更新日:2026年03月30日
M字はげの治し方や治療薬が分からず、悩んでいる方もいるかもしれません。M字はげとは前髪の生え際がM字型になる脱毛パターンで、主として男性に現れる症状です。AGAによるM字はげは進行すると広範囲になりますが、早期に治療を行えば進行を遅らせたり、症状を改善したりできる可能性もあります。本記事では、M字はげの原因や治療法、自宅でできるケアなどを紹介するので、対策を知りたい方は参考にしてみてください。
M字はげは、額の両サイドから髪の毛が後退していき、前髪の生え際がM字型になる脱毛パターンです。男性によくみられる症状で、若い年齢で始まることもあれば、年齢を重ねてから現れることもあります。

M字はげに明確な基準はありませんが、耳の上部から頭頂部に向かって引いたラインと生え際のラインが2cm以内になっている場合はM字はげが疑われます。また、数年前の自分の写真と比べたときに、生え際が後退しているように感じた際も、進行のサインになるかもしれません。
M字はげの予兆には、以下のような例があります。
シャンプー時の抜け毛が増えた、ドライヤー後に抜け毛が多く落ちている、といった変化には注意が必要です。また、毛が細くなったり脆くなったりという毛質の変化も、今後M字はげや薄毛を引き起こす予兆の可能性があるでしょう。
そのほか、おでこが広くなってきたと感じる方は、生え際が後退しM字はげが起きている可能性があります。正面から鏡を見ているだけでは気づけないこともあるので、定期的に横から見た生え際も観察し、予兆がないか確認することをおすすめします。
なお、M字はげが進行すると前頭部全体の髪が薄くなり、最終的には頭頂部の薄毛とつながって広範囲のはげとなることがあります。
生え際の確認方法については、「生え際は正常?後退は勘違い?見分け方や後退する原因・対策について解説」で解説しているので参考にしてみてください。
M字はげを含むAGA(男性型脱毛症)の進行度を確認する指標として、ハミルトン・ノーウッド分類があります。ハミルトン・ノーウッド分類では、左右の生え際の後退が見られる薄毛のタイプを1型〜7型で分類します。自身の生え際が2型や3型に該当していないか、あるいは進行していないか確認することで、M字はげかどうかのセルフチェックができます。
ハミルトン・ノーウッド分類の詳細は以下のとおりです。
なお、ハミルトン・ノーウッド分類は欧米の男性を分析したもので、現在日本では、欧米で主流であるハミルトン・ノーウッド分類に、「高島分類」を組み合わせた方法が一般的に用いられています。

| 段階 | 特徴 |
|---|---|
| 1型 | ほとんど後退していない、あるいはわずかな後退のみの状態 |
| 2型 | 1型に比べて生え際の薄毛が進行しており、見た目の変化が起こり始める状態 |
| 2型 vertex | 2型に加えて頭頂部の薄毛がO型に進行し始めている状態 |
| 2a型 | 2型に加えて前頭部の薄毛が進行している状態 |
| 3型 | 生え際の薄毛が進行してM字型になっており、AGAを認識できる状態 |

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
| 3型 vertex | 3型に加えて頭頂部の薄毛がO型に進行し、目立ち始めている状態 |
| 3a型 | 3型に加えて前頭部の薄毛が進行し、M字の状態が顕著で全体的な毛量が減少している状態 |
| 4型 | 生え際が後退するのに加えて、頭頂部がO型に薄毛となっている状態 |
| 4a型 | 3a型に加えて前頭部の薄毛が進行し、M字の中央部分に残っていた髪も薄くなっている状態 |
| 5型 | 生え際の後退がさらに進み、頭頂部の薄毛も進行して頭皮が完全に露出し始める状態 |
| 5a型 | 4a型よりも前頭部の薄毛が進行し、頭頂部の薄毛も進行している状態 |
| 6型 | 生え際から頭頂部にかけて頭皮が露出している状態 |
| 7型 | 頭頂部の露出がさらに進行し、側頭部と後頭部だけに髪が残っている状態 |
自分の状態がどの段階に当てはまるかを確認することで、治療の緊急性や適切な対策方法を判断する目安になります。ただし、自己判断だけで結論を出さず、最終的な判断は医師の診察を受けたうえで行いましょう。
オンライン診療の場合は、自宅や希望の場所で診察を受けられます。プライバシーを重視したい方にも適しているので、検討してみてください。

