更新日:2026年04月07日
頭皮のフケやかゆみなどの皮膚症状に悩んでおり、ケトコナゾールがどのような薬か調べている方もいるかもしれません。ケトコナゾールは真菌(カビ)感染症に効果的な医療用医薬品で、脂漏性皮膚炎やマラセチア毛包炎、水虫などのさまざまな皮膚症状の改善に使われています。この記事では、ケトコナゾールの効果・効能や副作用を解説します。使用方法や注意点にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
ケトコナゾールは、真菌(カビ)感染によって引き起こされる皮膚のかゆみや赤み、フケなどの症状に使われるイミダゾール系の抗真菌薬です。真菌の細胞膜の成分であるエルゴステロールの合成を阻害することで、菌の増殖を根本から抑え込む点が特徴です。
ケトコナゾールは、白癬(水虫)やカンジダ症、皮膚に斑点ができる癜風(でんぷう)といった幅広い真菌感染症の治療に用いられており、皮膚トラブルを改善して健康な状態を取り戻すために使用される薬です。また、頭皮に症状が出る脂漏性皮膚炎にも用いられ、かゆみやフケといった症状を緩和するためにも使われます。
このように、ケトコナゾールは全身の皮膚トラブルから頭皮の悩みまで、真菌が原因となる多種多様な症状に適用される汎用性の高い治療薬です。
ケトコナゾールが使われる主な症状について、詳しく見ていきましょう。
ケトコナゾールは、マラセチア菌が毛包内で増殖して炎症を起こすことで発症するマラセチア毛包炎に効果があります。マラセチア毛包炎は、背中や胸、上腕などに小さな赤い発疹や白い膿疱として現れることが多く、ニキビと似ていると感じる方もいるようです。
ニキビとは違いかゆみが出ることが多く、発疹や膿疱の大きさや外見がそろっている傾向があります。
ケトコナゾールは、マラセチア毛包炎の原因となるマラセチア菌に直接作用して増殖を抑制します。治療には正しい診断と適切な治療が必要なため、症状を自己判断せずに皮膚科医に相談しましょう。
ケトコナゾールは水虫(足白癬)やいんきんたむし(股部白癬)といった皮膚真菌症にも効果的です。これらの疾患は白癬菌と呼ばれる真菌によって引き起こされ、ケトコナゾールは白癬菌に対して強い抗真菌作用を持ちます。
水虫は足の指の間や足底に発生しやすく、かゆみや皮むけ、ひび割れなどの症状が現れます。いんきんたむしは股間部に発生し、強いかゆみと赤い発疹が特徴です。
ケトコナゾールクリームを清潔にしたあとの患部に薄く塗ることで、かゆみや発疹などの症状を改善できます。症状が改善しても、菌が完全に死滅していない場合があるため、医師の指示に従い、症状が消えたあとも一定期間はケトコナゾールの使用を続けることが再発予防につながります。
ケトコナゾールは、皮膚に炎症や赤み、かゆみが起こる慢性的な皮膚病である脂漏性皮膚炎にも使用されます。脂漏性皮膚炎の原因には、皮脂の過剰分泌やマラセチア菌の増殖などが関与していると考えられています。ケトコナゾールの使用により、マラセチア菌の増殖を抑え、それによってかゆみや赤みといった炎症症状も緩和します。また、フケの症状を抑える効果も期待できます。
脂漏性皮膚炎の治し方について詳しく知りたい場合は「脂漏性皮膚炎の治し方は?主な原因や再発防止のセルフケアを解説」の記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらをご覧ください。
ケトコナゾールは抗真菌薬ですが、近年AGA(男性型脱毛症)への効果も示唆されており、注目を集めています。ただし、日本では育毛剤として認可されておらず、エビデンスは限定的で個人差が大きい点に注意が必要です。
主なメカニズムとして、男性ホルモンに関連する作用が示唆されているものの、明確な順序は十分に確立されていません。しかし、日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」によると、2%濃度のシャンプー使用により、「pilary index(毛髪の成長や太さなどを評価する研究指標の一つ)」が向上した例や、ローションの使用で発毛や脱毛の改善が認められたとする報告があります。
しかし、AGA治療を行う場合、育毛剤として国内で承認されている治療薬を選択可能です。ケトコナゾールに過度な期待を寄せるのではなく、専門医と相談しながら自分に適した治療方法を選択しましょう。

AGA治療に対しては、内服薬・外用薬ともに、ほかに推奨される治療薬があります。自分にとって適した治療方法を選択するためにも、医師への相談が不可欠です。
参考:日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
ケトコナゾールには以下のような副作用が現れる可能性があります。あらかじめ把握しておくことで、副作用が起きた際にすぐに気づけるため、早期の対処が可能になるでしょう。
| 主な副作用 | 症状 |
|---|---|
| アレルギー・過敏反応系 | 接触皮膚炎(かぶれ)、蕁麻疹、過敏症、発疹 |
| 炎症・発赤反応 | 炎症、発赤、紅斑 |
| かゆみ・感覚異常 | 皮膚そう痒、錯感覚、皮膚灼熱感、皮膚疼痛、不快感 |
| 皮膚刺激・局所刺激症状 | 皮膚刺激感、皮膚のべとつき感 |
| 皮膚構造の障害・損傷 | 皮膚糜爛、皮膚剥脱、皮膚水疱、皮膚亀裂、出血 |
| その他 | 乾燥、浮腫(まれ) |
ケトコナゾールを使用中に上記の症状が現れた場合、自己判断で継続せずに使用を中止し、医師に相談しましょう。症状の悪化を防ぎ安全に治療を進めるためには、医師による適切な指示を仰ぐことが大切です。
