レバクリ

更新日:2024年03月28日

AGAの診断方法について、セルフチェック・診断キット・専門機関を解説!

この記事のまとめ
  • AGAは、ジヒドロテストステロンが増加することによって発症する
  • AGAのセルフチェック方法は、前頭部や頭頂部の髪の状態を確認する
  • AGA診断キットには、遺伝子検査とジヒドロテストステロン量検査の2種類がある
  • 確実に判断するには、AGAクリニックでの受診がおすすめ

以前よりも生え際が後退しているような気がして、自分はハゲているのかもと心配になっている方も多いのではないでしょうか。以前よりも生え際が後退している場合は、AGAと呼ばれる脱毛症状が起こっている可能性があります。ここでは、AGAかどうかを診断する方法について解説していくので、ぜひチェックしてみてください。

AGAの症状とは

AGA(Androgenetic Alopecia=男性型脱毛症)は、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの増加により、髪のヘアサイクルが乱れて起こる脱毛症状です。

ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが5αリダクターゼと呼ばれる酵素によって変換されることで生成されます。そして、ジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に結合すると、毛髪の成長抑制を引き起こし、AGAが発症します。

この毛髪の成長抑制を引き起こす男性ホルモン受容体は、前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞に多く発現しているため、前頭部や頭頂部から薄毛が進行していきます。

日本人男性のAGAの発症頻度は約30%で、20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%と年齢とともに高くなる傾向にあります。

20代のAGAについては、「AGAは20代で発症する?薄毛の原因や対処法などを解説」でも詳しく解説しています。

AGAの種類

下図のように、AGAは脱毛の仕方によって大きくタイプⅠからタイプⅥまでに分類されます。

ハミルトンノーウッド (1).png

タイプⅠでは、おでこの生え際が後退することから始まり、最終的には、頭頂部全体に脱毛が進行します。また、頭頂部から進行するタイプⅡのような種類や、前頭部の一部だけに発症するタイプⅤのような種類もあります。

いずれにせよ、AGAが進行すると脱毛が広範囲に広がることが多いため、早期に発見し、予防や発毛に努めることが大切です。

AGAの診断方法

AGAの診断方法には、セルフチェックをはじめ、診断キットを使用する方法、専門機関で医師に診断してもらう方法があります。ここでは各方法について説明していきます。

セルフチェック

下記の方法を参考に、セルフチェックで自分がAGAに該当していないか確認してみましょう。

1:親族に薄毛の人がいないか

AGAは、前頭部や頭頂部に発現している男性ホルモン受容体や、5αリダクターゼII型の発現量、体内でのテストステロン生成量が関係しており、それらは遺伝によって決まります。

そのため、セルフチェックを行う際には、まず自分の家族に薄毛の人がいないか確認するのが重要です。もし薄毛の人がいるのであれば、遺伝的に将来AGAを発症する可能性は非常に高いといえます。

薄毛と遺伝の関係について詳しく知りたい方は、「はげは遺伝する?遺伝によってはげる理由やすぐにできる薄毛対策を解説」も参考にしてみてください。

2:細い産毛のような髪の毛がないか

AGAの初期段階では、頭髪の成長が抑制され、短く細い産毛のような髪の毛が増えてきます。おでこの生え際や頭頂部を触った際に、ハリやコシを感じない産毛が多くなってきているなら、AGAを発症している可能性があります。

3:抜け毛が増えていないか

朝起きたときに枕元に抜け毛が多く見られたり、シャンプー時の抜け毛が以前より多いと感じられる場合は、AGAを発症している可能性があります。

しかし、過度なストレスや様々な疾患によっても一過性の脱毛が起こることもあり、本当にAGAなのか、それともストレスなどによる脱毛なのかしっかり判断する必要があります。

判断するポイントとしては、徐々に抜けているのか、急にまとまった量の髪の毛が一気に抜けているのかどうかです。AGAは徐々に脱毛が進行するのに対して、ストレスやその他疾患による脱毛では、まとまった髪の毛が一気に抜けることが多いです。徐々に抜ける量が多くなっていると感じたら、AGAの可能性は高まります。

異常な抜け毛を判断する方法については、「異常な抜け毛は毛根から判断できる?注意すべき毛根の特徴を解説」でも詳しく解説しています。

4:頭頂部や前頭部が薄くなっていないか

前頭部や頭頂部の状態が、以前から変化していないかを確認しましょう。自分でおでこの生え際の髪を触ってみて、以前と比べて生え際の位置が後退しているかどうかで判断します。また、定期的におでこの生え際や頭頂部の髪の写真を撮っておき、変化がないかどうかを確認することもおすすめします。

5:同年代の人と比較して髪が薄くないか

同年代の人と比較して自分の髪が薄くなっていないか確認するのも、有効な手段です。ただし、遺伝的にもともと髪の毛の量が少なかったり髪の毛が細かったりする人もいるので、他のセルフチェック項目も確認しながら、総合的に判断するのが良いでしょう。

6:不規則な食生活や栄養が偏った食生活をしていないか

髪の毛は、外側から順にキューティクル、コルテックス、メデュラという三層構造になっており、どの層も大部分がタンパク質で構成されています。そのため、髪のダメージの修復や成長に必要な栄養素であるタンパク質が不足すると、AGAの発症要因になりえます。AGAの疑いがある場合は、食生活が乱れていないかも確認すると良いでしょう。

7:過度なストレスがかかっていないか

過度なストレスもAGAの原因の1つです。ストレスが過度にかかると自律神経が乱れ、頭皮の血行障害や栄養の吸収効率の低下が起こります。その結果、髪に十分な栄養が届きにくくなり、髪の成長に悪影響が出ます。

