更新日:2026年02月03日
「鏡を見るたびに髪の薄さが気になり始めたけれど、まだ病院に行くほどではない」「人に相談するのは恥ずかしいから自分で改善したい」と考えている方もいるかもしれません。薄毛の原因によっては自分の力だけで治すのは難しい可能性があるものの、改善につながる頭皮の土台を整えることは可能です。
本記事では薄毛を自分で改善するためのセルフケアや、セルフケアだけでは難しい場合の治療法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
薄毛は、原因によっては自力で改善することが難しい場合があります。しかし、生活習慣の見直しや頭皮ケアなど、日常的に取り組める工夫によって薄毛の進行を抑えたり、改善につながる土台を整えたりすることは可能です。
脱毛症や進行性の薄毛であるAGAなどの場合は、セルフケアだけでは十分な効果を得にくいため、治療薬を併用するのがおすすめです。
「鏡や写真を見て髪の薄さが気になり始めたものの、まだ病院に行くほどではない」と感じている方もいるかもしれません。ここでは、薄毛改善のための6つのセルフケアを紹介します。
髪の毛の主成分であるケラチンを作るためには、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不可欠です。バランスの良い食事を摂ることで、髪の健康維持につながります。
特に積極的に摂りたい栄養素と、その働きは以下のとおりです。
上記4つの栄養素は髪の成長をサポートしてくれるため、意識的に摂取することが望ましいでしょう。一方、脂っこい食事や糖分の摂り過ぎは頭皮の皮脂分泌を過剰にし、毛穴詰まりの原因となる恐れがあるため、適度な量を心掛けましょう。
寝ている間には成長ホルモンが多く分泌されるため、質の高い睡眠は薄毛対策につながります。睡眠不足が続くと頭皮の血行が悪くなり、髪の毛に必要な栄養が行き渡らなくなる可能性があるのです。
厚生労働省の「成人のためのGood Sleepガイド」によると、6時間以上の睡眠時間を確保することが推奨されています。また、良い睡眠のためには「カフェインや飲酒、喫煙を控える」「夜間のパソコンやスマホの使用は避ける」などの工夫が必要とされています。
なお、睡眠時間は長過ぎても短過ぎても健康を害する原因となり得るため、注意が必要です。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
頭皮の血行が悪いと髪の毛に栄養が行き渡らず、健康な髪の毛が育ちにくくなります。適度な運動は全身の血行を促進し、頭皮の血流も改善するのです。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」によると、1日60分(1日約8,000歩)以上のウォーキングが推奨されています。そのため、忙しい方も隙間時間を利用して日常生活に運動を取り入れると良いでしょう。
また、頭皮マッサージも薄毛対策のためのセルフケアの一つです。頭皮マッサージの基本手順は以下のとおりです。
指の腹を使って頭皮を優しく動かすことで血行が促進されます。入浴時や就寝前に5分程度行うと、リラックス効果も得られるでしょう。
「頭皮マッサージの効果とは?髪・顔・身体への3つの効果を解説」の記事では、頭皮マッサージの効果と方法について紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ストレスは自律神経のバランスを崩し、頭皮の血行不良を引き起こします。日常のストレスを軽減するためには、自分に合ったリラックス法を見つけることが大切です。「趣味の時間をもつ」「深呼吸やストレッチをする」「適度に休息を取る」など、ストレス解消法は人それぞれ異なります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
また、慢性的なストレスを感じている場合は、仕事や人間関係の見直しも検討しましょう。短時間でも良いので、自分のための時間を作ることが大切です。仕事や家事などに追われている場合は、パートナーや家族に協力してもらいながらリフレッシュする時間を確保することをおすすめします。
適切なシャンプーと洗髪方法は、健康な頭皮環境を維持するために欠かせません。頭皮に合わないシャンプーの使用や洗い方の間違いは、頭皮トラブルや薄毛の原因となり得ます。
まず、シャンプーは頭皮に合ったものを選びましょう。アミノ酸系シャンプーは頭皮への刺激が少ないためおすすめです。
洗髪時のポイントは以下のとおりです。
また、タオルドライの際は強く擦らずに押さえるようにして水分を吸い取りましょう。ドライヤーは頭皮から15cm以上離し、髪や頭皮に熱風を当て過ぎないよう注意が必要です。
禁煙は薄毛改善のためのセルフケアの一つです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、頭皮の血行を悪くする恐れがあります。喫煙を続けると髪の成長に欠かせない栄養が毛根に届きにくくなり、細く弱い髪や抜け毛の原因となり得るのです。
また、喫煙は活性酸素を増やして細胞の働きを衰えさせたり、髪の材料となるアミノ酸を消費させたりする場合もあります。
