更新日:2026年07月31日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「生え際が後退してきた気がする」「つむじの地肌が前より目立つな…」と不安になっていませんか?一度気になり出すと、AGA(男性型脱毛症)の可能性を考える人もいるかもしれません。
しかし、髪が薄く見える原因はAGAだけではなく、頭皮環境の乱れやほかの脱毛症などの場合もあります。自分の今の状態がAGAなのか別の原因なのかを見極めるには、はげ方のパターンを知ることが大切です。

はげ方は、見た目の形から主にM字型・U字型・O字型の3つのパターンに分けられます。まずは自分のはげ方がどのタイプに近いかを知ることが、原因や対策を考える第一歩です。
ここでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
M字型は、左右のこめかみ部分の生え際が後退して中央の髪が残り、前から見てアルファベットのMのように見えるタイプです。M字型のはげ方は、30代以降だけでなく、10代~20代といった若い世代にも見られるタイプです。
M字型のはげ方は、男性ホルモンの影響によるAGA(男性型脱毛症)の初期症状で多く見られます。
U字型は、額から頭頂部にかけて生え際が後退し、上から見るとアルファベットのUのように見えるタイプです。M字型のはげが進行することで後退した部分が広がり、U字のはげ方になります。
U字型のはげ方は、40~50代に多い傾向がありますが、発症年齢には個人差があります。O字型のはげと併発すると、薄毛が頭部の広範囲におよびます。
U字型のはげもM字型のはげ方と同様に、改善を目指すなら早めに医師へ相談することが大切です。
O字型は、頭頂部の髪が薄くなることで、上から見るとアルファベットのOに見えるタイプです。つむじ周辺から進行するため、「てっぺんはげ」「つむじはげ」と呼ばれることもあります。日本人に多いタイプのはげ方で、40代~50代以降の中年層に多く見られます。
O字型のはげは自分で見つけにくいため、気づいたときには症状が進行していることも少なくありません。日ごろからつむじ周辺をチェックすることで、早めにO字型のはげに気づけるでしょう。
AGAによるはげは、前頭部の生え際や頭頂部から始まる傾向にあります。AGAは、髪が育ちにくくなった部分から徐々に範囲が広がるように進むのが特徴です。
前頭部や頭頂部からはげが始まりやすいのは、これらの部分の毛根が男性ホルモンの影響を受けやすいためです。薄毛を引き起こすDHT(ジヒドロテストステロン)を生成する酵素「5αリダクターゼ」のII型が、前頭部や頭頂部に多く分布していることが関係しています。一方、側頭部や後頭部はDHTの影響を受けにくいため、AGAが進行しても髪が残りやすい傾向にあります。
はげは、M字型やO字型として始まり、進行するとU字型へ広がっていくことがあります。進行すると、生え際の後退と頭頂部の薄毛が進行して最終的につながり、側頭部と後頭部だけが残る「U字型」へと広がっていくのが一般的です。
自分のはげが今どの段階にあるのかを客観的に把握することが、医療機関への相談など早めの対処につながります。
AGAの進行度合いの判定に用いられる指標に、「ハミルトン・ノーウッド分類」があります。主にAGAの進行度評価を目的として用いられ、はげ方・薄毛のパターンを7つの段階に分けて示しています。
日本では、世界基準である「ハミルトン・ノーウッド分類」に、日本人の薄毛パターンに合わせた「高島分類(II vertex型)」を組み合わせた基準が広く用いられています。
それぞれの段階のはげ方について、以下で見ていきましょう。
参考:National Library of Medicine 「Classification of Male-pattern Hair Loss」 参考:Alopecia Androgenetica —Its Incidence in Japanese and Associated Conditions
I型は生え際がやや後退している状態で、AGAの初期段階です。額の生え際がわずかに後退し始めているものの、外見上の変化が小さいため、本人や周囲が進行に気づかない場合もあります。
