更新日:2024年03月21日
バイアグラの副作用で頭痛が起こる?原因や対処法について解説
- バイアグラで頭痛が起こる原因は、バイアグラの血管を拡張させる作用により、脳内の血管も同時に拡張され、その周辺の神経が刺激されるため
- バイアグラの副作用で頭痛が生じる場合は、痛み止めを服用したり、バイアグラの用量を減らしたりすると良い
- バイアグラとロキソニンは同時に服用できるが、特定の疾患がある場合はロキソニンを服用できない
EDの治療薬として代表的なバイアグラですが、服用すると人によっては副作用が表れることがあります。症状は人によって異なりますが、副作用の1つとして頭痛が挙げられます。
この記事では、バイアグラによる頭痛の副作用について解説します。バイアグラの服用によって頭痛が起こる原因や、頭痛が起きた際の対処法、バイアグラとロキソニンの飲み合わせなどについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
バイアグラの副作用で頭痛が起こる原因
バイアグラで頭痛が起こるのは、バイアグラに全身の血管を拡張させる作用があるためです。
バイアグラは、血管を拡張させることで陰茎の海綿体の血流を増やし、勃起をサポートします。ただ、その際に海綿体以外の血管も拡張させるため、脳内の血管も同時に拡張され、その周りにある神経が刺激されることで頭痛が生じることがあるのです。
個人差はありますが、ED診療ガイドラインによると、バイアグラによる頭痛の副作用の発症率は12.74%というデータが出ています。
バイアグラの副作用により生じる頭痛は、お酒を飲んで頭が痛くなる仕組みと似ており、普段から飲酒によって頭が痛くなる人は頭痛の副作用が生じやすいとも言われています。
参考:日本性機能学会/日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン[第3版]」
バイアグラで頭痛が起きたときの対処法
バイアグラの副作用により頭痛が起こった場合は、以下の2つの対処法が有効です。
- 痛み止めを服用する
- バイアグラの用量を減らす
ここからは、頭痛が生じた際のそれぞれの対処法について詳しく解説します。
痛み止めを服用する
バイアグラの副作用で頭痛が起こった際は、市販の痛み止めを服用するのが有効です。 たとえば、消炎鎮痛剤であるロキソニンは、服用すると20分程度で効果があらわれ、痛みが緩和されます。
また、ロキソニン以外の痛み止めも頭痛の緩和に有効です。有名なものでは、EVEやセデス錠などが挙げられ、バイアグラと併用しても特に問題はないとされています。 基本的に副作用による頭痛は一過性のものなので、痛みが長時間継続するようであれば、かかりつけの医師などに相談しましょう。
バイアグラの用量を減らす
バイアグラを飲んで頭痛が起こった場合は、次からはバイアグラの用量を極力減らすことも、副作用による頭痛の対処法として有効です。
基本的に、バイアグラの効果の強さと副作用の頭痛の強さは比例するとされているため、バイアグラの用量が多いほど頭痛はひどくなる傾向があります。服用するバイアグラの用量を減らすことで、頭痛が緩和される可能性があります。
日本国内で厚生労働省の認可を受けているバイアグラは、用量50㎎と用量25㎎の2つです。普段、用量50㎎のバイアグラを服用している場合は、用量25㎎のものに変更し、頭痛が緩和されるか試してみると良いでしょう。
また、バイアグラを1錠そのまま服用すると頭痛が酷くなるという方は、ピルカッターなどを使用して半分に割ったバイアグラを服用してみるのも一つの方法です。最近は錠剤の表面に割線の入ったジェネリックのバイアグラも販売されています。
ただし、半分に割ったバイアグラは、薬剤が空気に触れやすく劣化しやすいため、保存方法に注意が必要です。また、副作用のリスクが半減するとは限らず、効果を感じづらくなる可能性もあります。 割ったバイアグラを保存する際は、なるべく空気に触れないようサランラップで包むか、錠剤をティッシュで包んでピルケースで保存するなど、なるべく空気に触れないよう工夫しましょう。
