更新日:2026年08月18日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
まだ若いのに髪が薄くなってきた、と不安を感じて対策を調べている方は少なくありません。10〜20代から起こる若ハゲ(若年性脱毛症)の多くは進行性のAGAが原因で、放置すると徐々に進みます。この記事では、若ハゲの前兆や特徴、進行度のセルフチェック、原因、治療薬や髪型での対処法を紹介します。
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若ハゲとは、一般的に10〜20代の若い年代から始まる薄毛を指す呼び方です。医学的には若年性脱毛症とも呼ばれ、その多くは進行性のAGA(男性型脱毛症)が関係しています。わかはげ・若禿などと表記されることもありますが、いずれも同じ状態を指します。
若ハゲの主な前兆は、生え際や頭頂部の変化と抜け毛の増加です。健康な人でも髪は1日に50〜100本ほど自然に抜けますが、この範囲を超えて抜け毛が増えたり、細く短い毛が目立ってきたりした場合は、薄毛が進み始めているサインかもしれません。 若ハゲで見られる主な前兆は次のとおりです。
つむじや頭頂部は自分では気づきにくいため、合わせ鏡を使うか、上から写真を撮って確認するとわかりやすくなります。生え際の後退もゆっくり進むので、過去の写真と見比べると違いに気づきやすいでしょう。こうした変化は突然ではなく前兆として現れるため、早期発見と早めの対策につなげる鍵になります。

若ハゲの進行度合いを客観的に判断するための指標として、ハミルトン・ノーウッド分類+高島分類があります。これは男性型脱毛症(AGA)の進行度を段階的に示す国際的な基準で、どこまで薄毛が進行しているかを見た目で判断できる指標です。 このスケールでは、生え際(M字)と頭頂部の後退・薄毛の進み具合を7つの段階で分類しています。
| 段階 | 特徴 |
|---|---|
| I型 | 生え際の後退がほぼ見られない正常な状態 |
| II型 | こめかみや額など生え際の毛がわずかに後退し、額に軽いM字が現れ始めた状態 |
| III型 | こめかみや額など生え際の毛がさらに後退し、M字はげが目立つようになる状態 |
| IV型 | M字の中心部の毛と頭頂部の毛が薄くなり始めた状態 |
| V型 | M字の中心部と頭頂部の薄毛がさらに広がる状態 |
| VI型 | 額が広がる形で脱毛が進行し、頭頂部の脱毛箇所と一体化するほど薄毛が進行する状態 |
| VII型 | 側頭部と後頭部の髪を残して、それ以外の箇所はほぼ脱毛してしまう状態 |
一般的に、I型からII型の段階では経過観察や予防的なケアが中心となりますが、III型以上になるとAGAが進行している可能性があり、早期の医療的対応が推奨されます。薬物治療だけでは効果が限定的な場合は、植毛などの治療が選択肢となることもあります。 AGAは放置すればするほど進行するため、早期に治療を始めることが大切です。早い段階での介入ほど治療の効果が出やすい傾向があるため、少しでも若ハゲの疑いがあるのなら早めに医師に相談しましょう。
参考:National Library of Medicine「Classifications of Patterned Hair Loss: A Review」

