更新日:2026年04月30日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「デュタステリドが気になっているけれど、副作用が心配」と不安に思われている方もいるかもしれません。デュタステリドの副作用には、性機能不全や乳房障害などがありますが、発現には個人差があります。本記事では、デュタステリドの副作用と発現確率を解説します。服用時の注意点や個人輸入の危険性もあわせて紹介するので、気になる方はぜひ参考にしてください。
デュタステリドは、AGA(男性型脱毛症)による抜け毛を防ぐための治療薬です。2015年に厚生労働省から承認された「ザガーロ」の有効成分であり、現在はそのジェネリック医薬品である「デュタステリド錠」としても知られています。
そもそもAGAは、男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結びつき、DHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、毛包の受容体と結合することで進行します。DHTの影響で毛包が萎縮し、細く抜けやすい毛が生成されてしまうのです。
デュタステリドには、5αリダクターゼの働きを阻害し、頭皮内のDHT濃度を低下させる効果が期待できます。その結果、毛包が萎縮するのを防ぎ、抜け毛の減少や現在の髪の毛の維持につながります。

効果を実感できるまでには通常6ヶ月程度の服用期間を要するため、焦らずに継続することが重要です。

デュタステリドは国内で承認されているAGA治療薬です。適切に服用することで、AGAによる薄毛の予防効果が期待できます。
デュタステリドを服用すると副作用が出る場合があります。ここでは、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の「5α還元酵素1型/2型阻害薬男性型脱毛症治療薬劇薬、処方箋医薬品デュタステリド製剤」を確認しながら解説しましょう。
本添付文書には重大な副作用として、肝機能障害、黄疸が挙げられています。発現確率はともに頻度不明です。
ただし、肝機能障害や黄疸はほかの薬でも共通してみられる副作用です。それは薬が肝臓で代謝されるため、体質などによって肝臓内の細胞が傷つく可能性があるからです。黄疸は肝機能障害の症状のひとつとして知られています。
そのほかに発現する可能性がある主な副作用は以下のとおりです。
AGAには男性ホルモンの一種であるDHTが関わっており、デュタステリドはその生成を助ける酵素(5αリダクターゼ)の働きを抑えます。つまり、特定の男性ホルモンに作用する性質上、まれに性機能不全などの副作用が生じる場合があるのです。
添付文書にある国際共同第II/III相二重盲検比較試験によると、勃起不全が4.3%、リビドー減退が3.9%、精液量減少が1.3%の割合で発現したと報告されています。
また、1%未満の発現確率で乳房障害や抑うつ気分など、頻度不明で蕁麻疹やアレルギー反応、腹痛などが出る可能性があるとされています。
デュタステリドの服用によって生じる可能性がある副作用を下表にまとめました。なお、この数値は参考値であり、副作用の内容や程度には個人差があります。デュタステリドをはじめAGA治療薬は、必ず医師の管理のもとで、服用することが重要です。
| 1%以上 | 1%未満 |
|---|
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。
| 頻度不明 |
|---|
| 過敏症 | - | 発疹 | 蕁麻疹、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、血管性浮腫 |
| 精神神経系 | - | 頭痛、抑うつ気分 | 浮動性めまい、味覚異常 |
| 生殖系及び乳房障害 | 性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害) | 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感) | 精巣痛、精巣腫脹 |
| 皮膚 | - | - | 脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症 |
| 消化器 | - | 腹部不快感 | 腹痛、下痢 |
| その他 | - | - | 倦怠感、血中CK増加 |
引用:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「5α還元酵素1型/2型阻害薬男性型脱毛症治療薬劇薬、処方箋医薬品デュタステリド製剤」
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「5α還元酵素1型/2型阻害薬男性型脱毛症治療薬劇薬、処方箋医薬品デュタステリド製剤」
デュタステリドの服用を開始すると、一時的に抜け毛が増える初期脱毛が起こる可能性があります。これは、薬の効果によって乱れたヘアサイクルが正常な状態に近づくために生じる現象です。新しい健康な髪の毛が成長を始め、古い弱っている髪の毛を押し出すことで発生すると考えられています。
薄毛が進行しているわけではなく、薬が正しく作用し、改善が進んでいるサインといえるため、過度に心配する必要はないでしょう。なお、発症の有無や時期には個人差があります。
抜け毛の量が多いなど、気になる点がある場合は、デュタステリドを処方してくれた医師へ相談してください。
初期脱毛について、詳しくは「デュタステリドによる初期脱毛とは?抜け毛が起きる理由や効果が出る時期」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。
デュタステリドの服用によって副作用が現れた際は、すみやかに医師へ相談しましょう。また、些細な体調の変化であっても、自己判断せず医師に伝えることが大切です。
医師へ相談することは、治療の方向性を見直すきっかけにもなります。現在の症状にあわせて薬の量を減らしたり、別の薬への切り替えを検討したりといった対応が考えられます。医師と話し合いながら、継続できる治療方法を模索することがおすすめです。