治療は早く始めたほうが進行の抑制や改善を見込めるので、少しでも気になった段階で相談するのがおすすめです。M字はげが進んでから相談するより、早めに受診したほうが治療の選択肢も広がります。通院に抵抗感がある方は、オンライン診療で相談するのもおすすめです。
M字はげになる主な原因には、AGA(男性型脱毛症)や牽引性脱毛症があります。AGAは男性ホルモンの影響による進行性の脱毛症です。
一方、牽引性脱毛症は、きつい髪型を長期間続けることで頭皮に負担がかかり、髪が抜けやすくなることで起こります。この項では、AGAと牽引性脱毛症について解説するので、仕組みや原因を把握するための参考にしてみてください。
M字はげの一般的な原因はAGA(男性型脱毛症)です。AGAは男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素の働きによってDHT(ジヒドロテストステロン)へ変換され、受容体と結合することで発症します。DHTが頭頂部と前頭部の毛母細胞にある受容体と結合すると、ヘアサイクルの成長期が短縮され、薄毛を引き起こすのです。

AGAには遺伝的な要因が関係するといわれており、薄毛の進行スピードや現れ方には個人差があります。そのため、AGAは必ずしもM字はげから始まるとは限りません。特定の部位だけで自己判断せずに、医師の診察を受けて原因や進行状況を判断してもらうことが大切です。
M字はげのもう一つの原因として、牽引性(けんいんせい)脱毛症が挙げられます。これは、髪の毛を引っ張る力が継続的に加わることで起こる脱毛症です。一見するとAGAと似た症状を示すことがあるため、混同されやすい傾向があります。
たとえば、ゴムで髪の毛が引っ張られると頭皮に負担がかかり、抜け毛や切れ毛の原因となる可能性があります。また、髪を強く引っ張るヘアスタイルを長期間続けると、血行不良によって脱毛につながる場合もあるようです。
牽引性脱毛症はAGAと違い、原因となる負担を取り除けば改善する可能性があります。
AGAによるM字はげの治療法としては、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどの薬の服用が選択肢となります。また、牽引性脱毛症が原因の場合は、頭皮への負担が少ないヘアスタイルにすることが対策の一つです。自分に合った治療法を選ぶためには、医師の診察を経て提案を受けることが望ましいでしょう。
AGAが原因のM字はげには、科学的に効果が認められた薬による治療が基本となります。主に用いられる薬は以下の3種類です。
| 主な治療薬 | 期待される効果 | 起こりうる副作用 |
|---|---|---|
| フィナステリド(内服薬) | 5αリダクターゼ2型を阻害し抜抜け毛を予防 | 性欲減退や勃起不全など |
| デュタステリド(内服薬) | 5αリダクターゼ1型・2型の両方を阻害し抜け毛を予防 | 性欲減退や勃起不全など |
| ミノキシジル(外用薬) | 血流を改善して毛根に酸素や栄養を届きやすくし、発毛を促進する | 頭皮のかゆみや赤みなど |
フィナステリドは、5αリダクターゼ2型という酵素を阻害する働きを持つ内服薬です。フィナステリドによってDHTの生成を抑制し、乱れたヘアサイクルが正常化することで、抜け毛の増加が抑制されます。
フィナステリドの効果が現れるまでには、半年〜1年間を目安とした継続的な服用が必要です。また、効果が実感できるまでの時期や程度には個人差があります。
なお、フィナステリドは男性ホルモンに作用するので、性機能に関する副作用が生じる可能性があります。具体的には、性欲減退や勃起不全、射精障害といった症状です。
デュタステリドは、フィナステリドよりも作用範囲が広い内服薬です。デュタステリドは5αリダクターゼの1型と2型の両方を阻害します。
頭部において、5αリダクターゼ1型は側頭部や後頭部に多く、5αリダクターゼ2型は前頭部と頭頂部に多いとされています。そのため、デュタステリドのほうがより広範囲に作用することが期待できるでしょう。
なお、デュタステリドも半年〜1年間を目安とした継続的な服用が必要で、効果が現れる時期や程度には個人差があります。また、フィナステリドと同様に性機能に関する副作用が現れる可能性もあります。
ミノキシジルはもともと血圧を下げる薬として開発されましたが、副作用として多毛症が確認されたことから、AGA治療に使われるようになりました。
ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、外用薬は日本では第1類医薬品として市販されています。内服薬は2025年1月時点では日本国内で未承認の薬で、あくまで専門医の管理下のもと行われる適応外使用である点に留意しましょう。
外用薬と内服薬の特徴を以下にまとめました。
| 薬のタイプ | 期待される効果 | 起こり得る副作用 |
|---|---|---|
| 外用薬 | 頭皮に直接塗布することで、毛包周囲の血流を改善し、発毛を促す | 適用部位のかゆみやかぶれなど |