ストレスは円形脱毛症の要因にもなりますが、前述したように、円形脱毛症はまとまった量の髪の毛が脱毛します。日常的にストレスがかかっていて、徐々に脱毛が進んでいる場合は、ストレスによりAGAが進行している可能性も考えられます。

8:過度な飲酒をしていないか

飲酒によるAGA発症のメカニズムは詳しくは判明していませんが、可能性として、アルコールによる血行障害で髪に必要な栄養素が届きづらくなることが考えられています。また、最近になってアルコールとその代謝物であるアセトアルデヒドは、細胞とDNAにダメージを与えることが分かってきました。これらの理由から、過度なアルコールの摂取は髪の成長に関わる毛乳頭細胞とDNAへダメージを与え、髪の成長を阻害する可能性があります。過度に飲酒をしていないかも確認すると良いでしょう。

参考:National Library of Medicine「Alcohol and endogenous aldehydes damage chromosomes and mutate stem cells

9:喫煙をしていないか

タバコによるAGA発症のメカニズムは未だ詳しくは判明していませんが、可能性としてニコチンによる血行障害、煙中に含まれる有害物質によるDNAへのダメージ、酸化ストレスなどが挙げられています。実際にAGAの人に喫煙者が多いという研究結果もあり、可能であれば禁煙するのがおすすめです。自身に喫煙習慣があるかどうかも、AGAの判断材料にしてください。

参考:National Library of Medicine「Androgenetic alopecia in men aged 40-69 years: prevalence and risk factors

AGA診断キット

セルフチェックの結果、もしかしたら自分はAGAかもしれないと思った方や、自分の家族にAGAの既往歴がある人がいる方には、AGA診断キットを使用するのがおすすめです。

キットには大きく分けて、毛髪に含まれるジヒドロテストステロンの量を測定するものと、遺伝的に自分がAGAの発症リスクが高いかどうか検査するものの2種類があります。どちらも通販サイトなどで簡単に注文することができるので、気になる人は使用してみると良いでしょう。

専門機関でのAGA診断

最も確実なAGAかどうかの確認方法は、専門機関による診察です。AGAは早期発見、早期治療が非常に重要になってくる疾患であり、症状が比較的初期であれば、治療薬によって症状悪化を防止することが可能です。そのため、AGAの可能性が少しでもある方は、早目にAGAクリニックで専門の医師から診察を受けると良いでしょう。

病気の治療方法や診断方法は、日本皮膚科学会が作成したAGAガイドラインの内容をもとに行われます。そのため、治療方法や使用する医薬品は病院やクリニックごとでそれほど大きな差はありません。

クリニックを受診する場合は、事前に口コミなどを確認して医師の人柄や評判を調べておくのが良いでしょう。自分の質問や疑問に丁寧に回答してくれて、海外からの個人輸入医薬品など、不要な治療を勧めて来ない医師のいる病院・クリニックがおすすめです。

また、より手軽に受診できるオンライン診療でも、AGA治療に対応していることが多いので、そちらを検討するのも良いでしょう。

AGA診断の流れ

まず、初診の場合は問診票の記入から行います。チェック項目は、家族に薄毛の人がいるかどうかや、自覚症状の有無、症状の経過などです。これらの情報は、医師が実際に診察する際の重要な判断材料になるため、面倒かもしれませんがしっかり記入するようにしてください。

問診票の記入が終わると、医師による触診や視診が行われます。確認される場所は、前頭部や頭頂部で、髪が細く短くなっていないかなどを確認します。場合によっては拡大鏡やダーモスコピーといった専門の器具を使って、頭皮の状態や毛髪の状態を確認することもあります。

さらに、医師の判断によっては血液検査も行う場合があります。血液検査によってAGAかどうかの判断材料にするほか、薬を使用しても問題ない体質かどうかが確認できます。

AGAの治療方法

AGAの治療薬としては、フィナステリドやデュタステリドと呼ばれる、5αリダクターゼ阻害薬と呼ばれる薬を使用します。これらの成分は、5αリダクターゼの活動を抑制することで、ジヒドロテストステロンの生成を阻害し、発毛を促します。どちらも医療用医薬品として国内で承認されている医薬品で、もちろん臨床試験もされています。

フィナステリドの発毛効果については、12〜24ヶ月以上の内服で、脱毛部1cm²当たりの硬毛数が有意に増加したと報告されています。また、日本人男性の試験においても、48週間以上の内服で、頭頂部の写真撮影で軽度改善以上の効果が出たとの実験結果も報告されています。

デュタステリドの発毛効果に関しても、4950名の男性被験者を対象とした観察期間6~60ヶ月の臨床試験において、1日にデュタステリド0.5 mgを内服したグループは、偽薬を内服したグループと比較して毛量増加が報告されています。

内服薬以外にも、外用剤(塗り薬)としてミノキシジルという成分が使用されることもあります。ミノキシジルは頭皮へ塗ることで頭皮の血行を促進させ、毛乳頭細胞の増殖やタンパク質合成を促進し、発毛育毛効果を発揮します。フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬と併用して使用されることも多いです。

参考:日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

まとめ

今回は、AGAの診断について、セルフチェックの方法やAGA診断キットを使った診断、専門機関での診断について説明しました。

AGAは、早期治療によって症状の進行を抑えることが可能です。そのため、いかに早く発症初期段階で発見できるかが治療のカギになってきます。自信がAGAかもしれない、と感じている方は、本記事を参考に、早期発見・治療につなげてください。

AGAクリニックのなかには、手軽に受診できるオンライン診療を取り入れているところもあるため、そちらを検討することもおすすめします。

レバクリでは、AGAのオンライン診療サービスを行っています。オンライン診療には、通院に手間がかからない、通院しているのが周囲に知られにくいといったメリットがあります。診察料は無料なので、はぜひ一度ご相談ください。