクは、以下の3点です。
それぞれのリスクについて解説します。
生理が月に2回くる状態が続くと、生理の経血量が通常のケースよりも多くなることから、貧血を引き起こしやすくなります。
貧血になると、疲れやすくなったり、めまいや立ちくらみが起きたりするでしょう。
生理によって起こりやすい鉄欠乏性貧血は、症状が徐々に進行するため、身体の異変を感じたとしても我慢してしまうケースがあるようです。しかし、鉄欠乏性貧血による倦怠感や息切れ、めまいなどの症状を放置すると、心臓への負担が増加して心不全や心筋梗塞のリスクが高まる可能性があります。
生理が月に2回くる状態を放置することで、病気による不正出血であることに気づかないリスクがあります。
生理が月に2回くる状態が続くと、経血が頻繁に出ることに違和感を覚えない状態になる可能性があるでしょう。しかし、生理だと思っていた出血が実際は不正出血だった場合、放置すると原因となる病気が進行するおそれがあります。
不正出血とは、生理以外の時期に性器から出血することです。不正出血は、ホルモンバランスの乱れによっても引き起こされますが、なんらかの病気が潜んでいるサインの場合もあります。不正出血の原因は子宮の病気に限らず、卵巣機能不全や卵巣腫瘍、膣がんなどさまざまな病気が考えられます。
月に2回生理のような出血がある場合、生理が月に2回きているのか、不正出血なのかを出血の症状だけで見分けることは難しいでしょう。
不正出血のような症状が2~3日程度続いて病気ではないか心配な場合は、早めに婦人科・産婦人科で受診し、医師に相談しましょう。
ここでは、正常な生理周期や生理の日数、経血の量について解説します。
正常な生理周期は、25~38日とされています。ただし、この範囲から外れることがあっても、そのあと自然に正常な生理周期に戻るようであれば、過度に心配する必要はありません。
生理周期の日数とは、生理の開始日から次の生理が始まる前日までの日数のことです。たとえば、5月1日に生理が始まり、次の生理が5月30日に始まった場合、生理周期は29日となります。3ヶ月ほど生理周期を記録し、その日数の平均を算出すると、自身のおおよその生理周期を把握できるでしょう。
正常な生理の日数は、3~7日とされています。
1回の生理の日数が2日以内の場合は「過短月経」、8日以上の場合は「過長月経」とされます。過短月経や過長月経は病気が原因で起こることもあるため、生理の日数が毎回3~7日よりも短いあるいは長いときは、クリニックを受診しましょう。
生理の正常な経血量は、合計で20〜140mlとされています。経血量が20mlより少ない場合は「過少月経」、140mlより多い場合は「過多月経」と呼ばれます。
過少月経の場合は排卵が起こらず生理が始まっている可能性があり、不妊の原因となるリスクがあることに注意しましょう。また、過多月経は子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜増殖症、子宮がんなどが原因の場合があります。
過多月経であるかを自身で確認する際の材料は、生理用ナプキンの交換頻度です。1時間ごとに昼用の生理用ナプキンを交換しても間に合わないようであれば、過多月経の可能性が高いでしょう。
生理が月に2回以上くる頻発月経の原因は、必ずしも病気ではありません。ただし、原因が病気ではなかったとしても、そのままにすると心身の健康や妊娠に悪影響を及ぼすリスクがあるため、自分でできる以下の予防法を覚えておきましょう。
それぞれの予防法を解説します。
生理が月に2回くることを予防するためには、生活習慣の見直しが欠かせません。病気が原因でない頻発月経は女性ホルモンのバランスの乱れによって引き起こされていることがあり、ホルモンバランスの乱れは生活習慣の乱れによって起こりやすいためです。
具体的には、質のよい睡眠を十分にとる、バランスのよい食事をとる、適度に運動するといったことを心がけましょう。
ストレスを適度に発散し、溜め込まないように意識することも、生理が月に2回くることを予防するために大切です。
生理周期は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの変動によってコントロールされています。女性ホルモンが分泌される流れは以下のとおりです。
ストレスを受けるとこのメカニズムが影響を受けるため、ホルモンバランスが乱れ、結果的に月に2回生理がくると考えられます。
月に2回生理がくる場合、原因がホルモンバランスの乱れによる一時的なものなのか、不正出血なのかを自身で判断することは難しいでしょう。そのため、それまで生理がきていた時期以外のタイミングで出血が2~3日程度続く場合は、クリニックを受診することをおすすめします。
クリニックに行く時間がない方や、クリニックに行くことに抵抗を感じる方は、まずはオンライン診療で医師に相談するのも一つの方法です。
スマートフォンやパソコンを使ってオンラインで気軽に受診でき、予約時間になると診察が始まって基本的に待ち時間もないため、気になる身体の症状があるもののなかなかクリニックに行けないという方におすすめです。
生理周期が24日以下で生理が月に2回くる頻発月経の主な原因としては、排卵までの期間が短い、排卵から生理までの期間が短い、排卵していないといった点が挙げられます。
生理が月に2回くる頻発月経を放置すると、貧血になりやすいほか、不正出血を見逃したり病気が進行したりするおそれがあるでしょう。そのため、生理が月に2回くることが続く場合は、速やかにクリニックを受診しましょう。
クリニックでは、生理周期の乱れを改善するために低用量ピルが処方される場合もあります。低用量ピルとは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを配合した薬です。
オンライン診療のプラットフォームサービス「レバクリ」では、低用量ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれず、ビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅で受け取りが可能です。
月に2回きてしまう生理にお悩みで、低用量ピルを用いた改善を希望している方は、ぜひ利用してみてください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました