更新日:2026年02月06日
「デュタステリドを服用すると、性機能障害や気分の変化などの副作用が出るかも」と不安に感じている方もいるかもしれません。デュタステリドの副作用が心配な場合は、医師に相談することで安心して治療を進めやすくなります。
この記事では、デュタステリドの主な副作用や発現率、服用してはいけない人の条件を解説します。デュタステリドを服用する際の注意点にも触れているので、ぜひご一読ください。
デュタステリドは、AGA治療薬の一つです。デュタステリドはもともと、前立腺肥大症の治療薬として使用されていました。しかし、その過程で脱毛症に対する有用性が認められ、AGA治療薬としても使用されるようになりました。デュタステリドは、日本ではグラクソ・スミスクライン社から「ザガーロ」という商品名で発売されており、AGA治療の選択肢として取り扱うクリニックもあります。
グラクソ・スミスクライン株式会社の「ザガーロ 添付文書」によると、デュタステリドを服用すると性機能障害や抑うつ、肝機能障害といった副作用が現れる可能性があります。ここでは、デュタステリドの主な副作用をまとめました。
参考:グラクソ・スミスクライン株式会社「ザガーロ 添付文書」
デュタステリドを服用すると、性機能に関わる副作用が現れる場合があります。男性ホルモンの一種であるDHTの生成を抑制するという、デュタステリドの作用機序に関連しているためです。性機能障がいとして、以下のような症状が見られます。
デュタステリドによる副作用が現れる時期には個人差があり、特定の発現時期が「一般的」とは一概にいえません。ただし、すべての人に副作用が現れるわけではなく、出現時期にも個人差があることを理解しておきましょう。
デュタステリドを服用すると、抑うつの症状が出ることがあります。デュタステリドによる気分変化の機序は明確ではなく、ホルモン変化との関連が指摘されることがありますが、因果関係は確立していません。グラクソ・スミスクライン株式会社の「ザガーロ 添付文書」によると、抑うつが発現する確率は1%未満とされており、比較的稀な副作用に分類されます。
デュタステリドを服用開始後や服用中に、強い抑うつ症状や持続的な気分の沈み込みを感じた場合は、速やかに医師に相談することが重要です。安全に治療を継続するためには、自身の精神状態の変化に注意を払い、異変を感じた際は医師に指示を仰ぎましょう。
参考:グラクソ・スミスクライン株式会社「ザガーロ 添付文書」
デュタステリドは肝臓で代謝されるため、肝機能への影響が見られる場合があります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、初期段階では自覚症状が現れにくく、気づいたときには状態が進行していることもあるので注意が必要です。
具体的な兆候として、全身の強い倦怠感や吐き気、黄疸などが挙げられます。肝機能障害の疑いがあるときは、速やかに医師の診察を受けましょう。安全にAGA治療を継続するには、日ごろから食生活に気をつけたり、過度な飲酒を控えたりするなど、肝臓に負担を掛けない生活習慣を心掛けることが大切です。
デュタステリドを服用後に、アレルギー反応が現れる可能性があります。アレルギー反応が起きるのは、体が薬剤を異物と認識し、過剰な免疫反応を起こすためです。アレルギー症状は、痒みを伴う発疹や蕁麻疹などとして現れることがあります。
デュタステリドは稀に重篤なアレルギー反応が出る場合もあるので、注意が必要です。アレルギー症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
デュタステリドの服用に関しては、性機能障害や肝機能障害、抑うつ症状のほかにも副作用が出現する可能性があります。たとえば、乳房の腫れ・痛み・不快感などの乳房関連症状が報告されています。また、消化器系では腹部不快感や腹痛、下痢といった副作用があります。
