更新日:2026年06月17日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
AGA治療を検討するうえで、デュタステリドの副作用が気になっている方もいるかもしれません。主な副作用は1%以上の確率で起こる性機能障害(ED・性欲減退)をはじめ、肝機能障害、抑うつ症状、むくみなどです。本記事ではデュタステリドの副作用の種類と発現確率、対処法について医学的根拠に基づいて解説します。副作用が出た場合の適切な対応方法や、安全に治療を続けるための注意点も併せて紹介します。
デュタステリドの服用による主な副作用と、発現する確率は以下の表の通りです。
| 1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
|---|---|---|---|
| 過敏症 | - | 発疹 | 蕁麻疹、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、血管性浮腫 |
| 精神神経系 | - | 頭痛、抑うつ気分 | 浮動性めまい、味覚異常 |
| 生殖系及び乳房障害 | 性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害) | 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感) | 精巣痛、精巣腫脹 |
| 皮膚 | - | - | 脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症 |
| 消化器 | - | 腹部不快感 | 腹痛、下痢 |
| その他 | - | - | 倦怠感、血中CK増加、肝機能障害 |
勃起不全や性欲減退などの性機能不全の発現確率は1%以上とされています。それ以外の症状はいずれも1%未満または頻度不明です。ここでは、代表的な副作用である、肝機能障害、性機能障害、抑うつ症状、むくみ(限局性浮腫、血管性浮腫)について解説します。
デュタステリドの服用で、発現確率は不明ですが、副作用として肝機能障害が起こる可能性があります。デュタステリドは肝臓で代謝される薬であるため、このような肝臓への影響やリスクが認められています。
肝臓疾患の既往がある方は、デュタステリドの服用を始める前に、かかりつけの医師に情報を伝えておきましょう。また、服用中に倦怠感や黄疸などの異常を感じた場合は、速やかに医師へ相談してください。
デュタステリドの服用による主な副作用として、1%以上の確率で性機能障害が起こる可能性があります。
具体的な症状としては、性欲自体が低下するリビドー減退や、十分な勃起が得られなくなる勃起不全(ED)が挙げられます。さらに、射精に支障をきたす射精障害、精液の量が少なくなるといった症状も含まれます。
発現確率や症状の程度には個人差がありますが、妊活を検討しているなど、性機能への影響に不安がある場合は事前に医師へ相談しましょう。万が一、服用を始めてからこれらの体調変化がみられた場合も、自己判断で放置せず医師の診察を受けることが大切です。
デュタステリドの服用による精神面への影響として、抑うつ症状や気分変化が1%未満の割合で報告されています。
抑うつのような気分の変化が起こる詳しい機序は不明です。体内のホルモンバランスの変化が関係しているのではないかと指摘されることもありますが、デュタステリドとの明確な因果関係は証明されていません。
もし服用中に気分が落ち込んだり、情緒が不安定になったりするなど体調の変化を感じた場合は、無理をせず速やかに医師へ相談してください。
デュタステリドの服用にともない、体の一部が腫れたりむくんだりする症状がみられることがあります。
このむくみには、単なる水分代謝の低下だけでなく、薬に対するアレルギー反応が関係しているケースも含まれます。具体的には、皮膚に現れる発疹や強いかゆみ(そう痒症)のほか、特定の部位が腫れる限局性浮腫、まぶたやくちびる、喉の粘膜などが激しく腫れあがる血管性浮腫といったアレルギー症状を、むくみと感じる場合があるでしょう。
特に急激なむくみや息苦しさをともなう場合は、重いアレルギーのサインである可能性があるため、すぐに服用を中止して医師の診察を受けてください。 参考:医薬品医療機器総合機構「デュタステリド錠 添付文書」
デュタステリドを服用して副作用が出た場合は、自己判断は避けて、はやめにかかりつけ医に相談しましょう。減薬や薬の切り替えなど、医師への相談ポイントについて解説します。
デュタステリドの服用中に副作用が疑われる症状が現れた際は、自己判断で放置せず、速やかに処方医へ相談してください。些細な体調の変化であっても医師に伝えることが大切です。
医師へ相談することは、治療方針を見直すきっかけになります。現在の症状に合わせて薬の減量を検討したり、別の治療薬へ切り替えたりすることも可能です。
一人で悩まず医師と話し合いながら、無理なく継続できる治療方法を見つけていきましょう。
副作用のリスクを抑えつつ薄毛治療を続けるために、医師の管理下で別の治療薬への変更を検討するのも選択肢の一つです。
デュタステリドと同じく抜け毛を抑制する治療薬であるフィナステリドは、作用範囲が異なるため、切り替えることで症状が改善される場合があります。
また、発毛を促す治療薬であるミノキシジル外用薬への変更など、塗り薬を活用する方法もあります。
