更新日:2026年06月02日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「最近、髪が細くなった気がする」と不安を感じていませんか?髪は加齢やAGA・FPHLなどによって、細くなる場合があります。それぞれの原因に応じて対処することで、細くなった髪を改善できる可能性があります。
この記事では、髪が細くなる原因と適切な対策を解説します。食事やシャンプーなどセルフケアでは解決しない場合の根本的な治療方法も紹介するので、参考にしてください。
髪は、外側から「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の三層構造になっています。髪全体の約8〜9割を占める中間層のコルテックスは、太さを決定づける役割を担っており、コルテックスが豊富なら髪は太く、少なければ細く繊細になるのが特徴です。

コルテックスが減少して髪が細くなると、毛髪1本あたりの太さが細くなるため、本数が変わらなくても全体のボリュームが不足しているような印象を与えてしまいます。髪の内部から弾力や立ち上がりが失われることで、スタイリングの維持力も弱まる可能性があります。時間が経つと髪がすぐに寝てしまったり、へたってしまったりするなど、理想のヘアスタイルを維持しにくい状況に陥りやすくなります。
髪の太さは見た目の若々しさや、日常の扱いやすさにつながる要素といえるでしょう。

日本人の平均的な髪の毛の太さは、0.07〜0.08mm程度です。毛髪の分類について確立された定義はありませんが、一般的には太さが0.06mm以上の髪は硬毛、0.04mm未満の髪は軟毛といわれています。
髪が細くなる原因は、加齢だけでなく、日々の生活習慣や疾患が関係していることもあります。原因を特定することで、自分に合った対策が見えてくるでしょう。
髪の毛の太さは、加齢に伴う身体的な変化によって次第に細くなる傾向があります。特に女性の場合は、30代後半から40代にかけて女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少することで、髪のハリ・コシが低下したと実感しやすいでしょう。
男性も加齢の影響を同様に受けますが、男性特有の脱毛症であるAGAは思春期以降であればいつでも発症する可能性があります。そのため、20~30代といった比較的若い世代であっても、髪が細くなったという変化を自覚する場合があります。
このように、年齢を重ねることで起こる髪の変化には男女で異なる背景がありますが、いずれも身体の内部の変化が髪の質に反映された結果といえます。
極端な食事制限や偏った食生活を続けていると、体内の栄養が不足し、健康な髪が育ちにくくなる可能性があります。たとえば、過度なダイエットによる食事制限や、インスタント食品ばかりに頼った食習慣は、髪に必要な栄養素を不足させる原因となります。
髪の大部分はケラチンというタンパク質で構成されているため、健康な太さを維持するにはタンパク質を摂取する必要があります。タンパク質の合成を助ける亜鉛やビタミン類なども、髪の成長には不可欠な要素です。特定の食品だけを食べるのではなく、栄養素をバランス良く取り入れましょう。
頻繁に繰り返されるパーマやブリーチは、髪の表面を保護しているキューティクルに負担をかけ、剥がれやすくする要因となります。キューティクルが損傷して剥がれ落ちると、髪の内部にある成分が流出しやすくなり、髪が痩せて細くなったように感じることがあるでしょう。髪の強度が低下することで、切れ毛や枝毛が増えるといったトラブルも引き起こされます。
パーマやブリーチによるダメージを防ぐためには、施術の頻度を見直すことが重要です。薬剤を使用する間隔を十分に空けることで、過度な負担を軽減できます。日々のケアにおいては、トリートメントを積極的に活用し、失われた成分を補うのが効果的です。外側からの適切な保護と内側からの補修を組み合わせることで、髪のダメージを抑え、太さを維持しやすくなるでしょう。
AGA(男性型脱毛症)は、思春期以降の男性に見られる進行性の脱毛症です。男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の働きや、遺伝的な要因が関わっていると考えられています。これらの影響によってヘアサイクルが短縮され、十分に成長する前に髪が抜け落ちたり、一本いっぽんが細く弱々しくなったりすることで、徐々に薄毛が目立つようになるのが特徴です。
AGAの典型的な症状としては、主に前頭部の生え際や頭頂部から薄毛が進行していくことが挙げられます。放置してしまうと、髪のミニチュア化が進み、症状が徐々に進行していくため、早期の対応が重要です。
AGA治療はフィナステリド・デュタステリドといった内服薬の服用や、ミノキシジル外用薬の使用が一般的です。
自分がAGAかどうか気になる方は、下記のチェックリストに当てはまるか確認してみましょう。

ただし、チェックリストはあくまで目安なので、気になる症状がある方は医師に相談してください。
FAGA・FPHLは、頭頂部を中心に頭部全体の髪が薄くなっていくのが特徴の女性の脱毛症です。男性の脱毛症とは異なり、生え際が後退するよりも、髪が細くなることで全体のボリュームが失われ、地肌が透けて見えるような広範囲の薄毛として現れる傾向があります。

FAGA・FPHLが起こるメカニズムは、完全には解明されていません。かつてはFAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれるのが一般的でしたが、現在はより広義な病名として、FPHL(女性型脱毛症)という呼称を用いることが国際的にも主流となっています。
FPHLによる症状の改善を図るための治療法としては、ミノキシジル外用薬(1%)の使用が選択肢となります。
髪の細さが気になり始めたら、日常生活の中で頭皮と髪に良い環境を作ることが大切です。ここでは、髪が細くなったと感じるときの対策を解説します。
健康な髪の成長をサポートするためには、栄養バランスの整った食事を継続することが大切です。髪は摂取した栄養素から作られているため、偏った食生活は髪質に影響します。ダイエットを希望している場合であっても、極端な食事制限は避け、体と髪に必要な栄養を補給しましょう。
厚生労働省の「食事バランスガイド」によると、理想的な食事の構成としては、主食・主菜・副菜・牛乳や乳製品・果物をバランス良く取り入れることが推奨されています。毎日完璧な献立を用意するのが難しい場合は、市販の惣菜を賢く活用するのも一つのコツです。
たとえば、主食に加えてコンビニやスーパーの野菜サラダや煮物などの副菜を一品追加するだけでも、栄養の偏りを改善できます。無理なく続けられる範囲で、多様な食材を日々の生活に取り入れる工夫をしてみましょう。
参考:厚生労働省「『食事バランスガイド』について」
日々の睡眠不足を自覚している場合は、睡眠習慣の改善を図りましょう。成人において適正とされる睡眠時間には個人差がありますが、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」によると、6~8時間程度の睡眠を確保することが望ましいとされています。
睡眠不足が続くと、髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌量が減少してしまう恐れがあります。成長ホルモンは、IGF-1(インスリン様成長因子1)などの物質を介して、体内の組織の修復や再生に関与している重要な要素です。
慢性的な寝不足に陥ってしまうと、成長ホルモンが分泌されるリズムが乱れ、結果として髪を含む体のコンディションに悪影響を及ぼす可能性があります。まずは毎晩の睡眠時間を意識的に確保することから始めてみましょう。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
髪が細くなったと感じる際は、普段行っているシャンプーが頭皮や髪質に合っているか、あるいは間違った方法で洗っていないかを見直すことが大切です。誤った習慣は逆に髪の健康を損なう原因となります。

