レバクリ

更新日:2024年03月14日

飲酒すると薄毛になる?アルコールが髪に与える影響を解説

この記事のまとめ
  • 飲酒は薄毛の直接的な原因ではない
  • 過度なアルコール摂取はアミノ酸不足や血行不良を招き、薄毛を引き起こす恐れがある
  • 毎日飲酒する人は量や頻度を見直して薄毛になるリスクを減らそう
  • 飲酒習慣を見直しても薄毛が気になる人は、医師に相談することがおすすめ

「飲酒は薄毛の原因になる」と耳にしたことがある方はいませんか? 飲酒と薄毛に直接的な関係はありませんが、量や頻度によっては、飲酒が薄毛を引き起こす原因になる可能性があります。「お酒は飲みたいけれど薄毛になるリスクは減らしたい」という方は、アルコールが髪に与える影響を把握し、飲酒習慣を見直すことが大切です。 この記事では、飲酒と薄毛の関係や頭皮環境の悪化を防ぐための対策について解説します。

飲酒すると薄毛になる?

飲酒すると必ず薄毛になるわけではありません。また、飲酒がAGA発症の直接的な原因になることはないとされています。

AGAはAndrogenetic Alopeciaの略称で、日本語では男性型脱毛症と呼ばれる進行性の脱毛症の一種です。男性ホルモンや遺伝、生活習慣などが原因となって発症する病気で、薄毛や抜け毛の症状がある男性の多くがAGAを発症しているといわれています。

飲酒が薄毛やAGAを必ず引き起こすわけではありませんが、飲酒量が過度に多かったりアルコール分解能力が低い人(お酒に弱い人)が飲酒したりすると、アルコール摂取が薄毛の原因となり得ることがあります。

「お酒は飲みたいけれど薄毛にはなりたくない」という方は、飲酒と薄毛の関係を把握し、どのような行動をとるべきか考えましょう。

AGAについて詳しく知りたい方は、「AGAとは?抜け毛・薄毛が進行する男性型脱毛症について分かりやすく解説」も参考にしてみてください。

飲酒と薄毛の関係

過度な飲酒を続けると、頭皮環境が悪くなり薄毛・抜け毛を引き起こす恐れがあります。飲酒が薄毛の原因となり得るケースは、以下の4つです。

  1. アミノ酸が不足して髪の成長が妨げられる
  2. 睡眠の質が悪くなり成長ホルモンの分泌量が減る
  3. 血行不良により髪に栄養が届きにくくなる
  4. アセトアルデヒドが増加し男性ホルモンが増える

それぞれのケースを確認しましょう。

1.アミノ酸が不足して髪の成長が妨げられる

過度な飲酒によってアセトアルデヒドの分解のために多くのアミノ酸が使われると、髪の毛が栄養不足で成長しにくくなり、薄毛や抜け毛につながる可能性があるでしょう。

髪の毛の主な成分はケラチンというタンパク質で、18種類のアミノ酸で生成されています。

飲酒によって摂取したアルコールは、胃と小腸で吸収され、肝臓でアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは、頭痛や吐き気、眠気などの原因となる物質です。通常は脱水素酵素によって無害な酢酸に分解されますが、飲酒量が多く分解が追いつかなくなると、アミノ酸を消費します。

2.睡眠の質が悪くなり成長ホルモンの分泌量が減る

睡眠の質が低下して成長ホルモンの分泌量が減ると、髪の毛の成長に悪影響を与え、薄毛になるリスクを高める恐れがあります。

アルコールを分解するアセトアルデヒドは、睡眠の質を悪くするといわれています。睡眠中は髪の毛の成長に必要な成長ホルモンが多く分泌されますが、飲酒によって寝付けなかったり何度も目が覚めたりすると、成長ホルモンの分泌量が少なくなる恐れがあるでしょう。

3.血行不良により髪に栄養が届きにくくなる

飲酒によって糖質を摂り過ぎると、中性脂肪が増加して血液の流れが悪くなる恐れがあります。飲酒が糖質の摂り過ぎにつながるのは、ビールや果実酒、日本酒といったお酒自体に糖質が多いほか、スナック菓子や揚げ物などのおつまみにも糖質が多く含まれるためです。

血行不良になると頭皮に栄養が届きにくくなり、髪の毛が細くなったり、薄毛や抜け毛を引き起こしたりする可能性があるでしょう。

4.アセトアルデヒドが増加し男性ホルモンが増える

アルコールの摂取量が多く、アセトアルデヒドが分解されずに体内に残ってしまうと、ジヒドロテストステロン(DHT)が増加するといわれています。ジヒドロテストステロンは男性ホルモンの一種で、AGAやニキビの原因の一つです。 ジヒドロテストステロンは頭皮にある男性ホルモンレセプターという受容体と結合すると、抜け毛の原因となる脱毛因子を増やし、薄毛を引き起こすとされています。

ジヒドロテストステロンについて詳しく知りたい方は、「ジヒドロテストステロンとは?AGAとの関係性や抑制する方法を解説」も参考にしてみてください。

飲酒による薄毛を防ぐには

飲酒が必ずしも薄毛を引き起こすわけではありませんが、以下の3つを心掛けることで、アルコール摂取による薄毛のリスクを減らせると考えられます。

  1. 1日の飲酒量をコントロールする
  2. 休肝日を設ける
  3. 糖質の多いお酒やおつまみを避ける

それぞれについて確認しましょう。

1.1日の飲酒量をコントロールする

過度な飲酒は血行不良や睡眠の質の低下などを招き、髪の毛の成長に悪影響を与えます。お酒が好きな方が薄毛になるリスクを減らすためには、適量を守ることが大切です。

厚生労働省は1日あたりの「節度ある適度な飲酒」の量を純アルコールで約20gとしています(※)。お酒の種類別の純アルコール20gの目安量は、以下のとおりです。

  • ビール:中瓶1本(500ml)
  • 日本酒:1合(180ml)
  • ウイスキー:ダブル1杯(60ml)

そのほか、ワイン1杯(120ml)の純アルコール量は約12g、焼酎(35度)1合は約50gです。 女性やアルコール代謝能力の低い人、65歳以上の高齢者は、上記よりも少ない量にするのが適当とされています。

※参考:厚生労働省「アルコール|厚生労働省」(2023年6月8日アクセス)

2.休肝日を設ける

「薄毛になるのは嫌だけど、禁酒するのは無理…」という方は、まずは休肝日を作ることから始めてみましょう。 毎日飲酒している方は、休肝日の設定により肝臓の負担を減らすことができ、頭皮環境の悪化を防いで薄毛になるリスクを減らせます。

3.糖質の多いお酒やおつまみを避ける

お酒やおつまみで糖質を摂り過ぎると、中性脂肪が増えて血液の流れが悪くなります。血行不良になると頭皮に栄養が届かず、髪の毛が成長しにくくなる恐れがあるでしょう。

ビールや日本酒、ワイン、梅酒は糖質の多いお酒です。ご飯やパン、麺類、いも類、果物なども糖質が多いため、過剰摂取にならないよう注意してお酒やおつまみを選ぶと良いでしょう。

AGAの治療中に飲酒しても良い?

AGAの治療中に飲酒することは、適量であれば問題ないといわれています。AGAの治療薬はアルコールの影響を受けにくいとされていますが、お酒と薬を一緒に飲むのはやめましょう。

アルコールと薬は、どちらも肝臓で分解されます。同時摂取すると肝臓の負担が大きくなり、薬が体内に長く留まることで副作用につながる可能性があります。

服用するタイミングで特に注意すべきなのは、AGAの治療薬の一つであるミノキシジルです。ミノキシジルとアルコールのどちらも血管拡張作用があるため、同時摂取すると血管が広がり過ぎてしまい、血圧低下によるめまいや動悸を引き起こす恐れがあるでしょう。

AGAの治療薬とお酒を同時に飲まなかったとしても、過度な飲酒をするとアミノ酸不足や成長ホルモンの分泌量低下などを招き、治療に悪影響を及ぼすと考えられます。お酒が好きな方がAGAの治療を効果的に進めるためには、量や頻度、飲酒するタイミングに気を付けることが大切です。

まとめ

この記事では、飲酒と薄毛の関係やアルコール摂取による薄毛を防ぐための対策について解説しました。 飲酒すると必ず薄毛になるわけではありませんが、アルコールの摂取量が多いと髪の毛が成長しにくくなる恐れがあります。毎日飲酒している方は、お酒の量を減らしたり休肝日を作ったりすることで頭皮環境の悪化を防ぎましょう。

「飲酒や睡眠などの生活習慣を見直しても薄毛が気になる…」という場合、AGAを発症している可能性があります。AGAを放置すると薄毛・抜け毛が進行し、治療の負担が大きくなる恐れがあるため、状況を改善したい方は早めに医師に相談しましょう。