更新日:2026年08月03日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
寝癖がひどく、つむじの地肌が透けて見えるため、「はげが進んでいるのでは」と不安になる方もいるかもしれません。寝癖そのものははげの原因になりませんが、寝癖がつきやすい状態を放置すると薄毛リスクが高まる可能性があります。また、はげが進行すると、軟毛化によって寝癖がつきにくいと感じることもあります。この記事では、はげと寝癖の見分け方や正しい直し方、予防法を解説します。
寝癖自体がはげの直接的な原因になることはありません。しかし、濡れたままでの就寝や寝汗による頭皮の蒸れなど、寝癖がつきやすい状態を放置すると頭皮環境が悪化し、脂漏性皮膚炎などを起こしやすくなる可能性があります。 朝、つむじの地肌が透けて見えても、多くは髪が圧迫で倒れているだけです。ただし、濡らして乾かしても改善しない場合は薄毛(AGA)が進行している可能性があるため、後述の見分け方で確認してみましょう。
寝癖で髪が割れる場合に考えられる主な原因は、以下の5つです。
これらの原因について、それぞれ解説していきます。
水分を含んで柔らかくなった状態の髪は、水素結合によってわずかな圧力でも曲がったまま固定されやすく、寝癖の原因になります。 さらに、髪の毛が濡れたまま寝てしまった場合、髪内部の水分保持力を守っている髪表面のキューティクルが開いた状態になり、枕との摩擦でキューティクルがはがれやすくなります。その結果、髪内部の水分が流出しやすくなり、ダメージになって悪循環につながる可能性があります。
寝汗によって頭皮が蒸れていることでも、寝癖がつきやすくなります。就寝中に汗をかくことで、枕に接する頭皮が蒸れてしまい、皮脂と混ざり合ってベタつきが発生します。このベタつきによって髪の毛同士が束になって固まると、つむじ周りの地肌が透けて見えやすくなり、薄毛が進行したように見えてしまうことがあります。 また、湿度の高い頭皮環境が続くと、皮膚常在菌やマラセチアなどが増殖しやすくなるなどの頭皮トラブルを起こしやすくなり、薄毛のリスクを高めてしまう可能性もあるでしょう。
髪のダメージが蓄積している場合も、寝癖が起こりやすくなります。カラーリングや熱によるダメージが蓄積した髪は、内部のタンパク質が流出してハリやコシを失ってしまいます。毛髪内部構造が損傷した髪は空気中の水分を吸いやすくなるため、乾いた際に癖がつきやすくなります。弾力のない細い髪は、朝のスタイリング時に無理に引っ張るとダメージを受けやすく、悪循環に陥る傾向があります。 つむじ付近のボリューム不足が気になる場合は、正しいヘアケアやスタイリングで頭皮や毛根への負担を減らしましょう。
寝返りなどで髪に圧力がかかっていることも、寝癖で髪が割れる原因の一つです。枕との摩擦や頭の重みで物理的な圧力がかかると、髪の毛の根元が強制的に折れ曲がってしまいます。これは一時的な髪の向きの乱れであるため、AGAによる薄毛とは本質的に異なります。 朝につむじが割れて地肌が見えるのは、多くは髪が抜けたのではなく、圧迫によって髪が倒されているだけの場合がほとんどです。ただし、継続的に強い圧力がかかると切れ毛などのリスクも高まるため、注意が必要です。
使用している枕が自分に合っていないことも、寝癖の原因として考えられます。枕の高さや素材が自分の頭に合っていないと、寝返りが増えたり、髪に圧力がかかったりして寝癖がつきやすくなり、結果として髪への摩擦が増える可能性があります。 特に後頭部からつむじにかけては、髪が強く押し付けられる状態が続くと根元から潰れ、地肌が目立って見える原因になることもあります。
つむじ周りの地肌が透けて見えるとき、それが寝癖なのかAGAによる薄毛(つむじはげ)なのかを正しく見分ける必要があります。以下の3つの方法でセルフチェックしてみましょう。
寝癖の場合、水分を与えることで髪の水素結合が一度切れてリセットされるため、髪の根元から十分に濡らして乾かしてみると地肌の透け感は解消されるでしょう。一方、濡らして乾かしてもつむじの広がりが変わらない場合は、毛量そのものが減少している可能性があると考えられます。 まずは頭皮まで水分を届かせるように濡らしてみて、髪を立ち上げた際の見え方の変化を観察してみましょう。
