更新日:2026年05月19日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)

「つむじはげが気になる」と悩み、治し方を知りたいと考えている方もいるのではないでしょうか。つむじはげの主な原因として、AGA(男性型脱毛症)の進行が挙げられます。自力で改善することは難しいため、医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。
本記事では、つむじはげを見分ける基準や原因、治療法を解説します。悪化させないための対策や目立たなくする方法にも触れていますので、ぜひご覧ください。
つむじはげかどうかを判断する際は、鏡や写真を使って客観的に観察することが大切です。自身では判断が難しい場合もありますが、以下のポイントを確認すると、薄毛の進行度合いを把握しやすいでしょう。
つむじ周りの頭皮が以前よりも広範囲に透けて見える場合、つむじはげが発症している可能性があります。一般的なつむじは、髪の毛が渦を巻いている中心部分だけが小さく見えますが、つむじはげは中心から放射状に頭皮の露出が広がる傾向がみられます。
鏡を2枚合わせて使ったり、スマートフォンのカメラでつむじ部分を撮影したりする方法で、セルフチェックが可能です。分け目の頭皮部分と比較し、髪の毛がつむじを中心に放射状に広がっているかどうか、つむじ周りの肌がより目立っていないか確認しましょう。地肌の露出面積が大きくなっている場合は、早めの対策を検討するのがおすすめです。
つむじはげが進行すると、髪の毛一本一本が細く柔らかくなる「軟毛化」という現象が起こります。抜け毛を観察したときに、太くて長い毛よりも、細くて短い毛が目立つ場合は注意が必要です。髪の成長が途中で止まり、十分に育たないまま抜けている可能性があります。
また、髪全体のボリュームが低下すると、髪の重なりが減り、つむじ周りの地肌が透けて目立ちやすくなります。以前に比べてヘアセットが決まりにくくなったり、髪にハリやコシがなくなったりしたと感じるのも、薄毛のサインといえるでしょう。
頭皮環境の悪化は、髪の成長を阻害し、薄毛の進行を加速させる要因になり得ます。たとえば、過剰な皮脂によるベタつきや、乾燥によるフケ、赤みなどの炎症を放置すると、毛穴の詰まりや血行不良を招くリスクが高まります。つむじ部分の薄毛が気になったら、頭頂部に頭皮トラブルがないか確認することが大切です。
清潔な頭皮環境を保つことは、健康な髪を育てるための土台作りになります。頭皮にベタつきや乾燥がある場合は、日々のケアを見直す必要があります。また、通常の状態と異なるフケや赤み、かゆみなどの異常がある場合には、必要に応じて医療機関を受診することも大切です。

頭皮や髪を自身でチェックし、以前と比べて地肌が広く透けて見えたり、髪のコシがなくなったりした場合は薄毛のサインである可能性があります。また、頭皮のベタつきやフケ、炎症も頭皮環境の悪化を示しているため注意しましょう。
つむじはげの原因にはさまざまなものがあり、複数の要因が重なって薄毛が起こる場合も考えられます。間接的な要因も含め、それぞれ確認していきましょう。
つむじはげが起こる代表的な原因が、AGA(男性型脱毛症)の進行です。男性ホルモンの一種であるテストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素と結合すると、DHTが生成されます。
DHTは、毛根にある受容体と結合して脱毛因子を生成し、ヘアサイクル(毛周期)の乱れを招きます。これにより、通常は2~6年ほどあるはずの成長期が数ヶ月~1年に短くなるため、髪が太く長く成長する前に抜けてしまうのが特徴です。こうしたAGAによる薄毛は、生え際やつむじ周りで進行するのが一般的なパターンとされています。

