更新日:2023年12月22日
髪を早く伸ばす方法は?髪を早く伸ばす食べ物やシャンプーなどについて解説
- 髪を早く伸ばすためには、タンパク質、亜鉛、ビタミンなどをバランス良く摂取する
- 正しい方法で洗髪をすることや、自分に合ったシャンプーや育毛剤を選ぶことも重要
- 睡眠や運動など、日常生活を改善させることによっても髪の成長を促進できる
薄毛が気になっている方の中には、早く髪が伸びないかと悩まれている方も多いのではないでしょうか。髪を早く伸ばすためには、日常生活の中でケアしていくことが大切です。
本記事では、髪の毛を早く伸ばすためにはどうすればいいのかを解説します。日常生活で気軽にできることばかりなので、本記事を読んでぜひ試してみてください。
髪の毛を早く伸ばす方法
髪の毛を早く伸ばすには、髪の毛が成長する環境を整えると良いといわれています。特に、下記の3つが有効です。
- 髪を成長させる栄養を食べ物で摂取する
- ヘアケアで頭皮環境を整える
- 日常生活を見直し髪が成長しやすい体作りをする
これらの方法が髪を早く伸ばすことにつながるといえるでしょう。ここからは、髪の毛を早く伸ばす方法について詳しく解説していきます。
髪を早く伸ばす食べ物
髪の毛を早く伸ばすためには、バランスの良い食事を心がけることが大切です。以下の食べ物を積極的に摂っていきましょう。
タンパク質
髪の毛の約80〜85%はタンパク質で構成されています。そのため、髪の毛を早く伸ばすためにはタンパク質を摂取することが大切といえます。
厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると、タンパク質における12歳以上の男性の推定平均必要量は1日50gとされています。この量はタンパク質を意識したメニューであれば1日3食に分けて簡単に摂取できますが、たとえば極端にダイエットをしていたり、菜食中心の食生活だったりする場合、十分にこの量を摂るのは難しいです。
タンパク質は肉や魚介類、卵、大豆・大豆製品、乳・乳製品に多く含まれているため、これらの食品を意識して摂取すると良いでしょう。
ヨウ素
ヨウ素は髪の成長に効果が期待できる栄養です。特にヨウ素は新陳代謝を活発化させたり、血液の循環を促進したり、タンパク質の代謝を促進したりといった作用があります。
タンパク質の代謝を促進させることで体内のアミノ酸がケラチンへ合成するのを助けるため、効率良くタンパク質を髪の成長に使えるといえるでしょう。
厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準(2020 年版)によるとヨウ素の1日の推奨平均必要量は18歳以上の男女ともに130㎍です。
ヨウ素は昆布やわかめといった海藻類に多く含まれるため、ヨウ素を摂取するには普段の食事に海藻類を加えると良いでしょう。
亜鉛
亜鉛は、アミノ酸を再結合しケラチンを生成するサポートをしたり、細胞の代謝に関わり育毛サイクルを整えたりして髪を早く伸ばす効果が期待できます。また、亜鉛にはAGAの発症原因となる5αリダクターゼの働きを阻害することも分かっています。
厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると亜鉛の1日の推奨摂取量は18歳以上の男性では11mgです。亜鉛を多く含む食材には、魚介類・肉類・藻類・野菜類・豆類があり、特に牡蠣は100gあたり14.5mgと豊富に亜鉛が含まれます。
ただし、亜鉛の過剰摂取は貧血、胃の不調、毛髪異常などのリスクにつながるため適正量の摂取に努めましょう。
ビタミン
ビタミン類には頭皮の環境を整える効果が期待できます。ビタミンの種類ごとの効果は、下記のとおりです。
- ビタミンA:新陳代謝を促進して髪の健康を維持する
- ビタミンB群:過剰な皮脂の分泌を抑制する。また、新しい細胞の生まれ変わりをサポートする
- ビタミンC:コラーゲンの生成を助け、髪にハリとつやを与える
- ビタミンE:頭皮環境を整え、頭皮の老化を予防する
- ビタミンH:アミノ酸の代謝促進と頭皮の健康維持をサポートする
ここで紹介したビタミンのうち、ビタミンAとE以外は水溶性ビタミンといい、水に溶ける性質があります。尿に解けて体外に排出されるため過剰摂取になる可能性は極めて低いと考えられており、積極的に摂取して問題ないでしょう。
