更新日:2026年02月06日
「フィナステリドを服用し始めたら初期脱毛起きて髪がなくなってしまうのでは?」と不安を感じる方もいるかもしれません。初期脱毛は治療が順調に進んでいるサインのひとつなので、過度に心配する必要はありません。
本記事では、フィナステリドによる初期脱毛のメカニズムや期間の目安、対処法を解説します。初期脱毛以外のフィナステリドの副作用もまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
フィナステリドを服用すると、一時的に抜け毛が増える初期脱毛が起きる場合があります。初期脱毛は、フィナステリドがDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑制し、髪の毛のヘアサイクルを正常化させる過程で起きる現象です。古い髪が抜け落ち、新しい髪の成長が促されるので、一時的に抜け毛が増えます。
初期脱毛は治療効果が現れている過程で生じる一時的な状態なので、過度に不安になる必要はなく、フィナステリドの服用を継続すれば徐々に回復していきます。
フィナステリドによる初期脱毛は、服用開始後10~14日程度で始まり、1~2ヶ月程度で治まるのが一般的です。また、睡眠時間や栄養状態といった日々の生活習慣は、毛髪の成長速度やヘアサイクルの乱れ具合に影響を与えるので、初期脱毛の期間や回復のスピードを左右する要因となるでしょう。
オルガノン株式会社の「プロペシア 添付文書」によると、フィナステリドの効果を実感するには6ヶ月の連日投与が必要です。治療効果を最大限に引き出すためには、医師の指導のもとで6ヶ月以上継続して服用することが重要です。
参考:オルガノン株式会社「プロペシア 添付文書」
初期脱毛は、心理的な負担や見た目の変化を伴うこともあります。ここでは、フィナステリドを服用後に初期脱毛が起きた際の対処法をまとめました。
フィナステリドによる初期脱毛の期間を乗り越え、治療効果を最大限に引き出すためには、生活習慣の見直しが重要です。適切な栄養摂取は、新しく生えてくる髪の成長を支える重要な土台となります。厚生労働省の「食事バランスガイド」にあるように、主食・副菜・主菜・乳製品・果物を過不足なくバランス良く摂りましょう。
また、厚生労働省の「知っているようで知らない睡眠のこと」によると、働く世代に必要な睡眠時間は最低6時間とされています。十分な睡眠は、日中の疲労を回復させるだけでなく、毛髪の成長を促すでしょう。規則正しい生活習慣は、フィナステリドの効果と相まって、毛髪が成長しやすい環境を整えます。
参考:厚生労働省「「食事バランスガイド」について」 厚生労働省「睡眠」
頭皮の毛穴が皮脂や汚れで詰まった状態が続くと、新しい髪が成長する妨げとなり、フィナステリドの治療効果が十分に得られない可能性があります。そのため、毎日の洗髪で頭皮を清潔に保つことが重要です。
洗髪する際は、38度前後のぬるま湯を使い、洗浄力が適度なシャンプーを選びましょう。洗う際は爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗い、頭皮への負担を避けてください。シャンプーやトリートメントの洗い残しがないよう十分にすすいだあと、すぐに髪を乾かし、清潔な状態を維持することで発毛環境が整います。
フィナステリドによる初期脱毛が起きた際、ヘアスタイルの工夫で薄毛を目立ちにくくすると治療中の心理的負担を軽減できるでしょう。短めのヘアスタイルにすると、薄毛が目立ちにくくなる可能性があります。髪が長いと重みで分け目が広がり、薄さが強調されやすいためです。
髪にボリューム感を出したり、前髪を工夫して額の生え際をカバーしたりする方法も効果的です。ただし、頭皮に負担がかからないよう、整髪料の過度な使用は避けましょう。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
フィナステリドは初期脱毛以外にも以下の副作用が起こる可能性があります。
オルガノン株式会社の「プロペシア 添付文書」によると、副作用の発現頻度はリビドー減退が5%未満、性機能障害が1%未満です。そのほかの副作用は頻度不明とされています。フィナステリドによる副作用の発生頻度はおおむね低く、多くの方が安全に服用を継続していることが考えられます。
ただし、フィナステリドの副作用が疑われる症状が出た場合は、医師に相談しましょう。医師に相談すれば、用量の調整や治療薬の変更など、適切な対応を受けることが可能です。