| 内服薬 | 血管拡張作用により頭皮の血流を改善し、発毛を促す | 多毛症やめまい、血圧低下など |
ミノキシジルは高血圧の治療薬として開発されたことから、血圧が不安定な方や心臓疾患のある方は副作用のリスクに注意が必要です。特に、内服薬を使用する際は医師の指示を仰ぐことが大切といえます。
牽引性脱毛症が原因でM字はげになっている場合は、頭皮への負担を減らすことが大切です。前髪を常に立ち上げるようなワックススタイルや、きつめに結ぶスタイルは推奨されません。
そのほか、髪を結ぶ際はゆるめに結んだり、日によって結ぶ位置を変えるのもおすすめです。また、髪を結ぶ時間を減らすことや、結ばなくて済むようなヘアスタイルに変えるのも良いでしょう。
牽引性脱毛症は原因を取り除くことで改善する可能性もありますが、長期間にわたって頭皮に負担がかかっていると完全に元に戻らないこともあります。そのような場合は医療機関を受診し、専門的なアドバイスを受けましょう。
牽引性脱毛症の予防・改善方法については「髪を結ぶとはげるって本当?主な原因となる牽引性脱毛症について解説」で解説しているので、こちらも併せてご覧ください。
M字はげが著しく進行し、薬物治療や生活習慣の改善だけでは効果が期待できない場合は、植毛などの外科的治療が選択肢となります。自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい部位から、自分の毛髪を皮膚組織ごと移植する方法です。自分自身の毛髪を使用するため拒絶反応の心配が少なく、自然な仕上がりが期待できます。
ただし、費用が高額なことや、ドナー部位(毛髪を採取する部位)に限りがあることがデメリットです。
自毛植毛のほかに人工毛を用いるヘアインプラントという方法もありますが、安全性に関する根拠が不十分のため、AGAの診療ガイドラインでは原則として行うべきではないとされています。
外科的治療を検討する場合は、実績のある医師や医療機関を選び、十分なカウンセリングを受けることが大切です。
M字はげが気になるときのセルフケアとして、生活習慣の見直しや正しいやり方でのシャンプーなどが挙げられます。セルフケアのみでM字はげが改善するわけではありませんが、髪や頭皮への影響を避けるために、治療と並行して生活習慣や洗髪方法の見直しも行いましょう。
M字はげの悪化を防ぐには、食事や睡眠といった生活習慣の見直しも大切です。生活習慣の乱れはホルモンバランスの乱れや血行不良、栄養不足など、髪の健康にさまざまな影響を及ぼします。
また、過度なストレスは自律神経の乱れや血行不良を引き起こし、抜け毛を助長する要因となる可能性があります。
十分な睡眠時間を確保し、適度な運動やリラックスできる時間を取り入れることで、ストレスを溜め込みにくい生活を意識しましょう。
シャンプーを正しく行うと、頭皮環境を整えることに役立ちます。なお、髪の汚れや雑菌が枕に付着するのを避けるために、シャンプーは夜に行いましょう。
正しいシャンプーのやり方は以下のとおりです。
| 薬のタイプ | 期待される効果 | 起こり得る副作用 |
|---|---|---|
| 外用薬 | 頭皮に直接塗布することで、毛包周囲の血流を改善し、発毛を促す | 適用部位のかゆみやかぶれなど |
| 内服薬 | 血管拡張作用により頭皮の血流を改善し、発毛を促す | 多毛症やめまい、血圧低下など |
シャンプーは爪を立てたり強くこすったりすると、頭皮を傷つける原因となります。特に前頭部(M字部分)は優しく洗うことを心がけましょう。
さらに、シャンプーの選び方も大事なポイントです。刺激の強い成分が含まれているものは避け、アミノ酸系などの頭皮に優しいシャンプーを選ぶことをおすすめします。
また、過剰な洗髪は必要な皮脂まで奪い、頭皮バランスを崩す可能性があります。一般的には1日1回程度が適切とされていますが、個人の頭皮状態や生活環境によって調整しましょう。

M字はげの悪化を防ぐには、日ごろのセルフケアも大切です。正しい洗髪方法や生活習慣の見直しを心がけることで、髪や頭皮の状態がさらに悪化するのを防げる可能性があります。
M字はげは額の両サイドから髪の毛が後退し、前髪の生え際がM字型になる脱毛パターンです。M字はげが気になる場合は、医師の診察を受けて原因を判断してもらいましょう。AGAが原因の場合は、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった薬による治療が基本となります。
一方、牽引性脱毛症が原因の場合は、きつめに結ぶヘアスタイルを避けるなど頭皮への負担を減らすことが対策となります。
AGAによるM字はげは進行すると前頭部全体の髪が薄くなり、最終的には広範囲のはげになることがあるため、早期発見・早期治療が大切です。症状が進行し過ぎた場合には、自毛植毛などの外科的治療も選択肢として検討できますが、まずは早めに専門医に相談して自分に合った対策をとることをおすすめします。