更新日:2026年06月22日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「ヘアスプレーを使うとはげる?」と気になる方もいるでしょう。ヘアスプレーの使用が、直接はげる原因となる可能性は低いとされています。しかし、過剰にスプレーしたり使用後に洗い過ぎたりすると頭皮環境の悪化を招き、薄毛につながる恐れもあるでしょう。本記事では、ヘアスプレーと薄毛の関係性や、使用中に気をつけたい脱毛症、正しい使い方を解説します。ヘアスプレーを使うのに不安を感じている方は、ぜひご覧ください。
ヘアスプレーは適切な使い方をしていれば、はげる直接的な原因となる可能性は低いとされています。なぜなら、ヘアスプレーの原料は水やエタノール、合成界面活性剤、香料、防腐剤などで、薄毛や抜け毛の直接の原因となる成分は含まれていないからです。
ただし、過剰に使用したり、頭皮に至近距離で噴射したりというように、間違ったヘアスプレーの使い方をしていると、頭皮環境の悪化を招く恐れがあります。その結果、薄毛や抜け毛につながる可能性がある点に注意しましょう。

ヘアスプレーは髪型を整えるのに役立ちますが、頭皮に傷や炎症がある場合は使用しないほうがよいでしょう。
ヘアスプレーの使用ではげる可能性は低いものの、薄毛につながることがある理由として以下の3点が挙げられます。
以下の項で、それぞれについて見ていきましょう。
多くのヘアスプレーに含まれている合成界面活性剤や香料、防腐剤が、頭髪や頭皮へ付着して肌荒れやかぶれを起こした場合、はげる要因となることがあります。
合成界面活性剤は、水と油のように混ざらない物質を混ぜ合わせる働きをもつ成分で、ヘアスプレーでは含まれている成分が分離しないように配合されています。一方で、種類によっては皮膚や毛髪に刺激となる場合があり、乾燥やバリア機能低下につながることがあります。
ヘアスプレーを使った後にスプレー液をきちんと洗い流せていれば、合成界面活性剤が頭皮へ刺激になる可能性は低いでしょう。しかし、洗い残しや洗い流さずに就寝することなどにより、合成界面活性剤が頭皮や頭髪についたままになると、油分が失われて頭皮が荒れたり、髪のたんぱく質が失われ毛が細くなったりして薄毛につながる恐れがあります。
また、香料はヘアスプレーの成分がもつ不快臭を和らげるために、防腐剤は商品に混入してきた微生物の増殖を抑制するために配合されます。香料や防腐剤は皮膚に付着するとアレルギー反応が起こる場合もあり、それにより頭皮がかぶれたり荒れたりすると頭皮環境が悪くなり、抜け毛につながることもあるため注意が必要です。
ヘアスプレーをしっかり落とそうとして、何度もシャンプーを繰り返したり、時間をかけて洗髪したりして髪を洗いすぎると、抜け毛や薄毛につながることがあります。しっかり落とすことは大切ですが、そのために過度に洗髪すると、頭皮に必要な皮脂まで除去してしまいます。
頭皮の皮脂が奪われると乾燥を招くため、乾燥を防ごうと頭皮の皮脂分泌が過剰になりかねません。その結果、毛穴が詰まりやすくなり、抜け毛や薄毛を引き起こす可能性があります。
ヘアスプレーでセットした髪は強く固められるため、そのような髪型を毎日、数ヶ月に渡って続けると、髪が長時間引っ張られ続けることになります。この状態では頭皮にも長い時間圧力がかかり、抜け毛につながることもあるでしょう。
髪が引っ張られ続けるなど、外部からの力がかかり続けることで起こる抜け毛を「牽引性(けんいんせい)脱毛症」と呼びます。特に、負荷のかかりやすい前髪の生え際で起こることが多いのが特徴です。
ヘアスプレーでのセット以外でも、カチューシャで一部の髪を引っ張ったり、後ろできつくしばる「ひっつめ髪」にしたりすることも、牽引性脱毛症の原因となることがあります。
ヘアスプレーの使用中に気をつけたい脱毛症には、以下の3つが挙げられます。
粃糠性脱毛症と脂漏性脱毛症は、ヘアスプレーを誤って使用することで頭皮環境が悪化した場合に起こる可能性のある脱毛症です。AGA(男性型脱毛症)はヘアスプレーが直接の原因となるわけではありませんが、頭皮環境が悪くなると症状の悪化につながるでしょう。
以下の項で、それぞれの脱毛症について説明します。
AGA(Androgenetic Alopecia)は、遺伝や男性ホルモンの影響による「男性型脱毛症」のことで、主に頭頂部や前頭部の薄毛を引き起こします。
AGAは遺伝に加え、男性ホルモンから生成されるDHT(ジヒドロテストステロン)が毛髪の成長を抑制することが主な原因です。一般的には、内服薬や外用薬の投与による治療を進めていきます。
ヘアスプレーの使用でAGAになることはありませんが、不適切な使用法によって頭皮環境が悪化すると、AGAによる薄毛に悪影響を及ぼす恐れがあるでしょう。
粃糠性脱毛症は、頭皮全体に白く細かいフケが大量発生し、髪のハリやコシが失われて抜け毛を招くのが特徴の脱毛症です。フケや頭皮の炎症を伴って抜け毛がみられる状態を指し、頭皮環境の乱れや脂漏性皮膚炎などが関与すると考えられています。 ヘアスプレーを大量に使ったり洗い残しがあったりすると、汚れが毛穴に付着しやすくなり、粃糠性脱毛症の発症リスクを高めるため注意が必要です。また、フケを気にするあまり、爪を立てたり力を入れたりして頭をゴシゴシ洗うのも逆効果となりやすいでしょう。
治療には、ステロイド剤や皮脂分泌を抑える外用薬、抗ヒスタミン剤などが用いられるのが一般的です。
脂漏性皮膚炎によって頭皮に炎症が起こり、一時的に抜け毛が増えることがあります。脂漏性皮膚炎は頭皮や顔、脇など皮脂の多い部位に生じるのが特徴で、特に紫外線や汗の影響を受ける夏場に悪化しやすくなります。
ヘアスプレーの汚れや洗い残しは脂漏性皮膚炎の原因になる一方、ヘアスプレーを落とそうと過度に洗髪すると、皮脂の過剰分泌を招き逆効果となることも。頭皮の洗いすぎに気をつけながら、頭皮を清潔に保つことが大切です。治療では、主にステロイド剤や抗真菌薬が投与されます。
ヘアスプレーやワックスなどの整髪料を使うことが、はげる原因になるわけではありません。しかし、使い方を間違えると薄毛や抜け毛を助長することも。この項では、薄毛や抜け毛につながりかねないヘアスプレーの使い方をみていきましょう。
髪の根元を立ち上げようと、ヘアスプレーを至近距離で頭皮に噴射するのは避けましょう。
合成界面活性剤や香料などのヘアスプレーの成分が頭皮に大量に付着すると、毛穴詰まりや炎症を引き起こす恐れがあります。
また、至近距離ではスプレー液が均一に付着せず、一部だけがべたついて固まってしまい、うまくセットができないことも。さらに、至近距離で使用すると頭皮に薬剤が集中して付着し、刺激となる可能性があります。
ヘアスタイルを長時間キープしたいからと、ヘアスプレーを過剰に使用するのは好ましくありません。1回の噴射を1~3秒程度にとどめ、少量ずつ重ねて使うようにすると、過剰使用になりにくいでしょう。必要以上に使いすぎると、成分が頭皮に直接付着して頭皮環境の悪化につながる可能性があります。
また、ヘアスプレーを過剰に使用したことで、しっかり落とそうと洗浄力の強すぎるシャンプーを選んだり、強い力で爪を立てて洗髪したりする方もいるでしょう。このような洗髪は頭皮の皮脂を取りすぎてしまい、頭皮が乾燥したり皮膚のバリア機能が低下したりして、薄毛の要因となることもあります。
そのため、ヘアスプレーは商品に記載されている目安量を守って使用することや、落とす際には優しく落とすことが大切です。
ヘアスプレーでスタイリングした後の髪に、強い力でブラッシングを行うのは禁物です。スプレーによって固定された毛髪を無理に動かそうとすると、髪の表面を保護しているキューティクルが剥がれ落ち、深刻なダメージを招く恐れがあります。
また、強引にブラシを通すことで髪に物理的な負荷がかかり、本来抜ける必要のない髪まで抜けてしまうことも。それだけでなく、髪に裂け目が生じて枝毛や切れ毛が発生しやすくなるため、セット後の髪は優しく扱うように心がけましょう。
ヘアスプレーは誤った使い方をすると薄毛の要因となる恐れもありますが、正しく使用すれば、ヘアスプレーが直接の原因となってはげることはないでしょう。ここでは、ヘアスプレーの適切な使い方について紹介します。
ヘアスプレーを使用する際は、頭皮から20cmほど離して噴射しましょう。商品に記載されている本来の使い方を再確認し、適切な使用方法を守ることが大切です。
髪から十分に離してスプレーすることで、薬剤が細かい霧状に広がり、一部に固まることなく髪全体へ均一に塗布できます。また、頭皮の薬剤が大量に付着することを防げるため、薄毛になりにくい健康な頭皮環境を守ることにもつながるでしょう。
ヘアスプレーを使用した日は、その日のうちにシャンプーで丁寧に洗い流す習慣を徹底しましょう。
ヘアスプレーを落とさないまま眠ってしまう行為は、健やかな頭皮環境を維持するうえで避けるべきといえます。就寝中に分泌される皮脂と頭皮に残ったヘアスプレーの成分が混ざり合うことで、頭皮の蒸れや皮脂汚れにつながり、頭皮環境が乱れる可能性があります。
さらに、固まった髪が枕と擦れることでキューティクルが深刻なダメージを受けたり、ヘアスプレーの汚れが寝具を汚したりする要因にもなるため、就寝前のシャンプーを忘れないようにしましょう。
ヘアスプレーを使用した日に髪を洗う際は、事前のブラッシングを控え、髪に負担をかけない方法で洗い流すことが重要です。無理に手ぐしを通したり、何度もシャンプーを繰り返したりすると、髪や頭皮を傷めてしまうため、注意しましょう。
まずはぬるま湯で髪を十分に濡らした後、シャンプーの前にコンディショナーやトリートメントを髪全体に揉み込みます。整髪料に含まれる成分は油分と馴染みやすいため、コンディショナーの油分がヘアスプレーで固まった部分を解きほぐし、ダメージを抑えながら汚れを浮き上がらせてくれます。
その後、地肌から毛先まで1分程度時間をかけて丁寧にお湯ですすぎ、成分をしっかりと洗い流しましょう。続くシャンプー工程では、泡立ちが悪いようであれば一度すすいでから再びシャンプーをつけて、地肌を中心に指の腹を使って優しく洗浄してください。最後に再度トリートメントで仕上げることで、整髪料によるゴワつきをリセットし、健やかな髪の状態を保てます。
ヘアスプレーが直接的にはげる要因となることはありませんが、誤った使い方をしていると薄毛・抜け毛を招く可能性があります。ヘアスプレーが頭皮に大量についたり洗い残しがあったりすると、はげる要因となる毛穴づまりや炎症などを起こしやすくなるため注意が必要です。
ヘアスプレーは頭皮から20cmほど離して、一度の噴射を1~3秒までにして使用するのがよいでしょう。また、ヘアスプレーを使用したらその日のうちに洗髪して洗い流すことも、頭皮環境の悪化を防ぐポイントです。
なお、薄毛・抜け毛の原因はAGAや皮膚疾患などさまざまであり、整髪料のみが原因とは限りません。薄毛が気になる場合は皮膚科や専門クリニックで相談しましょう。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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