参考:オルガノン株式会社「プロペシア 添付文書」
フィナステリドで初期脱毛が起きると、焦りや不安を感じる人もいるかもしれません。ここでは、フィナステリドによる初期脱毛が起きた際の注意点を解説するので、冷静に対処できるようにしておきましょう。
初期脱毛を経験すると不安になり、フィナステリドの服用を辞めたくなるかもしれませんが、自己判断での中止は避けましょう。初期脱毛は乱れたヘアサイクルが正常化に向かう過程で起こるポジティブな兆候の一つであり、一時的な現象です。
途中で服用を中止してしまうと、せっかく始まったヘアサイクルの正常化が中断され、十分な治療効果が得られなくなる可能性があります。フィナステリドの効果が実感できるまでには6ヶ月~1年程度継続して服用することが必要です。初期脱毛の状況に強い不安を感じる場合は、自己判断で中止するのではなく、医師に相談しましょう。医師は頭皮の状態や経過を適切に評価し、必要に応じて治療計画を調整します。
フィナステリドの服用による初期脱毛は一時的な現象ですが、抜け毛が明らかに多いと感じる場合は医師に相談しましょう。服用開始から3ヶ月以上たっても抜け毛の増加が治まらない場合や、初期脱毛の程度が明らかに重いと感じる場合は、AGA以外の脱毛症や、全身状態・体調不良が関与している可能性も考えられます。
医師に相談することで、必要に応じて治療計画の見直しや、別の原因に対する適切な処置を受けられるでしょう。
ここでは、フィナステリドの初期脱毛に関してよくある質問をまとめました。以下で詳しくお答えします。
フィナステリド以外のAGA治療薬でも、初期脱毛が発生する可能性があります。たとえば、AGA治療に使用されるミノキシジルやデュタステリドでも、初期脱毛が起きることがあるのです。
ミノキシジルは血管拡張作用により毛母細胞を刺激し、休止期の毛包を成長期に移行させる作用があります。そのため、古い髪が新しい髪に押し出される形で抜け落ち、一時的に抜け毛が増加するのです。
デュタステリドは、I型およびII型の5α-リダクターゼの働きを阻害し、DHTの生成を抑えるのが特徴です。DHT抑制の結果、乱れたヘアサイクルが正常化に向かう過程で、弱っていた古い髪が抜け落ち、一時的に抜け毛が増える場合があります。
フィナステリドによる初期脱毛で、髪が急激にスカスカになるほど抜けることは通常ありません。通常、一日に50〜100本程度の髪の毛が自然に抜け落ちますが、初期脱毛が起きると一時的に抜け毛の量が150~300本程度に増える場合があると考えられています。
初期脱毛は、弱った古い髪が新しい健康な髪に生え変わる過程で起こるので、今までよりも抜け毛が一時的に増える現象として捉えておきましょう。治療を継続すれば、新しい髪が生え揃い、薄毛は徐々に改善に向かいます。
フィナステリドによる初期脱毛は、すべての人に起こるわけではありません。初期脱毛が起きるかどうかは、個人の体質や脱毛の進行状態、ヘアサイクルの状況などによって左右されます。また、初期脱毛が見られなくても、治療効果に差が出るわけではありません。初期脱毛の有無にかかわらず、6ヶ月~1年程度の継続使用で効果を判断するようにしましょう。
フィナステリドによる初期脱毛は、2回起きる場合もあります。たとえば、服用を途中で中断して再開した場合、2回目の初期脱毛が起きることがあるのです。また、フィナステリド単独での治療からミノキシジルとの併用治療を新しく始めたタイミングでも、ミノキシジルの作用によって、2回目の初期脱毛が起きる場合があります。
2回目の初期脱毛も一時的な現象で、薬が作用している過程の一つと考えられます。抜け毛の増加が長引く場合は自己判断で中断せず、医師に相談して適切な診断を受けましょう。
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フィナステリドによる初期脱毛は、髪のサイクルが正常化する過程で起こる一時的な現象です。服用開始後10~14日程度で始まり、通常は1〜2ヶ月程度で治まります。フィナステリドの効果を実感するには、最低6ヶ月の継続服用が必要です。
初期脱毛が強い場合や長期間続く場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。フィナステリドによる初期脱毛は一時的な現象であり、多くの場合は徐々に改善していきます。治療効果には個人差がありますが、焦らず根気強く治療を継続することが髪の健康回復のためには大切です。