寝癖によるつむじ割れは、つむじを中心として縦・横など直線的に地肌が見えることが多いのが特徴です。一方、AGAなどの薄毛は頭頂部のつむじを中心として、円形状に広がることが多い傾向にあります。 合わせ鏡やスマートフォンのカメラを使用して、地肌が見えている範囲が以前より広がっていないかを比較して確認しましょう。定期的に写真を撮って記録しておくと、一時的な寝癖によるものか、継続して変化しているのかを客観的に判断しやすくなります。
つむじ周辺の髪の毛を観察し、ほかの部位に比べて明らかに細く柔らかい毛や短い毛がある場合は、AGAの症状が出ている可能性があります。寝癖であれば髪の毛一本一本に太さとコシがありますが、AGAにより薄毛が進行している場合、毛周期が乱れることで髪が十分に成長しなくなります。 髪の毛に細くて短い毛が混じっていないかを確認することで、AGAを早期に発見しやすくなります。

寝癖とつむじはげを見分けるには、まず髪を濡らしてみましょう。寝癖によるものなら髪を濡らして乾かすと根元が立ち上がり、地肌の透けは解消されます。濡らして乾かしても地肌が広範囲に見える場合は、毛量が減少している、あるいは髪が細くなっている「つむじはげ」の可能性があります。セルフチェックで判断に迷う場合は、専門医の診断を受けるのがおすすめです。
朝の限られた時間で寝癖を直す際は、頭皮や髪に負担をかけない方法を選びましょう。間違ったケアは抜け毛を増やし、薄毛を加速させる恐れがあります。 髪と頭皮を守るための寝癖の正しい直し方は、以下の流れです。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
寝癖を直すには、髪の根元から霧吹きなどで十分に湿らせましょう。寝癖は、髪内部の水素結合が水分で切れ、乾くときにその形のまま再結合して固定されてしまうために起こります。
表面を軽く濡らすだけでは髪内部の結合が十分にリセットされず、寝癖が残ってしまいます。根元までしっかり湿らせることで、髪に負担をかけずにスタイリングしやすくなるでしょう。 また、手ではなく霧吹きを使うと、直したい部分を狙いやすいためおすすめです。
髪を濡らしたあとは、指の腹で髪の根元から方向を整えるようにドライヤーの風を当てて乾かしていきます。つむじの割れと逆方向に髪を流すように乾かすと、髪の根元が立ち上がり地肌の透けを自然にカバーしやすくなります。 また、熱のダメージをできるだけ抑えるために、ドライヤーを髪から20cmほど離して小刻みに動かしながら乾かすのが良いでしょう。風量が強過ぎたり、乾かし過ぎたりすることも頭皮への負担となるため、短時間で仕上げるのがポイントです。
仕上げに、髪に冷風を当ててヘアスタイルを固定します。髪の毛は熱が冷める瞬間に形が固定される性質を持っているため、温風で根元から乾かしたあとに冷風を当てるのがポイントです。また、冷風を当てることで髪の表面が整い、まとまりやツヤ感が出やすくなります。髪や頭皮への負担を最小限に抑えながら寝癖を直せ、髪型をセットするときにも応用できるでしょう。
寝癖を防ぐことは、朝の準備時間を短縮できるだけではなく、髪と頭皮を守ることにもつながります。今日から取り入れられる予防法を実践し、薄毛のリスクを最小限に抑えましょう。
薄毛を防ぐための寝癖の予防法は、以下のとおりです。
ここでは、上記5つの寝癖の予防法について、それぞれ解説します。
寝癖を予防する方法の一つとして、入浴後は髪の根元から完全に乾かすことが挙げられます。入浴後の髪はデリケートな状態にあるため、軽くタオルドライをしたあとはすぐにドライヤーで頭皮の根元から乾かしましょう。 髪が乾いていない状態で寝てしまうと、寝癖の原因となるだけではなく、湿った頭皮に雑菌が繁殖しやすくなり、炎症や抜け毛などのトラブルを招く恐れがあります。完全に髪を乾かしきることが大切です。
通気性の良い寝具を使って寝汗の発生を抑えることも大切です。寝ている間の頭皮の蒸れは地肌をベタつかせる原因になるため、寝汗をかきにくい快適な環境を整えることで、清潔な頭皮を保ちやすくなります。 また、寝汗による不快感が減ることで、十分な睡眠を取れるようになり、健やかな毛髪環境の維持に役立つ可能性があります。寝ている間に成長ホルモンが分泌されると、毛髪を含む組織の修復を支える働きがあります。
厚生労働省によると、成人に必要な睡眠時間は、1日少なくとも6時間であるとされています。通気性の良い寝具で寝汗を抑えることで、十分な睡眠を確保し、薄毛を防ぎましょう。