乳房の変化や持続的な体調不良を感じた場合は、軽視せずに速やかに医師に相談し、適切なアドバイスや治療を受けることが大切です。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
デュタステリドの副作用の発現には、個人差があります。グラクソ・スミスクライン株式会社の「ザガーロ 添付文書」より、副作用発現率をまとめました。
| 副作用 | 発生確率 |
|---|---|
| 発疹 | 1%未満 |
| 頭痛・抑うつ | 1%未満 |
| 乳房障害 | 1%未満 |
| 腹部不快感 | 1%未満 |
| 性機能不全 | 1%以上 |
上記の発生頻度はあくまで参考値であり、自分に副作用が出るかどうかを事前に予測することは難しいでしょう。服用中は体調の変化に注意し、不安がある場合は医師に相談することをおすすめします。
参考:グラクソ・スミスクライン株式会社「ザガーロ 添付文書」
デュタステリドは、AGAの原因物質であるDHTの生成を抑制する効果があり、5α還元酵素のI型とII型の両方を阻害するのが特徴です。5α還元酵素両方の型の働きを阻害することで、テストステロンがDHTに変換されるのを効率よく遮断します。DHTの生成が抑制されると毛周期の成長期が延長し、抜け毛の減少や発毛の促進効果を期待できるのです。
AGAの進行を食い止め、改善へと導くのがデュタステリドの役割です。デュタステリドの効果を詳しく知りたい方は、「デュタステリドとは?フィナステリドとの主な違いを解説」をご確認ください。
グラクソ・スミスクライン株式会社の「ザガーロ 添付文書」によると、デュタステリドは5α還元酵素阻害薬で、過敏症を起こした経験がある人や女性、子どもなどは服用できません。ここでは、デュタステリドを使用できない人を解説します。
参考:グラクソ・スミスクライン株式会社「ザガーロ 添付文書」
過去にデュタステリドやフィナステリドといった5α還元酵素阻害薬で、過敏症を経験したことがある方は、デュタステリドを服用できません。過敏症には、蕁麻疹や発疹などのアレルギー反応が挙げられます。
過去に5α還元酵素阻害薬による過敏症が現れたことがある場合、同系統の薬であるデュタステリドも同様の、あるいはより重篤な反応が起こる可能性があります。過敏症を起こさないためには、薬剤アレルギーの既往歴を必ず医師に伝えることが大切です。
デュタステリドは女性や子どもも使用してはいけません。特に妊娠中や授乳中の女性がデュタステリドを服用すると、成分が胎児に移行する可能性があり、特に男性胎児の生殖器官の発達へ影響するリスクが報告されています。デュタステリドは皮膚からも吸収される性質を持っているので、カプセルに直接触れるのは避けましょう。
子どもに関しても、有効性や安全性が確立されていないため、投与は認められていないのが現状です。子どもがデュタステリドを誤飲したり、接触したりしないよう、保管場所には十分注意しましょう。
肝機能障害がある方は、デュタステリドの使用に注意が必要です。重度の肝機能障害がある場合は代謝に影響が出る可能性があり、使用は推奨されません。
軽度から中程度の肝機能障害がある場合においても、薬物動態に関するデータが十分に確立されていない状態です。デュタステリドによる治療を開始する際は、肝臓の状態を正確に医師に伝えましょう。
デュタステリドとフィナステリドの副作用の発現傾向には、違いがあります。両薬に共通する主な副作用は、性欲の減退や勃起不全などの性機能不全です。一部の報告ではデュタステリドの方が副作用発現率がやや高い可能性が示されていますが、個人差があります。
副作用の発現率の違いは、デュタステリドがフィナステリドよりも広範囲の酵素を阻害し、DHTをより強力に抑制することと関連していると考えられます。デュタステリドとフィナステリドはどちらも抑うつ症状や肝機能障害といった副作用があるため、副作用のリスクを慎重に比較検討することが、最適な治療薬を選ぶうえで重要です。
「デュタステリドを服用する際は、どのようなことに気を付けなければいけないの?」と気になる方もいるかもしれません。ここでは、デュタステリドを服用する際の注意点を解説します。