AGA治療薬はそれぞれ特徴や副作用の現れ方が異なります。体質にあった治療方法がないか、医師に相談しながら検討しましょう。
デュタステリドには副作用以外にも注意すべき点があります。たとえば、以下の4つについては服用前に知っておく必要があります。
ここでは、それぞれの注意点を詳しく解説しましょう。
デュタステリドは、重度な肝機能障害がある方では安全性に関する十分なデータがなく、慎重な判断が必要です。薬を分解する働きがある肝臓の機能が低下している方が服用すると、成分の血中濃度が過剰に上昇する恐れがあるためです。
肝機能障害の症状が進行すると、慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんを招く可能性があります。そのため、肝臓に持病がある方は必ず事前に医師へ申し出てください。医師の診断により、薄毛の進行を抑えるためのほかの治療方法が提案されるケースもあるでしょう。
デュタステリドは20歳以上の成人男性のみが服用できる医薬品であり、女性や小児の服用は禁忌とされています。
特に、妊娠中の女性がデュタステリドの成分を体内に取り込むと、胎児の発育に影響を及ぼす恐れがあるといわれています。実際に、医薬品医療機器総合機構の「デュタステリド錠 添付文書」においても、妊娠しているラットやウサギにデュタステリドを経口投与することによって、ラットやウサギの赤ちゃんの生殖器の発達に影響がみられました。
また、カプセルが破損して内容物が漏出している場合には、デュタステリドの成分が皮膚から吸収される可能性があるため、接触を避けてください。周囲への影響を防ぐためにも、服用者以外が誤って接触しないよう慎重に管理しましょう。 参考:医薬品医療機器総合機構「デュタステリド錠 添付文書」
前立腺がんの検査を受ける際は、デュタステリドの服用について必ず検査をする担当者へ報告しましょう。デュタステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬として開発された背景があります。そのため、前立腺がんの検査の指標となるPSA(前立腺特異抗原)の数値を下げてしまうのです。
添付文書の記載によると、デュタステリドの服用開始から6ヶ月後にPSA値が約50%減少したという結果が報告されています。
本来の数値よりも低く測定されることで、前立腺がんの兆候を見落とす恐れがあります。正確な診断結果を得るためには、受診前に服用状況を伝えておくことが大切です。
デュタステリドを服用するにあたって寄せられる、副作用への質問をまとめました。副作用は治るのか、太ることはあるのか、回答と併せて解説します。
デュタステリドの副作用は治る?
デュタステリドの副作用は、多くの場合は服用中止後に改善が期待されますが、症状の持続が報告されることもあります。
ただし、症状が長引いたり、服用をやめても体調がなかなか戻らなかったりする場合は、自己判断で放置せず速やかに医師へ相談してください。
症状に合わせて適切な処置やアドバイスを受けることが大切です。
デュタステリドの副作用で太る?
デュタステリドを服用することで太るという医学的な根拠はありません。
ただし、副作用として体にむくみが生じる可能性はあります。
むくみによって水分が体内にたまったり、アレルギー様の腫れなどが表れたりすると、一時的に体重が増えたり太ったりしたように感じられるケースが考えられます。
もし急激な体重増加や気になる腫れ、むくみなどの症状がみられた場合は、自己判断せず医師へ相談してください。
デュタステリドは薄毛治療に効果的な薬ですが、副作用として1%以上の確率で性機能障害が起こる可能性があります。その他、肝機能障害、抑うつ症状、発疹、頭痛、むくみなどの副作用が報告されています。
デュタステリドの副作用が現れた場合は、自己判断で放置せずかかりつけの医師に相談することが大切です。症状に応じて減薬や、フィナステリドなど他のAGA治療薬への変更も検討できます。
デュタステリドは、妊婦または妊娠の可能性のある女性は、破損したカプセルや内容物に触れないよう注意が必要です。前立腺がんの検査指標であるPSA値を下げる作用もあるため、検査前には必ずデュタステリドの服用状況を医師に伝えましょう。
個人輸入で入手した場合、重篤な副作用が起きても医薬品副作用被害救済制度の対象外です。必ず医療機関での処方を受けて国内正規ルートで入手しましょう。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「5α還元酵素1型/2型阻害薬男性型脱毛症治療薬劇薬、処方箋医薬品デュタステリド製剤」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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デュタステリドには抜け毛抑制作用に加え、毛髪量の改善効果も期待できます。デュタステリドの特性を正しく理解し、自身の目的にあわせて服用しましょう。
しかし、より積極的な発毛を目指す場合には、ミノキシジルとの併用が検討されます。 自身の症状に適した治療方法を決めるためにも、まずは医師の診察を受け、どのAGA治療薬を使用するか検討しましょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度に関する業務」

デュタステリドに限らず、AGA治療薬は医師の管理の下で使用する必要があります。治療に関する不安や疑問があれば、すぐに医師に相談しましょう。