参考:厚生労働省「良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと」
髪と頭皮を守りながら寝癖を予防するには、定期的なトリートメントで髪のダメージを補修することも大切です。ダメージを受けて細くなった髪は、コシがなく寝癖がつきやすいため、トリートメントで内部の栄養を補いながら保護しましょう。 髪への丁寧なダメージケアでハリとコシが戻ると、寝ている間に圧力がかかっても寝癖がつきにくくなり、つむじ周りのボリュームダウンを予防できます。
寝癖を予防するためには、枕選びも大切です。枕の高さや形、大きさが合っていないと、寝返りが多くなり、髪の摩擦が増えてしまいます。 自分に合った枕を選ぶポイントは、以下の4つです。
枕が高すぎたり低すぎたりすると、首や肩への負担が増える可能性があります。体格や好み、仰向けや横向きなど寝方によっても最適な枕は異なるため、自分がリラックスできる高さかどうかを確認し、髪と頭皮に優しい睡眠環境を整えましょう。
髪の摩擦軽減やまとまりの改善を期待する場合、ナイトキャップを使うのも一つの方法です。ナイトキャップとは就寝時に被る帽子のことで、ヘアケアグッズの一つです。 特にシルク素材でできているものは髪との摩擦が起きにくく、保湿性が高いとされています。頭皮や髪の乾燥を防いで翌朝の髪がまとまりやすくなるため、スタイリングの時短にもなるでしょう。
寝癖対策をしても地肌の透けが改善しない場合には、AGA(男性型脱毛症)が進行している可能性があります。AGAは放置すると徐々に髪の毛が細く短くなっていく進行性の脱毛症です。早期治療により、進行の抑制を目指すことが可能です。寝癖が直りにくくなったり、髪の毛の状態に少しでも不安を感じたら、早めに医師に相談しましょう。
最後に、はげと寝癖に関するよくある質問をまとめました。ぜひ、自分の状態と照らし合わせて確認してみてください。
起床時の抜け毛が多いのは寝癖のせいですか?
健康な人でも1日100本程度の髪の毛は自然に抜けるため、起床して枕を見たときに数本の抜け毛があったとしても異常な状態ではありません。しかし、抜け毛の量が明らかに増えていたり、細く短い毛が目立っていたりするという場合は、頭皮環境の悪化や薄毛が進行している可能性が考えられます。
自然な抜け毛の範囲を超えた状態が数週間続いたり、つむじの地肌が目立ってきたと感じている場合は、一度クリニックで医師の診察をご検討ください。
寝癖がつかなくなったのは薄毛の兆候ですか?
寝癖がつかなくなる原因はヘアダメージや加齢、毛髪量、スタイリングなどさまざまあります。そのため、寝癖がつかなくなった場合、AGAの可能性もありますが、それだけで判断することはできません。髪の状態を日常的に確認し、必要であれば早めに医師に相談しましょう。
寝癖がひどいのははげ(AGA)が進行しているサインですか?
寝癖がひどいこと自体はAGAの進行サインにはなりません。髪にハリ・コシがあるほど寝癖はつきやすいため、寝癖がひどい状態は髪が健康である可能性もあります。むしろ、以前より寝癖がつかなくなってきたと感じる場合は、髪が細く柔らかくなる軟毛化のサインかもしれません。気になる変化が続く場合は、早めに医師への相談をご検討ください。
寝癖は直接はげの原因になりませんが、寝癖がつく環境を放置すると、頭皮環境が悪化し、脂漏性皮膚炎などを起こしやすくなる可能性があります。特に髪が濡れたまま寝ることや、寝汗による頭皮の蒸れ、髪のダメージ蓄積などは、寝癖の原因となると同時に頭皮トラブルにもつながります。
寝癖と薄毛(つむじはげ)の見分け方としては、髪を濡らしてみて状態が改善するかどうか、地肌が透けて見える範囲の形状、髪の太さや長さを確認するなどの方法があります。朝の寝癖は、根元から霧吹きで十分に湿らせ、ドライヤーで根元から乾かし、冷風で固定するという方法で直しましょう。
薄毛予防のためには、入浴後は髪を完全に乾かすことや、通気性の良い寝具の使用、定期的なトリートメント、自分に合った枕を選ぶことなどの対策を取ることが大切です。セルフケアで改善が見られない場合は、AGAの可能性も考慮し、早めに医師に相談しましょう。
厚生労働省「睡眠」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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