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更新日:2024/04/30

ミノキシジルの個人輸入は危険?危険とされる理由や注意すべき副作用を解説

この記事のまとめ
  • ミノキシジルの個人輸入には、偽造品の可能性や、用法・用量を正しく理解できない可能性がある
  • ミノキシジルを個人輸入する際に注意すべき副作用には、動悸・息切れや肝機能障害などがある
  • ミノキシジルを入手するには、薬局やドラッグストアで購入するか、クリニックで医師に処方してもらおう

ミノキシジルを入手するのに、個人輸入を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。「医薬品を個人輸入すると安く入手できる」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、個人輸入にはさまざまなリスクが伴います。

この記事では、ミノキシジルの個人輸入における危険性について解説します。個人輸入が危険とされる理由や、個人輸入する際に注意すべき副作用などを解説します。記事の後半では、ミノキシジルの入手方法についても説明するので、ミノキシジルの使用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ミノキシジルの個人輸入は危険である

ミノキシジルには内服薬と外用薬があり、いずれも医薬品医療機器等法により医薬品に分類されます。国内で流通している医薬品は、この法に基づいて品質や有効性、安全性の確認がとれていますが、個人輸入で入手された医薬品には法に基づく確認がとれていません。そのため、個人輸入で入手した医薬品を使用すると、さまざまなリスクが生じる可能性があるのです。

ミノキシジルの個人輸入が危険とされる主な理由は、下記のとおりです。

  • 偽造品の可能性がある
  • 用法・用量を正しく理解できない可能性がある
  • 重篤な健康被害が生じた際に高額な治療費がかかる可能性がある

それぞれ詳しく説明します。

参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

偽造品の可能性がある

ミノキシジルを個人輸入した場合、偽造品が届く可能性があります。前述したように、個人輸入で入手したミノキシジルは、国内で品質や安全性が確認されていないため、パッケージに表示されている成分が含まれていなかったり、含まれている成分が表示量と異なっていたりする可能性があります。

偽造品を使用すると、期待した効果が得られなかったり、かえって健康被害が生じる可能性があるので注意が必要です。

用法・用量を正しく理解できない可能性がある

ミノキシジルを個人輸入した場合、パッケージの用法用量を正しく理解できない可能性があります。海外製のミノキシジルは、用法や用量がすべて外国語で記載されています。薬によっては、副作用に関しての記載が正しくなされていない場合もあるため、外国語を理解できるという方でも注意が必要です。

誤った用法や用量で治療薬を使用すると、副作用の発症リスクが高くなったり、効果が半減したりするおそれがあります。

重篤な健康被害が生じた際に高額な治療費がかかる可能性がある

個人輸入したミノキシジルを使用して重篤な健康被害が生じた際、かえって高額な治療費がかかることがあります。

なぜなら、個人輸入した医薬品で健康被害が起きたとしても「医薬品副作用被害救済制度」を使用することができないためです。医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、副作用によって重篤な健康被害が生じた場合に、国が医療費や年金などの給付を行う制度のことを指します。

個人輸入した医薬品はこの制度の対象にならないため、入院治療が必要になるほどの健康被害が起きた場合、本来必要ではなかった入院費や治療費がかかることになってしまうのです。

参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度

ミノキシジルを個人輸入するメリットは少ない

ミノキシジルを個人輸入するメリットは少ないです。個人輸入というと安く薬が入手できるというイメージを抱く方もいらっしゃると思います。しかし、ミノキシジル外用薬にはジェネリック医薬品があり、開発費用が先発医薬品ほどかからないため安く入手できます。そのため、個人輸入で先発医薬品を入手した場合、クリニックでジェネリック医薬品を処方された場合と費用がそれほど変わらない場合があるのです。

また、個人輸入は、薬を入手する際に誰にも会わなくてよいことがメリットとして挙げられますが、AGAのオンライン診療サービスを利用すれば、同様に誰にも会わずにミノキシジルを入手することが可能です。

AGAのオンライン診療サービスは、予約から診察まですべてオンラインで行えるため、周囲に通院していることが知られたり、通院に手間がかかったりすることなく医師にミノキシジルを処方してもらえますさらに、処方された薬は自宅に届くため、薬局まで足を運ぶ必要もありません。

