更新日:2024年07月19日
髪が抜ける病気とは?症状や原因をわかりやすく解説
- 正常な人の1日あたりの抜け毛の本数は、50~100本程度
- 髪が抜ける病気には、AGAや円形脱毛症、脂漏性脱毛症などがある
- 髪が抜けるおそれのある病気には、膠原病や梅毒などがある
- 抜け毛の増加に対処するには、生活習慣の改善やヘアケアの見直しが有効
- セルフケアで抜け毛の症状が改善しない場合は、医療機関を受診するのがおすすめ
急に抜け毛が増えたと感じると、なんらかの病気を発症しているのではないかと不安になってしまいますよね。髪が抜ける要因は、睡眠不足や食生活の乱れなどさまざまですが、AGAや円形脱毛症などの髪が抜ける病気を発症している可能性もあります。
本記事では、髪が抜ける病気の特徴と原因について解説します。髪が抜けるおそれのある病気や、抜け毛が増えた時の対処法なども紹介するので、抜け毛が急に気になり始めた方はぜひ参考にしてみてください。
正常な抜け毛の本数とは
抜け毛が増えたかを判断するには、まず正常な抜け毛の本数を知ることが大切です。
正常な人の1日あたりの抜け毛は50〜100本程度とされています。人間の髪の毛は、一定の段階まで成長すると成長が止まり、下から生えてくる新しい毛に押し出されるようにして、自然に抜け落ちていきます。この一連の流れをヘアサイクルと言い、「成長期、退行期、休止期」の3つのフェーズを1つのサイクルとして繰り返しているのです。
抜け毛が1日に100本以上ある場合は、生活習慣の乱れや過度なストレスにより、ヘアサイクルに乱れが生じている可能性があります。また、これから紹介するような病気による可能性もありますので注意しましょう。
髪が抜ける病気
髪が抜ける病気には下記があります。
- AGA(男性型脱毛症)
- 円形脱毛症
- 脂漏性脱毛症
- 粃糠(ひこう)性脱毛症
- びまん性脱毛症
- 牽引性脱毛症
- 薬剤性脱毛症
それぞれの病気の特徴と原因を説明します。
AGA(男性型脱毛症)
髪が抜ける病気の一つとして、AGAが挙げられます。AGAはAndeogenetic Alopeciaの略称で、日本では男性型脱毛症とも呼ばれます。生え際や頭頂部から薄毛が広がっていくのが特徴です。
AGAの診療ガイドラインによると、日本人男性のAGA発症頻度は、全年齢平均で約30%で、年齢が上がるにつれて発症頻度は高くなるとされています。
AGAを発症する主な原因は、男性ホルモンの作用であると考えられています。
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、5aリダクターゼという還元酵素によって、ジヒドロテストステロンというホルモンに変換されます。このジヒドロテストステロンが、頭皮にある男性ホルモンレセプターと結びつくことで、脱毛因子が増加し、薄毛が起こるのです。
参考:公益社団法人日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
関連記事:AGAとは?抜け毛・薄毛が進行する男性型脱毛症について分かりやすく解説
円形脱毛症
髪が抜ける病気には、円形脱毛症も挙げられます。円形脱毛症は、円形または楕円形の脱毛斑が一つ、あるいは複数できる病気です。円形脱毛症にはいくつかの種類があり、脱毛の広がり方によって下記に分類されています。
- 単発型:脱毛斑が1ヶ所のみにできる
- 多発型:脱毛斑が複数できる
- 蛇行型:後頭部から側頭部の生え際に沿って脱毛する
- 全頭型:頭部全体が脱毛する
- 汎発型:頭部だけでなく全身が脱毛する


この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)













