更新日:2026年10月26日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
顔や手にできたいぼが気になり、ヨクイニンを試そうか迷っている方もいるかもしれません。ヨクイニンの効能として認められているのはいぼと皮膚の荒れで、稗粒腫やダイエットへの効能は認められていません。この記事では、ヨクイニンの効能・効果や、変化が出るまでの目安期間、主な副作用、市販薬と処方薬の違いを紹介します。肌の悩みが続くときは、医師への相談もあわせて検討してみてください。
※レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療で承認適応外として処方している薬は、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラ・グルタチオンの内服薬5種類です。その他の医療用医薬品や治療法については、一般的な情報提供として掲載しています。
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ヨクイニンは、ハトムギの種から作られた生薬で、いぼや皮膚の荒れを対象とする医療用医薬品として使われています。名前の響きから漢方薬をイメージするかもしれませんが、複数の生薬を組み合わせた漢方処方とは成り立ちが違います。ここでは、ヨクイニンの原料と医療用医薬品としての位置づけ、名前が似ている薏苡仁湯(ヨクイニントウ)との違いを紹介します。
ヨクイニンは、イネ科の植物であるハトムギの種から、かたい種皮を取り除いた部分を乾燥させた生薬です。お茶や雑穀として売られているハトムギと原料は同じで、そこから薬に使う部分だけを取り出したものと考えるとイメージしやすくなります。
原料が同じでも、ヨクイニンとハトムギ食品は法律上の扱いが違います。医療用医薬品として使われるヨクイニンには、日本薬局方という国の規格で品質の基準が定められており、決められた条件を満たしたものだけが使われます。
参考:厚生労働省「第十九改正日本薬局方 医薬品各条生薬」
ヨクイニンは、複数の生薬を組み合わせた漢方処方ではなく、1種類の生薬をそのまま使った医療用医薬品です。漢方薬は、いくつかの生薬を決まった割合で組み合わせて処方が成り立っているため、単味で使うヨクイニンとは位置づけが異なります。
医療機関で処方されるヨクイニンエキス錠やヨクイニンエキス散は、日本薬局方のヨクイニンから水で抽出して乾燥させたエキスを有効成分とする医療用医薬品です。市販されているヨクイニン製剤も、同じヨクイニンを原料にしています。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ヨクイニンエキス錠『コタロー』 添付文書」
薏苡仁湯(ヨクイニントウ)は、ヨクイニンを含む複数の生薬からなる漢方薬で、ヨクイニンとは別の薬です。名前が似ているため混同されやすいのですが、目的とする症状が違います。
薏苡仁湯は、関節の痛みや筋肉の痛みに対して用いられる漢方薬で、いぼを対象にした薬ではありません。ドラッグストアや医療機関で名前を見かけたときは、どちらを指しているのかを確かめておくと迷わずにすみます。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ツムラ薏苡仁湯エキス顆粒(医療用)」
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ヨクイニンエキス錠『コタロー』 添付文書」
ヨクイニンの効能・効果として認められているのは、いぼと皮膚の荒れです。ただし、医療機関で処方されるものと市販されているものでは、効能・効果の書かれ方が少し違います。

ここでは、それぞれの効能と、いぼへの働きについて紹介します。
医療用医薬品のヨクイニンエキス錠・散の効能・効果は、青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)と尋常性疣贅です。どちらも、ヒトパピローマウイルスが皮膚の小さな傷から入り込むことでできる、ウイルス性のいぼを指します。
尋常性疣贅は手足の指や足の裏などにできる、表面がざらついたいぼです。青年性扁平疣贅は、顔や手の甲に平たく小さく広がるいぼで、若い方に見られることがあります。医療機関で診察を受け、これらと診断された場合には、保険が使えることがあります。
市販されているヨクイニン製剤の効能・効果は、いぼと皮膚の荒れです。医療用医薬品のように疾患名で細かく分かれてはおらず、肌荒れも対象に含まれている点が違います。
ただし、製品によって1回の量や1日の回数、服用できる年齢が異なります。パッケージや添付文書に書かれた効能・効果と用法・用量を確かめ、自分の症状が対象に含まれているかを確認しておきましょう。判断に迷うときは、薬局で薬剤師に相談してみてください。