ミノキシジルを個人輸入する際に注意すべき副作用

ミノキシジルに限った話ではありませんが、医薬品には副作用が生じる可能性があります。ミノキシジルの使用によって生じる可能性のある副作用には、主に下記の3つがあります。

  • 動悸・息切れ
  • 肝機能障害
  • 多毛症

個人輸入で入手したミノキシジルは、用法用量を正確に理解できない場合があり、上記のような副作用のリスクが高まる可能性があります。ミノキシジルは医師や薬剤師の管理のもと、適切な用法用量で使用するようにしましょう。

それぞれ詳しく説明します。

動悸・息切れ

ミノキシジルの副作用で、動悸や息切れが起こる場合があります。

ミノキシジルはもともと高血圧の治療を目的として作られたため、血管を拡張し血流を促進する作用があるのです。帝京大学医学部の資料によると、ミノキシジルの血管を拡張する作用は、主に動脈に作用するとされています。動脈が血管が拡張すると、心拍数の増加にともなって左心室が拡張する期間が短縮されます。その結果、血圧が低下して左心室への酸素供給量が減少し、動悸や息切れを起こしやすくなってしまうのです。

症状がさらに悪化すると、心筋梗塞や狭心症などの心疾患につながることもあるので、動悸や息切れが生じた場合はなるべく早く医師に相談するようにしましょう。

参考:帝京大学医学部「ミノキシジル

肝機能障害

ミノキシジルを服用すると、副作用で肝機能障害が起こるおそれがあります。ミノキシジルの内服薬は主に肝臓で代謝されるため、服用すると肝臓に負担がかかるためです。

肝機能障害の発症頻度は稀ですが、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、発症しても初期症状が出ないことがほとんどのため注意が必要です。症状が進行すると、全身の倦怠感や食欲低下、嘔吐などが起こります。症状がないうちから定期的に血液検査を受けて、肝臓の数値に問題がないかをチェックするのがよいでしょう。

多毛症

ミノキシジルを服用すると、多毛症を発症するおそれもあります。多毛症とは、髪の毛だけでなく全身の体毛が伸びたり濃くなったりする病気です。ミノキシジルを服用して、有効成分が血液によって全身へ運ばれていくことによって引き起こされます。

ミノキシジルの入手方法

個人輸入以外にミノキシジルを入手する方法には、下記の2パターンがあります。

薬局やドラッグストアで薬剤師の立ち会いのもと購入する

ミノキシジル外用薬は一般用医薬品として認可されているため、ドラッグストアなどで薬剤師の立ち会いのもとで購入することができます。薬局やドラッグストアだと、気軽に購入しに行けるのがメリットです。

ただし、ミノキシジルの内服薬は日本国内で承認されていないため、薬局やドラッグストアで購入することができないので注意が必要です。

対面のクリニックやオンライン診療で処方してもらう

ミノキシジルは対面のクリニックやオンライン診療サービスで処方してもらうことができます。クリニックによっては、ミノキシジル外用薬だけでなく、内服薬を処方しているところもあります。クリニックで処方してもらうメリットとしては、副作用が出た場合に医師の判断を仰ぐことができることが挙げられます。

また、ミノキシジルには発毛を促進する効果はありますが、AGAの進行を抑制する効果は期待できません。クリニックでは、作用が異なる他のAGA治療薬を処方してもらうことができるので、AGA治療をより効果的に行える可能性があります。たとえば、抜け毛を抑制する効果がある治療薬には、フィナステリドやデュタステリドがあります。

まとめ

ミノキシジルの個人輸入は、偽造品の可能性や、用法・用量を正しく理解できない可能性があるため推奨できません。自己判断でミノキシジルを使用すると、用法用量が適切でない場合があり、動悸・息切れや肝機能障害などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。ミノキシジルは医師の診察を受けた上で、使用するのがおすすめです。

レバクリではAGAのオンライン診療サービスを行っています。ミノキシジルは外用薬と内服薬どちらも処方していますので、ミノキシジルの使用を検討している方はぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会