一方、禁煙をすれば血流が改善し頭皮の乾燥も抑えられ、健康な髪が育ちやすい環境が整いやすくなるのです。抜け毛や薄毛の進行を防ぐためにも、禁煙するのがおすすめです。
「セルフケアを試してもなかなか薄毛を改善できない」と感じている方もいるかもしれません。ここでは、薄毛を自分で治すのが難しい場合の治療法を紹介します。
セルフケアだけでは薄毛の改善が見られない場合、医療機関での投薬治療を検討してみましょう。薄毛治療薬には主に内服薬と外用薬があります。
国民生活センターの「AGA治療、植毛」によると、AGAはテストステロンが毛包細胞の5αリダクターゼという酵素の活性化によってジヒドロテストステロン(DHT)に変わり、頭髪の成長を抑制することで起こります。フィナステリドとデュタステリドは、テストステロンをDHTに変換する5αリダクターゼを阻害して、その血中濃度の値を下げる薬です。
一方、ミノキシジルの外用薬は頭皮に直接塗布し、血行改善や抗男性ホルモン作用が期待できます。
ただし、治療薬の効果には個人差があり副作用の可能性もあるため、医師の指導のもとで使用しましょう。
薄毛の治療薬についてさらに詳しく知りたい場合は、「はげに効く薬とは?AGA治療薬の種類や副作用、入手方法を解説」の記事もあわせてご一読ください。
参考:国民生活センター「AGA治療、植毛」
薄毛が進行している場合や、さらに効果を求める場合は、専門クリニックでの注入治療や植毛という選択肢があります。
注入治療とは成長因子や発毛促進効果のある薬剤を頭皮に注入する治療法です。比較的短時間で終わり、ダウンタイムも少ないのが特徴です。
国民生活センターの「AGA治療、植毛」によると、植毛は将来にわたってAGAの影響を受けない
自分自身の後頭部や側頭部の頭髪を、薄くなった場所に移動させる作業です。移植毛は1〜2ヶ月で一旦抜けてしまい、100日間ほどの休止期に入ります。植毛の最終的な仕上がりを判定できるのは10ヶ月後です。
参考:国民生活センター「AGA治療、植毛」
忙しくて病院に通う時間がない方や対面診療に抵抗がある方には、オンライン診療がおすすめです。オンライン診療のなかにはスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受け、薬を自分が指定する場所に配送してもらえるサービスもあります。
オンライン診療の主なメリットは以下のとおりです。
ただし、初診からオンライン診療が可能かどうかは医療機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
「できるだけお金を掛けずに薄毛対策を始めたい」「自分の対策が正しいか不安なので、効果の前兆を知って安心したい」という方もいるかもしれません。ここでは、薄毛治療に関するよくある質問をまとめました。
薄毛が改善しつつあるサインとしては、産毛のような髪が生え始めることが挙げられます。産毛が徐々に太く長くなっていくのが理想的な回復過程となります。
また、抜け毛の量が減り1日の抜け毛が50〜100本程度になることも薄毛改善の前兆サインです。健康な人の場合は1日に50〜100本程度の抜け毛があるとされていることから、この範囲内であれば正常な抜け毛の量と考えられるでしょう。
びまん性脱毛症(FAGA)や栄養不足、ホルモンバランスの乱れなどが原因の薄毛の場合は、生活習慣の改善などのセルフケアで改善できる可能性があります。産後の抜け毛の場合は、妊娠中に増加した髪が一度に抜ける現象であるため、出産後半年〜1年程度で自然に回復する傾向があります。
ただし、女性ホルモンの変動が関わる更年期前後の薄毛や特定の疾患に関連する脱毛は、セルフケアだけでは対応が難しいでしょう。セルフケアで薄毛の改善が見られない場合は、医師に相談するのがおすすめです。
お金を掛けずに薄毛対策をするなら、食事や睡眠、運動といった生活習慣の改善が重要です。規則正しい生活を心掛けて十分な睡眠を取ることで、髪の成長を助けるホルモンの分泌が整いやすくなります。
また、シャンプーのし過ぎや強い摩擦を避け、頭皮を清潔に保つことが大切です。そのうえで頭皮マッサージを取り入れると、血流が促されて毛根に栄養が行きわたりやすくなります。このように日常生活の工夫とケアを組み合わせることで、費用を掛けずに薄毛の進行を防ぎ、健康な髪を育てる環境が整いやすくなるでしょう。
薄毛が自然に治るかどうかは、原因によって異なります。一時的なストレスや栄養不足、季節の変わり目による抜け毛などは原因が解消されれば自然に回復する場合があります。
一方、AGA(男性型脱毛症)の場合は自然に治ることは難しいでしょう。AGAは進行性の薄毛のため、何も対策を講じなければ進行していく傾向があります。
薄毛を自分の力だけで治すことは難しいものの、日常的なセルフケアで改善に向けた基盤を作ることは可能です。薄毛対策には栄養バランスの整った食事や十分な睡眠時間の確保、適度な運動といった生活習慣の改善に取り組むのがおすすめです。特にたんぱく質や亜鉛、鉄分、ビタミンB群などの栄養素を意識的に摂取し、頭皮環境を整えましょう。
セルフケアを続けても薄毛の改善が見られない場合は、医師に相談のうえで治療薬の服用を開始するという選択肢もあります。 また、AGAのような進行性の薄毛の場合はセルフケアだけで治すのが難しいため、早めに医師に相談することが大切です。