ヨクイニンがいぼに働きかける仕組みは、まだ完全には解明されていません。ウイルス性のいぼは、身体の免疫の働きが関わって自然に消えることもあると考えられており、ヨクイニンはこの免疫の働きに働きかける治療の一つとして位置づけられています。
そのため、いぼを直接削ったり凍らせたりする処置とは、アプローチの仕方が異なります。飲んですぐに変化が出るような薬ではない、という前提で向き合うことが大切です。
ヨクイニンは、肌の悩み全般に効く万能な薬ではありません。検索されることの多いテーマの中には、ヨクイニンの承認された効能に含まれていないものがあります。ここでは、代表的な4つのケースを取り上げます。
それぞれ、なぜ効能に含まれないのかを見ていきます。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)は、ヨクイニンの承認された効能には含まれていません。稗粒腫は、皮膚の浅い部分に角質がたまってできる白い小さなできもので、目もとや頬に出ることがあります。
ウイルスの感染でできるいぼとは、成り立ちがまったく違います。ヨクイニンの効能はウイルス性のいぼと皮膚の荒れであるため、稗粒腫を目的に服用しても、効能として認められた働きは期待できません。取り除きたい場合は、医療機関で相談してみてください。
老人性いぼと呼ばれる脂漏性角化症も、ヨクイニンの承認された効能には含まれていません。脂漏性角化症は、加齢や紫外線の影響が関わってできる皮膚の変化で、ウイルスが原因ではないためです。
同じ「いぼ」という言葉で呼ばれていても、原因が違えば必要な対処も変わります。年齢とともに増えてきた茶色いいぼが気になる場合は、市販薬を続ける前に、医療機関でどのようなできものかを確かめておきましょう。
ニキビやニキビ跡も、ヨクイニンの承認された効能には含まれていません。市販のヨクイニンには皮膚の荒れという効能がありますが、これは肌のかさつきやざらつきといった肌あれを指すもので、尋常性ざ瘡と呼ばれるニキビそのものを対象にしたものではありません。
ニキビやニキビ跡が続いているときは、原因に合わせた治療を選ぶことが大切です。くり返すニキビや、赤み・茶色みが残った跡が気になる場合は、医師に相談したうえで治療の方針を決めていきましょう。
ヨクイニンには、痩せる効能やむくみを改善する効能は認められていません。ハトムギ茶やハトムギ加工食品が健康的なイメージで紹介されることから結びつけられやすいのですが、これらは食品であり、医療用医薬品としての効能・効果を持つものではありません。
体重や身体のむくみが気になるときは、食事や睡眠などの生活習慣を見直すことが土台になります。急な体重の変化やむくみが続く場合は、別の原因が隠れていることもあるため、医師に相談してみてください。

いぼのように見えても、ウイルスによるいぼ、角質がたまってできた稗粒腫、加齢が関わる脂漏性角化症では、必要な対処がそれぞれ違います。市販のヨクイニンを長く使い続ける前に、そのできものが何なのかを医療機関で確かめておくことが大切です。気になって自分で潰したり削ったりすると、傷から広がったり跡が残ったりすることがあるため、避けてください。
ヨクイニンは、飲んですぐに変化が出る薬ではなく、一定期間続けることが前提の薬です。とはいえ、変化がないまま飲み続けて良いわけでもありません。ここでは、期間の考え方と、続けるかどうかを判断するタイミングを紹介します。
ヨクイニンによる変化には個人差があり、はっきりした期間は決まっていません。いぼの大きさや数、できている場所、身体の状態によって経過は変わります。
そのため、「何日で取れる」といった目安を自分で決めてしまうと、判断を誤ることがあります。定期的に医師の診察を受けながら、続けるかどうかを一緒に判断していく形が基本になります。処方を受けている場合は、次の診察の時期も確認しておきましょう。
市販のヨクイニンでは、1ヶ月ほど服用しても症状がよくならない場合は服用をやめ、医師や薬剤師に相談するよう案内されています。変化が見られないまま長く飲み続けることは、添付文書でも想定されていません。
また、服用の途中で症状が広がったり、赤みや痛みが出たりした場合も、続ける前に相談が必要です。自己判断で量を増やしたり、ほかの薬と重ねたりせず、医師や薬剤師の意見を聞いてください。
いぼが取れたように見えても、皮膚の中にウイルスが残っていて再発することがあります。見た目が落ち着いたタイミングで服用をやめて良いかどうかは、医師の判断が必要です。
処方を受けている場合は、経過を診てもらったうえで終わりのタイミングを決めていきましょう。市販薬を使っていて、いぼが取れたあとにまた同じ場所や周囲に出てきた場合も、放置せず医療機関で相談することが大切です。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ヨクイニンエキス錠『コタロー』 添付文書」