将来の髪を守るためには、わずかな兆候を見逃さず、早めの対策や相談を検討し始めるべき重要な時期といえるでしょう。
II型は、I型が進行して生え際がさらに後退し、見た目に変化が表れ始める状態です。ただし、はげの進行に気づかない人もいます。左右のこめかみの生え際が、M字型に後退し始めるのが特徴です。
前頭部の生え際全体が薄くなり始める、「II a型」に該当する場合もあります。II型の状態で、生え際が後退しつつ頭頂部の薄毛が進行し始めている「II vertex型」も、II型の1つのパターンです。II vertex型は日本人に多く見られます。
III型はII型からさらに進行し、生え際のM字部分が明確になる段階です。III型になると、髪全体のボリュームダウンも感じ始める方が多いでしょう。
特に、前頭部中央の薄毛が目立つ場合は、「III a型」と呼ばれることがあります。III型の状態で、頭頂部の薄毛が目立ち地肌が透けて見え始める「III vertex型」もあります。
IV型は、III型が進行して生え際がさらに後退し、頭頂部の髪も薄くなり始めている状態です。III型よりも地肌の露出が目立ち、全体的なボリュームの低下を実感するようになります。前頭部の中央が薄くなる「IV a型」など、薄毛の範囲が広がり始めるため、外見の変化が顕著になりやすいのが特徴です。
V型は、IV型が進行して生え際がより後退し、頭頂部の髪も減った状態です。前頭部から頭頂部にかけては頭皮が見え始めます。
人によっては、額の部分に髪が残っている場合もあります。生え際の後退が頭頂部の薄毛部分とつながり始める「V a型」に該当する場合も少なくありません。
VI型は、V型が進行して、前頭部から後頭部近くまで生え際が後退した状態です。生え際と頭頂部を隔てていた髪の境界が消失し、頭部の広範囲で地肌が露出します。側頭部や後頭部の髪も低い位置まで後退するのが特徴です。
VII型は、頭頂部から後頭部まで薄毛が進行し、頭部の広い範囲で地肌が見えている状態です。側頭部や後頭部には毛髪が残っているものの、毛量は少なくなっています。 後頭部を除いて、発毛もほとんどありません。

ハミルトン・ノーウッド分類は、AGAの進行度を客観的に把握する目安であり、実際にはどの型にもきれいに当てはまらない方もいます。早い段階ほど対処の選択肢が広がります。
男性のはげを引き起こす主な原因は、AGAです。AGAであっても、はげ方のパターンや薄毛の症状は人によってさまざまです。
AGAは、男性ホルモンのテストステロンが、毛根にある5αリダクターゼによってDHT(ジヒドロテストステロン)に変化することで起こる脱毛症です。DHTが頭皮のアンドロゲンレセプターと結合すると、本来なら数年かけて太く長く育つはずの髪が、育ちきる前に抜けてしまいます。
遺伝的な要素も、AGAが発症する要因の一つです。アンドロゲンレセプターの感受性には遺伝が関与するとされ、特に母方の家系の影響が指摘されることがあります。ただし、AGAは複数の遺伝子と環境要因が関与する多因子疾患であり、父母どちらの家系からも影響を受ける可能性があります。
AGAを改善するためには、早めに受診や治療の検討を始めることが大切です。しかし、AGAと気づかなければ対処するタイミングは遅れ、症状が進行します。
ここでは、AGAによるはげの兆候をつかむために、日ごろからできるチェック方法を紹介します。
AGAによるはげは前頭部から進行する傾向にあるため、生え際や前髪をチェックすることが大切です。手で髪をかき上げて、「生え際の後退はないか」「前髪の髪の毛が細くなっていないか」を鏡を見て確認しましょう。
前髪を手で触った感触も、重要な確認ポイントです。ボリュームが減っていると感じたら、AGAの兆候かもしれません。
頭頂部はAGAによってO字型のはげが進行する部分のため、チェックしましょう。自分では確認しにくいので、家族や友人など身近な人に見てもらったり、髪を切ってもらう際に見てもらったりするのがおすすめです。
人に見てもらうことに抵抗がある場合は、鏡を使ったり、スマートフォンのカメラで撮影したりすることで確認できます。「つむじが大きくなっている」「毛量が少なくなっている」場合は、O字型のはげが始まっているサインの可能性があります。