しかし、ビタミンAとEは脂溶性ビタミンといい、脂に溶ける性質があります。吸収されやすく尿中に排泄されない性質があるため、過剰摂取すると過剰症を引き起こす可能性があります。ビタミンEは過剰症の心配はないとされていますが、ビタミンAの過剰症では食欲不振・悪心・嘔吐・脱毛・発疹などが見られます。日本人の食事摂取基準によると、男性12歳以上のビタミンAの1日あたり摂取推奨量は800〜900μgであるため、この値を超えないように気をつけましょう。
髪の毛の成長に良い食べ物については、「わかめを食べると髪の毛が増える?髪の毛に必要な栄養素について紹介」を参照してください。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
髪の毛を早く伸ばすヘアケア
続いて、髪を早く伸ばすために役立つヘアケアについて解説します。
正しい洗髪方法を実践する
頭皮は髪の毛の生える土台なので、ヘアケアによって頭皮環境を良くすることで髪を早く伸ばすことにつながります。爪でごしごしとこすりながら行う洗髪では頭皮を傷つけてしまうため、指の腹で毛穴から汚れを押し出すような要領で洗うと良いでしょう。
また、シャンプーの前にお湯で予洗いすることもおすすめです。予洗いによって頭皮の汚れやほこりを落とすことができるので、シャンプーの量を減らし頭皮への刺激を減らすことができます。ただし、予洗いは熱いお湯で洗うと必要な皮脂まで流れてしまうため、38~40度程度の温度で行いましょう。
シャンプーをするタイミングは1日の終わりである夜が良いとされています。日中にたまった汚れをしっかりと洗い流してから就寝することで、スムーズなターンオーバーが期待できるためです。シャンプー終了後はタオルでしっかりと頭皮の水気を切り、髪は自然乾燥ではなくドライヤーで乾かすようにしましょう。
自分に合ったシャンプーや育毛剤を使用する
シャンプーや育毛剤はさまざまな種類が販売されています。自分の肌に合わないシャンプーを使い続けていると頭皮環境を悪化させ、薄毛や抜け毛を助長させてしまうため、シャンプーの種類を知り、自分にあったシャンプーを選ぶようにしましょう。
シャンプーには主にアルコール系、石鹸系、アミノ酸系の3種類があります。アルコール系シャンプーは髪の毛や頭皮の洗浄が目的なので、洗浄力が強く、人によっては必要な皮脂も洗い流すリスクがあります。石鹸系シャンプーは刺激が少なく天然由来のものが多いのですが、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。
アミノ酸系シャンプーは市販の頭皮改善シャンプーの多くを占めており、上記の2種類のシャンプーよりもさらに洗浄力は低いものの、頭皮への負担は少ないです。そのため、頭皮に負担をかけずに髪の毛を早く伸ばしたい方にはアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
ただし、皮脂の分泌量が多い方でさっぱりとした洗い心地を好むのであれば、アルコール系のシャンプーを使っても構いません。皮脂を落としつつ、頭皮への刺激を抑えたいのであれば石鹸系のシャンプーを選びましょう。
また、育毛剤についても刺激が強いと湿疹などの原因となり頭皮環境を悪化させるリスクがあります。育毛剤にもさまざまな種類がありますが、髪の毛を早く伸ばしたいという方は血行促進タイプを選ぶと良いでしょう。
頭皮マッサージをする
シャンプーと合わせて頭皮マッサージをすることも、髪の毛を早く伸ばす効果が期待できます。頭皮マッサージで血流を良くすれば、髪の毛を生成する毛母細胞に栄養が送られ、育毛に役立つことが期待されるためです。
頭皮マッサージのやり方は、5本の指先を頭皮をつかむように置き、頭皮を押した状態で、手で3回ほど円を描くようにして揉みほぐしてください。力加減は、痛みを感じない程度で行うと良いでしょう。
シャンプー時あるいはお風呂上り後に髪を乾かしてから育毛剤とあわせて頭皮マッサージをするなど、自分のやりやすい方法でヘアケアに頭皮マッサージも取り入れてみましょう。
頭皮マッサージについては、「頭皮マッサージを続けた結果、得られる効果とデメリットとは?」でも詳しく解説しています。
髪を早く伸ばす日常生活
日常生活を改善させることでも、髪を早く伸ばすことにつながります。髪を早く伸ばすために意識したい日常生活は次のとおりです。
質の高い睡眠をとる
睡眠は髪を早く伸ばすために必要不可欠といえます。睡眠中に分泌される成長ホルモンが細胞分裂を活発化させ、髪が早く伸びることにつながるためです。適切な睡眠時間には個人差がありますが、一般的には1日7時間程度の睡眠をとることが推奨されているので、7時間程度睡眠がとれるよう生活を見直すと良いでしょう。
