更新日:2026年09月14日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「トラネキサム酸を飲んだら眠気が出てきた」「運転前に飲んでも大丈夫か」と感じている方もいるかもしれません。結論として、トラネキサム酸による眠気の発現頻度は0.1%未満とされており、多くの場合は眠気を感じにくい薬です。眠気が出ている場合は、一緒に服用している薬や体調不良の影響が主な原因であることが少なくありません。この記事では、眠気の頻度や運転への影響、ほかの薬などとの飲み合わせ、喉の痛みや皮膚症状への効果を解説します。
※レバクリの提携医療機関による美容皮膚治療で承認適応外として処方している薬は、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラ・グルタチオンの内服薬5種類です。その他の医薬品や治療法については、一般的な情報提供として掲載しています。
トラネキサム酸の副作用で眠気が出る頻度は「0.1%未満」と報告されています。花粉症などの薬によく使われる抗ヒスタミン薬とは全く異なる仕組みで働くため、基本的には「眠くなる薬」ではありません。もし「この薬を飲み始めてから眠気がある」と感じる場合は、薬の副作用というよりも、体調不良による疲労や睡眠不足など、別の要因が重なっている可能性が高いと考えられます。
トラネキサム酸の添付文書には、眠気が「その他の副作用」として0.1%未満の頻度で記載されています。これは、0.1〜1%未満とされる消化器症状(食欲不振・吐き気・嘔吐・下痢・胸やけ)に比べると低い頻度ですが、皮膚症状(そう痒感・発疹)とは同じ0.1%未満という区分になります。
花粉症やアレルギーの治療によく使われる「抗ヒスタミン薬」(主な市販薬:レスタミンコーワ、タベジール、アレグラ、アレジオンなど)は、脳の覚醒スイッチである「ヒスタミン」の働きをブロックするため、眠気が起こりやすくなります。一方、トラネキサム酸はアレルギーの薬とは仕組みが異なり、炎症や出血の引き金となる「プラスミン」という酵素の働きを抑える薬です。
さらに、体内に取り込まれても「脳にほとんど入っていかない(血液脳関門を通りにくい)」という性質が分かっています。このように、眠気のスイッチを刺激しない仕組みであることに加え、そもそも眠気の司令塔である脳(中枢神経)に届かないため、抗ヒスタミン薬のような眠気が起きにくいという特性を持っています。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠「YD」 添付文書」
トラネキサム酸は眠気以外にも、服用中に現れる可能性がある副作用があります。また、特定の状態の方では血栓への影響に注意が必要です。事前に知っておくことで、体調の変化が出たときに適切に対処できます。
添付文書によると、トラネキサム酸の副作用として比較的報告されているのは消化器症状です。食欲不振・悪心(吐き気)・嘔吐・下痢・胸やけが0.1〜1%未満の頻度で記載されています。また、そう痒感(かゆみ)・発疹などの皮膚症状が0.1%未満の頻度で現れることがあります。服用中にこれらの症状が気になる場合は、処方した医師や薬剤師に相談してください。
トラネキサム酸は血栓を安定化させる作用があるため、血栓症のリスクがある方では服用に注意が必要です。脳血栓・心筋梗塞・血栓性静脈炎などの既往がある方や、術後でベッド上で安静にしている(臥床)状態の方については、添付文書上で「血栓を安定化するおそれがある」と記載されています。また、術後の臥床状態にある方では、離床や圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例も報告されています。このような状態や既往歴がある場合は、服用前に必ず医師に相談した上で処方を受けてください。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠「YD」 添付文書」
トラネキサム酸は中枢神経への作用が少なく、単独で強い眠気を引き起こすことはまれです。「トラネキサム酸を飲み始めてから眠くなった」と感じる場合、実際にはトラネキサム酸以外の要因が関係していることが多くあります。眠気が気になるときは、処方された薬の一覧を持参して医師や薬剤師に相談してください。
風邪などで体調が優れないときは、薬の影響がなくても倦怠感や眠気が出やすい状態にあります。喉の痛みや発熱で体力が消耗している状態でトラネキサム酸を服用した場合、感じる眠気や疲労感は必ずしも薬の副作用とは限りません。「いつもより眠気が強い」と感じる場合は、病気による体力低下や睡眠不足が影響している可能性を考えてみてください。体調が回復したあとも眠気が続く場合は、薬との関連性を医師にご相談ください。
トラネキサム酸と同時に処方される薬の中には、強い眠気を引き起こすものがあります。喉の不調や皮膚炎に対して処方される抗ヒスタミン薬、および咳止めのコデイン系薬剤は、眠気の副作用が広く知られています。「トラネキサム酸を飲んでから眠くなった」と感じている場合は、一緒に服用している薬を確認し、眠気の原因となりやすい薬が含まれていないかを薬剤師に相談してみてください。
