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更新日:2024/07/19

AGA治療に血液検査が必要な理由とは?検査方法やかかる費用を解説

この記事のまとめ
  • AGA治療で血液検査を行うのは、AGAによる薄毛かどうかや、服薬治療が可能かどうかを判断するため
  • AGA治療の血液検査では、AGA以外の脱毛症の発症有無や肝機能障害のリスクなどがわかる
  • AGA治療における血液検査は必須ではない
  • AGAの治療法には、内服薬のほかにも、外用薬や育毛メソセラピー、自毛植毛がある

AGA治療を行う際に、血液検査を行う場合があります。AGAの治療について調べている方の中には、「どうして血液検査を受けるのか」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、AGA治療に血液検査が必要な理由を解説します。血液検査の方法や検査にかかる費用、服薬治療以外のAGA治療法についても解説するので、これからAGAのクリニックを受診しようと考えている方は参考にしてみてください。

なぜAGA治療に血液検査が必要なのか

AGA治療に血液検査が必要な理由は、主に2つあります。

薄毛の原因がAGAかどうかを判断するため

AGA治療で血液検査を行うのは、薄毛の原因がAGAかどうかを調べるためです。薄毛の原因は、AGAだけでなく、円形脱毛症や甲状腺の異常などのさまざまな病気が考えられるからです。

万が一、薄毛の原因がAGAではない場合、AGA治療を行っても効果を得ることができません。さらに、他の病気である可能性が高いにもかかわらず、AGAと誤診してしまうと、適切な治療を受けられず、病気が進行してしまう可能性もあります。

関連記事:AGAの原因は?治療方法や進行を遅らせるための対策を解説

服薬治療が可能かどうかを判断するため

AGA治療で血液検査を行うもう一つの理由は、AGA治療薬を服用して問題がないかを判断するためです。

AGA治療では、一般的にフィナステリドやデュタステリドといった治療薬による服薬治療を行います。

これらの治療薬の中には、身体の状態によって副作用が起こるリスクが高くなるおそれがある薬が存在します。また、体質的に薬の成分が身体に残りやすいケースもあります。そのため、検査によって体調や体質を調べ、一人ひとりの患者に適切な治療プランを提案しているのです。

AGA治療における血液検査でわかること

AGA治療における血液検査では、下記の4つがわかります。

  • AGA以外で薄毛の原因がある可能性が高いか
  • 重度の肝機能障害を引き起こすリスクが高いか
  • AGAを発症する可能性が高いか
  • AGA治療の効果がどのくらい見込めるか

それぞれ詳しく説明していきます。

AGA以外ので薄毛の原因がある可能性が高いか

血液検査を行うことで、AGA以外の薄毛の原因があるかの判断ができます。

AGA以外の薄毛の原因には、鉄欠乏性貧血や甲状腺の異常などが挙げられます。鉄欠乏性貧血になると、頭皮へ酸素を送り届ける役割を果たすヘモグロビンの量が減少し、髪の毛の成長に必要な酸素が毛母細胞へ行き届かなくなることで、薄毛が引き起こされてしまうのです。また、甲状腺の異常による薄毛は、毛母細胞の活動が鈍化することで引き起こされます。これは、甲状腺ホルモンには、毛母細胞の細胞分裂を活性化させる働きがあるためです。

鉄欠乏性貧血や甲状腺の異常は、血中のへモグラビンの数値や甲状腺ホルモンの数値から判断することができます。これらの数値が低いと、AGAとは別の薄毛の原因が潜んでいる可能性があります。

重度の肝機能障害を引き起こすリスクが高いか

血液検査で肝臓の数値を測定することで、肝機能障害を引き起こすリスクの有無も判断することができます。AGAの治療で使用されるフィナステリドやデュタステリドといった薬は肝臓で代謝されます。そのため、もともと肝機能障害がある方が内服を継続すると、重大な副作用が起こるリスクが高くなってしまうのです。

また、肝機能が低下していると代謝が悪くなるため、薬に含まれる成分が長く体内に留まることで、性欲減退や勃起機能不全などの副作用のリスクが高まるおそれもあります。

AGAを発症する可能性が高いか

クリニックによっては、血液検査を行う際に遺伝子検査を同時に行うことがあります。なぜならAGAの発症リスクは、両親から引き継がれた遺伝子によって変化するからです。

ただし、遺伝子検査は別途費用がかかるほか、あくまで傾向としての情報提供にとどまるため、実際に必要となることはまれといえます。検査の希望がある場合は、事前にホームページや電話などで実施している医療機関を確認しておきましょう。

AGA治療の効果がどのくらい見込めるか

血液検査で、AGA治療の効果がどのくらい見込めるかも判断できます。前述したとおり、血液検査では血中のヘモグロビンや甲状腺、肝機能に関するさまざまなデータを数値で見ることが可能です。