デュタステリドを服用中の前立腺がん検診では、PSA値の評価に注意が必要です。グラクソ・スミスクライン株式会社の「ザガーロ 添付文書」によると、デュタステリドは服用開始後6ヶ月でPSA値を約50%低下させます。
正確な診断のためには、医師にデュタステリドを服用していることや開始時期、服用量などを伝えなければなりません。医師はこれらの情報に基づき、PSA値を適切に解釈します。なお、0.5mg/日のデュタステリドを6ヶ月以上服用している場合、PSA値は通常値のおよそ2倍として解釈されます。
参考:グラクソ・スミスクライン株式会社「ザガーロ 添付文書」
グラクソ・スミスクライン株式会社の「ザガーロ 添付文書」によると、デュタステリドは併用注意として、CYP3A4阻害作用を有する薬剤が挙げられています。デュタステリドは、主に肝臓のCYP3A4という代謝酵素によって体内で分解・処理されるので、CYP3A4の働きを強く阻害する作用を持つ薬を併用すると、デュタステリドの代謝が遅延してしまうのです。デュタステリドの代謝が遅れ、血中濃度が上昇する可能性があります。
デュタステリドの血中濃度が上昇してしまうと、副作用の発現リスクを高める可能性があるのです。CYP3A4阻害作用を持つ薬剤を服用している、あるいは服用する可能性がある場合は、事前に医師や薬剤師にその旨を伝え、併用可能かどうかを判断してもらいましょう。
参考:グラクソ・スミスクライン株式会社「ザガーロ 添付文書」
デュタステリドを服用している方は、薬剤の特性から献血が制限されます。デュタステリドは半減期が長く、血液中に成分が残るためです。万が一、献血された血液が妊婦などに輸血された場合、男児の生殖器の発育に影響を及ぼすリスクがあります。
デュタステリドの最終服用後、少なくとも6ヶ月間は献血ができません。献血の問診時には、5α還元酵素阻害薬の使用について必ず申告しましょう。
デュタステリドの副作用に対して不安がある場合は医師に相談し、個々の体質や状況に基づいた適切なアドバイスを得ましょう。医師は、治療効果と副作用のリスクを明確に説明してくれます。
オンライン診療であれば通院の手間なく、自宅などリラックスできる環境から気軽に専門医に相談できます。副作用が心配な場合の段階的な服用法や、ほかの薬への変更といった選択肢も医師と検討可能です。
ここでは、デュタステリドの副作用に関してよくある質問をまとめました。以下で、疑問に詳しくお答えします。
デュタステリドは副作用の種類によって発現時期が異なります。たとえば、性欲減退における副作用の発現時期は2~4週間、勃起障がいの場合は2~6週間、めまいの場合は1~3週間ほどです。
ただし、副作用の発現時期は一般的な傾向であり、すべての人に副作用が現れるわけではありません。副作用と思われる症状があっても、自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談しましょう。
デュタステリドの副作用は、服用を中止することで改善がみられる場合があります。性欲減退や皮膚症状はデュタステリドの服用中止後、徐々に回復するのが一般的です。
しかし、服用中止後も性機能障がいが継続する場合もあり、回復までの期間や程度には個人差があることを理解しておく必要があります。副作用が長引く場合はすぐに医師に相談し、適切な経過観察と対応を受けましょう。
デュタステリドの副作用には、性機能障害や抑うつ、肝機能障害などが挙げられます。デュタステリドの副作用には個人差があり、服用開始から2〜4週間ほどで現れるのが一般的です。デュタステリドはAGAに関与するDHTの生成を抑制します。ただし、女性や子ども、5α還元酵素阻害薬で過敏症の経験がある方、重度の肝機能障害がある方は服用できません。
デュタステリド服用中はPSA値に影響する可能性があるほか、CYP3A4阻害薬との併用には注意が必要です。デュタステリドによる副作用に不安がある場合は医師に相談し、自分の体質や状況に合わせた専門的なアドバイスを受けましょう。