バイアグラとロキソニンを飲み合わせる際の注意点
基本的に、バイアグラとロキソニンの飲み合わせは問題ありませんが、以下の2点は注意する必要があります。
- ロキソニンはバイアグラと同じタイミングで服用する
- 特定の疾患にかかっている場合は、ロキソニンを服用できない
ここからは、それぞれの注意点について詳しく解説します。
ロキソニンはバイアグラと同じタイミングで服用する
ロキソニンは、バイアグラと同じタイミングで服用するのが効果的です。ロキソニンを服用すると20分程度で効果が表れ、その後バイアグラと同じく4~5時間ほど効果が持続するためです。
ただし、飲み方に気を付けましょう。バイアグラは、空腹時に服用することで効果を最大限に発揮しますが、ロキソニンを空腹時に服用すると胃の粘膜が荒れてしまい、胃痛などが発生するリスクがあります。そのため、基本的にロキソニンの空腹時の服用は避けることが推奨されています。胃が弱い方は、バイアグラとロキソニンと合わせて、胃薬も一緒に服用するのも一つの方法です。
また、ロキソニンについても用法や最低限空けるべき間隔については、処方医からの指示に従いましょう。一般的には1日最大3回程度、続けて飲む場合は4-6時間以上空けることが一般的とされています。必ず用法・用量を守って服用するようにしましょう。
特定の疾患にかかっている場合は、ロキソニンを服用できない
バイアグラの副作用による頭痛にロキソニンは有効ですが、場合によってはロキソニンを服用できないことがあります。 主に、以下の疾患にかかっている場合はロキソニンを服用できません。
- 消化性潰瘍がある場合
- 重い血液の疾患がある場合
- 重い肝障害・腎障害がある場合
- 重い心機能不全がある場合
- 過去にロキソニンに含まれる成分に過敏症があった場合
- アスピリン喘息がある場合 など
上記のいずれかに当てはまる場合、ロキソニンを服用すると、症状を悪化させたり、病気の副作用を発現させたりするリスクがあります。 自己判断では服用せず、バイアグラの用量を減らす、医師に相談した上で服用可能な痛み止めを使用するなど、他の方法を検討しましょう。
バイアグラを飲んではいけない人については、「バイアグラを飲んではいけない人は?自己判断で服用するリスクも解説」を参照してください。
頭痛以外のバイアグラの副作用
頭痛以外に起こり得るバイアグラの副作用としては、血管拡張によるほてりや紅潮、腹痛、消化不良、めまいなどの症状が挙げられます。
血管拡張によるほてりや紅潮は、顔周りの血管が拡張することにより生じます。場合によっては鼻への血流が増えることで鼻血や鼻づまりが起こることがありますが、基本的に時間が経てば自然に治るので、過度に心配する必要はありません。 どうしても気になる場合は、医師に相談しましょう。
また、発生率は非常に低いとされていますが、腹痛や消化不良、めまいのような視覚症状が起こる場合があります。特に視覚症状に関しては重篤になるリスクがあるため、かかりつけの医師に相談することをお勧めします。
また、稀に動悸や関節痛など上記以外の症状が起こるケースもありますが、まずは安静にし、時間が経っても良くならない場合は医師に相談しましょう。
バイアグラの副作用について詳しく知りたい方は、「バイアグラの副作用は?治療効果と正しい服用方法を解説」も参考にしてみてください。
まとめ
バイアグラの副作用によって頭痛が起こった場合、ロキソニンなどの痛み止めを飲む方法があります。ロキソニンは、バイアグラと飲み合わせても特に問題ありません。 ただし、ロキソニンを服用するタイミングなどに注意が必要であり、用法・用量を守らずに服用すると、思わぬ健康被害をもたらす可能性もあります。
また、万一ロキソニンを飲んでも頭痛が治まらない場合や、普段と違う症状が出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会