更新日:2026年07月10日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「タダラフィルは前立腺肥大症に効果がある?」と気になる方もいるかもしれません。タダラフィルはED治療薬としてだけでなく、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬としても厚生労働省に承認されています。本記事では、排尿トラブルを改善する仕組みやED治療との用法・用量の違い、毎日服用する際の注意点を解説します。副作用のリスクや服用できない禁忌についても紹介するので、前立腺肥大症の症状にお悩みの方はぜひご覧ください。
EDの治療に用いられるタダラフィルは、厚生労働省より前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬として承認されており、尿の出にくさや頻尿を改善する効果が期待できます。
タダラフィルは医師によって前立腺肥大症(排尿障害)と診断された場合に限り保険が適用され、治療薬として「ザルティア」などが処方されます。独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タダラフィルOD錠 添付文書」によると、ジェネリック医薬品であるタダラフィルは、先発医薬品のザルティアと成分の最高血中濃度や体内に吸収される総量において生物学的同等性が確認されている点が特徴です。
また、同じ有効成分を持つED治療薬「シアリス」とザルティアでは、目的や用量、保険適用の有無が異なります。
医薬品医療機器総合機構「ザルティア錠 添付文書」によると、前立腺肥大症の治療では1日1回2.5mgまたは5mgを服用するのが通例です。一方で、医薬品医療機器総合機構「タダラフィルOD錠 添付文書」によると、ED治療では通常1日1回10mgを性行為の約1時間前に経口投与し、十分な効果が得られない場合は20mgに増量して使用します。
なお、排尿障害の改善目的では通常ザルティアが処方され保険診療となりますが、シアリスなどのED治療薬を用いる場合は、保険適用外の自由診療となります。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ザルティア錠 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タダラフィルOD錠 添付文書」
EDと前立腺肥大症の発症メカニズムには、交感神経の過剰な活動や血行の悪化、一酸化窒素(NO)の産生不足といった共通の病態生理学的メカニズムが提唱されています。大規模疫学研究により、両疾患は併発しやすいことが示されていますが、因果関係は完全には解明されていません。
ストレスや加齢によって交感神経が優位になると、前立腺や尿道の平滑筋が緊張して尿道を圧迫し、排尿障害を引き起こす場合があります。勃起の成立には副交感神経を介した一酸化窒素(NO)の放出と血管拡張が必要であるため、交感神経の過剰な活動は勃起機能に影響を及ぼす可能性があります。
動脈硬化などによる血流障害もEDと前立腺肥大症の共通の要因です。前立腺の血流が滞ると組織が低酸素状態になり、肥大の進行を招く恐れがあります。陰茎も血流に依存する器官であるため、血行不良は勃起の硬さや維持力に影響を及ぼす可能性が否定できません。
さらに、血管内皮の機能低下に伴うNOの産生不足は、前立腺や膀胱の柔軟性を損なって排尿トラブルを招く一因となります。同時に、陰茎海綿体への血液流入もスムーズに行われなくなるため、EDの進行に深く関わっていると考えられています。
前立腺肥大症に伴う排尿障害に対してタダラフィルを服用する場合、1日1回5mgを毎日決まった時間に服用することが基本とされています。毎日服用を続けることで前立腺肥大症に対して効果を発揮するため、自身の判断で服用を中止せず、医師の指示通りに服用を継続しましょう。
ただし、中等度の腎障害がある方は、成分の血漿中濃度が上昇する恐れがある点や投与経験が限られている点を考慮し、1日1回2.5mgから投与を開始することがあります。
なお、医薬品医療機器総合機構の「タダラフィルOD錠 添付文書」によると、ED治療では通常、1日1回10mgのタダラフィルを性行為の約1時間前に経口投与します。ED治療として服用するタダラフィルは、性行為のときに必要に応じて服用するのが正しい飲み方です。前立腺肥大症に対するケースのように、毎日継続して服用するものではありません。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タダラフィルOD錠 添付文書」
タダラフィルを前立腺肥大症の治療目的で服用する際は、事前にリスクや禁忌を把握することが不可欠です。正しい知識を持たずに服用すると、予期せぬ症状を招く恐れがあります。タダラフィルを前立腺肥大症治療薬として服用する際の注意点について、事前に確認すべき副作用や服用が認められない人の特徴を確認していきましょう。
医薬品医療機器総合機構「ザルティア錠 添付文書」によると、タダラフィルの服用にあたり見られる主な副作用は以下の通りです。
副作用の出現には個人差がありますが、前立腺肥大症の治療のように毎日少量を服用する場合は、ED治療薬として高用量を頓服で使用するよりも副作用は出にくい傾向があります。
また、ごくまれな例として、海外において4時間以上の勃起の延長や、痛みを伴う持続勃起が報告されています。このような症状を放置すると陰茎組織の損傷や勃起機能の低下につながるため、同様の症状がみられたら、速やかに医師の診察を受けましょう。事前に正しい知識を把握し、体調の変化に注意しながら服用を進めることが望まれます。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ザルティア錠 添付文書」
タダラフィルはすべての方が服用できるわけではなく、安全上の理由から処方が認められない場合があります。医薬品医療機器総合機構「ザルティア錠 添付文書」によると、タダラフィルが服用できないとされる禁忌は以下の通りです。
心臓や脳血管、肝臓、腎臓に疾患のある方は、心血管系への負担や代謝機能の低下を考慮し、本剤の服用は禁忌です。また、併用禁忌の薬を飲んでいる方がタダラフィルを服用すると、危険な低血圧を引き起こす可能性があります。
EDの治療薬として知られるタダラフィルは、厚生労働省より前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬としても承認されており、尿の出にくさや頻尿を改善する効果が期待できます。前立腺肥大症とEDは発症メカニズムに共通点が多く、併発しやすいのが特徴です。タダラフィルは血管や筋肉の緊張をほぐして尿道の圧迫を軽減する仕組みを持っており、前立腺肥大による排尿障害に効果が期待できます。医師から前立腺肥大症と診断された場合は保険が適用され、1日1回5mgを毎日決まった時間に継続して服用することが基本です。ED治療のように性行為の前に頓服するケースとは、目的や用量、飲み方が大きく異なります。
前立腺肥大症の治療として毎日少量のタダラフィルを服用する場合は、高用量を頓服で使用するよりも副作用が出にくい傾向があるとされています。しかし、消化不良や頭痛、動悸などの症状が現れる場合があるため注意が必要です。また、心臓や脳血管、肝臓や腎臓に持病がある方や、特定の併用禁忌薬を服用している方は、安全上の理由からこの薬を使用できません。自己判断での服用は予期せぬリスクを招く恐れがあるため、持病や普段使用している薬がある場合は、事前に必ず医師へ相談して指示通りに治療を進めることが大切です。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ザルティア錠 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タダラフィルOD錠 添付文書」
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ED治療は、「シルデナフィル」・「パルデナフィル」・「タダラフィル」などの成分を含む内服薬で行うのが一般的です。
治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
費用について
ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
ED治療は専門医への相談が不可欠ですが、デリケートな悩みであるため、通院の待ち時間や人目が心理的ハードルとなる場合も少なくありません。
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参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ザルティア錠 添付文書」

血圧への影響があるため、心血管系疾患をお持ちの方などは医師に相談しましょう。