治療中に感じる不安や疑問は、遠慮なくお伝えください。体調や状況に合わせて、無理のない進め方を一緒に考えていきましょう。
デュタステリドには副作用以外にも注意すべき点があります。たとえば、以下の4つについては服用前に知っておく必要があります。
ここでは、それぞれの注意点を詳しく解説しましょう。
デュタステリドは、重度な肝機能障害がある場合、服用できません。薬を分解する働きがある肝臓の機能が低下している方が服用すると、成分の血中濃度が過剰に上昇する恐れがあるためです。
肝機能障害の症状が進行すると、慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんを招く可能性があります。そのため、肝臓に持病がある方は必ず事前に医師へ申し出てください。医師の診断により、薄毛の進行を抑えるためのほかの治療方法が提案されるケースもあるでしょう。
デュタステリドは20歳以上の成人男性のみが服用できる医薬品であり、女性や小児の服用は禁忌とされています。
特に、妊娠中の女性がデュタステリドの成分を体内に取り込むと、胎児の発育に影響を及ぼす恐れがあるといわれています。実際に、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の「5α還元酵素1型/2型阻害薬男性型脱毛症治療薬劇薬、処方箋医薬品デュタステリド製剤」においても、妊娠しているラットやウサギにデュタステリドを経口投与することによって、ラットやウサギの赤ちゃんの生殖器の発達に影響がみられました。
また、デュタステリドの成分は、口からだけでなく皮膚からも吸収されるため、直接手で触れることも厳禁です。周囲への影響を防ぐためにも、服用者以外が誤って接触しないよう慎重に管理しましょう。
前立腺がんの検査を受ける際は、デュタステリドの服用について必ず検査をする担当者へ報告しましょう。デュタステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬として開発された背景があります。そのため、前立腺がんの検査の指標となるPSA(前立腺特異抗原)の数値を下げてしまうのです。
添付文書の記載によると、デュタステリドの服用開始から6ヶ月後にPSA値が約50%減少したという結果が報告されています。
本来の数値よりも低く測定されることで、前立腺がんの兆候を見落とす恐れがあります。正確な診断結果を得るためには、受診前に服用状況を伝えておくことが大切です。
デュタステリドは抜け毛の進行を抑えるための「守りの治療薬」であり、発毛促進の作用は限定的だと考えられています。デュタステリドの特性を正しく理解し、自身の目的にあわせて服用しましょう。
一方、発毛を促す役割を担うのは「攻めの治療薬」と呼ばれるミノキシジルです。デュタステリドとミノキシジルは併用可能です。
自身の症状に適した治療方法を決めるためにも、まずは医師の診察を受け、どのAGA治療薬を使用するか検討しましょう。
個人輸入や通販サイトからデュタステリドを購入するのはやめましょう。偽造品や品質の劣る薬剤が届く可能性があり、健康被害を招く恐れがあるためです。
厚生労働省でも、医薬品の個人輸入には健康被害などの危険性があるとして、注意喚起を行っています。また、万が一重篤な副作用が起きた場合でも、個人で輸入した薬は公的制度である「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。
デュタステリドは必ずAGAの専門クリニックや皮膚科などで医師から処方してもらいましょう。医師からの処方であれば、副作用や気になる症状が出た際も、すぐに医師へ相談できるため安心して治療を継続できます。
AGA治療薬の個人輸入について、詳しくは「AGA治療薬の個人輸入とは?予め知っておくべき4つのリスク」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。

デュタステリドに限らず、AGA治療薬は医師の管理の下で使用する必要があります。治療に関する不安や疑問があれば、すぐに医師に相談しましょう。
AGA治療薬であるデュタステリドの主な副作用は以下のとおりです。
ただし、副作用は必ず起こるものではなく、発現の有無や程度には個人差があります。
ほかにも、一時的に抜け毛が増える初期脱毛が生じる可能性もあります。しかし、初期脱毛はデュタステリドの服用によって生成された新しい髪の毛が、古く弱った髪の毛を押し出すことで起こる現象です。そのため、過度に心配する必要はないでしょう。
また、デュタステリドは、女性と子どもの接触や服用を禁忌としています。さらに、前立腺がん検査の数値に影響を及ぼす点にも注意が必要です。
デュタステリドを服用する際は、専門のクリニックで処方を受け、副作用など不安な点があれば、すぐに医師へ相談しましょう。
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独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「5α還元酵素1型/2型阻害薬男性型脱毛症治療薬劇薬、処方箋医薬品デュタステリド製剤」
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