ヨクイニンは生薬から作られた薬ですが、副作用が報告されていない薬ではありません。飲む前に、どのような症状が報告されているのかを知っておくと落ち着いて対応できます。ここでは、副作用と注意点をまとめて紹介します。
ヨクイニンエキスの副作用として、発疹・発赤・瘙痒・じん麻疹などの過敏症と、胃の不快感・下痢などの消化器の症状が報告されています。服用中にこうした症状があらわれた場合は、医師や薬剤師に相談してください。がまんして飲み続けるのではなく、早めに相談することが大切です。
現時点で、ヨクイニンの服用と白髪に関する医学的な報告はありません。添付文書に記載されている副作用にも、白髪は含まれていません。
白髪は加齢や体質など、さまざまな要因が関わってあらわれるものです。服用を始めた時期とたまたま重なったことで結びつけて考えられている可能性もあります。気になる変化があるときは、薬の服用状況もあわせて医師に伝えてみてください。
添付文書によると、妊娠中や妊娠している可能性がある方は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。また、授乳中の方については、治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討することとされています。
いぼの治療は急を要するものではないことが多いため、この時期は治療を見合わせるという選択肢も含めて相談すると良いでしょう。自己判断で市販薬を使い始めるのではなく、医師と方針を決めてから進めてください。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ヨクイニンエキス錠『コタロー』 添付文書」
ヨクイニン製剤には、年齢による制限が設けられているものがあります。医療用医薬品のヨクイニンエキス錠は、小児等を対象とした臨床試験は実施されていないことが添付文書に示されています。
また、市販薬には5歳から服用できる製品がある一方で、15歳未満は服用できないと定められているものもあります。子どものいぼが気になる場合は、大人用の薬を分けて飲ませるといった使い方をせず、医療機関で相談してください。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ヨクイニンエキス錠『コタロー』 添付文書」
ヨクイニンには、医療機関で処方されるものと、薬局やドラッグストアで購入できるものがあります。どちらもハトムギ由来のヨクイニンを原料にしていますが、効能の書かれ方や使うまでの流れが違います。ここでは、それぞれの特徴と選ぶときの考え方を紹介します。
医療用のヨクイニンエキス錠・散は、医師の診察を受けたうえで処方される医療用医薬品です。効能・効果が青年性扁平疣贅と尋常性疣贅に定められているため、診察でいぼの状態を確認したうえで使うかどうかが判断されます。 医療機関では、いぼの種類や広がり方を診てもらえるほか、ほかの治療と組み合わせるかどうかも相談できます。保険が使えることもあるため、いぼがなかなか改善しない場合は、まず医療機関で診てもらう流れが基本になります。
市販のヨクイニン製剤は、薬局やドラッグストアで購入できます。錠剤のほか、粉末など、続けやすさを考えた剤形が用意されています。
一方で、市販薬は自分で症状を判断して選ぶことになります。診察を受けずに使える分、そのできものが本当にいぼなのか、別の原因によるものなのかを確かめないまま続けてしまうことがあります。自己判断せず医師に相談することが大切です。
ヨクイニンを選ぶときは、自分の症状と目的が、その製品の効能・効果に合っているかどうかが判断の軸になります。効能に含まれていない悩みに使っても、認められた働きは期待できません。
服用中の薬がある方、持病のある方、妊娠中や授乳中の方は、購入前に医師や薬剤師に相談してください。
肌荒れやニキビ跡、シミやくすみといった悩みには、ヨクイニンとは別の内服薬が使われることがあります。ここでは、自由診療の美容皮膚治療で用いられている5種類の内服薬について、承認されている効能と、自由診療の範囲で着目されている働きを紹介します。
トラネキサム酸は、止血、赤み・腫れ・かゆみ、喉の痛みや腫れ、口内炎への効能が認められている薬です。
肌の悩みに対しては、肝斑(かんぱん)へのアプローチやメラニンの生成を抑える働き、ニキビ跡などの色素沈着をケアする抗炎症作用を期待して用いられることがあります。
シナール(ビタミンC・ビタミンB5)は、ビタミンC不足の予防・治療と、ニキビ跡・やけど・けがの跡といった炎症後の色素沈着への効能が認められている薬です。