髪や頭皮を手で触り、髪の量・太さや地肌の感触を確認することも、AGAによるはげの兆候をつかむために有効な方法です。生え際や前髪のボリュームが減っていたり、髪が細くなっていたりする場合は、はげの兆候である可能性があります。
ブラッシングやスタイリングといった日ごろのケアも、はげているかどうかを確認する機会です。「毛量の少なさを感じる」「地肌に触れる感触がある」という場合は、はげが進行している可能性があります。スタイリングがうまく決まらない場合も、生え際の後退や毛量の減少が影響していることが考えられます。
抜け毛・フケ・べたつき・においなど、これまでになかった異変がないか確認することも大切です。髪を洗うときやブラッシング・スタイリングをする際に、抜け毛の量が増えていないかを確かめましょう。
一般的に、抜け毛は1日に50本から100本が正常といわれています。ただし、季節や体調によって一時的に増減することもあります。床に落ちる抜け毛のほか、枕についた抜け毛やシャンプーをしたときの抜け毛も気にかけ、明らかに多い場合は受診を検討しましょう。
AGAになると、ヘアサイクルの乱れにより頭皮環境が悪化する場合があります。皮脂の分泌が増えてべたつきを感じたり、不快なにおいがしたりすることも少なくありません。フケが増える場合もあるため、頭皮を指で触ってフケがつくかを確認することも大切です。日ごろから、髪や頭皮の状態を気にしておきましょう。
はげの原因は、AGAだけではありません。脂漏性皮膚炎による脱毛・円形脱毛症・牽引性脱毛症・休止期脱毛症など、AGA以外の脱毛症によってはげが起こることもあります。これらの脱毛症は、AGAとは原因や対処が異なります。
| 脱毛症の種類 | 主な特徴 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 脂漏性皮膚炎による脱毛 | フケ・かゆみ・頭皮のべたつきを伴いやすい | 皮脂の過剰な分泌による毛穴のつまりや炎症 |
| 円形脱毛症 | 円形・楕円形に毛が抜ける | 自己免疫の異常 ストレスや疲労が誘因となることもある |
| 牽引性脱毛症 | 分け目や引っ張られる部分が薄くなる | 同じ髪型などで頭皮が引っ張られる物理的な負担 |
| 休止期脱毛症 | 頭部全体で一時的に抜け毛が増える | 出産・手術・高熱・過度なダイエットなど |
医師に相談して原因を確かめたうえで、治療しましょう。
ここでは、はげ方について、よくある疑問をまとめました。以下で詳しく回答します。
はげ方のパターンは途中で変わることがありますか?
M字型やO字型として始まったはげが進行し、生え際と頭頂部の薄毛がつながってU字型に近づくことはあります。気になる変化があれば、早めに医師に確認しましょう。
帽子やヘアスタイルではげ方は悪化しますか?
帽子の着用そのものがAGAを進行させるとは考えにくいですが、髪を強く引っ張る髪型を続けると牽引性脱毛症につながることがあります。締めつけや蒸れには注意しましょう。
親のはげ方は遺伝しますか?
はげ方の形そのものが必ず遺伝するわけではありませんが、AGAのなりやすさには遺伝的な要素が関与するとされています。家族に薄毛の方がいる場合は、早めの対策が大切です。
AGAによるはげ方の主なパターンは、M字型・U字型・O字型の3種類です。AGAの進行度はハミルトン・ノーウッド分類で7段階に分けられ、はげの多くは前頭部や頭頂部から始まります。
ただし、AGA以外の原因ではげる場合もあり、脂漏性皮膚炎による脱毛・円形脱毛症・牽引性脱毛症・休止期脱毛症などが関わることもあります。AGAは進行性で自然に治ることは期待できないため、はげの兆候に気づき不安を感じたら、早めに医療機関へ相談することが大切です。
National Library of Medicine 「Classification of Male-pattern Hair Loss」
Alopecia Androgenetica —Its Incidence in Japanese and Associated Conditions
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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