更新日:2026年06月17日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
フィナステリドとミノキシジルを併用してAGAを治療したいと考える方もいるのではないでしょうか。フィナステリドとミノキシジルの併用は可能ですが、それぞれの効果や副作用を理解したうえで服用・使用することが大切です。 この記事では、フィナステリドとミノキシジルの効果や併用における注意点や費用相場を解説するので、医師に相談しながら治療方法を検討するための参考にしてみてください。
フィナステリドとミノキシジルはAGA(男性型脱毛症)の治療に用いられる薬剤です。フィナステリドは内服薬、ミノキシジルは外用薬と内服薬の2種類があります。ただし、ミノキシジル内服薬は2026年5月時点では日本国内で未承認の医薬品で、あくまで専門医の管理下で行われる適応外使用である点に注意が必要です。
AGAの発症には、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素の働きにより、DHT(ジヒドロテストステロン)に変換されることが関与しています。前頭部や頭頂部でDHTが男性ホルモン受容体と結合すると、ヘアサイクルを乱し、髪の成長期を短縮します。その結果、髪が細くなり、薄毛が進行するのです。

フィナステリドは、5αリダクターゼ2型という酵素を阻害する働きを持つ内服薬です。フィナステリドによってテストステロンがDHTへ変換されるのを抑制し、乱れたヘアサイクルが正常化することで、抜け毛が抑制されます。
なお、フィナステリドはAGA治療薬「プロペシア錠(先発医薬品)」の有効成分で、同じ成分を含むジェネリック医薬品は「フィナステリド錠」として処方されています。

ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発された薬剤ですが、副作用として多毛症が認められたことから、AGA治療に応用されるようになりました。
ミノキシジルの作用機序は完全には解明されていないものの、毛包周囲の血流改善によって毛根へ酸素や栄養の供給を促すとともに、毛母細胞を活性化させることで発毛を促進すると考えられています。また、ヘアサイクルの成長期を延長する作用もあると考えられており、髪が太く育ちやすくなることが期待できます。
なお、ミノキシジルの内服薬と外用薬の効果の差については、明確な結論が得られていません。
結論からお伝えすると、フィナステリドとミノキシジルの併用は可能です。フィナステリドによって薄毛の進行を抑制し、ミノキシジルで発毛を促進することで、異なるAGA治療のアプローチを行えます。
ただし、薄毛の進行度や体質などによって適切な治療法は異なります。自己判断で併用せず、医師の処方を受けることが大切です。
フィナステリドとミノキシジルには報告されている副作用があります。それぞれの副作用の例を以下にまとめました。
| 薬の種類 | 副作用 |
|---|---|
| フィナステリド | リビドー減退(性欲減退) 勃起機能不全、射精障害、精液量減少 |
| ミノキシジル内服薬 | 多毛症、眩暈、動悸 |
| ミノキシジル外用薬 | 適用部位そう痒感、適用部位発疹、頭部粧糠疹薬の種類 |
| フィナステリド | リビドー減退(性欲減退) 勃起機能不全、射精障害、精液量減少 |
| ミノキシジル内服薬 | 多毛症、眩暈、動悸 |
| ミノキシジル外用薬 | 適用部位そう痒感、適用部位発疹、頭部粧糠疹 |
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「5α-還元酵素II型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」 厚生労働省「再審査報告書」
ミノキシジル内服薬は、もともと高血圧治療薬として開発された薬剤であるため、血圧が低下して眩暈や動悸などが生じる場合があります。
なお、副作用はすべての人に発現するわけではありません。副作用の有無や症状の程度には個人差があることを念頭に置き、体調の変化を感じた場合は医療機関を受診しましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「フィナステリド」 厚生労働省「薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 資料」
合剤とは、複数の薬の成分を一つにまとめた医薬品のことです。フィナステリドとミノキシジルの合剤は海外で製造されている例はありますが、日本国内でAGA治療薬として承認されていません。合剤はそれぞれの成分の量が調整できないため、副作用が出た場合に「どちらかだけ減らす」という対応が難しいでしょう。海外の通販サイトで販売されていることがあるかもしれませんが、個人輸入などで自己判断で入手することは避けましょう。

AGA治療には複数の選択肢があり、人によって適切な治療法は異なります。使用する薬剤や治療内容は、医師の診断のもと相談しながら選ぶのがおすすめです。
フィナステリドとミノキシジルは、それぞれの用法・用量を守り、医師の指示にしたがって服用・使用することが大切です。自己判断で服用・使用方法を変更することは避けましょう。以下では、フィナステリドとミノキシジルの服用・使用方法や注意点を解説します。