上記の薬は第1世代抗ヒスタミン薬またはコデイン系成分を含み、眠気が出やすいことが知られています。トラネキサム酸と一緒に処方された場合は、眠気の原因がこれらの薬にある可能性を考えてください。
第2世代抗ヒスタミン薬は第1世代と比べて眠気が出にくいとされていますが、アレロックやジルテックはやや眠気が出やすいとされています。アレグラ(フェキソフェナジン)は第2世代の中でも眠気が比較的出にくい薬ですが、個人差があります。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ポララミン散1%・ポララミン錠2mg」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タベジール錠1mg・タベジール散0.1%・タベジール散1%」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「PL配合顆粒」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「フスコデ配合錠・フスコデ配合シロップ」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「コデインリン酸塩錠20mg「タケダ」」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「アレロックOD錠2.5・アレロックOD錠5」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ジルテック錠5・ジルテック錠10」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「アレグラ錠30mg・アレグラ錠60mg」
「仕事前や車の運転前に飲んでも大丈夫か」と不安に感じる方もいると思います。添付文書の記載内容をもとに、正確な情報をお伝えします。
トラネキサム酸の添付文書には、自動車の運転や機械の操作を禁止・注意する記載はありません。アレジオンなどの抗ヒスタミン薬の添付文書には「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること」と記載されていますが、トラネキサム酸にはこのような注意事項がありません。これは、トラネキサム酸が中枢神経に影響を与えにくい薬であることが理由です。
トラネキサム酸単独での眠気は稀ですが、服用後に眠気を感じた場合は運転や機械操作を控えることが基本です。眠気の有無にかかわらず、薬を服用中は自分の体調の変化に注意を払うことが大切です。眠気が続く場合や普段より強い眠気を感じる場合は、処方した医師や薬剤師に状況を伝え、原因となる薬が含まれていないかを確認しましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠「YD」 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「アレジオン錠」
トラネキサム酸はプラスミンの働きを抑えることで、止血から口内炎まで幅広い症状に効果を発揮する薬です。さまざまな症状に合わせて処方されますので、それぞれの使われ方を把握しておくと安心です。
過剰に活性化したプラスミン(血のかたまりを溶かす物質)の働きを強く抑えることで、止血効果が期待できます。白血病や再生不良性貧血、紫斑病などの疾患に伴う全身性の出血傾向をはじめ、手術中や手術後の異常出血を抑えるために用いられます。さらに、局所的な線溶(血栓を溶かす作用)の亢進が関与する肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、および前立腺手術中・術後の異常出血の治療にも広く使用されています。
アレルギー反応や炎症の進行に関わるプラスミンの働きを阻害し、皮膚の赤みや腫れ、かゆみを鎮める効果が期待できます。主に、湿疹およびその類症、蕁麻疹、薬や特定の物質の副作用によって現れた肌荒れ(薬疹・中毒疹)における紅斑(赤い斑点)、腫脹(腫れ)、そう痒(かゆみ)などの皮膚症状を和らげるために用いられます。血管透過性の亢進(血管から水分が漏れ出ること)や炎症浮腫を抑制する作用に基づいています。
喉の粘膜で起こる炎症や腫れ、それに伴う痛みを和らげることが期待できます。扁桃炎や咽喉頭炎において生じる、喉の痛み(咽頭痛)、赤み(発赤)、充血、腫れ(腫脹)といった症状の緩和に用いられます。抗プラスミン作用によって、炎症や腫れの原因となるキニンなどの活性ペプチドの発生をブロックし、患部の状態を落ち着かせます。
口の中にできる痛い口内炎や、粘膜がただれてしまう症状の炎症を抑え、痛みを和らげることが期待できます。口内炎における口内痛、および口腔粘膜にできる小さな潰瘍(口内粘膜アフタ)の治療に用いられます。口腔内の炎症に関与するプラスミンの働きを阻害することで、炎症の悪化を防ぎ、痛みを軽減させる働きが期待されます。