シャンプーの回数は、基本的に1日1回が適当です。清潔に保とうとするあまり、1日に何度も洗ってしまうと、頭皮に必要な皮脂まで過剰に洗い流してしまいます。皮脂が不足した頭皮は乾燥しやすく、外部からの刺激に弱くなって炎症を引き起こす可能性があるでしょう。
洗う際は、爪を立てて力任せに擦らないよう注意が必要です。強い摩擦は頭皮を傷つけ、髪の成長を妨げる要因になります。指の腹を使い、頭皮全体を優しくマッサージするように洗いましょう。
髪が細くなったり、ボリュームが減ったりしたと感じるときは、ヘアスタイルを工夫してカバーするのも一つの手です。視覚的な印象を変えることで、薄毛を効果的に目立たなくさせられます。
たとえば、分け目をいつも同じ場所にしていると髪の重みで根元が潰れ、地肌が目立ちやすくなります。定期的に分け目の位置をずらすだけでも、根元がふんわりと立ち上がり、自然なボリューム感が生まれるでしょう。
また、全体にレイヤーを入れて軽さを出したり、パーマで根元を立ち上げたりするのも効果的です。生え際や頭頂部の薄さが気になる場合は、その部分をカバーできるようなスタイリングについて、美容師に相談してみましょう。
髪が細くなり、セルフケアに限界を感じる場合は、クリニックを受診するのが効率的な解決策です。医学的な根拠に基づいたアプローチで、細くなった髪の改善を目指しましょう。
髪質の変化や薄毛の進行が気になるときは、一人で悩まずに医師に相談しましょう。髪が細くなったり、薄くなったりする背景には、ホルモンバランスや遺伝、あるいは特定の疾患など多種多様な要因があります。自分自身の判断で原因を特定するのは難しく、誤った対策をとってしまうリスクもあります。
医師による診断を受けることで、医学的な根拠に基づいた適切な治療方針を提案してもらえます。早期に相談すれば治療の選択肢も広がるため、少しでも違和感を覚えたら医療機関の受診を検討しましょう。
薄毛の悩みについて医師に相談したいものの、通院の時間確保や周囲の目が気になるという方には、オンライン診療がおすすめです。クリニックによっては、ビデオ通話を利用した診察を導入しており、自分の好きな場所にいながらリラックスした状態で医師のアドバイスを受けられます。移動時間や待ち時間を気にする必要がないため、忙しい方も生活リズムを崩さずに相談できるのがメリットです。
オンライン診療を活用すれば、スマートフォンやパソコン一つで診察から薬の処方まで完結させられ、心理的なハードルも低くなります。通院にかかる身体的な負担や交通費を抑えられるため、長期的なケアが必要な場合であっても無理なく続けやすいでしょう。
ただし、頭皮に強い赤みや痒みなどの炎症がある場合や、髪質や頭皮の状態を直接診てもらいたいときは、対面診療を選ぶことが大切です。
※現在レバクリでは、女性AGAの診療を行っておりません。
髪の細さや薄毛の改善方法についてよくある質問をまとめました。以下で詳しくお答えします。
シャンプーだけで髪を太くすることはできますか?
シャンプーの使用だけで、すでに細くなった髪は太くできません。シャンプーの役割は、髪や頭皮に付着した汚れや余分な皮脂、整髪料などを適切に洗い流して清潔な状態を保つことにあります。あくまで頭皮を清潔に整えるための手段であり、髪の太さそのものに直接的な変化をもたらす効果は期待できません。
ただし、健やかな髪が育つためには、清潔な頭皮環境が欠かせません。不適切な洗浄によって頭皮が荒れたり、毛穴が詰まったりすると、髪に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、自身の肌質や髪質に合ったシャンプーを選び正しい方法で洗髪することは、間接的に髪の健康につながるでしょう。
髪が細いと将来的に必ず薄毛になりますか?
髪が細いからといって、将来的に必ずしも薄毛になるとは限りません。髪の太さには個人差があり、生まれつき髪が細い性質の人もいれば、細くても髪の密度が十分に保たれている人も多く存在します。そのため、元々の髪質が細いこと自体が、将来の薄毛を決定づけるわけではないという点を正しく理解しておくことが大切です。
しかし、髪の太さが変化してきた場合は注意しましょう。成人男性で年齢を重ねるにつれて以前よりも髪が細くなったと感じたり、産毛のような弱々しい毛が増えたりした場合は、進行性の脱毛症であるAGAの可能性があります。
髪の太さは個人差が大きいため、過去の自分と比較して変化を捉えることが大切です。髪は三層構造で成り立っており、中間層のコルテックスの量によって太さが決まります。
髪が細くなる原因には、加齢や栄養不足のほか、AGA・FPHLといった進行性の脱毛症が関わっている場合があります。AGA・FPHLが原因でヘアサイクルが乱れると、一本一本が弱々しくなり、全体のボリューム低下を招くのが特徴です。
髪が細くならないようにする対策として、バランスの取れた食事や十分な睡眠、適切なシャンプーなどが挙げられます。セルフケアで改善が見られない場合は、医師に相談するのがおすすめです。個々の状態に合わせた適切な治療を受けることが、健やかな髪を取り戻す近道となります。
厚生労働省「『食事バランスガイド』について」
厚生労働省「睡眠対策」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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