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「5α-還元酵素II型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」によると、フィナステリドの服用方法は以下のとおりです。
フィナステリドの効果を実感できるまで、少なくとも6ヶ月間は服用を継続しましょう。自己判断で中断したり、服用量を増減させたりすると、血中濃度が安定せず期待する効果が得られなくなる可能性があります。
また、毎日決まった時間帯に服用することで薬の血中濃度が一定に保たれます。飲み忘れを防ぐために、生活リズムに合わせて「朝食後に必ず飲む」など服用するタイミングを固定することも有効な対策となります。
飲み忘れた場合はまとめて2回分を飲むのではなく、気づいた時点で1回分を服用しましょう。ただし、次の服用時間が迫っている場合は飲み忘れた分はスキップして、次回分を通常どおりに服用します。
なお、薬を服用する際は水かぬるま湯で、コップ1杯を目安としましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「フィナステリド」

ミノキシジル外用薬は頭皮に直接塗布します。使用方法の流れは以下のとおりです。
ミノキシジルを塗布する際、頭皮が濡れていると薬の成分が薄まる場合があります。よく乾かしてから塗布しましょう。
使用量や使用回数は、薬の用法・用量に従いましょう。定められた回数や量以上に増やしても、効果が上がるわけではありません。むしろ副作用のリスクを高めてしまいかねないため、注意しましょう。
ミノキシジル内服薬の使用方法の画像 ミノキシジル内服薬は医師の指示のもと、1日1回1錠を毎日決まった時間に服用します。
フィナステリドと同様、飲み忘れた場合はまとめて2回分を飲むのではなく、気づいた時点で1回分を服用してください。ただし、次の服用タイミングが迫っている場合は飲み忘れた分はスキップして、次回分を通常どおりに服用します。
なお、薬を服用する際は水かぬるま湯で、コップ1杯を目安としてください。
フィナステリドとミノキシジル内服薬はドラッグストアなどでは購入できず、「病院に行くのが面倒だから」「安いから」といった理由で個人輸入代行サイトなどの通販で購入を検討する方もいるかもしれません。しかし、個人輸入の医薬品は日本の法律に基づく安全性の確認がなされておらず、健康被害につながる恐れがあります。
医薬品の個人輸入は有効性や安全性が保証されず、健康被害のリスクがあります。厚生労働省の「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」によると、個人輸入には以下のようなリスクがあります。
フィナステリドやミノキシジル内服薬を入手する場合は安全性を考え、安易に個人輸入サイトによる通販は利用せず、医療機関を受診して医師の適切な説明を受けることが大切です。
参考:厚生労働省「医薬品・医療機器」
ここでは、フィナステリドとミノキシジルに関するよくある質問にFAQ方式で回答します。
ミノキシジルをやめてフィナステリドだけにしたらどうなる?
ミノキシジルの使用をやめてフィナステリドのみにした場合、ミノキシジルによる発毛効果が失われ、髪の毛が増えたという実感を得づらくなる恐れがあります。どちらの治療薬も、継続して使い続けることで効果を発揮します。
発毛を促すミノキシジルを途中でやめてしまうと、これまで得られていた効果が途切れてしまいます。一方で、抜け毛を防ぐフィナステリドの服用を継続していれば、現在の頭髪の状態を維持したり、AGA(男性型脱毛症)の進行を通常よりも緩やかにしたりすることは期待できます。
自己判断で薬を減らすと望む結果を得にくくなるため、治療方針は医師に相談しながら決めましょう。
ミノキシジルとフィナステリドを併用する場合、費用はどれくらいになる?
ミノキシジルとフィナステリドを併用する場合の費用目安は、1ヶ月あたり8千円から1万5千円ほどです。ただし、AGA治療は健康保険が適用されない自由診療となるため、受診するクリニックによって価格設定が変わってきます。
具体的な内訳をみると、フィナステリドのみであれば月に3千円から5千円程度が相場です。そこにミノキシジルを追加する場合、内服薬なら月に5千円から1万円が加わります。また、外用薬(塗り薬)は濃度によって価格が異なり、1%や5%なら1本5千円から1万円が目安です。また、国内未承認である10%から15%の高濃度のミノキシジル外用薬は1本1万円から2万円が目安となります。
治療を長く続けるためにも、あらかじめ費用の相場を把握し、無理のない範囲で始められるクリニックを選びましょう。
フィナステリドとミノキシジルの併用は可能ですが、医師の指示どおりに用法・用量を守って服用・使用することが大切です。薄毛の進行を抑制するフィナステリドと、血流改善によって発毛を促進するミノキシジルを併用することで、AGAの治療において現状を維持しながら新しい毛髪を育てるといった異なるアプローチができるでしょう。
ただし、ミノキシジル内服薬は国内未承認である点や、副作用のリスクがあることを正しく理解しておく必要があります。フィナステリドとミノキシジル内服薬を服用したい場合は、必ず医師の処方を受けることが大切です。個人輸入による入手は有効性・安全性が保証されず健康被害のリスクもあるためやめましょう。通院を負担に感じる方は、オンライン診療で処方を受けることを検討してみてください。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「5α-還元酵素II型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
厚生労働省「再審査報告書」
厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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