若ハゲに悩んで相談に来られる方は少なくありません。少しでも気になることがあれば、オンライン診療でも相談できますので、気軽に医師へ相談してみてください。
若ハゲの主な原因は、AGA(男性型脱毛症)です。AGAは遺伝的な体質と男性ホルモンの影響で起こる進行性の脱毛症で、若い年代でも発症します。食生活やストレスなどの生活習慣は薄毛の直接の原因ではないものの、間接的に関わる場合があります。若ハゲの原因を、直接的なものと間接的なものに分けて紹介します。
若ハゲの直接的な原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの働きです。体内では男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素の作用でDHTに変換されます。 このDHTが毛根の毛母細胞に作用すると、髪が太く育つ前に抜けやすくなり、ヘアサイクルの成長期が短くなります。その結果、細く短い毛が増え、薄毛が目立つようになっていきます。 また、5αリダクターゼの働きやすさには遺伝的な体質が関係するとされ、家族に薄毛の人がいる場合は若い年代でもAGAを発症することがあります。
生活習慣やストレスは若ハゲの直接の原因ではありませんが、頭皮環境を通じて間接的に関わる可能性があります。
食事の乱れや睡眠不足、過度なストレスが髪に直接作用してAGAを進行させるという明確な根拠はありませんが、栄養バランスや睡眠は健やかな髪を育てる土台になるため、整えておくにこしたことはありません。 生活習慣の改善だけで若ハゲの進行を止めるのは難しいため、あくまでも医学的根拠のある治療がメインです。生活習慣の見直しは、治療の補助と位置づけましょう。

若ハゲの原因がAGAの場合、基本となるのは治療薬を使った治療です。AGAは進行性のため放置すると薄毛が進みますが、早めに治療を始めるほど現存する髪を維持しやすくなります。
医療機関での治療内容や治療薬を中心に、当面のカバー方法や生活習慣のポイントを解説します。
若ハゲのAGA治療は、医療機関で診察を受けて処方薬を使うのが基本です。20歳以上であれば、AGAの薬物治療を受けられます。医師が症状や進行度、既往歴、体質などを確認したうえで、一人ひとりに合った薬を処方します。 AGA治療では血液検査が必須とは限らず、問診や視診を中心に診断が行われます。健康診断の結果があれば、より安全に処方の判断ができるでしょう。 オンライン診療では、スマホやPCのカメラ付きビデオ通話で医師の診察を受け、薬を配送してもらえます。効果の実感には時間がかかり、治療は最低でも半年〜1年は続けるのが目安です。次の章から、AGA治療に使われる主な薬を紹介します。

フィナステリドは、AGAの進行を抑える内服薬です。前頭部や頭頂部に多い5αリダクターゼII型を阻害し、DHTの生成を抑えることで抜け毛や薄毛の進行を防ぎます。発毛を促す働きは限定的ですが、抜け毛を抑えて現状を維持することが期待できます。 効果の実感には個人差がありますが、服用開始から3ヶ月ほどで抜け毛の減少、6ヶ月ほどで髪のハリやコシの変化を感じる方が多い傾向です。 主な副作用には、肝機能障害(頻度不明)、性欲減退(1〜5%未満)・勃起機能障害(1%未満)・精子減少(1%未満)などの性機能障害、抑うつ症状(頻度不明)があります。 ひと月あたりの費用の相場は、後発医薬品(ジェネリック)で3千円〜5千円、先発のプロペシアで6千円〜1万円ほどです。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「プロペシア錠 添付文書」

デュタステリドは、フィナステリドと同じくDHTの生成を抑えてAGAの進行を抑える内服薬です。フィナステリドと違って5αリダクターゼI型とII型の両方を阻害します。抜け毛を抑える働きに加え、発毛を促す効果も一定あるとされています。 効果の実感までの期間はフィナステリドと同様で、服用開始から3ヶ月ほどで抜け毛の減少、6ヶ月ほどで髪質の変化を感じる傾向です。 主な副作用には、肝機能障害(頻度不明)、性欲減退(1%以上)・勃起機能障害(1%以上)・精子減少(1%以上)などの性機能障害、抑うつ症状(1%未満)があります。 ひと月あたりの費用の相場は、後発医薬品で5千円〜8千円、先発のザガーロで9千円〜1万1千円ほどです。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ザガーロカプセル 添付文書」