AGAの発症には、遺伝による体質的な要因も関わっています。DHTを生成する「5αリダクターゼの活性度」や「(男性ホルモンを受け取る)受容体の感受性の高さ」などは親族から引き継がれやすく、これらが高い場合はAGAを引き起こしやすい傾向があります。
親や祖父母などの親族に薄毛の方がいる場合には、自身も発症する可能性を考慮しておきましょう。ただし、遺伝的要因があるからといって必ずしも薄毛になるわけではありません。
あらかじめ自身の遺伝的なリスクを知っておくことで、自分に合った適切な対策を早期に立てやすくなります。AGAは進行性の脱毛症なので、早めに医療機関を受診し、専門的な治療を行うのが望ましいといえます。
ストレスは薄毛の直接的な原因ではありませんが、過度なストレス状態が続くと、間接的に髪や頭皮の健康に影響を与える可能性があります。ストレスで自律神経のバランスが崩れ、血管が収縮して血行が悪くなることで、頭皮へ十分な栄養が届きにくくなることがあるためです。これにより、つむじはげの症状が現れる可能性があります。
また、ストレスは睡眠の質を低下させる要因にもなります。睡眠不足になると、髪の成長に欠かせない成長ホルモンの分泌が抑えられてしまうからです。このように、ストレスは髪の成長に間接的に影響する可能性があり、つむじ周りの薄毛にも関係するケースがあります。
栄養不足や睡眠不足といった生活習慣の乱れは、つむじはげの直接的な原因ではないものの、髪の成長に必要なエネルギーが不足することで、間接的に影響を与えることはあります。髪の主成分であるタンパク質や代謝を助けるビタミン、ミネラルが欠乏すると、新しい髪を作るためのエネルギーが不足し、髪が細くなったり抜けやすくなったりするケースがあるからです。また、毛根のダメージを修復し、髪が成長するためには、深い睡眠をとって成長ホルモンを分泌することが必要です。不規則な生活が続いて睡眠不足になると、ホルモン分泌がうまく行えないため、髪の成長に影響する可能性があるでしょう。
つむじはげが気になり始めると、まずは生活リズムを整えたり、ヘアケアを丁寧に行ったりして自力で改善しようとする方もいるかもしれません。しかし、医学的な治療を受けずにつむじはげを改善することは難しいといえます。
特に、つむじはげの直接的な原因の一つであるAGAは進行性の脱毛症であるため、食生活や睡眠を整えるなどのセルフケアは頭皮環境を整えるサポートにはなるものの、根本的な解決にはなりません。つむじはげの改善を目指すには、医療機関で適切な治療を受けることが大切です。

進行性疾患であるAGAを自力で改善することは困難です。AGAによるつむじはげを改善するためには、医療機関を受診し、医師のもとで適切な治療を受けましょう。
つむじはげを改善する方法には、主に内服薬と外用薬を使った治療法があります。内服薬と外用薬を併用した治療も可能です。
つむじはげの原因がAGAの場合、進行を抑えるためにはフィナステリドやデュタステリドといった内服薬の服用が不可欠といえます。AGA治療薬の代表的な成分であるフィナステリドやデュタステリドは、薄毛の原因となるDHTを作る5αリダクターゼという酵素を阻害する働きがあります。フィナステリドとデュタステリドの作用メカニズムは以下の図のとおりです。

フィナステリドやデュタステリドの服用により、乱れたヘアサイクルを正常化させることが期待できます。
なお、フィナステリドやデュタステリドの服用を開始してから効果を実感するまでの期間には個人差があるものの、少なくとも6ヶ月程度の連日投与が必要であるとされています。まずは内服薬で抜け毛を減らし、現在の髪の状態を維持することが大切です。フィナステリドやデュタステリドの処方を受けるには医師の診察が必要になるため、専門医に相談しましょう。
AGAを原因とするつむじはげを改善する方法の一つとして、ミノキシジル外用薬を使用することも挙げられます。
ミノキシジルの作用機序は、完全には解明されていません。しかし、血管拡張作用により毛包周囲の血流を改善する作用があると考えられています。毛根に栄養や酸素が届きやすくなることで、発毛を促進する効果が期待できます。また、毛包に直接作用しヘアサイクルの成長期を延長する作用も考えられていることから、髪を太く長く育てるための大きな助けとなります。
ミノキシジル外用薬はフィナステリドやデュタステリドと併用することも可能です。内服薬で抜け毛を防ぎながら、外用薬で発毛をサポートするという両面からアプローチできます。
つむじはげの治療と並行してセルフケアを丁寧に行うことで、頭皮環境を改善するサポートになります。ここでは、つむじはげを悪化させないためにできることを紹介します。
ヘアケアによって頭皮を清潔に保つことは、つむじはげを悪化させないための間接的なサポートになるでしょう。適切な方法でシャンプーを行うことで、髪の毛への負担を抑えながら余分な皮脂を取り除き、頭皮を清潔に保てます。正しいシャンプーの方法は、以下の図のとおりです。