医療用医薬品としてのトラネキサム酸錠の添付文書には、シミや肝斑に対する効果は記載されていません。しかし、シミや肝斑のもととなるメラニンの活性化を抑制する作用が報告されているため、皮膚科や美容皮膚科などでは、保険のきかない自由診療(全額自己負担)として処方されることがあります。
肝斑の改善効果が承認されている製品は、一般用医薬品(市販薬)などの一部に限られます。病院やクリニックで肝斑のケアとしてトラネキサム酸の処方を受ける場合は自由診療扱いとなるため、費用や服用期間について事前に医師に確認してください。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠「YD」 添付文書」
トラネキサム酸錠には250mgと500mgの2種類があり、承認適応(国から正式に認められた効能・効果)の範囲内で使用する場合は、医師の判断により1日あたり750〜2,000mgの範囲で処方されます。
レバクリを通じた美容皮膚治療では、飲み忘れを防ぎ、無理なくケアを続けていただけるよう、 1日2回・1回1錠での服用を案内しています。用法・用量は医師の指示に従ってください。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠「YD」 添付文書」
トラネキサム酸による眠気の発現頻度は0.1%未満と低く、もし服用後に眠気を感じる場合は、体調不良や併用しているほかの薬(抗ヒスタミン薬やコデイン系など)の影響が主な原因と考えられます。添付文書上、運転や機械操作の制限はありませんが、服用後に眠気を感じた際は運転を控えてください。症状が続く場合や不安がある際は、自己判断で服用を続けず、必ず処方医や薬剤師に相談しましょう。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠「YD」 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠「YD」医薬品インタビューフォーム」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「アレジオン錠」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」・カルボシステイン錠500mg「ツルハラ」・カルボシステイン細粒50%「ツルハラ」」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ムコソルバン錠15mg」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「PL配合顆粒」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ポララミン散1%・ポララミン錠2mg」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タベジール錠1mg・タベジール散0.1%・タベジール散1%」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「フスコデ配合錠・フスコデ配合シロップ」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「コデインリン酸塩錠20mg「タケダ」」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「アレグラ錠30mg・アレグラ錠60mg」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ジルテック錠5・ジルテック錠10」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「アレロックOD錠2.5・アレロックOD錠5」
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美容皮膚(メディカルスキンケア)治療は、主に内服薬で行われます。市販の化粧品やサプリが肌の表面にアプローチするのに対し、内服薬は体の内側からターンオーバーを整え、肌悩みの根本にはたらきかけます。
治療期間について
肌のターンオーバー周期に基づき、1~2ヶ月後から効果が実感できることが多いです。効果の実感には個人差があるため、定期的に医師の評価を受けながら継続を判断します。
費用について
美容皮膚治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代のほかに初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」・カルボシステイン錠500mg「ツルハラ」・カルボシステイン細粒50%「ツルハラ」」