これに加えて、自由診療の範囲でメラニンの生成を抑える働きや、コラーゲンの生成との関係性に着目して用いられることがあります。
ハイチオール(L-システイン)は、湿疹、中毒疹、薬疹、じん麻疹、尋常性ざ瘡(ニキビ)、多形滲出性紅斑、放射線障害による白血球減少症への効能が認められている薬です。ニキビに承認された効能を持つ点が特徴です。
自由診療の範囲では、メラニンの生成抑制によるシミ・そばかすへのアプローチや、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)に着目した働きを期待して用いられることがあります。
ユベラ(ビタミンE)は、ビタミンE欠乏症の予防および治療、末梢循環障害の改善、過酸化脂質の増加防止への効能が認められている薬です。
肌の悩みに対しては、細胞がダメージを受けるのを防ぐ働き(抗酸化作用)によるメラニン生成への影響や、ターンオーバーのサポートを期待して用いられることがあります。
グルタチオンは、薬物中毒、アセトン血性嘔吐症、金属中毒、妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群への効能が認められている薬です。
肌の悩みに対しては、肝臓の働きへのアプローチや、メラニンが黒く変化するのを抑えて淡い色のメラニンへ切り替える働きを期待して用いられることがあります。なお、点滴での色素沈着への効能は内服薬には当てはまらないため、混同しないよう注意が必要です。
参考: 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠『YD』 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シナール配合錠・シナール配合顆粒 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラ錠50mg 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン錠100mg『ツルハラ』 添付文書」
ここでは、ヨクイニンについて多く寄せられる質問にお答えします。
ヨクイニンとハトムギ茶やハトムギ化粧品は同じものですか?
原料は同じハトムギですが、法律上の位置づけが違います。ヨクイニンは効能・効果が認められた医療用医薬品で、ハトムギ茶は食品、ハトムギを配合した化粧品は化粧品にあたります。食品や化粧品に、いぼへの効能は認められていません。
ヨクイニンはほかの薬やサプリメントと一緒に飲めますか?
自己判断で組み合わせず、医師や薬剤師に確認してください。服用中の薬がある場合や、ハトムギを含む健康食品をとっている場合は、成分が重なっていないかも含めて相談しましょう。
ヨクイニンで免疫力は上がりますか?
免疫力を高めるという効能は認められていません。ヨクイニンはウイルス性のいぼや皮膚の荒れに用いられる薬で、身体全体の免疫力を上げる目的で使う薬ではありません。気になる症状があるときは医師に相談してください。
いぼや肌荒れが気になってヨクイニンにたどり着いた方にとって、「効くのか、効かないのか」がはっきりしないままでは、飲み続けて良いのかも判断しづらいと思います。ヨクイニンの効能は、医療用医薬品の場合が青年性扁平疣贅と尋常性疣贅、市販薬の場合がいぼと皮膚の荒れです。稗粒腫や老人性いぼ、ニキビ、ダイエットへの効能は認められていません。
市販薬を長く続けて様子を見るよりも、まずはそのできものが何なのかを確かめることが大切です。また、肌荒れやニキビ跡、シミやくすみといった悩みが続いている場合は、内服薬によるケアという選択肢があります。一人で抱え込まず、気になるタイミングで医師に相談してみてください。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ヨクイニンエキス錠『コタロー』 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ツムラ薏苡仁湯エキス顆粒(医療用)」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠『YD』 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シナール配合錠・シナール配合顆粒 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラ錠50mg 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン錠100mg『ツルハラ』 添付文書」
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