また、髪の成長には睡眠時間だけでなく睡眠の質も大切といわれています。質の高い睡眠がとれるように睡眠環境を整えましょう。
睡眠の質を向上させるには、入浴によって体温を2度ほど上げると寝付きがよくなるとされています。就寝の2〜3時間前に、38度のぬるめのお湯で25〜30分、42度の熱めのお湯なら5分程度入浴するのがおすすめです。また、睡眠中の明かりも睡眠の質に影響するため、就寝中は電気を点けっぱなしにすることはせず、赤っぽい暖色系の蛍光灯を使用するか、消灯すると良いでしょう。
ほかにも、パソコンやスマホのブルーライトは睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌を抑制するため、睡眠の質を低下させてしまいます。寝る前にスマホやパソコンを操作するのは控えましょう。
ストレスをためない
ストレスも、髪の成長へ影響します。ストレスがたまると自律神経が乱れ、交感神経が優位な状況が続いてしまい血液循環が悪くなります。血液循環が悪くなると、髪の成長に必要な栄養素が毛母細胞に送れず、髪を早く伸ばすことが難しくなります。
また、ストレスによって皮脂の過剰な分泌が起こり頭皮環境の悪化を招く恐れもあったり、睡眠の質の悪化を引き起こしたりもします。
ストレスの解消方法は人それぞれですが、厚生労働省は体を動かしたり、気持ちを書いたり、腹式呼吸を繰り返したり、音楽を聴いたり歌を歌ったりするとストレスを解消できるとしています。自分に合った方法でストレスを解消しましょう。
参考:厚生労働省「こころとからだのセルフケア」
こまめに運動する
運動も髪の毛を早く伸ばすために役立ちます。運動をすると、血液の循環が良くなるためです。運動は、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。ただし、強度の高い運動を一気に行うと体が疲れて継続できなくなるリスクもあるため、無理のないペースで続けるようにしてください。
髪に負担をかけない
髪を早く伸ばすためには、髪に負担をかけないことも重要です。特に髪の負担となりやすいのが、頻回のカラーリングや極端に髪に負担をかけるスタイリングです。カラーリングやスタイリングで髪に負担をかければ、髪が弱くなってしまい、切れ毛が起こる可能性が高まります。
髪の毛が途中で切れてしまうと、髪を伸ばすのは難しくなってしまいます。頭皮や髪のケアをしながら、髪に負担をかけない生活を意識してみましょう。
禁煙する
喫煙習慣がある場合、禁煙に取り組むことをおすすめします。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり、血管収縮によって毛髪に栄養が行き渡らなくなり、成長が抑制されてしまいます。また、喫煙によって老化を促進する活性酸素が増加するため、毛母細胞の老化につながり、髪の生成力が落ちるといわれています。
髪を早く伸ばしたいなら禁煙することが理想ですが、難しい場合には本数を減らす節煙を心がけたり、禁煙外来を活用したりしましょう。
髪の毛が生えるメカニズム
髪の毛は、ヘアサイクルと呼ばれる過程を経て成長していきます。ヘアサイクルには、成長期、退行期、休止期の3つがあり、成長期の髪の毛が伸びていく髪の毛になります。ここでは、ヘアサイクルのそれぞれの段階について解説します。
成長期
成長期とは、毛母細胞が分裂・増殖して髪を成長させる時期のことです。毛母細胞ごとに髪の成長する期間は異なりますが、大体2~6年程度続くと考えられています。成長期の髪は全体の約85~90%とされています。
髪は1日0.3~0.4mm成長し、1年で約15cm伸びるとされています。髪を早く伸ばすには、この成長期のタイミングで髪をケアしていくことが大切です。
退行期
退行期とは毛包の下部の構造が次第に縮んでいく時期であり、2~3週間で休止期に移行します。この退行期には毛乳頭細胞が毛母細胞から離れるため、髪への栄養供給が弱まり、髪の成長が遅くなる時期です。髪全体の約1%を退行期が占めています。
休止期
次の成長期に備えて髪の毛の生成を休む時期です。休止期の髪の毛は洗髪などによって自然に抜け落ちます。休止期の髪が占める割合は全体の10~20%です。休止期は約3~4ヶ月続き、休止期が終わると、また成長期へと進んでいきます。
まとめ
髪の毛を早く伸ばすには、髪の毛が成長する環境を整えると良いでしょう。髪の毛を成長させる栄養を食べ物で摂取したり、ヘアケアで頭皮環境を整えたり、日常生活を見直し髪が成長しやすい体作りを行うのが大切です。紹介した対策方法で取り組めるものはぜひ取り組んでいただき、髪を早く伸ばせるように努めてください。