ミノキシジルは、発毛を促す働きが期待できる薬です。血管を広げて毛根周辺の血流を促し、毛包に働きかけてヘアサイクルの成長期を延ばすと考えられています。DHTの生成を抑える働きはないため、フィナステリドやデュタステリドと併用されることが多い薬です。 効果の実感には個人差がありますが、4ヶ月〜6ヶ月ほどの継続が目安とされています。 外用薬の主な副作用には、頭皮や皮膚のかゆみ・赤み、ふけ、使用部位の熱感などがあります。
ひと月あたりの費用の相場は、外用薬で5千円〜1万円ほどです。 なお、国内で承認されているのは外用薬で、2026年6月時点でミノキシジルの内服薬は国内未承認です。内服薬を扱う場合は、個人輸入した薬ではなく、医師の処方と管理のもとで使用しましょう。
参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
ここでは、若ハゲに関するよくある質問をまとめました。Q&A形式で回答するので、ぜひご覧ください。
若ハゲは何歳ごろから起こりますか?
若ハゲは、高校生など10代で気になり始める方もいます。発症には個人差があり、家族に薄毛の人がいる場合は若い年代で症状が出ることもあります。気になる症状があれば、年齢に関わらず医師に相談しましょう。
育毛剤や育毛シャンプーで若ハゲは改善できますか?
育毛剤や育毛シャンプーに、発毛やAGAの原因を抑える働きはありません。これらは頭皮環境を整える作用にとどまり、AGAが原因の若ハゲの進行を止めるのは困難です。改善を目指す場合は、治療薬による治療を基本に検討しましょう。
若ハゲのAGA治療は何歳から受けられますか?
AGA治療薬による治療は、レバクリを通じた診療を含めて一般的に20歳以上が対象です。10代は対象外となるのが基本のため、まずは医師に相談してください。
若ハゲ(若年性脱毛症)は10〜20代でも起こり、その多くは進行性のAGAが原因です。主な前兆は生え際(M字)の後退やつむじの透け、細く短い毛や抜け毛の増加で、ハミルトン・ノーウッド分類と高島分類で進行度の目安を確認できます。直接の原因は男性ホルモンのDHTと遺伝的な体質で、生活習慣やストレスは間接的に関わる要因です。
治療はフィナステリドやデュタステリドで進行を抑え、ミノキシジルで発毛を促すのが基本で、最低でも半年〜1年の継続が目安となります。髪型での対処はあくまで一時的なカバーのため、根本的には早めに治療を始めることが大切です。若ハゲが気になる場合は、髪型や市販品だけで様子を見ず、早めに医師へ相談することを検討してみましょう。
National Library of Medicine「Classifications of Patterned Hair Loss: A Review」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「プロペシア錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ザガーロカプセル 添付文書」 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のAGA治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
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若ハゲは、20歳から治療を開始できます。また、AGAは進行性のため、市販品だけで様子を見る前に一度医師への相談を検討してください。なお、フィナステリドやデュタステリドは妊活中の方への処方は原則行いません。女性や子どもが成分に触れることも避ける必要があるため、薬の保管にも注意してください。
治療で進行を抑えながら、髪型を工夫すれば若ハゲを目立たなくできます。髪型はあくまで見た目の印象を整える当面の対処で、AGAそのものを治す方法ではありませんが、ストレスの軽減に役立つかもしれません。若ハゲを目立たなくしたいときに取り入れやすい髪型のポイントは次のとおりです。
ソフトモヒカンやショートレイヤー、ベリーショートなどは、薄毛が気になり始めた方でも取り入れやすいスタイルです。髪を長く伸ばして隠そうとすると、かえって薄い部分との差が目立ちやすくなります。 髪型で印象を整えつつ、根本的な対策としては早めに治療を始めることが大切です。

生活習慣や頭皮ケアは、治療を支える土台として取り入れましょう。セルフケアは若ハゲを直接改善するものではありませんが、髪が育ちやすい環境を整えるサポートになります。 意識したいポイントは次の3つです。
育毛剤や育毛シャンプーには発毛やAGAの原因を抑える働きはなく、あくまで頭皮環境を整えるためのものです。治療をベースに、並行してセルフケアにも取り組みましょう。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」