薬の効果は体質やAGAの進行状況によっても異なりますが、血液検査の数値から大体の治療効果を予測することができます。

AGA治療における血液検査の方法

AGA治療における血液検査は、一般的な健康診断と同様に、注射器で血液を採取する方法で行います。その後、1週間程度で検査結果がわかるので、その結果に基づき、医師がAGA治療薬を使用できるかを判断します。

クリニックによっては、診察日より6ヵ月以内に健康診断などで血液検査をしていれば、検査が不要になる場合があるので、直近で採血を行った方は、検査結果を代替できるかをクリニックに確認してみましょう。

AGA治療の血液検査にかかる費用

AGA治療は保険適用外のため、血液検査にかかる費用は医療機関によって異なります。

一般的な血液検査の費用は、5,000円~10,000円です。遺伝子検査も行う場合は、別途15,000円~30,000円かかる可能性があります。クリニックによっては、遺伝子検査を必須としているところがあるため、費用に関しては事前に確認しておくのがおすすめです。

AGA治療において血液検査は必須ではない

ここまで、AGA治療において血液検査を行う理由について解説してきましたが、実は血液検査を行うことは必須ではありません。

最近では、血液検査を実施せずに、カウンセリングのみでAGA治療薬の処方を行うクリニックも増えています。血液検査を行わないことで、上記の費用を抑えられるというメリットがあります。

血液検査で服薬治療ができないと判断された場合

血液検査で服薬治療ができないと判断された場合は、下記の方法でAGA治療を行うことができます。

  • 外用薬
  • 育毛メソセラピー
  • 自毛植毛

それぞれの方法を説明していきます。

外用薬

服薬治療ができないと判断された場合は、外用薬で治療を行うことができます。外用薬は体内に直接取り入れるわけではないため、内服薬と比較して副作用のリスクが低いとされています。

AGA治療の外用薬として代表的なものは、ミノキシジルです。ミノキシジルは、毛母細胞を活性化させる働きを持っているため、発毛を促す効果が期待できます。

育毛メソセラピー

服薬治療ができない場合には、育毛メソセラピーを行うのも一つの手です。育毛メソセラピーとは、頭皮に有効成分を直接注入する治療法です。

育毛メソセラピーで使用される主な成分とその効果は下記のとおりです。

成分効果
ミノキシジル発毛を促進する
フィナステリド脱毛を抑制する
インスリン様成長因子
(IGF-1)
髪の毛の成長をサポートする
ケラチノサイト成長因子
(KGF)
髪の毛の成長を促進する
タンパク質髪の毛の土台をつくる
ヒアルロン酸頭皮を保湿する

育毛メソセラピーでは、AGA治療薬に含まれる成分だけでなく、頭皮環境を整えるための栄養素も注入することができます。服薬治療よりも早く効果が現れることがメリットですが、内服薬や外用薬などの薬剤治療よりも費用が高くなることがデメリットです。

自毛植毛

服薬治療ができない場合は、自毛植毛を行うことも有効です。自毛植毛は、自分の側頭部や後頭部の髪の毛を、頭皮ごと薄毛になっている部分に移植する治療法です。

頭皮ごと移植するため、髪が抜け落ちても再び生えてくるようになるのがメリットです。治療範囲によってかかる費用は異なりますが、範囲が広くなるほど費用が高額になる点がデメリットとして挙げられます。

AGAはなるべく早くクリニックで治療しよう

AGA治療を行う場合は、なるべく早くクリニックを受診するのがおすすめです。AGAは進行性の脱毛症のため、放置しておくとどんどん症状が進行してしまいます。

クリニックで処方されるAGA治療薬にはさまざまな種類があり、効果は薬によって異なります。AGAの進行具合も人によってさまざまであるため、医師と相談しながら自分に合った治療薬を処方してもらいましょう。

まとめ

AGA治療を行う前に血液検査を行うことで、服薬治療の可否やAGAの可能性の有無を判断することができます。血液検査にかかる費用は5,000円~10,000円が相場で、遺伝子検査も兼ねる場合は、それに加えて15,000円~30,000円程度かかることがあります。

一方で、AGA治療における血液検査は必須ではないため、最近ではカウンセリングのみでAGA治療薬を処方するクリニックも増えています。なるべく費用を抑えたい方や、今すぐに治療を開始したいという方は、血液検査を行っていないクリニックを選ぶのも一つの手です。

レバクリでは、AGAのオンライン診療サービスを行っています。レバクリも、血液検査を設けていないクリニックの一つです。オンラインで予約~診察まで行うことができるため、薬を処方してもらうのに通院する必要がないのがメリットです。診察料は無料で行っているため、AGAを治療したいと考えている方はぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会