シャンプーは洗浄力が強すぎると頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまうため、低刺激なものを選ぶことがポイントになります。38℃前後のぬるま湯で予洗いをしっかり行ったら、シャンプーを手のひらで泡立ててから髪になじませ、指の腹を使って優しく洗うのがコツです。タオルで水分を優しく拭き取った後、ドライヤーを使って根元からしっかり乾かすようにしましょう。
髪の健康を支えるためには、生活習慣を整えることも大事です。栄養バランスの整った食事を心掛け、髪の材料となる栄養を摂取しましょう。特に、大豆製品や肉、魚に含まれる良質なタンパク質のほか、亜鉛やビタミンなどは意識して取りたい栄養素です。サプリメントを活用するのも一つの方法ですが、基本は食事からバランス良く摂取するのを目指すことが大切です。
また、睡眠の質を高めることも髪の健康につながります。質の良い睡眠のために必要なことは以下の図のとおりです。

心身をリラックスさせ、副交感神経を優位にすることで、スムーズな入眠を促します。寝室の環境や日中の活動、食事について意識しながら、睡眠の質を高めましょう。

AGAによってつむじはげを発症している場合、薄毛治療と並行して、日々のヘアケアや生活習慣の調整で頭皮環境を良くすることも大切です。つむじはげを悪化させないために、日常的に意識して取り組むことをおすすめします。
つむじはげの治療においては、期待する効果が現れるまでに時間がかかる場合もあります。その間、つむじはげを目立たなくする対策として、見た目の印象を変える工夫を取り入れてみましょう。
髪型を工夫することで、つむじ周りの露出を抑えることができます。たとえば、分け目を変えてトップの髪を重ねたり、ヘアセットでボリュームを出したりする方法があります。また、短髪にして全体の密度を均一に見せることで、つむじだけが目立つのを防ぐことも可能です。
美容師に髪型を相談する際は、「つむじの透けが気になるので、ボリュームが出るようにカットしてほしい」と伝えてみましょう。自身の髪質に合ったヘアスタイルを美容師の視点から提案してもらうのも良い方法です。
外出時や大切なイベントがある際の一時的な対応として、増毛パウダーやカラー付のスプレーを使う方法が考えられます。髪の毛一本一本に微細な粉末を付着させることで、地肌を隠し、髪を太く見せる効果が期待できるでしょう。
ただし、これらの成分が頭皮に残ってしまうと、毛穴が詰まって頭皮環境が悪化するおそれがあります。使用した日はシャンプーで丁寧に洗い流し、清潔な状態に保つことが大事です。増毛パウダーやスプレーは、つむじはげの治療効果が現れるまでの補助手段として使うのがおすすめです。
薄毛がつむじはげかどうか、判断できない方もいるかもしれません。ここでは、つむじはげに関するよくある質問をまとめました。
高校生もつむじはげになる?
若年層であっても、つむじ周りの薄毛に悩むケースはあります。この場合、主な原因としては遺伝的な要因が考えられるでしょう。思春期以降は男性ホルモンの分泌が活発になるため、高校生など早い段階でAGAの兆候が現れることもあります。
「まだ若いから大丈夫」と自己判断してそのままにせず、気になった時点で専門のクリニックを受診することをおすすめします。早い段階で医師に相談し、アドバイスをもらって適切に対応することで、不安を軽減できるでしょう。
つむじはげが思い込みかどうか見極める方法は?
実はつむじはげが思い込みであるパターンも少なくありません。もともとつむじが大きい方や、髪が細い方の場合、正常な状態でも地肌が見えやすいことがあります。また、つむじはげではなく、寝癖などでつむじ周辺の髪が分かれ、地肌が目立つ「つむじ割れ」が起こっている場合も考えられます。
つむじはげを見極めるためには、半年~1年ほど前に撮影した自身の頭頂部の写真と比較してみる方法があります。また、家族など周りの人に聞き、客観的な意見をもらうのも良いでしょう。明らかな変化がない場合は、深刻に考えすぎないことも大切です。
AGAが原因であるつむじはげを改善するには、医療機関での適切な治療が重要です。セルフケアのみで薄毛を改善することは難しいといえます。AGAは男性ホルモンや遺伝的要因で発症する脱毛症であるため、食生活や睡眠を整えるなどのセルフケアは頭皮環境を整えるサポートにはなるものの、根本的な解決にはなりません。
頭皮の透け具合や髪の軟毛化、頭皮環境の悪化といったサインに気づいたら、早めに対策をとることが重要です。
つむじはげの改善には、抜け毛を抑制するフィナステリドやデュタステリドなどの内服薬や、発毛を促進するミノキシジル外用薬などの治療法があります。あわせて、正しいシャンプーや生活習慣の改善を行い、頭皮を清潔に保つことで、髪の健康を間接的にサポートできます。つむじはげの自力での改善には限界があるため、専門医に相談し、自身に合った適切な治療を早期に始めることが重要です。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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