ケトコナゾールの剤形には、クリーム状のものやローションタイプのもの、シャンプーなどがあります。ここではそれぞれの剤形の特徴と使用方法を紹介します。
ケトコナゾールクリームはローションと比較して油性基剤で患部にとどまりやすい特徴があり、皮膚が薄い顔や体などの治療に適しています。ケトコナゾールクリームを使用する際は、1日1回清潔にした患部に塗布します(脂漏性皮膚炎は1日2回)。
クリーム剤はローションに比べると、ベタつきやすく洗い落としにくいのが特徴です。塗り過ぎると皮膚刺激を強めることがあるため注意しましょう。クリーム剤は就寝前に塗ることで薬剤の接触時間が長くなり、効果が高まることもあります。
ただし、自己判断でケトコナゾールクリームを塗る回数や量を変更せず、使用方法については必ず医師の指示に従いましょう。また、クリーム剤の使用後は手をよく洗い、目などに薬剤が入らないよう注意してください。
ローションは、さらさらとしたテクスチャーで患部に塗っても目立ちにくいため、頭皮などの有毛部に塗布しやすいのが特徴です。スプレータイプやボトルタイプがあり、塗布が簡単に行えます。
使用方法としては、1日1回患部に適量を塗布します(脂漏性皮膚炎の場合は1日2回)。頭皮の場合は、髪を分けながら塗るか、指の腹で優しくマッサージするようにしてなじませると良いでしょう。
症状がひどいからといって、用法用量を超えてケトコナゾールを塗布することは避けてください。また、ローションは浸透力が高いので、粘膜や傷口には使用しないよう注意しましょう。
シャンプー剤は、真菌感染によって引き起こされるかゆみや赤み、湿疹を抑える目的で使われています。
製品によって使用方法は異なりますが、おおむね一般のシャンプー同様に使用可能です。毎日の洗髪時にケトコナゾールシャンプーを使用することで、頭皮のフケやかゆみにアプローチできるでしょう。ケトコナゾールシャンプーを使用すると髪や頭皮が乾燥しやすくなることがあるため、トリートメントを併用するのがおすすめです。
ケトコナゾールは日本国内ではローション・クリーム・シャンプーのいずれも市販薬としては販売されておらず、クリニックにて処方が必要になります。
そのほかの育毛シャンプーについては、「育毛シャンプーの効果とは?配合成分や使用する際のポイントを解説」の記事を参照してみてください。
ケトコナゾールを安全に使用するためには、医師の指示どおりに使用することが大切です。症状が改善したからといって自己判断で使用を中止すると、真菌が完全に死滅しておらず再発する可能性があります。
また、眼や口、鼻の中などの粘膜には使用を避け、万が一粘膜に薬剤が入った場合は、すぐに水でよく洗い流してください。以下に該当する方は、ケトコナゾールの使用に注意が必要です。
上記に当てはまる方は、診察時にその旨を医師に伝えてください。特に妊娠中や授乳中の方は、ケトコナゾール外用薬については比較的安全とされているものの、使用前に医師への相談が必要です。何か不明な点や心配なことがあれば、医師や薬剤師に質問することをおすすめします。
ケトコナゾールは、皮膚科などの医療機関を受診した際に必要に応じて処方されます。
皮膚科での診察では症状の視診だけでなく、KOH検査(真菌の有無を確認する検査)などが行われることもあります。診察・検査結果をもとに、症状に合った薬を処方してもらうために医師の診察は欠かせません。医師による一般的な診察の流れは以下のとおりです。
| 診療ステップ | 内容 |
|---|---|
| 受付・問診票記入 | 症状や病歴を記入 |
| 診察 | 医師による症状の確認と診断 |
| 検査(必要な場合) | KOH検査など |
| 処方・会計 | 薬の処方と支払い |
なお、混雑具合によって別途待ち時間が発生します。薬の処方は医療機関によって異なり、病院内の薬局で受け取れる場合もあれば、処方箋をもらい、任意の薬局で受け取りと支払いをする場合もあるでしょう。
保険適用となるかは、受診する医療機関や受診の目的により変わります。
ケトコナゾールは医師の処方が必要な医薬品であり、厚生労働省が公表している「スイッチOTC医薬品有効成分リスト」に掲載されていないため、ドラッグストアや薬局などの店頭で市販薬として購入することはできません。「スイッチOTC医薬品有効成分リスト」とは、もともと医療用として使われていた成分のうち、十分な安全性が確認された上で市販薬への転用が認められたものをまとめたリストです。
ケトコナゾールは2026年2月時点で対象外となっています。したがって、ケトコナゾールを使用する場合には、医師による診察を受け、自身の症状に適していると判断された上で、処方箋を交付してもらいましょう。
参考:厚生労働省「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」
ケトコナゾールは、真菌の増殖を抑えることで、皮膚のかゆみや赤みを治療する抗真菌薬です。水虫やカンジダ症のほか、頭皮にフケやかゆみの症状が出る脂漏性皮膚炎など、菌が原因となる多様な症状に用いられます。
育毛効果が示唆されている報告もありますが、国内ではAGA治療薬として認可されていません。AGAの治療を目的とする場合、国内で承認されている外用薬などを使うのが一般的です。
ケトコナゾールの剤形にはクリームやローション、シャンプーがあり、使用部位に合わせて使い分けられます。稀に皮膚の炎症や刺激感といった副作用が生じることがあるため、症状が出た際には使用を中止し、医師に相談してください。
ケトコナゾールは市販されていないため、入手には医療機関での受診が必要です。
使用する際には医師の指示に従いましょう。